ギター バックナンバー

DISK RECOMMEND part-1('07年10月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
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★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

ASPARAGUS / MONT BLANC
XQDA-1002 (3P3B-53) 2,500yen(tax in) / 10.10 IN STORES

待ってましたとばかりに 、ASPARAGUS待望の4枚目のフルアルバム『モンブラン』が堂々完成しました!! 前作の話題を集めた、ダブルアルバムリリースから3年半(!?)、沢山の人達が待ち望んだ作品です。ご存知かと思いますがASPARAGUSは、元CAPTAIN HEDGE HOGの渡邊 忍氏(VOCAL&GUITAR)、元ナイスマーブルスの山下潤一郎氏(BASS)、元popcatcherの一瀬正和氏(DRUMS)の3人で、2002年横浜にて結成されたスリーピースバンドです。彼らの魅力といえば渡邊 忍氏の独特の甘い歌声と、スピード感溢れる曲の構成、メロディアスかつメランコリックな楽曲。どれをとっても一度聴いたら頭から離れないというのが特徴です。昨年末、リスナーや私達を驚かせた衝撃ともいえる山下潤一郎氏の脱退。今年の1月には元SHORT CIRCUIT 原 直央氏の加入。その事実にただ驚くばかりでしたが、メンバー脱退をものともせず、彼らの底力は私たちの期待を遥かに上回り、そしてBANDとして進化し、作品となって届けられたのです。今作品はその良質な楽曲と共に、今までの活動で得たそれぞれの演奏力と表現力が巧みに溢れています。個人的にはM-1『SILLY THING』に上がりつつも、M-4『WITH THE WIND』のアコースティックへという展開がたまらなく好きです。その二面性が極端ではありながらも、彼ら1人1人の強い音がぶつかり合い、この3人にしか創り得ないサウンドを生み出しているのです。
BANDの方向性がしっかりと色づけされている今作品は、通販とLIVE会場限定でしか手に入らなかった 『Yes/No』や、BEAT CRUSADERSとの話題を集めたSPLIT CDに収録された『DEAD SONG』の再録音をはじめ、これまた通販やLIVE会場限定の『HONESTY』も収録。すでにLIVEでは好評な楽曲もあり、全12曲、トータル約45分。圧巻! といった聴きごたえたっぷりな内容となっております。アルバムを引っさげて全国ツアーも決定しており、皆さん、見逃してはなりません!! 詳しい話は本誌でのインタビューが必見です。(万歳、表紙です)!!


新宿LOFT:平子真由美


ANOYO / リカオン
DLNB-2001 2,000yen(tax in) / 10.10 IN STORES

ひとつひとつ、ほどいてみよう。ひとつひとつ、紐解いてみよう。おそらく無理であろう。世の中には見つけたいの見つからない物、欲しいのに手に入らない物、出会いたいのに出会えない人など、どうやっても出来ないことや、叶えられないことがある。それって仕方のないことだし、誰が悪い訳でもない。でもやっぱりモヤモヤするし、出来ることならどうにかしたい。叶えたい。そう言うどっちについて良いのか解らない微妙な気持ち。紐解くこと出来ますか?無理なものは無理なんだよ。だから何って事ではないけど、そう言う気持ちってすごく大事だと思います。悩まない人間なんていないし、悩まない人間はたぶんちっぽけな人間だし。答えを出すことが大事な訳ではないし、答えが出ないから不正解とは限らない。どんな人の人生もレールなんて物はないし、自分で作らなければいけない。でも逆にすでにレールがあるってとてもつまらないことだし。ゆえに色々悩んだり。ゆえに傷ついたり。ゆえに叫びたかったり。叫べなかったり。アンバランスで言葉じゃ表せない物。空間。不安定でおっかない気持ち。出会い。人。だからおもしろいんだよ人生は。だからおもしろいんだよANOYOは。


新宿ロフト:HxGxK


ALvino / ALflavor
初回盤:VPCC-80623 3,150yen(tax in) 通常盤:VPCC-81578 2,800yen(tax in) / IN STORES NOW

2007.9.5に1st ALBUM『ALflavor』をRELEASE&メジャーデビューしたALvino。ALvinoの曲は、すごく聴き易いという印象を受けました。その曲の情景が頭に浮かんでくるような感じで歌詞が身近に感じられ、曲に「スッ」と入り易い。人と人との関係に例えると、打ち解けやすい! という感じです。聴いていてとても心地よく、曲によってはとても切なくなりました。全13曲収録されているこのALBUMから、心に響く「歌詞」をいくつも感じました。
『ALflavor』が発売された翌日の関東に台風が直撃した9月6日、ここ新宿LOFTにて、デビュー後1発目のLIVEを行ったALvino。台風にも負けず、たくさんのお客さんが来て下さり、とても熱いLIVEが繰り広げられました。そんな所からもALvinoのスゴさを感じました。11月9日からTOURが始まるALvino(詳しくはこちら→http://www.alvino.jp/)。CDを聴いたら、LIVEが観たくなるはず! ガッツリ聴き込んで、LIVEを楽しんで下さいネ☆


