ギター バックナンバー

DISK RECOMMEND ('08年1月号)

DISK RECOMMEND ('08年01月号) LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
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★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

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アンダーグラフ / 呼吸する時間

初回盤(CD+DVD)FLCF-4208 3,500yen(tax in) / 通常盤(CD) FLCF-4209 3,000yen(tax in) / 1.09 IN STORES

曲が書けるようになって本当に良かったと心から思った。11月にリリースされたシングル『セカンドファンタジー』は、曲が書けなくなった時期を経て出来上がった作品。以前ライブの時にボーカルの真戸原さんが「(曲ができないから)このまま音楽を辞めたほうがいいんかなと思った」とまで言われていたが、そういう時期乗り切って出来たからなのか、使われている言葉がとても良くて、何度も何度も歌詞を読み返して全身にじっくり染みこませながらCDを聴いたほど。真っ暗な迷路で、ようやく出口となる明かりを見つけたような、心の支えがようやく見つかったような安心感を与えてくれる曲。フィルターにかけた言葉ではなく、ストレートでドンと出された言葉達は、アンダーグラフのメロディーに乗ってそれぞれの輝きを放ちながら真っ直ぐに届けられる。歌い出しの「見えない不安に押し潰されそうです」というフレーズ。これまでに音楽を通して様々な言葉を届けてくれた真戸原さんでも悩むことがあるし、押し潰されそうな不安を抱えることもあるんだなと、そして本当に大変な時期を乗り越えてきたんだと知ることができた。だから、またこうやって素敵な言葉を、歌を、メロディーを聴くことができるのは本当に嬉しい。私だって、心が弱る時はもちろんあるし、落ち込んだり悩んだりするけど、そんな時に彼らの曲を聴いて何度自分を奮い立たせたことか…。 1月9日にリリースされる3rdアルバム『呼吸する時間』。2ndアルバム『素晴らしき日常』から1年が経ち、次はどんな素敵な言葉を聴くことができるのかとても楽しみにしていた作品。『素晴らしき日常』に関して言えば、2006年の半分以上はこのアルバムを聴いてきたんじゃないかっていうぐらい、例えるなら心のバイブルとして常に聴いていた記憶がある。今回は、命が吹き込まれた“時間”が呼吸を始め、言葉を綴り、音を奏で、アンダーグラフの今を刻む。今この瞬間を捉え、今伝えたい言葉を伝える。それがひとつとなり『呼吸する時間』となって届けられる。ロンドンでのレコーディング時に収録してきた曲もあり、表現されている世界がより大きくなったように思う。ネジを巻く音から始まり、珍しく1曲目から勢いよくぶっ放す『ハイスピードカルチャー』から始まり、今の私自身を見つめ直すきっかけとなった『幸せのカタチ』、歪んだ現代社会をコミカルに歌う『楽園エステ』、後半はアンダーグラフ節全開の背中をポンと押してくれる曲が続き、幸せな未来に向かう感じが描かれた『ティアラ』は最後にウエディングベルの音が鳴ってCDが終わる。全曲重みがあって、メッセージがあって、この曲を聴いたことによって何か変わるかもしれないなって思うほど、一番温かくて一番やすらぎを持った12曲。 何度も書いていいるが、もともとは有線から流れてきた2ndシングル『君の声』からアンダーグラフを知って、気付けば今月もインタビューをさせていただいた。自分にとても影響を与えてくれて、何かしらが変わるきっかけももらえるほどの力を持った歌を歌う本人を目の前にして、たくさん詰め込まれている言葉の数々を紐解くように、その言葉に込められた想いをお話頂く。とても不思議な感じだった。インタビュー中にふと我に返り、贅沢だなって思った。1月にリリースされて、今作もこれから長く聴き続ける作品となるだろう。そして、もっともっと多くの人が聴いて欲しいと思う。


