出来れば世界を塗り変えたい
新しい世界へ飛びだった『ワールド ワールド ワールド』
前作『ファンクラブ』から2年ぶりのリリースとなるASIAN KUNG-FU GENERATIONの4thフルアルバム『ワールド ワールド ワールド』 。よりポップなものを作ろうと取り組んだ今作は、今までに比べると開放感のある作品となっているように思う。初のインスト曲である『ワールド ワールド ワールド』で高らかな幕開けを感じさせ、『アフターダーク』の「進め」というメッセージに始まり、最後の『新しい世界』では、胸躍る新しい世界に飛び出そうというメッセージを込め、さらに飛躍する彼らを感じることができる。今までの経験を糧に、本作で新たなシーズンを迎えたと言っても過言ではない。
本誌としては2003年以来5年ぶりのインタビュー。「初ワンマンは体力が持つかな」と延々と言っていた彼らは、いつのまにか大きなステージに立って何万人ものオーディエンスと共に戦っていた。今回は『ワールド ワールド ワールド』の話から、現在に至るまでを伺うことができた。常に前に進んでいる彼らが、さらに目指すものとは? (interview:やまだともこ)
変えられるものなら世界を変えてみたい
──2年ぶりに『ワールド ワールド ワールド』 がリリースされますが、このアルバムのキーワードになっている“世界”は、初めから意識をした上で作られたんですか?
後藤正文(Vo & G):順序的には作りながらですね。最初からこんなにがっつりとタイトルにつけるようなテーマを絞りきっていたわけではなくて、なんとなく書きたいことを書いていくうちに自分で気付いたんです。
──何となく意識が向かっていったと?
後藤:自然にと言うと言い過ぎですけど、意図している部分もあるし意図していない部分もある。説明するのは難しいですね。制作期間が半年だったら意図したものになるんでしょうけど、2年もありましたからね。この間にライブもたくさんあったし、いいものを作りたいという気持ちは変わらないです。ポップなものがいいなというのはここ最近一番思っていたこと。ミュージシャンにしても、小難しいことをやらんといかんっていう時代の雰囲気がありますよね。だからと言ってコード3つぐらいでやろうとは思わない。自分で揺れ動きながら何が一番いいのかを考えてますね。でも楽しいに越したことはないし、ポップなものをやりたいんだったら楽しんでやらなきゃできるはずがない。辛い瞬間もありますけど、ひっくるめて楽しいと思えるようにならなきゃだめだなと思ったんです。
──以前リリースされた『マイワールド』(『ソルファ』収録)と今回の世界とでは見えている視点は違うんですか?
後藤:全世界と捉えているのはいつだってどんな時だって自分自身なので、『マイワールド』とイコールですよね。世界観が世界だから。視点が違うだけです。
──さきほど、ポップなものとおっしゃいましたけど、今までの作品に比べると楽しんで作っている感じがすごく伝わる作品ですね。
伊地知潔(Drums):楽しく作れたんですよ。レコーディングの初めの段階ではギクシャクしたこともありましたけれど、最終的にはすごく雰囲気が良かったです。
──ギクシャクするというのは?
伊地知:制作期間が2年間だったので、漠然とポップなものがやりたいというのはあったんですけど、一気に向かうことができなかったんです。前のモードが抜けきれなくて、徐々に向かっていった感じですね。
喜多建介(G & Vo):前作の『ファンクラブ』は、けっこうピリピリした作り方だったので、あの時のような作り方をさらに歪ませていったらうまく歯車がまわらなかったかもしれませんね。真逆のことをやりたいというのが何となく4人の中にあったんです。ポップなものをやりたいっていう4人の気持ちが作曲にうまく作用し始めてからは、いい曲がたくさんできてきましたね。
──では、アルバムタイトルの『ワールド ワールド ワールド』はどんな意味を込めたんですか?
