ギター バックナンバー

opening('09年2月号)

opening

言葉ではなく、心で感じるものがここにある


 2007年1月25日に、新宿ロフトでの初ライブで幕を開けたピアノエモ・インストゥルメンタルバンドopeningから、待望の1st.アルバム『黙』がリリースされる。ピアノが核となる彼らのサウンドは、激情と寂寞が共鳴し、聴く者の聴覚だけでなく視覚までも刺激する。言葉は無くても、伝えたいことがしっかりと伝わってくるこの作品は、日本人独特の繊細な旋律に和のテイストを随所に散りばめ、日本だけでなく海外でも受け入れられる可能性を持つ。言葉ではなく、心で通じ合える瞬間を感じることができるだろう。
 今回は多くの人の心を揺さぶるであろう楽曲に至るまでの経緯も含め、openingがどんなバンドなのかをまず知ってもらいたい。(interview:やまだともこ)

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リスペクト! ショーケン!!('09年2月号)

リスペクト! ショーケン!!

今も色褪せることなく数多くの人間を惹きつけるヒーロー、“ショーケン”こと萩原健一!
ショーケンが最もギラギラしていた70年代に出演した映画&TVドラマのサウンドトラックが一挙初CD化!


text:馬場敏裕(タワーレコード渋谷店 サウンドトラック担当)

 「どうしてこの邦画サントラが簡単に聴けないんだ! 名盤だろ、名盤!」という日本のサントラに焦点を当てて取り組む(僕の勝手な解釈ですが)〈富士キネマ〉は、まず“廃盤になっているのが不思議でたまらない”『マルサの女』を世に復活させた。これで、急に「“マルサ”が聴きたい!」と思っても困ることはなくなった。その〈富士キネマ〉が、次に一大プロジェクト的に敢行し、一気に3タイトルも出すのが、萩原健一主演3作品のサントラだ。僕は、常日頃から思っていた。ユーサクのサントラはほぼ完璧の如く出ているのに、ショーケンのサントラはどうしてほとんどCD化されていないんだ!? と。その小さな叫びと共鳴するかのように現れた企画が今回の3枚だ。
 知っている人は知っているが、今、海外は、60年代・70年代のサントラのCD化がもの凄いラッシュだ。ほとんどブームと言ってもいい。僕は東海道新幹線と同じ年齢だが、そんな年代が多感な時期を何で暮らしたかと言うと、その多くが“映画音楽”“フュージョン”“イージーリスニング”なのだ。そしてその波はその後、さまざまに昇華されて行くが、名曲を湯水のように送り出していた最後の時代が70年代後半〜80年代初頭ぐらいなのではないかと思っている。現に、商店街のBGMなどでうっすらと聴こえるナンバーのほとんどがその年代であり、90年代以降のメロディであることはほとんどあり得ない。そして、僕自身がそのリアルタイムであるため、その後の人間が70年代の音をどういう感覚で受け止めているのか、客観的に受けることができない。“いいものはいつ聴いてもいい”というのはウソだ。昔いいと思わなかった曲が今美しく聴こえ、少年期にすげぇと思った曲がそうでもない失望を味わったことはたくさんあるだろう。が、確証がある。それは、まだ誰も知らないだろうと思っていたサントラを僕が推しまくった時には、共感者(初めて聴く人も含む)が多い時は最低でも数百人はいたという感動だ。ゴキブリは一匹見つけると、30匹はいるという。自分と同じ顔を持つ人は30人いるという。一人、大ファンがいるということは、必ずファンが多数いるのだという確証。これだけが、僕を勇気づける。ショーケン・サントラ、つまりは井上堯之、大野克夫といった元スパイダースのサウンド・クリエイターが紡いだ楽曲たちだ。そして、そのいずれもがショーケンの作品だから…といった思い入れから恐らく作られている。しかし、時代を築いた人間たちの作った音だからという意味合い以外の、音として格好いい、その単純な理由も大きくそこには横たわっているのだ。

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THE COLTS('09年2月号)

THE COLTS

ウェルカム・バック、コルツ!
干支一周分の活動を網羅したメジャー&インディー・ベストを引っ提げ、あの至高のエンターテイメント楽団がシーンの最前線へ帰ってきた!


