まァ何が凄いって、ヴィンテージな機材が所狭しと並んだこのプライベート・スタジオ、配線等を除けばほぼ真鍋さんとその仲間達によるハンドメイドってことです。一年前に真鍋さん×パッチさん(レディキャロ/ヴァイオレッツ)×ロイさん(ボーディーズ)の座談会取材で真鍋邸を訪れた時にはまだコンクリートの打ちっ放しで、ブルーシートに被さったミキサー卓がポツンと置かれていただけだったのに…。それもファンの方ならご承知の通り、あの殺人的な過密ライブ・スケジュールとレコーディング作業の合間にこのスタジオ着工なわけだから、なおのこと凄い。
真鍋さんの話によると、およそ15年も前から年季の入ったレコーディング機材の数々をコレクションしていて、そうすることでスタジオを作らなくてはならない状況に自分で自分を追い込んだとのこと。実に建設的な自己暗示でありますが(笑)、そうやって楽しみながら己に対してプレッシャーを掛けるのは如何にも真鍋さんらしくて共感できるなァと思ったです。
あと、アンプも卓も機能性云々の前に色や形のデザインを決め手に購入するというのも、個人的には激しく共感できます(笑)。当方も同じく、何事もまず形から入ることが多いので。この間仕事用にデジカメを買った時も、決め手はまず何よりフォームでしたからね(笑)。
ただ、真鍋さんいわく「外観と中身は比例する」と。シャープなデザインのアンプは出る音もシャープであると。これも非常にヲイラの基本発想と近くて、話は益々盛り上がったのでした。「男は顔じゃないさ! ハートさ!」とその昔トシちゃんが唄っていましたが(笑)、それも確かに一理あるものの、顔がある程度その人の資質を物語っているんじゃないかなと普段から思うのです。決め付けは何事もイカンですが、大抵その人の外見で第一印象を脳裏に刻み込んでしまうものなァ。
閑話休題。兎にも角にも真鍋さんのこのスタジオ見学の模様は本誌3月号でガッツリと紹介するので、皆様どうぞお楽しみに。
それにしても、真鍋さんのように自分の感性と直感に従って徹頭徹尾細部にまでこだわる人と話をするのはやっぱり問答無用に楽しいし、凄く感化されるなァ。これだから取材はやめられん。(しいな)