ギター バックナンバー

plane ('07年11月号)

plane

自分たち“らしさ”が再確認できた『localizer』。
今、再び大空へ羽ばたく!!

前作『Slow Express』から約1年半。planeが2nd.アルバム『locarizer』をリリースした。“localizer ”とは航空用語で着陸進入中の航空機に対し、指向性電波を発射して滑走路への進入コースを指示する3つの装置のひとつ。今作は、過去の自分たちと向き合うことによって、planeらしさを再確認することができた作品と言える。
今回、お話を聞かせて頂いたのはVo.Gtの菊地佑介。日頃から等身大の自分を見てもらいたいと思っている(と私は感じた)彼が手がけた今作は、素直で真っ直ぐな作品に仕上がっている。“生”と“死”をテーマにしながら、生きていく中での人間の“泥臭さ”は感じないものの、『花火』に続き、こういう表現方法もあるのかと考えさせられた。彼の「人」をまず知って頂きたい。そしたら、もっとplaneを楽しめます。(interview:やまだともこ)


ライブではやらなくてもいいんです

──この度、2nd.アルバム『localizer』がリリースされますが、『Slow Express』に比べてバンドとして成長を感じたところはありましたか?

菊地:今までは、昔作った曲を練り直すというのが嫌いだったんですけど、今回は昔の曲をもう一度作り直したいという気持ちになったので、そこは成長したのかなと思います。『象の目』(M-10)は8年ぐらい前の曲で、ライブでは昔はよくやってたけどCDに入れたことがなかったんですよ。ライブのリハで、ふと思い出して演奏してみたらすごく良い曲だと改めて思ったので、練り直して入れたんです。

──『localizer』は、『ぼくの中の血液』(シングル『花火』に収録)でも感じましたけど、1曲の中で怒りや悲しみを乗り越えて前に向かおうという詞が多いのかなと思ったんです。

菊地:ネガティブなこととか怒りは僕自身はそんなにないですね。例えば全ての人が平等に幸せを持てたとしても、結局1人1人は悩みがあるわけじゃないですか。そういった何かしらの悩みを持っているんだろうなっていうところが、今回のテーマです。産まれて生きて死ぬまでの3つを書きたいと思ったんです。歌詞を“怒り”と捉えたとしたら、それは生きていく上で絶対に生じるネガティブですからね。例えば、朝起きることはしんどい。朝が来ることは素晴らしいことなのに、それは当たり前としている。そういう矛盾が入っているのかなと。確かに怒りや不満が入ってますけど、それを思ってる中でも当たり前にある日常にほっとしている自分がいる。そういうギャップです。

──『dead stock』(M-7)は、ネガティブに考えているけど最後にはちゃんと前に進めていると感じましたが。

菊地:死ぬことをネガティブじゃなくて、ポジティブに考えて欲しかったんです。この曲は19歳の頃に作ったんですけど、ちょうどノストラダムスの大予言がある前の年だったんです。その時のテーマは、防ぐことができない「死」に対して、どう受け止めていけるだろうか。予言から7年も8年も時間が経って、一言で「死」と言っても、まわりにいる大切な人たちの事を考えることによって、向き合えるような気がして歌詞を書き直してメロディーも変えたんです。1行目の「どんなふうに死んでしまうのかな?」は、最初から気持ちが変わってないからそこを軸に考えました。

──つぶやくように歌っているところが、感情をよりリアルに伝えますね。

菊地:だからライブではやらなくてもいいと思っているんです。ライブはポジティブになる場所なので、1人の人が死を考える歌を歌うよりもライブ楽しかったなって思いながら、家に帰ってCDを聴いてくれる時にいろいろと感じてくれたら良いんですよ。


ポップな人になりたい

──今回のアルバムは、「自分たちを見つめ直す」ということがテーマだそうですが。

菊地:前のアルバムの時から自分ができることを探していて、今の自分が昔の自分と向き合うことができたという感じですね。もともと、アルバムを作り始める時はこういうテーマでいこうとかはないんですよ。でも、潔いアルバムだったり、聴きやすいアルバムだったりを作りたいと思ったんです。あとは、やりたい曲をワガママに入れてみたと言う感じです。

──『localizer』を制作するにあたり、前作から曲は作り貯めしていたんですか?

菊地:僕は作っておくということを一切しないんです。

──一番新しい曲はどれになります?