 昭和83年(2008年)4月13日に日比谷野外音楽堂で行なわれたライヴをもってザ・マックショウがひとまずの活動休止をしたことを受け、その母体であるザ・コルツが遂に動き出す。まずはそのウォーミング・アップとして、“HATS IN WONDERLAND”、“IN HATFUL HELL”というサブ・タイトルがそれぞれ冠されたメジャー時代(1997〜1999年)とインディー時代(2000〜2008年)のベスト・アルバム2枚を緊急リリース、その発売記念ライヴを今月8日に代官山ユニットにて行なう(チケットはソールド・アウト)。スカ、ブルース、カントリー、ロカビリー、ディキシーランド・ジャズといったありとあらゆるルーツ・ミュージックを我流に咀嚼して怒濤のパーティー・ミュージックを奏でる至高のエンターテイメント楽団として名を馳せてから早十数年、「やりゃあできんじゃん!」という頑ななDIY精神と音楽に対する深い愛情の念という彼らが一貫して体現してきたものが今なお不変であることは、岩川浩二がベスト・アルバムについて語り倒したこのインタビューを読んでもらえればよく判るはずだ。まるで時代と逆行するようなオールディーズ・バット・ゴールディーズな音楽的嗜好やアナログ・メディアに対する深いこだわりにアナクロニズムの極致を見るかもしれないが、岩川は決して最新の音楽やコミュニケーション・メディアの動向への目配せを怠っているわけではない。むしろそうしたトレンドにはかなり敏感であり、それを見極める彼の慧眼には常に確たる根拠がある。その拠り所とは、コミュニケーション密度の高い手作りの表現こそが素晴らしいという揺るぎない確信である。彼は安直にテクノロジーの力を借りた味気のない音楽に唾を吐き、過剰な情熱と温もりを注ぎ込んだ音楽作りにひたすら邁進する。だからこそコルツやマックショウの音楽は薄っぺらい音楽に辟易した我々の琴線に触れまくる。だからこそロックンロールに淫してきた我が身の来し方を正当化できる。だからこそこうしてまたコルツの音楽を享受できる幸運に僕は心から感謝したいのである。(interview:椎名宗之)

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ロザンナ('09年2月号)

ロザンナ

不器用な男の純真を唄う疾風怒濤の3ピース・バンド、
新たなる地平への旅立ちに向けて“レッツゴー・カウントダウン”!


 高円寺を拠点に精力的にライヴ活動を重ね、武骨な男の純朴な心を唄った直情的な歌と燃え滾るようなパフォーマンスで絶大な支持を得ている3ピース・バンド、ロザンナ。前身バンドを経ての再始動から5年、『レッツゴー・カウントダウン』と題された初のフル・アルバムを満を持して発表する彼らは、このアルバム発売のカウントダウンを高らかに告げるべく、すでに昨年9月から高円寺club mission'sにおいて『レッツゴー・カウントダウン・スペシャル』なる自主企画を月一のペースで開催している。“5”“4”“3”“2”“1”と順を追って減っていったサブタイトルのカウントも、今月行なわれる同イヴェントのシェルター公演で遂に“0”だ。この“0”が意味するところは、今回発表されるアルバムが彼らにとってこれまでの集大成的内容でありながら新たな方向性を提示していること、つまりここからまた新たなスタートを切るということである。“0”の仏教上の理念は“空”に集約されると言うが、“空”の先には“宇宙”がある。図らずも収録曲の『カウントダウン』は地球を抜け出して宇宙へと逃避行するラヴ・ソングだが、まるで宇宙を駆け抜ける煌星のような輝きを放つロック・チューンの数々にまずは身を委ねて欲しい。気が付けばブラックホールに呑み込まれるが如く、中毒性の高い彼らの音楽に引き摺り込まれているはずだから。(interview:椎名宗之)

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十夜(from:しゃるろっと)('09年2月号)

※ここはイケメン以外掲載しないコーナーです。 バナー

十夜が語るしゃるろっとの魅力


 今回ジュリエットがお招きしたのは、2001年に結成されたヴィジュアル系バンド“しゃるろっと”のギター:十夜くん。しゃるろっとは、青春時代をモチーフにした歌詞が多いのが特徴で、ポップスから切ないバラードまで幅広いジャンルで楽しませてくれるバンド。
 今回初めてお会いした十夜くんは、おとなしいイメージがありましたが、とにかくノンストップで喋る方です。特に歴史の話がお好きのようです。『三国志』の話をきっかけに話しかけると一番喜ぶと思います(プチ情報です/笑)。身長もスラリと高く、小さなお顔、雰囲気はとても気さくで面白い方でした。最後のあいうえお作文までじっくりお読みください★