Rooftop:やまだともこ


エレファントカシマシ / 笑顔の未来へ

UMCK-5189 1,100yen(tax in)/ 1.01 IN STORES

2008年、元旦。エレファントカシマシはこのシングルでスタートを切った。エレカシ宮本が今年一発目に放ったのはラブソング。恋愛の素敵さ・厄介さ・女の難解さ・男の困惑、様々な恋の姿がこの曲には詰まっている気がする。男女の関わりの中での気持ちの迷いとそこからの確信が実に等身大な形で綴られている。しかし、限りなく個人的で単純でもある。宮本の愛のうたはいつも真っ直ぐだ。スタイルは違えど今も昔も変わらずやはり物凄く真っ直ぐであり、宮本自身が常にそうであるのだろうと想像させられる。私はこの曲に心強さを感じ、そしてあたたかさに包まれ、この曲でとても明るい気持ちになった。分かり易い表現により、未来への明るい希望が湧いてくるのだ。手を取り、もう離さず、しっかりと引っ張ってくれる力強さと優しさに。不器用で愛らしくキュート、加えて頼もしさを備えた、そんな男のスガタに胸ときめく事だろう。「笑顔の未来へ」。恋がしたくなる1曲。やさしさにつつまれて下さい! カップリングの『風に吹かれて』ピアノヴァージョン、こちらも素晴らしい。必聴です。現在リリースラッシュのエレカシ、1月30日には待望のニューアルバムが発売される!こちらも楽しみだ。2008年もエレファントカシマシから目を離すな!!!


Rooftop:Naked LOFT:川上恵里


カオマイルド / オードブル

FLOWER-094 2,100yen(tax in) / 1.16 IN STORES

千葉発! 究極のミクスチャー!? ポップ・ロック・バンド“カオマイルド”のファーストアルバム『オードブル』リリース!カオマイルドに初めて会ったのは、『オードブル』の前に出した夏をテーマにしたシングル『九十九里浜』の取材だった。CDを手にして、どんなバンドかをネットで調べていたら、ボーカルとドラムがドレッドで、かなりいかつい。どの角度から見ても私の周りにはいないタイプ。しかも、『九十九里浜』では西海岸を意識した…と。海もサーファーも見るのは大好きだけど、西海岸のことはよくわからないし、会話ができる知識は皆無。そして何よりメンバーの見た目がちょっと怖い。想像だけが先走り、ブルブル震えながら取材場所に着くと、そこには見た目こそいかついものの、気さくな3人が迎えてくれた。話をすると、さらに好感度がグイグイ上がる。だって内田さん、本当は心やさしくて、ボーカルなのに歌いながら見られてる緊張で涙目になっちゃうって(笑)。人は見た目で判断しちゃいかんと改めて感じましたよ。 見た目とのギャップが激しい彼らのファーストアルバムは、耳にスッと馴染む歌声と心地よいメロディーを聴かせ、『オードブル』だけあってこれからのカオマイルドにも期待が膨らむ。まずはこの作品からお楽しみあれ☆


Rooftop:やまだともこ


CINEMA / CINEMA RETURNS

MHCL10088 3,000yen(tax in) / IN STORES NOW

シネマというバンドをご存じだろうか? 日本の80's ニューウェーブが好きな人にとってはある種の懐かしさと共に、当時としては先鋭的なポップミュージックを聴かせたバンドとして記憶されているだろう。バンドとしては81年に1stアルバム『MOTION PICTURE』をリリースした後、2ndの完成を待たずに解散してしまったため短命だったが、解散後のメンバーの活躍によりその名は伝説的に語られてきた。そして2006年。そのシネマがかつての活動拠点だった新宿ロフトの30周年ライブのため、奇跡の再結成を遂げた。その再結成ライブがきっかけとなり、今度はなんと26年ぶりの2ndアルバム『CINEMA RETURNS』までが完成したのだから、これはまさしく映画のようにドラマティックな出来事としか言いようがない! そして26年ぶりに観た(聴いた)シネマはやはり美しく、きらびやかで、そして何よりもロックでした。


(加藤梅造)