菊地:『Birthday』(M-9)ですね。アルバムに入れるあと1曲は何にしようっていうので作ったんです。

──これは、力強い曲ですよね。

菊地:planeのロックの部分が出ました。ロックが嫌いなわけではないんですけど、ポップな人になりたいって思っていて、POCK(ROCK+POPの造語)という言葉ができたんです。でも、意外と自分にはロックの部分があったんだなと再確認しました。

──普段はどういう音楽を聴いているんですか?

菊地:コーネリアスとかSOTTE BOSSEとか井上陽水さんとか。でも基本的にはあまり聴かないです。曲もスタジオに行って作りますから。高校生でバンドを始めた当時は、CDを作るっていう感覚がなかったんですよね。ライブのために曲を作って披露したら終わり。その感じなんです。だから、今でも「アルバム作りますよ」ってなったら曲を作る。参考曲は何曲かはありますけど、そこから選ぶ作業も僕らの場合はけっこう早いですね。

──今回CDに入らなかった曲は今後どうなるんですか?

菊地:ストックはしてますけど、世に出るかはわからないんですよ。曲ができた瞬間はCDにしたいと思ってるけど、その気持ちが続くとは限らないですからね。スタジオを出たら、普通の生活に戻るので音楽のことは考えてないですもん。

──普段は音楽のことは考えずに?

菊地:考えないと言ったら嘘ですけど(苦笑)、それはベーシックなところにあるので、常に楽器を持って考えてるわけではないということです。家でギターをたまに弾くぐらい。曲を作りたいと思っても、すぐに良いフレーズが出てくるわけではないですからね。でも、道を歩いていて不思議に思うこととか、小さな幸せを感じる場面に出会ったりすると、そこから詞が浮かんだりします。

──日常のふとした瞬間に思いつくと…。

菊地:はい。それが、昔の曲の空いてるパズルにはまると「あっ!」って思う。曲が完成しないのは、残りの1ピースが見つからないんです。大まかに言いたいことは見つかっているんですけど、最後の何文字かがしっくり来ないから完成しない。そこにたまにしっくり来るのが見つかる。だから日頃から考えてると言えば考えていますけど。

──前に作った『象の目』のどこかに、今回はピッタリと来る文字があったんですね。最後のフレーズにある「そうだ世界は素晴らしい」は素敵な言葉だと思いましたよ。菊地さんが書く詞というのはフィクションになるんですか?

菊地:はい。全部夢の世界のお話ですね。この瞬間にも赤ちゃんが産まれてますよね。だから、『象の目』のお話になっているように、今、サーカスに彼女を誘って断られてる男の人がおるかもしれない。それが歌だと思うんです。想像でもなんでも起こるかもしれないって思うんです。

──夢かもしれないけど、それは現実に起こってるかも知れないと?

菊地:そうそう。それでいいような気がしてます。

──何かしらのきっかけはあるにしろ、全体的におとぎ話の世界を感じさせますね。

菊地:最初に何か目で見えるものがあって、想像力を付け足していってますからね。


逆の発想で感じる楽しさ

──ところで、今回はキーボードの音がたくさん入っていますが、キーボードを入れることによりバンド内で意識的な変化はありましたか?

菊地:『はなればなれ』(M-6)は曲作りの段階でキーボードの斉藤さんに来てもらったんです。僕は曲を作るときは大勢で作りたいんです。何かしらの影響を受けますからね。『signal』は、デモの段階でメンバーはほとんど弾いていなかったんですよ。全員の音がなくても成り立つんだってわかりました。だから、次のアルバムを作る時は、「メンバーが音を出さなくてもいいや」って思ったんです。より曲に歌に歌詞に向き合うことができるので、それがバンドにとって良い場合もあるのかなって思いましたよ。音を出すって簡単だけど、楽器を持っているのに音を出さないのがかっこいいのかな。弾いてない時にステージで楽しくしてるベーシストだったり、ボーカリストだったり、ギタリストだったり、ドラマーだったりになれるか。ステージにいながら、お客さんでもありたいですね。

──だからこのアルバムではいろんなサウンドに挑戦しているんですね。それぞれの曲が相乗効果で引き立て合って、1枚を通していろんな曲が聴けたっていう印象を受けましたよ。それがplaneのPOPな部分なのかもしれないですね。