後藤:『新しい世界』(M-13)の最後にある“世界! 世界! 世界! ”を『ワールド ワールド ワールド』に変換したのがまずひとつ。アルバムを作りながら世界っていうものがテーマになってきたのもあるし、続けて“世界って何か”って考えたら、『マイワールド』のように自分の半径何メートル以内の世界もあって、自分なりに客観視して、世界ってどこまで続いているんだろうって俯瞰で考えた世界。それって両方自分の中にあるものなんです。客観って言われても自分の主観の中にある世界。もうひとつは超客観と言って、本当に漠然とそこにあるだけの世界。だから、どこまで続いているのかっていうのは本当は答えがあって我々が知らないだけ。超客観の上では誰かが答えを言うまでもなくある。まあその3つしかないんです。結局最後はその人がどう思うかが正解なんですけど。
── “世界! 世界! 世界! ”の叫んでいるところは世界に飛び出したいと言う気持ちですか? それとも変えたいという気持ちですか?
後藤:それはエネルギーの問題かな。大きい声で叫んでみるというのはエネルギーに満ちあふれた行為だし、そのエネルギーとか喜びとかそれだけでやればいいんじゃないかっていうことなんです。
──『転がる岩、君に朝が降る』(M-10)では「出来れば世界を僕は塗り変えたい」と言われていますが、塗り変えたい世界というのは?
後藤:『転がる岩、君に朝が降る』で歌っている世界はとても大きな世界。例えば戦争をなくしたいとか、そういう意味。アルバム全体で変えたいと言ってる世界は自分自身の世界でもあるし、このアルバムを聴いてくれた人の景色や考え方が変わればいいかなと。それはこっちが強要するスタイルじゃなくて、少しポジティブなエネルギーに変換されてくれたらいいなと思いますけど。
──でも、音楽で世界が変わるとは思いますか?
後藤:それは変わらないと思うし、変わるとも思います。どちらでもある。どう変えたいかによりますね。日本でこういうアルバムを出しても、カンボジアとかで地雷を踏んで足が吹き飛ばされる子供のことを救えたりはしない。もっと簡単なことを言えばイラクから米兵が引き揚げたりはしないですよね。そういう意味での世界は変わらないと思うんです。もし本当に変えたいと思うんだったら、音楽を作るんじゃなくて運動としてやっていかないといけないし、人が集まるようにしないといけないと思う。だから、聴いてくれた人たちの気持ちにしか訴えかけられないよね。でも、そういうところから始めるしかない。戦争や貧困のことを歌ってるわけではないし、それをみんなに伝えたくて音楽をやっているわけじゃないんだけど、変えられるものなら世界を変えてみたいね。戦争とか、それにまつわるものに届くんだったらやってみたい。その方法はわからないけれど望んではいるよ。だからと言って何もできないけれど、そういう気持ちをみんなが持つことはいいんじゃないかな。
──ジョン・レノンが世界を変えたかって言ったらそうではないのかなって思いますしね。
後藤:そういうことでしょ。ジョン・レノンと比較して俺のほうが勝ってると思うヤツはいないでしょ。だから、実質世界を変えられると言ったら嘘になっちゃう。でもガキがオヤジを殺したりするんだからね。そういうヤツが音楽を聴いて踏みとどまったらいいと思うよ。ナタとかを振り回す前にギターを買ったらいいんだよ。
──誰かが音楽を聴いて踏みとどまったら、ちょっとずつだけど変わっていくかもしれないですからね。
後藤:じんわり変えればいいんじゃないかな。自分たちの力だけで変わると思ったらおこがましいし、もしかしたらミュージシャンが素晴らしい曲を作り続けて、世に聴かれる時代が来たら日本の雰囲気がもう少し変わるのかも知れない。そういうことなんじゃないかな。そうなったらいいなとは思うよね。いい音楽が街に溢れたらいいよね。
──となると、『新しい世界』の歌詞にある「批評的なスタンスやアンチテーゼだとか〜目の前の景色を全部塗り替えるのさ」までの部分は後藤さんの今の心の叫びととっていいですか?
後藤:今の叫びというか、アルバムを通して一番言わなきゃいけないことは最後の曲に全部書いてあるんです。
アルバムを通してひとつの物語に
──皆さんはいろんな曲を幅広く聴いていると思いますけど、自分たちが作る曲はリスナーを意識したり、わかりやすく発信していこうという感覚はあります?