SUPER BEAVER / 日常

rpc-022 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

次の時代を作り出す第一歩がもう動き出しています! 本当に! 本当です! 僕はSUPER BEAVERに出会ったのはライブが先だったんですが、リハの時点で鳥肌が立ってしまい、いても立ってもいられなくて現場にかじりついてしまいました。その歌声、そのメロディ、その歌詞からギターのリフにベースライン。もう全てが心に突き刺さってくる。耳や体で体感するよりも、おそらく心で感じた方がよいと僕は思う。とてつもない新人が現れたと本気で思っております。語学力が無い自分が本当に悔しい。この良さをどう表現して良いかがうまく浮かばない。
今回のCDで言えば最後の曲の『君が生きる世界』と言う曲にはもうノックアウト寸前です。「ぼくらが生きるこの世界は本当は素晴らしいんから」と言う歌詞があるんですが世の中を冷静に見ているように見えて、実は少年の繊細な気持ちが見え隠れする歌詞(実際、本人達に聞いたわけではないので僕の勝手な考えですが)。本当に素晴らしいバンド出てきました。このCDを聴いて本当に「このバンドは無しだね!」と思う人がいたら全国どこでも謝りにいきます! と言うくらいの勢いで今、激プッシュなバンドです。是非とも聞いてみてください!


新宿LOFT:HxGxK


SCUM BANDITZ / NEW DAYS RISING

BLKSTA-007 1,575yen(tax in) / 1.10 IN STORES

「知り合った」のは5、6年前でしたが、高校生の時から一方的に知っていた有名人。というか僕らの同級生なんかは必ずビビる、下北鮫なセンパイ、HAYATOさん率いるSCUM BANDITZの新作ミニアルバム。
FASTでもなくブラストでもないですが、イイスピード感で、80'Sハードコアからの影響をコンパクトに放出している所が潔いです。3曲目の冒頭のフレーズもニヤリ。前作のアルバムが発売から1ケ月で完売という人気ぶりで、今作も2008年元日発売、と相変わらず歌舞いている感じがカッコイイ。6曲入り7分19秒、速ッ!


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


竹仲絵里 / 真っ白な雪、真っ白な未来

YRCN-90008 1,050yen(tax in) / IN STORES NOW

今、私の隣にあるスピーカーから流れてきている『真っ白な雪、真っ白な未来』を歌っている女性シンガー・ソングライター竹仲絵里さん。外見がとにかくかわいらしい。それに加えて女子が憧れる凛とした雰囲気を持ち合わせた素敵なお方。それでいて好きな食べ物は、、、焼き肉・酢の物・レバ刺し・梅干し…。あら? でも、こういうギャップがいい。これでオシャレフードばかりが並んでいたら、私のかわいいリストには入っていなかったかもしれないですから。
その竹仲絵里さんがリリースした『真っ白な雪、真っ白な未来』は、恋をしている女性の切ない心境をリアルな言葉で表現した歌。力強い歌声でグッと引き込むから、ついつい数少ない自分の経験と重ね合わせて(もちろん歌詞のような綺麗なものではないですが)、この曲の主人公になりきってしまった程。今回は松岡モトキ氏とのコラボレーションで生み出された曲。ストリングスも取り入れられ、サウンドの面でもかなり聴き応えある1枚。竹仲さんの曲はこれが初めて聴いたし、女性アーティストはほとんど聴かないのだけれど他の作品も聴いてみたくなった。この冬、最も泣ける曲として強烈な印象を残す名作が誕生した。


Rooftop:やまだともこ


田渕 純 / 夜をまきもどせ

BQGS-16 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

最近よく耳にする、ってそんなにしないわけですけど、プラスワン界隈ではよく耳にしてましたこの人「田渕 純」。イベントフライヤーなども見てると昭和ムード歌謡の貴公子で、和田弘とマヒナスターズの最後の歌手だとか、怪しい(失礼)フレーバーがたっぷりで気になってたんですが、阿佐ヶ谷のオープニングでついに出会えました。なまめかしいユニセックスな風貌に、学生服のような出で立ちは会場にいても浮きまくりで全くシークレットゲストになってませんでした。 そんな彼が歌った『夜をまきもどせ』(同名映画の主題歌)、切なかった夜をビデオのように巻き戻したいっていうことですが、現代はもうDVDが主流でスキップの時代にビデオで巻き戻すっていうとこも昭和ならでは。他に収録されてる早川義夫作曲ジャックスのカバー『からっぽの世界』も最高です。とにかく気になる若く怪しい男「田渕 純」の思わずバーボンをかたむけたくなる怪しい歌声を是非一度聞いてみてください。