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DISK RECOMMEND ('09年2月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
レビューページの画像をクリックすると、Amazonのページにリンクします。

★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

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『Melodizm』リリース記念! スペシャル対談!!('09年2月号)

松川ケイスケ(LACCO TOWER / Vo.)× 塩崎啓示(LACCO TOWER / Ba)× 長屋秀洋(Fee / Vo.Gt)× 品川俊幸(Fee / Gt)


『Melodizm』リリース記念! スペシャル対談!!

写真L→R:品川俊幸 / 長屋秀洋 / 松川ケイスケ / 塩崎啓示


全11バンドの熱意が込められた最強のコンピレーションアルバム『Melodizm』リリース!!


 「GOOD MELODY」+「DYNAMISM」=「Melodizm」をコンセプトに、グッド・メロディーを生み出すことにアイデンティティの全てを捧げ、オーディエンスを惹きつける躍動感のあるライブを展開しているバンドを集めたコンピレーション・アルバム『Melodizm』がリリース!! いわゆる歌モノやメロコア、ギターポップ、パワーポップなどの既存のシーンには属さず、独自の音楽となる“Melodizm Rock”を発信するバンド。
 全11バンドが新録で臨んだというこのアルバムは、全員が1曲目狙いのガチンコ対決とも言える曲が揃い、それぞれのバンドに勝負を挑んでいるかのようにも感じられる。それでいて、良いところは認め合える関係が成り立つのは、バンドの方向性が近いからこそ一緒にシーンを盛り上げたいという気持ちの表れなのだろう。
 今回は『Melodizm』に参加しているLACCO TOWERから松川ケイスケ(Vo.)と 塩崎啓示(Ba)、Feeから長屋秀洋(Vo.Gt)と品川俊幸(Gt)、そして主催者の方々からお話を伺った。この1枚に対する情熱は充分すぎるほどで、一度ライブを見てみたい、人に会ってみたいと思えるコンピレーションアルバムになっていると思う。(interview:やまだともこ)

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ギター バックナンバー

Rooftop1月号のラインナップ





exclusive interview

MASS OF THE FERMENTING DREGS
ワールドイズユアーズ!
初期衝動を詰め込んだこのスピードの先へ!
Discharming man
至高の“櫂”を手にした泥船が帆を揚げるとき
メレンゲ / PULLING TEETH / LOUDS / 並木猫軍団のENJOY CAT LIFE!! / a flood of circle / 仲野 茂×川口 潤:映画『アナーキー』公開記念特別対談 / ストリート・キングダム〜東京ロッカーズと80'sインディーズ・シーン〜 / LIZARD / 園 子温:映画『愛のむきだし』


雑文爆裂都市 〜COLUMN THE BURST CITY

◎吉田 肇(panicsmile)『中央線高架下における悪あがき的音楽生活』
◎植木遊人+星野概念+横山マサアキ+町田直隆『遊星横町』
◎第100回 カタル(ニューロティカ)『今夜はトゥナイト』
◎第3世代的コラム『スリーアウトでもチェンジしないぜ!!!』
◎谷口 健 (BEYONDS)『砂の上のダンス』
◎bloodthirsty butchers『裏のスジの突き当り』
◎月刊 怒髪天:坂詰克彦『ZUMEXの口』
◎おじさんの眼 世界放浪篇〜大海原をゆく:世界一周103日間の船旅に挑戦〜


REGULARS

☆DISK RECOMMEND
☆ジュリエットやまだの『あ・き・す・と・ぜ・ね・こ』

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MASS OF THE FERMENTING DREGS('09年1月号)

MASS OF THE FERMENTING DREGS

初期衝動を詰め込んだこのスピードの先へ!