喜多:というよりは、自分たちがやっている音楽と聴いている音楽が離れていってる部分もあると思うんです。あまりリスナーが聴きやすいとかは考えすぎてはいないですね。リスナーとしての視点から自分たちでどう思うかとか。
山田貴洋(B & Vo):自分がリスナーの気分になることはあります。意識してなるというよりは、客観的に見れてるなという時がありますね。
──1曲目の『ワールド ワールド ワールド』はインストゥルメンタルが入ってますけど、こういうのは初めてですよね。
喜多:こういう始まり方とか、インストみたいなのは初めてですね。昨年、ライブのオープニングで自分たちでPAチェックも兼ねつつセッションをやって、曲にするために整理をして出来上がったんです。
──幕開けとか夜明けの雰囲気が出てますよね。その『ワールド ワールド ワールド』から『アフターダーク』(M-2)、『旅立つ君へ』(M-3)、『ネオテニー』(M-4)はひとつの物語が出来上がっていると思ったんです。この流れは意識されたものなんですか?
山田:『アフターダーク』は序盤に入れるという縛りを作って、でもその前に1曲必要だなって『ワールド ワールド ワールド』を。『ネオテニー』はかなり初期にあって、間に何か欲しいねっていうところで『旅立つ君へ』が一番最後にできた曲です。
喜多:『旅立つ君へ』は3曲目に入れることを狙って作りました。
──アルバム全体を通しても、ひとつの物語が出来上がっていますよね。
喜多:今回は制作期間が長かったので、17、18曲はミックスまで終わっていて、全部入れちゃおうかって話もあったんですけど、歌詞でストーリーが作れるこの13曲でまとまったんです。あとは1時間を越えないように。1曲1曲の長さが無駄に長いのは止めようって、アイディアをコンパクトにまとめられるところはまとめて詰め込んだ感じです。
──後藤:さんがもし野球の監督だったら、試合に向けて選手を選びますよね。曲を並べるというのは作業というのは皆さんが監督となって選手を選んでいくということに近いんですか?
後藤:どうですかね。全員が監督でいられても困ると思いますけどね(苦笑)。監督は一人でいい(笑)。
喜多:僕らは打撃コーチと、守備走塁コーチとぐらいの。
後藤:星野(仙一)でいたいっていうのがありますから(笑)。今回は、あまりヤイヤイ言ってくれんなよって思ってました。みんながヤイヤイ言ってなかったから良かったですよ。
喜多:でも、あの曲好きだから入れてっていうリクエストはしましたよ。
山田:『新しい世界』は最後に入れることが決まってたんですけど、大枠みたいな形が見えていたのはそれだけですね。
喜多:でも今回、早い段階から後藤:が曲順を意識するように呼びかけてくれたので、それが功を奏して、的はずれの意見は出なかったよね。
──ところで『ワールド ワールド』(M-11)で「Everything must lead to a new world」というメッセージを投げてますね。「全ては新しい世界に通じる」と。
後藤:Everything=全ては、最後の曲にみんなを導くために存在しなければならない。全てが何をさしているかというと、このアルバムの全て。このアルバムに入っている他の曲達は、『新しい世界』へ連れて行くためのものでなければならないっていう。新しい世界=new worldでしょ。そういうことです。
──なるほど。それと、『ワールド ワールド』と『ワールド ワールド ワールド』のタイトルの違いって何ですか?
後藤:言葉遊びみたいなものだからあまり気にしないでもらえると嬉しいです(笑)。同じタイトルでも良かったんだけど、気分で変えてみました。
レコーディングは常に手探り
──これまでに何度もレコーディングを経験してノウハウは身に付いてくると思いますけど、今でも毎回手探りだったり模索したりするんですか?
山田:楽器を新調したり機材を買ったり、サウンドの環境が変わってくると自然とミュージシャン魂じゃないですけどやりたいことが増えてくるんですよ。
喜多:レコーディングはしっかり録るだけですけど、プリプロの時はいろんなことを試したり模索しますね。
──今回レコーディングをしていて大変だったことってありましたか?