Asagaya Loft A / テツオ


Chie Kajiura / Gift 25〜A Tribute to Mylene Jenius〜

GNCA-7019 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

2007年1月からNaked LOFTで行なっていたマンスリーライブ“Kaolyrics'07”も12月の新宿ロフトでラストを迎える(この文章が載る頃には終わっています)。そんなNaked LOFTの2007の出逢いといえば森若香織さんを中心にメンバー、スタッフにはいつもお世話になりました。
 “Kaolyrics'07”のメンバーで、いつも森若さんの隣で透き通った奇麗なコーラスをしていたチエカジウラさんの新しいCDを聴きました。サイケデリックな音楽に癒しあるチエさんの歌声はまるでどこかのおとぎ話の世界へ連れって行ってくれる世界観。そしてびっくりなのが僕も観ていたTVアニメ『マクロス』の25周年という記念すべき2007年に「マクロス7」で人気を博した架空のロックバンド“Fire Bomber”のヴォーカル&ベースのミレーヌ・ジーナスの歌を担当したチエカジウラが12年の時を経てこのアルバム『Gift 25』と共に本格的に動き出します!!


Naked LOFT:上江洲修


ドカンズ / DOCANS×DOCANS

SEZ-3006 2,000yen(tax in) / IN STORES NOW

『I'm a SOULMAN』ドカンズ!! 名の示す通り、ドカン!とかますストレートな楽曲に、繊細で、正直な歌詞を詰め込んだ渾身の1st ALBUM 『DOCANS×DOCANS』が、プロデューサーに山川ノリオ氏(ex 忌野清志郎&23's、現ギターパンダ)を迎えドカンとリリース!

サウンドは、古き良きロックの先人達からのギフトをしっかり受け取り、その上で、自分たちなりの解釈を加え、歌詞の内容は徹底して等身大である。それ故同世代の僕らには、共感からか、本当は胸の奥に閉じ込めてしまいたいような感情の柔らかい粘膜をそっと剥がされるような感覚になるのだ。しかし、その繊細な歌詞の内容の裏側に「俺はバンドしに東京に来たんだぜ」という、強い覚悟と音楽への真摯な姿勢が垣間見える。「とりあえず東京にやって来た」身としては、この音源は背中をぐっと押されるものになった。 結局リスナーに届くのは、音よりも、やる側のテンションや、情熱だとか、耳だけでは聴こえてこない感情的なところなのだろう。


Naked LOFT:荒木卓


TRIPLANE / ココロ晴れたら

初回受注限定生産盤(CD+DVD)NFCD-27080/B 3,200yen(tax in) / 通常盤(CD)NFCD-27081 2,800yen(tax in) / 2.06 IN STORES

札幌出身の4人組“TRIPLANE”がセカンドアルバム『ココロ晴れたら』をリリース! 曲が書けない時期があって、音楽をやめてしまおうかという時期を乗り越えてできた『モノローグ』を含めた11曲。『モノローグ』はテレビCMでも流れているので、聴いたことがある人も多いはず。メロディーの心地よさ、ボーカルとサウンドの聴きやすさなど、ココロに響く色褪せない歌。どこか切なくもあり、温かくもあり、照れくさくもある、揺れ動く気持ちがストレートに表され、今のTRIPLANEをそのまま感じ取ることができる。「セカンドでありながら初心に戻った気持ちで制作した」とインタビューで言われていたように、メンバーそれぞれが改めてバンドと向き合い、リスタートを切った今作は、これまでに比べるとより人肌を感じる作品になったと言える。このアルバムが出来上がったことによって、ようやくココロが晴れてきたのではないだろうか。あとは大きな太陽に向かって羽ばたくのみ! TRIPLANEが今飛び立つ!