2008年1月の1st.アルバムの発表以来、シュアな耳を持つロック・ファンの間で強烈な注目を集めてきたMASS OF THE FERMENTING DREGS(マス・オブ・ザ・ファーメンティング・ドレッグス)が、新作『ワールドイズユアーズ』をリリース。中尾憲太郎(ex.NUMBER GIRL、SLOTH LOVE CHUNKS、SPIRAL CHORD)を共同プロデューサーに迎えた本作で彼女たちは、剥き出しのダイナミズムはしっかりとキープしつつも、イノセントなポップネスを向上させることで、自らのセンス、ポテンシャルを大きく広げてみせた。激烈にノイジーでありながら、時にキラキラとした光を放つギター・サウンド、そして、ヒリヒリとした痛み、葛藤を気持ちよく解放してくれるメロディ・ライン。マスドレの音楽は今年、さらに強い支持を得ることになるだろう。(interview:森 朋之)

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Discharming man('09年1月号)

Discharming man

至高の“櫂”を手にした泥船が帆を揚げるとき


「見ていて下さい。この解散が“こういうことだったのか”ときっと理解できる音源をいつか必ず作りますから」
キウイロールの解散が公表された2004年の秋、故郷・札幌に帰る直前の蛯名啓太に新宿ロフトのバー・ラウンジでそう言われたことがある。また、その翌年の春に始動させたディスチャーミング・マンが初のデモCD-Rをリリースした際には、「このユニットが形になるまで、少なくともあと3年は掛かると思う」という言葉も彼から聞いた。
そんな予言めいた言葉から3年ちょっと。その言葉通り、蛯名は遂に有言実行を果たした。彼の言う「“こういうことだったのか”ときっと理解できる音源」、それこそが2009年の幕開けに発表される『dis is the oar of me』という洒落の利いたタイトルが付けられたディスチャーミング・マンのニュー・アルバムなのである。
バンド形態にとらわれないプロジェクトとしてディスチャーミング・マンを始めた頃、蛯名は自分だけの小さな船をどうにか造り出したに過ぎなかった。オールもまだ調達できていない状態だったが、それでも彼はおぼつかない手漕ぎのままで自身の歌を紡ぎ、それを伝えていく航海へと旅立ったのだ。活動の枠を制限せずに挑んだ航海ゆえに時間も掛かったし、何度も進むべき航路を誤り、気まぐれな雷雨に航海を阻まれる受難もあった。だが、やがて暗雲は去り行き、天は彼に味方した。心から信頼できる仲間たちがボロボロの小さな船を一緒に漕ぐことになったのだ。まるでセイレーンの歌声に引き寄せられるように集いしその顔触れは、玉木道浩(key)、神代大輔(g)、江河達矢(b)、野川顕史(ds)、そしてブラッドサースティ・ブッチャーズの吉村秀樹(g)。現時点で考え得る最も理想的な布陣と環境を手中に収め、機は熟した。高らかに帆を揚げ、大海原を駆ける時が来たのである。
『dis is the oar of me』という作品には、32年間に及ぶ蛯名啓太の航海の軌跡が凝縮されている。この荒れ狂う大海を、君は君自身のオールで漕いでいるだろうか? 破れかぶれのままで出帆する覚悟を君は持っているか? そして、君の航海は今、どの辺りだろうか? 無垢な美しさを湛えた彼の歌声は、僕らにそんなことを問い掛けているようにも思えるのだ。(インタビュー・文:椎名宗之)

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メレンゲ('09年1月号)

メレンゲ

青い時代の淡い記憶を辿る12個のショートストーリー


1st.アルバム『星の出来事』がリリースされたのが2006年4月。11月にはシングル『underworld』をリリース後、ライブ活動を休止していたメレンゲが先行シングルとなる『スターフルーツ』で再始動した! そして、1月14日には2nd.フル・アルバム『シンメトリー』をリリースさせる。NTTドコモ東海CMソングに起用された『匂い玉』や、「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディング・テーマ『スターフルーツ』、超人気の演劇集団キャラメルボックス2008クリスマスツアー「君の心臓の鼓動が聞こえる場所」のエンディング・テーマになった『ルリア』、新垣結衣に楽曲提供した『heavenly days』のセルフカバーなど、話題曲が盛りだくさんの今作。
2年間という時期を経てリリースされた『シンメトリー』はかなりポップな作品になっていることに気づく。また、作詞作曲を手がけるクボは伝えたいという気持ちが強くなり、聴き手のことを考えて制作に取り組んだ。ここに辿り着くまでの2年間は、メレンゲにとっては音楽とより正面から向き合うことのできた時間でもあり、確かにリリースのなかった2年は長い時間のように思うが、今後の彼らはもっともっと精力的に活動をしていくに違いない。今回は、Rooftop久々の登場でもあり、3人揃ってのインタビュー。彼らと話していた時間はとてもほのぼのして、ゆっくりと時間が流れていくようでもあった。(interview:やまだともこ)