伊地知:あまりないですね。全曲音を変えているのは前からやっていたので、なるべくフレッシュなテイクで録り終えるように練習をたくさんしました。手癖が多いんですが、最近は思いついたのがそのまま採用になっているんです。ファーストインプレッションが大事ですね、僕は。後藤が曲を持ってきて、ジャムもやるし、誰かが弾いてるところで乗ってくこともある。ここは8ビートのほうがいいとか、そういう指示は受けますけど、このアルバムの作業中はありえないだろっていうリズムパターンもけっこう採用されたので、あまり悩まなかったですよ。
──『転がる岩、君に朝が降る』のドラムがすごく良いなと思いましたよ。
伊地知:この曲は先に後藤が歌詞もメロディーもできていたので、完全に歌ありきでつくらなければいけないドラムパターンだったんです。どっちかと言ったら歌を引き立てるためのドラムパターンだったんですけど、これが一番難しかったですね。
喜多:僕は今回メンバーに助けてもらいましたよ。長くやってると自分が好きな感じ、悪く言うと手癖みたいなのが増えて来ていたところを指摘してもらったし、他のメンバーが考えるアイディアは自分から出てくるものと全然違うから、自分なりに調理して自分の弾き方でやってみたり。柔軟な頭でやりましたね。あと、プリプロで曲の完成度をかなり高められるようになったので、本番のレコーディングではいかにいい音でとか、ここでピッキングハーモニクスや!みたいな気持ちで楽しんでやりましたね。
──『ナイトダイビング』(M-7)のギターがすごく綺麗でしたね。
喜多:弾きまくりの曲ですね。ありがとうございます(笑)。
──山田さんはどうでした?
山田:曲がだいたいできていてアレンジのツメに入る段階は、個人的に言うと楽しみにしている作業なんです。こういうフレーズに挑戦してみようとかも含めて、それを弾きこなすまでは練習しますし、新しいリズムパターンに対するフレーズを考えましたけど、レコーディングも楽しかったし、楽しんでる中での苦労は苦労ではないですね
──『アフターダーク』で作曲をされていますが…。
山田:『アフターダーク』は作ったと言うよりは、最後のサビ前のちょっと雰囲気が変わるところのフレーズが何もない段階の時に潔とセッションしていたフレーズをギターに渡して、自分は他のメジャーなコード進行で作っていった曲なんです。1曲まるまる持ってくるよりは、メインフレーズになるようなものがあるほうが進みやすいし、メロディーとかフレーズめいたものをバンドに出せばいくらでも広がるんですよね。それは成長してきた部分ですけどね。
喜多:あまり作り込みすぎるとうまくいかない時があるよね(笑)。
山田:そうそう。作りすぎたものは相当な意志がない限り、それか自分で歌いきるぐらいの意志がないと伝えきれない。
──自分で歌ってしまおうとは思います?
山田:あまり自分の声も好きじゃないので。自分が歌ってる姿は想像できない。
喜多:渋いんですけどね(笑)。
山田:痛々しいんだよね(笑)。
バンドを続けていく上で付随するものへの葛藤
──バンドを結成されて12年経つと、ある程度こういう曲にしたいんだろうとか、こういう雰囲気にしたいんだろうっていうのはわかってきます?
後藤:たまに伝わってるなって思うのは、僕よくコードの名前を間違えるんですけど、間違ったコードの名前で山ちゃんに言ってても山ちゃんは正確なコードで弾いてくれてる。「次C」って言いながら僕はDを押さえているんですけど、山ちゃんもちゃんとDを弾いたりするとわかってくれてんだって思う(笑)。山ちゃんはたぶん訂正するのがめんどくさいからそのままやってくれてる時がある。用意されてる言葉は違うけれど、言わんとしていることはわかってくれて、伝わったなって思う。
山田:それは確かに長い時間やってきた経験からわかるところだよね(笑)。
──今までバンドを続けて来られたのは、どんな思いがあったからなんですか?