Rooftop:やまだともこ


遼花 / ムネニキボウ

PCCA-02612 1,050yen(tax in) / 1.16 IN STORES

遼花(はるか)というアーティストをご存じでしょうか? 現在19歳と言う情報を先に聞いていたので、何とも初々しい女の子が来るのだろうと思っていましたが、出会った瞬間の衝撃ったらなかったですよ! この貫禄というかオーラと言うか本当に19歳!? と言う感覚で僕の前に現れた少女は紛れもなく遼花な訳です。でもまあ、19歳ですから、もしかして演奏が…なんて思っていたけどそんな考えは簡単に裏切ってくる彼女。話によれば11才から作詞、作曲を始め、中高一貫教育の某有名私立ミッション系女子中学に合格し、この頃ロックを聴き始め、ギタリストへの憧れを持ち、13才でデモテープ制作を始めたとのこと。どんな素晴らしい環境なんだろう? しかし、こういうパターンの人って実はぬるい音楽やってたりするんだよね〜〜なんて考えながら、先日届いたCDをセッティング。もういい加減にしてくれと言わんばかりに僕の考えは覆された。爽快感さえ感じるこのリズム、曲の完成度。親しみやすいメロディや歌詞。いや〜やられましたね! 気付いたら頭にメロディが頭に残こって離れない。久しぶりにヒットしました! しかも歌詞が良いね。『ムネニキボウヲ』と言う歌の「今僕らは生まれ変わるんだ、希望が痛みを乗り越えていくストーリー」と言うところが個人的に気言ってます! 是非是非、ご賞味あれ! ちなみに『遼花のクソガキ独壇場』というかなりパンチのあるタイトルのラジオもやっているみたいなのでそちらも是非聞いてみてください。

FM NORTH WAVE(SAT 25:30〜26:00)CROSS FM(FRI 26:30〜27:00)


新宿LOFT HxGxK


B-SHOP / TOYBOX

HOSH-2005 2,520yen(tax in) / IN STORES NOW

1999年(歌舞伎町に移転したLOFTと同じ年! そして私のLOFT入社年と同じです!!)に宮古島にて結成され、2007年12月4日に新宿LOFTにて解散した“B-SHOP”。8年という長い月日の中で、彼らは何を得て、何を失ったのだろう…今まで継続してきたモノを止め、新しい道に進む勇気は相当なモノだと思う。私は、2003年にここ新宿LOFTで“B-SHOP”の音楽と出会いました。その時から私は彼らの音楽に惹かれ、影ながら応援し続けてきたので、解散を知った時は悲しかったです。でも、彼らの最後のLIVEは、いつものように元気なステージで、POWERをもらえるLIVEでした。彼らの曲を聴いて笑顔になれるように、お客さんも笑顔でした。(もちろん心の中では悲しんでいるとは思いますが…)2007年8月8日に発売されたALBUM『TOYBOX』を聴いて、更に“B-SHOP”を知りたいと思います。もうLIVEを観る事は出来ませんが、ALBUMの曲を通じて彼らのメッセージは、聴いている一人一人の胸に刻まれていくと思います。宮古島から発進されたPOWERを感じとる事が出来ると思います。これから先、私は幾度となくこのALBUMの曲を聴き、POWERをもらえると思います☆


新宿LOFT副店長:河西 香織


ヒビキメロヲ / ヒビキメロヲ

ASCM-6011 2,800yen(tax in) / IN STORES NOW

近年のロフトオーディション出身で、一番精力的に活動し、メキメキと実力を重ねてきたバンド“ヒビキメロヲ”(昨年の5月)が、待ちに待ったファーストフルアルバムを遂に完成させました。ライブハウスで着実に成長した彼らの、全てを表現するようなアルバムになっています。このアルバムはライブでもお馴染みの、三味線を大フューチャーした名曲『ソラガアル』からスタートする全12曲。ヘヴィーミクスチャーサウンドが、彼等流の解釈で、何故か馴染み深い、和風テイストになっている。J-POPリスナーから、インディーズファンへ、ライブハウスへ来たことが無い人達へ特にオススメです。個人的には5曲目の最終形態が一番好きです。


新宿ロフト店長:大塚智昭


VOODOO GLOW SKULLS / WHOIS,THIS IS?