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PULLING TEETH('09年1月号)

PULLING TEETH

ジャパニーズ・ヘヴィネス・スラッピング・メタルの雄、心機一転抜歯開始!
3年振りのフル・アルバム『THRASH CATS CRISIS』の尋常ならざる充実振りを聴け!


新宿ロフトにて自主企画『抜歯十番勝負』を鋭意敢行中のPULLING TEETHが、実に3年振りとなるフル・アルバム『THRASH CATS CRISIS』を完成させた。デンジャー・クルー・レコーズへの移籍第1弾となる本作は、前作にも増してギター、ダブル・ベース、ドラムの三位一体が強固となり、楽曲の持つ狂瀾怒濤の疾駆感も殺傷能力も三割増、初期の音源を想起させるハードコア色の比重がグッと高まった感もある大変な充実作である(全12曲収録にしてトータル・タイム25分弱という潔さもまた素晴らしい!)。前作のレーベル元から見放され、危機に瀕したスラッシュ・キャッツは自分たちに足りないものは何なのか、自分たちにしかできないことは何なのかを懸命に模索し、異種交流戦を主眼に置いた『抜歯十番勝負』という未曾有の荒行に挑み、今なお自問自答を繰り返している。本作は、その戦場の最前線から届けられた実り豊かな経過報告であり、一聴すれば彼らが極めて高いポテンシャル・エネルギーを有する共同体であることを改めて思い知るはずだ。どれだけ控えめに言ってもバンド屈指の傑作である本作を繰り返し聴きながら、来たるべき2月のロフト・ワンマンを心して待とう。(interview:椎名宗之)

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LOUDS('09年1月号)

LOUDS

凡百のパンクもどきからパンク・ロックを即時解放せよ!
西村茂樹 率いる“永遠の初期衝動”を携えた四十代の暴走バンドが闘争の火蓋を切る!


2007年、“真のパンクの復権”を提唱する西村茂樹(vo, g:ex.THE LOODS, ex.THE GROOVERS)の呼び掛けに応じて集結した百戦錬磨の猛者たち──伊藤秀孝(g, cho:MeTALpiLL, ex.GYMNOPEDIA)、ヤマジカズヒデ(g:dip)、サワサキヨシヒロ(b:a.k.a. DOCTOR YS)、須藤俊明(ds:ex.MELT-BANANA)。彼らは“LOUDS”を名乗り、同年12月に行なわれた初ライヴを皮切りに“永遠の初期衝動”“大人による大人げない本気のパンク”を実践すべくライヴ活動に邁進。亀戸ハードコアを根城に『パンク塾』と題された自主企画を開催し、レベル・ミュージックたり得るパンク・ロックをオーディエンスとその向こう側にある欺瞞に充ち満ちた世界に叩き付けている。そんな彼らが、ライヴ・レコーディングによるファースト・アルバム『PUNK ROCK LIBERATION』の発表と共に本格的に闘争の火蓋を切る。本誌はパンク・ロック解放戦線のアジトである亀戸ハードコアに乗り込み、『パンク塾 三限目』の本番を直前に控えた5人を直撃した。各々のキャリアと矜持を懸けたパンクの解放闘争、その始まりのゴングが今高らかに鳴り響こうとしている──。(interview:椎名宗之)

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並木猫軍団のENJOY CAT LIFE!!('09年1月号)

並木猫軍団のENJOY CAT LIFE!!