後藤:なんなんでしょうね? 最終的には自分が思い描いているものが形になることもそうかもしれないし、ライブができることもそうだし、ライブにお客さんが来てくれるのも嬉しい。そういうところなんですかね。これでCDも作れないし、ライブハウスでお客さんが3人とかだったら違うやり方を考えますね。
──バンドを始めた当初はお客さんがほとんどいないところでライブをやる中で、「今に見てろ」という気持ちはありました?
後藤:わからんヤツが多いだけ、俺は間違っていない!って、当時は絶対にライブハウスがいっぱいになると思ってやってました。盲目的に信じていたというか。今は外向きな攻撃的な気持ちは完全に内側に向いてる。自分に向けているというか、作品が良くなるほうに向いてる。いいものを作っていれば大丈夫だろう。自分たちは本当にいいと思うものが出来たけど、お客さんが1人も来ないんだったらしょうがないじゃんっていう感じです。それはそれで潔くそうかって思える。今だったら、その方が大事だな。年齢的なものもあるかもしれないですけどね。
──30歳を越えて変わった事ってあるんですか?
後藤:病院に行く回数が増えましたね(笑)。いろんなところにガタが来てね。
喜多:スタジオで病院の話題とか多いよね(笑)。
──………。
後藤:そんなもんですよ。30歳を越えた日から嫌なヤツになったりするわけじゃないから、積み重ねだからわかんないですよね。気持ちだけは若いつもりでいますよ。
──音楽やバンドを続けることは、やり始めた当時と同じぐらいの意気込みは維持されてます?
後藤:サラリーマンをやりながらバンドをやっていた時期もあったけれど、あの頃は音楽以外の仕事を朝から晩までやらないと音楽ができないっていう状況だった。それに比べたら今は幸せだと思いますよ。でも今は音楽をお金に替えてるから、それはそれで責任がある。申し訳ない気分になる時もあります。音楽って自分たちが純粋に好きなものであって侵されたくないもの。だから商売としてお金に替わることに罪悪感はあるよね。そういうことが純粋なのかどうなのかっていう思いは常に持ってますよね。揺れますよ、金が欲しくてやってるわけじゃないから。インディーのバンドからしてみたら音楽で金をもらえたらこれ以上幸せなことはないと言うわけじゃないですか。俺も昔は音楽だけやれたらいいって思ってたもんな。だから、とても複雑だよね。今、音楽に割く時間は増えて嬉しいけれど、メジャーに来たらプロモーションの時間だったりも増えるわけで、それが本当に楽しいことなのかと考えたら俺たちもわからないし、こんなことがしたいのかなって思う。でもプロモーションをすることによって、CDを買ってすごい感動したヤツがいるんだったらどこの誰が悪いんだっていうのはわからなくなっちゃう。難しいですよ。こういう悩みはずっとありますね。
楽しいと思うことを続けたい
──4月29日からは2年ぶりのライブハウスツアー“Tour 2008「ワールド ワールド ワールド」”がスタートしますね。ツアーの構想は徐々にできていますか?
後藤:アルバムは4枚目なので曲もたまってきているし、新しいアルバムだけをやるのもな。新しいアルバムの曲を全部やることが見る人にとって嬉しいのかなって毎回メンバーで悩みますよ。レディオヘッドとかオアシスを見に行った時にどうだったっけ? という話はよくしますね。往年の名曲もやるけど、俺たちには往年の名曲はねえなみたいな(笑)。
──いっぱいあるじゃないですか。でも、アルバムが出た後だったらまず全部聴いてみたいって言う気持ちはあると思いますよ。
後藤:もう少し幅広く選曲したい気もするんですよ。せっかくのライブハウスだし、ライブハウスだからこそ映える曲もあるし。
──昨年は大きな会場が多かったですしね。ところで、横浜アリーナとか日本武道館は、見に行ってた側だったりもすると思いますけど、そこに立つっていうのはどういう感じなんですか?