新宿LOFT副店長:河西 香織


eastern youth / 口笛、夜更けに響く
坂商-三 / 現在廃盤

高円寺の「円盤」と言う、30人も入れば一杯になるお店で、僕は遅まきながら、吉野さんの「弾き語り」を初めて目の当たりにしたのである。それで、コロリと虜になってしまった。「一目惚れ」ならぬ「一聴惚れ」とでも言うか。吉野さんは、かつて浅川マキがカヴァーしていたという『JUST ANOTHER HOKY』を聴かせてみせたのだが、その原曲を僕は知らないんだけど、何というか、完全にもう吉野さんの「モノ」になっているのである。それ以来、僕はイースタンのCDばっかり聴いていて、例えばこの『口笛、夜更けに響く』に収録されている『たとえば僕が死んだら』。言わずと知れた森田童子のカヴァー曲だけど、歌詞もアレンジも変えて、もう原曲とは完全に別「モノ」。力のあるヴォーカル。「人の曲やるなら、この位しましょうや」と言わんばかりのクオリティ。あと関係ないけど、吉野さんの好きな小説家が「チャールズ・ブコウスキー」って所も無骨でグッとくる(笑)。他にも色々書きたいんだけど、とりあえず今、僕の中で一番熱いのはeastern youth吉野寿さんなのです。今さら? とか言われも全く構わないし(笑)。


Naked Loft:イシザキ@汚い方


石田ショーキチ / love your life
KICS-1331 3000yen(tax in) / IN STORES NOW

SPIRAL LIFE,SCUDELIA ELECTRO,MOTORWORKSと泣く子も黙るゴツいキャリアを誇る「石田ショーキチ」氏ですが、遂にソロワークスでCDリリース。ここ近年「石田ショーキチ」名義でのライブはちらほらシェルターでもあって嬉しいことなのですが、ソロでのリリースは初と聞くとちょっとびっくり。SPIRAL LIFEが1993年デビューだそうで、おそらく…ですが今までの経験値と現在のショーキチさんをぶち込んでいる作品になっているのではないでしょうか? 石田ショーキチのイメージが多角形に入り込んでいるので、どの側面(曲)も「ショーキチ」さんになってます。いわゆる「大人」が自分がやりたいことをすると「エゴの塊」になってしまうパターンが多いですが、人柄のよさ(実際スゲーいい人なんす)により「エゴ」は皆無で、「優しさ」が残る前向きな作品です。こんな懐の深い大人になりたい。


下北沢SHELTER店長:西村等


F.I.B / FILL IN BLANKS
PZCA-37 1,575yen(tax in) / IN STORES NOW

PIZZA OF DEATHからリリースされた、The Very Best of PIZZA OF DEATHのレビューでも1番好きだと書いた、無名の新人F.I.B待望の1stミニアルバムが発売された。1曲目、気持ちの良いstop&goの『Start From Here』。ここから始まるんだ!! と高らかに歌う。ドラムの刻みが最高に気持ちいい、ストレートな西海岸のバンドの様な感じ? しかし、そこから打って変わって、4曲目の『Kizuna』では、テクニカルなギターリフからギターのハーモニーが美しく鳴り、またドラムの早い刻み。最高です。そして甘酸っぱい青春時代を感じるメロディに、歌を良く聴いてみると、こちらも切ない思い出を感じます。そんな曲も有りながら、6曲目では『NO WAR!!』と言うメッセージを込めたスピーディー&パワフルな名曲。そして最後はライブでも定番であろうシンガロングな『Fill In The Blanks』。こんなバンドがどんどん出てきたら、ライブハウスにも人がどんどん入ってくるんだろうなと思える1枚でした。


新宿ロフト店長:大塚智昭


OGRE YOU ASSHOLE / アルファベータ vs. ラムダ
OYAUK-0001 2,100yen(tax in)