IN STORES NOW

今月の懐かしいCDシリーズ、数あるインディー音源の中でも個人的に内容もジャケも度肝を抜かれたこのCD。メロコアでぐるぐる回っていた(@ミロスガレージ)仲間より「えらくいいバンドのCDが出たが、ジャケが最悪だ」と噂が。初めて見たときに(@池袋WAVE)ゲラゲラ笑ってましたね。こりゃあ最悪だ、と(笑)。その頃のWAVEは最高で、その手のCDが視聴出来たので(視聴できるCDは決まってたのですが、チョイスが最高でした)このCDも視聴可能。即買でしたね。ちなみに初めてこの手のパンクを買ったアナログが同じレーベル(DR.STRANGEってまだやってんのかな?)SCHLEPROCKの「Propeller」でした。ジャケがTAZだったのはかなり後から知ったのですが、ジャケかっこよかった!(たしかフリマで¥500だった記憶が。ちなみにまだ持ってます。当時18歳。)VGSはこの後も独自のサウンドを構築。最高にイカスパンクバンドですね。日本でもこの手のフォロワーは出たのですが、レベル違いのスキャフル以外は追いつかなかったように思います…。スカコアでなくホーンコアって言葉も若干流行りましたね。残念ですが「懐かしのメロコアCD」は今回で最終回。何故かは2月号を待て! NOFXを書けなかったのが残念(もちろんPUNK IN DRUBLIC)。


下北沢SHELTER:西村等


フジファブリック / TEENAGER

TOCT-26448 2,800yen(tax in) / 1.23 IN STORES

前作『FAB FOX』から約2年2ヶ月ぶりの3rd album『TEENAGER』。この作品をリリースする間にドラマー脱退という困難がありつつも、各大型フェスのレギュラーバンドとしての位置を獲得し、日比谷野外音楽堂やC.Cレモンホール(渋谷公会堂)でのワンマンライブをソールドアウトにしたり、映画の楽曲を手掛けたりと沢山のニュースを外に投げかけリスナーを飽きさせなった彼等。きっとバンドにとって、その間恐ろしく激動な日々だったんでしょうね。 そんな彼等に出会って6年の月日が経った。私も30代になりメンバーも30代手前。でも出会った頃から変わらない志村氏の声の存在と一筋縄ではいかない楽曲。バンドに対しての思いは仕事をしていた頃と変わらない。だからこそ今回も期待に応えてくれた事が凄く嬉しい。また注目すべき点の1つとして、ギター山内氏、キーボード金沢氏による楽曲がある事。作品に良いスパイス的な役目を担っている。まったくバランスのいいバンドだな。こんなバランスの良いバンド、他にいるのかしら? いるなら教えて欲しい。


SONG-CRUX:樋口寛子


Polaris / Polaris

MTCA-5001 2,000yen(tax in) / IN STORES NOW

ダブポップの代表でもあるポラリス。正直登場したタイミングではあまり気にしてなかったのですが、その後着実に自分の中ででかくなっていき、既にバンドとしてはライブをしていない今になって個人的にやたらとライブが見たいバンドNo.1となっております。もうやらんのですかね? かなり前の話ですが、ポラリスがシェルターでライブをやりたがってるらしいという噂から、どうにか手繰り寄せてやりましょうか! という話もちゃんと持ち上がったのですが、その後タイミング合わず…あー! 残念!! で、今回なぜこのCDかというと、昨年の夏から一番聴いているCDだからです。CDの始まりから終わりまでしっかりしたイメージが沸くCDというのはそうそうなく、このCDに関してはよくある話ですが「映画を見てるよう」な感覚。いや、このCDは「ライブ会場にいる」感覚ですね。行ったことはないライブですが「こんなライブなんだろうな」と思わせる楽曲。なんの根拠もないですが、おそらくその感覚はあっていると思う。ポラリスっぽいバンドは探せばいるのでしょうが、個人的には「冷たくて暖かい」というイメージを超えるバンドは今時点でいないですね。