後藤:横アリはステージの使い方にもよるけど、でけえなって思いますよ。でも、どんな感じとか浸ってられないよね。その日はやるしかねえっていう状況ですからね。そりゃ、何万人もお客さんがいたら気合い入れなきゃ負けますからね。当日は高ぶっているところがあるから、「今日は武道館だねー。昔あの辺にいたよねー」っていう気分はない(笑)。武道館は取り囲まれる様な感じで、せり上がっているからお客さんが近い感じがするけど、初めてやった時はビビリましたよ。でも、今だったら武道館は近い感じがしてやりやすいって思うのかもしれない。だだっ広い野外に比べたら全然近いよね、武道館の方が。
喜多:意外と近く感じるよね。
──ライブハウスのオーディションを受けていたバンドが武道館も横アリのステージも経験されて、皆さんがこれ以上に目指すものってどんなものですか?
後藤:楽しいと思っていられればいいかなと思ってますね。売れなくなったらそれはそれで仕方ないと思うし、だからと言って売れそうな曲を書こうは思わない。楽しいと思えることを続けられたらいいですね。それでゴハン食わせてもらえるならラッキーって感じです(笑)。ラッキーボーイですよ。だって好きなことやってるだけだもん。ミュージシャンって社会の仕組みのひとつではないし労働者でもない。尊敬されたりするけど、遊んで暮らしている人たちだからね。もちろん、表現と捉えると生みの苦しみはありますけど、それぐらいはね。それすらなかったら何してるかわからないよ(笑)。楽しいだけでは終わらないですよ、なんでもね。
──音楽以外に楽しいと思えることって何ですか?
伊地知:休みですね。みんなと遊んだりとかもできますし。…休みが欲しいです。
後藤:わりと休んでるほうだけどな、メンバーの中で比べたら(笑)。僕は相撲が好きですね。あと最近Wii Fitが面白いですね。スタジオでみんなでやってます。
山田:僕はおいしいお酒を飲んで、面白いお笑いの番組を見るのが好きです。
──いいですね。
喜多:ライブスタッフから誕生日に世界のビールをたくさんもらったので、家に帰って飲むのが楽しみです。
──なるほど。では、他に言い足りないこととかあります?
喜多:今年はけっこう忙しい年になりそうなので、がんばろうねってみんなで言っていたんです。まだまだ言えないけど…。
後藤:…それが言い足りないことだったんだ(笑)。
喜多:たくさん驚かせるようなことがあるので楽しみにしていて下さい。
──攻めモードだということで、今年はNANO-MUGEN FES.もありますし、活躍が楽しみですね。他には…。
後藤:言い残しはないです。はい。
喜多:言い過ぎたぐらいだね(笑)。
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Live info.
Tour 2008 「ワールド ワールド ワールド」
4月29日(火・祝)新木場STUDIO COAST
4月30日(水)赤坂BLITZ
5月2日(金)高崎club FLEEZ
5月5日(月・祝)横浜BLITZ
5月6日(火・休)横浜BLITZ
5月8日(木)山形ミュージック昭和セッション
5月9日(金)Zepp Sendai
5月11日(日)青森 Quarter
5月15日(木)札幌ペニーレーン24
5月17日(土)帯広MEGA STONE
5月18日(日)網走エコーホール
5月22日(木)金沢EIGHT HALL
5月24日(土)名古屋ダイアモンドホール
5月25日(日)静岡市民文化会館
5月28日(水)SHIBUYA-AX
5月29日(木)SHIBUYA-A
6月1日(日)なんばHatch
6月2日(月)なんばHatch
6月5日(木)神戸ウィンターランド
6月7日(土)高松オリーブホール
6月8日(日)高知BAY5 SQUARE
6月12日(木)松江eurus
6月14日(土)岡山CRAZYMAMA KINGDOM
6月15日(日)広島CLUB QUATTRO
6月18日(水)京都 磔磔
6月21日(土)大分T.O.P.S
6月23日(月)福岡 DRUM LOGOS
6月25日(水)熊本バトルステージ
6月26日(木)鹿児島 CAPARVO HALL
6月29日(日)沖縄ミュージックタウン音市場
●一般発売日:3月23日(日)
●チケット料金¥4,000(税込み)※別途ドリンク代が必要となる会場があります。
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents
NANO-MUGEN FES.2008
7月20日(日)、21日(月)横浜アリーナ
ASIAN KUNG-FU GENERATION official website
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