菊地:ほう。それいいですね(笑)。僕らは日本一優柔不断なバンドなんですよ。4人じゃ何も決めれないもん。ライブもライブハウスの人と仲良くなってライブをしたいし、ライブハウスの人と出会うからライブができるし、お客さんがいないとライブはできないし、やりますけど、いないとできない。

──みんなの協力を得て何かをしたいと。

菊地:そうそう。みんなで一緒に作り上げていきたいんです。

──『localizer』も多くの人の気持ちがちゃんと入っているということですね。

菊地:でも、レコーディングの時にメンバーに歌詞を見せないんです。曲を作る段階で音を出してるし、声も出してる。その時の声を聴いてほしいんですよ。雰囲気でわかって欲しいんです。いちいちこう弾いてやって言われたら気持ちが萎えると思うんです。だから、メンバーとも常に勝負しているんですよ。

──planeの場合、アレンジはどうやっているんですか?

菊地:各パート毎。持ってる楽器の担当者が一番気持ちよくやりたいと思ので、丸投げですね。

──今回はどの曲が一番楽しくできました?

菊地:『signal』ですね。

──デジタルっぽくて軽いサウンドの曲ですよね。重たい詞だけど、こういうサウンドに乗せることによって、どんよりしない。

菊地:「墓場まで一緒に行こうぜ」って言われたら嫌やけど、ほんまに行けたら最高の友達だったり恋人だったりするから、それがおもしろいなって思って作ったんです。

──『花火』(M-8)は華やかを想像させる花火なのに、こういう表現の仕方があるんだなって思いましたよ。

菊地:あれは1回目で1番を歌えた曲ですね。デモの段階ではもっとエフェクトがかかっているんですけど、歌をうまく歌ったから、機械にひっかからなくなったんです。でも、叫びたくはないんです。

──菊地さんはライブでも、感情をあまり前に出さないですよね。

菊地:内に秘めてる感じですか? ライブってのは楽しくて当たり前だと思うんです。でも、ライブ中に何かひとつでも違和感を感じることができたらそれまでも楽しくなる。逆に楽しいっていう状態ですね。

──planeの魅力はメロディーの美しさや、サウンドの作り方、ボーカルの綺麗さだと思いますけど、ご自身で思う魅力は?

菊地:迷いながら試行錯誤しながら。まわりの人たちのおかげでやれてますね。それは僕らに意志がないわけではなくて、こういう曲がやりたいと決めつけてしまうよりは、常に探している状態です。

──好きな異性のタイプを聞かれたときに、「その時好きになった人がタイプ」って答えるような感じですね(笑)。その時に、やりたいと思ったことをやるというのは進化していく感じがします。

菊地:そうなんです。それと今回ジャケットもいいんですよ。僕の頭にあるものをデザイナーさんに全部言ったんです。虹は架けたかったけど、それは言わずにいたんです。でも、出来上がってみたら虹が架かっていて奇跡ですね。

──これは綺麗なジャケだと思いましたよ。ところで、planeは11/6にはワンマンも決まってますね。

菊地:やっぱりボーカルは難しいですよ。

──え!?

菊地:ステージにいて黙ってられる人のほうがすごいんです。ライブって自分のペースじゃないですよね。その中で自分のペースを守れる人間になりたい。それは空気が読めないのかもしれないけど、そうでありたいという複雑な気持ちもあるんです。自分を見せたいと言うよりは自分でいたいんです。ライブはCDを聴いてなくても楽しめるように表現できると思ってます。アルバムは聴きやすいと思うので、ライブで良いと思ったらぜひ聴いてもらいたいです。


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Live info.

『tour localizer 2007 -炭酸少年が行く-』
11.06(Tue)SHIBUYA O-WEST
11.12(Mon)仙台CLUB JUNK BOX
11.14(Wed)札幌COLONY

『COUNTDOWN JAPAN 07/08』
12.31(Mon)幕張メッセ国際展示場1〜8ホール

『plane tour localizer 2008 -POCKの中の血液-』
1.18(Fri)心斎橋BIG CAT
1.20(Sun)名古屋ell. FITS ALL
1.27(Sun)渋谷CLUB QUATTRO

plane official website
http://www.plane-jp.com/



posted by Rooftop at 13:00 | TrackBack(0) | バックナンバー

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