あのnamijinさんが、写真集を出す?! しかも、猫の?
ENJOY PUNK ROCKでお馴染み、ヘッドロックオーガナイザー/PUNK ROCK DJとして活躍中のDJ-namijin (NUMBER.42)が、満を持して並木猫軍団の写真集を発売! しかもDVD付き! 並木家で暮らすサバトラのゲンキをリーダーとした並木猫軍団は、ブログ“並人日記〜たまに猫日記〜”でも幾度となく登場し、愛らしい姿に心奪われている人も少なくないはず。
今回は、猫のために建て替えをしたという並木邸にお邪魔し、ゲンキくんたちのお父さん的存在でもあるnamijinさんにインタビューを敢行!インタビュー中、namijinさんの膝の上に座り、たまに相づちを打つように鳴く、この写真集の主役を務めたゲンキ。その場で見せる様々な表情と動きに癒されまくってきました。みなさんも、この1冊に詰め込まれた並木猫軍団の表情に癒されてください。(interview:やまだともこ)

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a flood of circle('09年1月号)

a flood of circle

ロックの未来を担う至宝の原石、
新宿ロフトにて初のワンマン・ライヴを敢行!


昨年5月に発表した『泥水のメロディー』で普遍的なポピュラリティと不変的なブルースの理想的な融合を具現化したア・フラッド・オブ・サークルが10月から3ヶ月連続で発表し続けたライヴ音源のタイトルは『Before the flood』というものだった。“怒濤の濁流の前に”あるもの──それは、2006年の結成以来一歩ずつ着実に積み上げてきた自らの音楽性、そして彼らが本懐を遂げる場であるライヴの在り方の集大成に他ならない。ブルース・ロックを分母に置いた処女作、そのツアーでの教訓から大衆性が高まったことで生まれ得た『泥水のメロディー』、日本全国にその名を知らしめた精力的なツアーの日々、そこで培ったライヴ・バンドとしての経験値とポテンシャルの高さをしかと刻み込んだ『Before the flood』。すべては海原に連なる波の列のようであり、あらゆる帰結は“怒濤の濁流の先に”あるのだろう。輝ける新章の扉を開けるその前に、彼らは自身初となるワンマン・ライヴを新宿ロフトで執り行なう。その市松模様のステージの上に、ロックの過去と未来を繋ぐ奇跡の一瞬がある。その歴史的瞬間を是非刮目して頂きたい。(interview:椎名宗之)

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ドキュメンタリー映画『アナーキー』公開記念特別対談 仲野 茂×川口 潤('09年1月号)

アナーキー

時代に喧嘩を売り、凄絶に駆け抜けた5人の不良少年たち──
今を生きる若者たちに贈る、色褪せぬメッセージを込めた映画『アナーキー』


2006年に発表されたアナーキーのコンプリートBOX『内祝』に収録されていたドキュメンタリー『アナーキー!』が、追加撮影とアレンジを加えたリミックス・ムービー『アナーキー』として生まれ変わった。オリジナル作品は、元アナーキー親衛隊で現在は映画監督である太田達也。'81年制作の8mm映画『ノット・サティスファイド』の監督も務めた太田にしか捉えきれなかった映像とメンバーの発言は実に生々しく、日本のパンク黎明期の時代の空気や瓦解していくバンドの末路をもリアルに焼き付けた先鋭的な内容である。リミックスを担当したのは、ボアダムスの歴史的イヴェントを追った『77BOADRUM』を始め、レンチやイースタンユースのPVなどで若手ミュージシャンたちから絶大な支持を集める川口 潤。アナーキーが日本中に衝撃を与えていた'80年当時にまだ生まれていなかった今の若い世代に贈りたいという本作のコンセプトを受け、川口は今日性を念頭に置いた客観的な視点で再編集を試みている。その川口とアナーキーの仲野 茂のトーク・セッションを映画の公開を記念して企画した。ちょうど30年前に埼玉の5人の不良少年が勢いだけでバンドを組み、やがて日本のロック・シーンと社会に強烈なインパクトを与える時代の寵児となり、価値観の相違による瓦解の果てにとある“事件”が起こりバンドが失速していくまでの7年間を追ったこの秀逸なドキュメンタリー映画をめぐって、両者に語り倒してもらった。(interview:椎名宗之)

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STREET KINGDOM 地引雄一インタビュー('09年1月号)