下北沢SHELTER:西村等


THE BAWDIES / Awaking of Rhythm And Blues

SEZ-3007 2,300yen(tax in) / 2.06 IN STORES

'50〜'60年代のピュアなロックンロールを現代、ここ日本にて蘇らせ体感させてくれるバンドTHE BAWDIESから1年ぶりとなる音源が到着。アルバムとしては2年ぶりとなる今作は完全オリジナル曲のみの12曲、セカンドアルバムながら初のフル・アルバムと言えよう。益々黒さの増す特徴のあるヴォーカルと若干24才と思わせない技量に磨きをかけた演奏が2007年、オーストラリアでのツアーやフジロック参加などを経験をしたことにより充実した1年を過ごしたことを感じさせる。その全てが詰め込まれた今作はリズム&ブルース、ソウル感が増し楽曲がバラエティに富んで非常に楽しめる1枚だ。3月からは下北沢シェルターワンマンを筆頭に5月の渋谷クアトロワンマンまで全国津々浦々を駆け巡る。是非そのストレートで熱いステージングを体感して欲しいものだ。


植村孝幸


前田栄達とLOVE LOVE LOVE / ビター&スウィーツ

HYCA-6005 1,680yen(tax in) / IN STORES NOW

ここ最近、京都からはるばる東京へと積極的にライブを繰り広げている前田栄達とLOVE LOVE LOVE。QUIP magazine編集部にオススメされてからすっかりお気に入り。年の差超えて仲良く3曲ずつ楽曲を提供しあってパッケージ。チョコよりもあま〜いあま〜い楽曲がズラリ。見た目とは裏腹な(失礼)、あま〜い楽曲達は乙女達のハートを掴む事間違いなし。また前田栄達さんとLOVE LOVE LOVEの師弟関係がちょっと羨ましくなる位ベストな組み合わせっぷりは、ライブでも分かりやすい位に出ています。個人的にはM-1の共作『TOU-MEI-HAN』、M-2『夜明け前』、M-3『星座』が好き。
1/9新宿ロフト主催の『おとそライブ2008』に出演します! こんな素敵なバンドを自分が作ったイベントに呼べてホント良かった!


SONG-CRUX:樋口寛子


L!FE / L!FE IS RIOT!

STD-02 2,310yen(tax in) / 1.11 IN STORES

右向きの三角形を押した瞬間から、L!FE という衝撃が。曲が流れるたびに顔の両側面から、恐ろしいほどの言葉にならない感覚が襲ってくる。ツインギター、ドラム、ベース、シンセ、声。それだけではない何かが僕を包み、それは地面を消す。踊らされて落ちてゆく。不快感は無い。むしろ心地よく、全身をL!FEとゆうナイフで刺されてゆく。踏みとどまろうにも、とうに地面は無く。手を伸ばし掴まったその音は、荒削りながらもしっかりと重量感があり、僕の意識を支配してゆく。僕の寂寥感をL!FEで満たし、気がつくと音の渦に迷い込み、自分が何処にいるのか分からなくなる。理屈なんてありはしない。踊らされて又落ちてゆく。そうL!FEの音の中へ。逃げられない衝撃。もう正方形をいくら押しても無駄だ。プレイヤーを破壊しても無意味だ。頭の中で音は鳴り止まず、その音にただ私たちは体を動かす以外術は無い。皆様も、その激しくも美しい体験を是非一度。


下北沢SHELTER:二郎


LISTEN UP / ラブボート

TKT-1001 1,050yen(tax in) / 1.16 IN STORES

冬の夕焼けのような音楽。曖昧で分かり辛い表現ですが、このCDを聴いたときにそんな風景が一瞬にして浮かびました。ほんわかとした風景に浮かぶ緩やかな曲線。どこか懐かしい、どこか温かいぬくもりを感じるその歌声は、まるで母のぬくもりのようなものを感じますね。きっと大きなものを本人達は抱いているんだろうな。 たしかこんな感覚どこかで味わっていた気がするんだけど思い出せないな。たぶんそんな感覚にとらわれるのもこのバンドの魅力なんだろうな。冒頭にも言いましたがどこか懐かしくて、ウキウキしてきます。でも本当にこんなに温かい気持ちになる音楽は久しぶりかもしれません。テンションがあがる音楽。びっくりするというか驚かさせられるような音楽。涙してしまいそうになる音楽。さまざまな音楽がありますが、ホノボノと落ち着いてウキウキしてしまう音楽って最近出会えてなかった気がしますよ。そう言ったところが昔みたことあるけど思い出せないような風景を描かせてくれるのかもしれませんね。このCDを聴けば、きっとあなたもこの冬の暖房器具の用に欠かせない1枚になると思いますよ。