STREET KINGDOM  地引雄一インタビュー

今だ鳴りやまぬ都市を生き抜くためのビート
東京ロッカーズと80'sインディーズシーンの軌跡


日本のそれなりに長いロックの歴史の中で転換期と呼べる時代がいくつか存在する。例えば、70年代初頭、フラワー・トラヴェリン・バンド、はっぴいえんど、頭脳警察などが活動していたニューロックの時代は日本のロック勃興期として非常に重要な時代だった。そして今回取り上げる東京ロッカーズと80'sインディーズの時代もまた、語るに足る大きな転換期の一つだ。
先日発売された書籍『ストリート・キングダム』は、1978年に誕生した東京ロッカーズから80年代前半のパンク/ニュー・ウェーブの時代の出来事を当時の写真や資料と共にまとめたものだ。初版は1986年で長らく絶版だったが、幅広い世代から多くの要望を受け、大幅な資料追加と加筆の上、改訂版として待望の復刊を果たした。著者の地引雄一はこのシーンの貴重な証言者であり、また立役者でもあった人物だ。東京ロッカーズが生まれてから今年で30年。あの熱狂の時代を地引は今、どのように捉えているのか。
(写真提供:地引雄一/文責:加藤梅造)

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LIZARD('09年1月号)

LIZARD

次世代に継ぐ、自らの歴史を凝縮したコンプリートBOXリリース!


80年初頭、“東京ロッカーズ”と呼ばれたムーヴメントの中核を担ったLIZARD。1月30日にリリースされることになった『ブック・オブ・チェンジズ コンプリート・ワークス・オブ・リザード 』は、未発表音源を含む全トラック('73〜'08)を網羅したCD10枚組に加え、未公開ライブ映像を収録したDVDがセットになった奇蹟のコンプリートBOX。112Pに及ぶブックレットはジャン=ジャック・バーネルとモモヨの対談や数々の写真を収めた、垂涎の内容!
今回は、LIZARDのモモヨさんと、コンプリートBOXの発案企画者であるトランスフォーマー代表の石毛栄典さんにお話を伺った。「若い世代に聴いて欲しい!」と、お二人が口を揃えて言われていたように、この時代を見てきた方にしかわからないこと、この時代に感じたこと、この時代だからこそ得ることができたものを次の世代に繋げていきたいという思いが、このボックスには詰め込まれているようである。当時を知る人には懐かしく、知らない人には新しい発見の連続になるだろう。我々も当時を見ていない人なので、あれこれ質問させていただいた。丁寧に教えてくれるモモヨさんの姿がとても印象的だった。
今のように飽食の時代にはない何かをひとつでも感じ取ってもらいたいと思う。(interview:やまだともこ +横山マサアキ)

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「愛のむきだし」園子温インタビュー('09年1月号)

愛のむきだし

愛は盗撮、愛は勃起、愛は寛容、愛は真実──
園子温監督が“純愛”をむきだしにした、至上の237分!!


『自殺サークル』『紀子の食卓』など上映作品はすべて世間を揺るがし、国内海外の映画祭で常に高い評価を受ける園子温監督の最新作『愛のむきだし』がいよいよ公開される。「無敵の“純愛”エンタテイメント」と銘打たれたこの作品だが、当然のことながら園子温映画が巷にあふれる安易な純愛ものであるはずもない。園監督の友人でもあり、かつて盗撮界のカリスマとして崇められた男が、新興宗教にはまってしまった妹を教団から力ずくで奪い返したという実話をベースに、罪と罰、欲望と禁欲、キリストと新興宗教、家族と共同体など、さまざまな要素を複雑に絡み合わせて完成させた237分の長篇大作映画なのだ。まさに映画のむきだし! もしあなたが最高の映画体験をしたいのならば、絶対にこの映画を見逃してはならない。(Interview:加藤梅造)

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徳山秀典('09年1月号)

※ここはイケメン以外掲載しないコーナーです。 バナー

お芝居で嘘を付きたくない。
徳山秀典の役作りへのこだわり。


今回ジュリエットの部屋にお招きしたのは俳優の徳山秀典くん。紹介していただいたんですけど、最初に名前を聞いて「えっ!?」って思いましたよ。だって、昔出演されていた『ぼくらの勇気 未満都市』や『GTO』とか、毎週楽しみにして見てましたから。だから、お会いする前は実はすごく緊張してました。でも、実際お会いした徳山くんは、とても気さくで優しくて筋肉が綺麗、という素敵なロミオさんでした。現在放送中の『炎神戦隊ゴーオンジャー』ではゴーオンゴールド / 須塔大翔役を熱演。また、eroicaというバンドでも活動中で、1月には大阪でライブがあります。様々な分野で活動している徳山くんがこれからも楽しみです!!

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