新宿LOFT:HxGxK


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BOφWY / “GIGS”BOX

DVD:TOBF-5555 32,000yen (tax in) / IN STORES NOW

「一度作ったものをまた突き詰めて表現していくことに俺は興味を感じない。自分の中に新しいものをインスパイアさせて、それを次の作品として表現していく。常にその繰り返しでいたいと思う。そうじゃなくなったらきっと、BOφWYはBOφWYとして輝かなくなると思うんだ」(氷室京介/vo)
「ベースだけが売りですからね。それと違う部分で評価される必要は全くない」(松井常松/b)
「やっぱり客がノッてくれた時が一番気持ちいい。みんなが愉しそうにしてるのを見ると嬉しいよね」(高橋まこと/ds)
「まこっちゃんはマメだらけで叩くし、まっちゃんと俺は爪がなくなるくらいに弾いてるし、ヒムロックはステージを降りるとちゃんと立てないくらいに唄い込む。みんなそういう痛さが気持ちいいんだろうね。痛みがないと、やってる実感がないじゃない?」(布袋寅泰/g)

──BOφWYの歴史を語る上で欠かすことのできないGIGをふんだんに収めた8枚組DVD BOX『“GIGS”BOX』の1枚、〈FINAL伝説〉の中で各メンバーがカメラの前で語った言葉である。映像は、すでに解散を見据えていた1987年2月に撮影されたものだ。この発言から10ヶ月後の12月24日、BOφWYという日本のロック史上最高峰のバンドは渋谷公会堂(当時)において衝撃の解散宣言をする。氷室の言葉を借りれば“BOφWYとして輝かなくなる前に”自らの手で全てを燃やし尽くしたその終幕は、カットアウトの美学を貫いた彼ららしい選択肢だったと言える。

その解散宣言から20年後にあたる昨年末、同じクリスマス・イヴの日に、極めて歴史的価値の高いアーカイヴ作品が3アイテム一挙に発表された。先に述べた、バンドの真髄とも言えるエポックメイキングなGIGの数々を収録した『“GIGS”BOX』、“BOφWYのレパートリー全てを演奏する”というコンセプトのもとに行なわれた伝説的GIGのセットリストを完全に再現した3枚組CD『“GIGS”CASE OF BOφWY COMPLETE』、そして『MORAL』から『PSYCHOPATH』までの全オリジナル作品と関連作品10タイトルの紙ジャケット仕様CD──以上3つの作品群がそれだ。

特筆すべきはやはり、門外不出のレア映像が数多く収録された『“GIGS”BOX』である。現役時代にマネージャーとしてメンバーと苦楽を共にし、“5人目のBOφWY”として知られる土屋 浩(EARTH ROOF FACTORY/B to Y Music 代表取締役)が「オフィシャルとして発表できるものはこれで全て出し切った」と語る通り、後にも先にもBOφWYの映像集としてこれ以上のクォリティとヴォリュームを誇る作品は二度と生まれ得ないだろう。これらの映像を見て痛感するのはバンドとしての本懐が一貫してステージの上にあったことであり、エナジーが迸るオーセンティックなライヴ・パフォーマンスはその何よりの証左であるということだ。過去も未来もない、ライヴという今この瞬間に全てを完全燃焼すること。それがロック史上稀に見るクリエイティヴな集合体だったBOφWYに与えられた命題だった。翻って言えば、BOφWYとは今・今・今の数珠繋ぎのような存在だった。芸術性と破壊性の狭間を激しく行き来しながら、彼らは“φ”=“何処にも属さない、誰にも似ていない”前人未踏の境地へと達した。錆び付くことよりも燃え尽きることを選んだからこそ、彼らは永遠になれた。この8枚組DVD BOXには、決して真っ直ぐな線にならずに一瞬一瞬を点の爆発で在り続けた彼らの美しき儚さと、次の20年後にも至高の音楽として語り継がれるであろう永遠の輝きが充ち満ちている。


Rooftop編集長:椎名宗之

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