遂に出ましたオグレ(正確にはオーガ)渾身の2nd ALBUM。もうタイトルからしてイカシてます。タイトル以上に内容がびっくりするぐらいの出来栄え! これならMODEST MOUSE(祝ビルボード1位)も納得するハズです。「ツインギターが絡み合って…」とかのレベルじゃないです。ドラムがあってベースがあってとかの普通では考えられない(特に日本をフィールドにしているバンド)曲の詰め方、どんな工程で出来上がったんだろうとバンドマンをも唸らせる日本語詞による完成された楽曲の数々。オルタナバンドが世界を圧巻している近年、純粋なバンドでの日本発信もそろそろいいんじゃないでしょうか!? なんというか、アメリカ越えは軽くしたみたいです(笑)。


下北沢SHELTER店長:西村等


音速ライン / 青春色
初回盤UPCH-89012 通常盤 UPCH-80041 1,000yen(tax in) / 10.10 IN STORES

ハイペースに作品を発表している彼ら。今回も秋の夜長にまさにピッタリなノスタルジックな楽曲を届けてくれました。淡い風景が脳内の中で広がり、聴き手の想像をまさに掻立てる様な作品。ストリングスをフィーチャリングする事によって、『青春色』の世界感をさらに壮大なものにしているんです。
最初の出音を聴いて、「うわぁ〜、また涙腺を刺激する様な曲を書いたなぁ〜」というのが最初の印象でした。“思い出”を大切にしている全ての人達の心をギュッと掴んだら離さない魅力があります。ライブで表現しているのを聴いてみたいな。C/Wには、以前コンピレーションに楽曲提供をした『スナフ』を再びレコーディングしてパッケージ。これまた力強く変身。恒例のカバーシリーズはイモ欽トリオの『ハイスクールララバイ』です。音速流のアレンジは必聴!
また次の作品が楽しみでならない余韻をこの1枚で残してくれました。


SONG-CRUX:樋口寛子


kiiiiiii / AL&BUM
BSPT001 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

ここ最近、全世界的に女性バンド、というか女性による、ポップミュージックを鳴らすグループが盛り上がっているらしい。日本でも、SXWXに出演したり、NYを含むUSツアーを敢行したりと話題のkiiiiiiiが待望の1stアルバムを発売した。
自分は9/16に、これまた日本のガールズロックカルチャーの牽引者者と言っても過言ではないVAMP! magazineによるイベント、“CHICKS RIOT!”にて初めてライブを観ました。このCDはバックトラックが結構入っていて多少豪華な印象になってますが、ライブは基本は2人のみでドラムとヴォーカルというスタイルなのです。バックのトラックがないと言う事が、あまり気にならないくらいパフォーマンスを面白く見せてくれるので逆に物凄くパワフル。でも物凄くテンション高くメチャクチャ変な事やってるワケでもなく、誰でも楽しく見れるようになっている所に何か確信犯的なモノがあるような気すらしました。9月の末からはヨーロッパツアーに出るそうですが、帰国してからまたライブがあるそうなので観ておいた方が良いですよ。


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


ザ・キャプテンズ / 電気仕掛けの忍者
GSCR-1005 1,800yen(tax in) / 10.03 IN STORES

9月にはアメリカツアーを行ない、9月12日には初のベスト盤がアメリカのインディーレーベル「TOKYOnoRECORDS」から発売され、海外でも大活躍中のザ・キャプテンズが10月3日にはニューアルバム『電気仕掛けの忍者』をリリースする。1曲目は『THE LOVE NINJA』…このタイトル、なんのこっちゃと最初は正直思った。しかし聴くたびにどんどんハマる。メロディーにもサウンドにも“和”の要素を取り入れ、4人のエレキ忍者が4つ打ちガレージビートで愛を叫ぶ。 1960年後半にブームとなったGSのサウンドに乗せて届けられる全7曲は、どことなく懐かしさを感じさせ、タイムスリップでもしたような気持ちに…。と言っても、残念ながら私は1960年代には産まれていないから、GSを聴いて“懐かしい”と感じるのかは自分でも不思議。小さい頃に家でかかっていたレコードの記憶なのか、とにかく懐かしいものなのである。
思うに、ザ・キャプテンズは、ライブハウス界隈で主に活動しているバンドではあるが、もっと一般のリスナーに聴いてもえたら良いのではないか。固定観念ではなく幅広いジャンルを聴く人にとって、彼らの楽曲は誰もが口ずさめるほどすんなりと聴くことができ、今の音楽シーンにおいて貴重な存在じゃないかと思うのだが…。このレビューを読んで、ライブハウスに足繁く通っていない人が一人でも気になると思ってもらえたら、ぜひ聴いていただきたいと思う。私は特に『恋の片道切符』が好き。


Rooftop:やまだともこ


KOHL / KOHL LAST LIVE 螺旋シアター 〜END ROLL〜
OZV-07091 3,000yen(tax in) / 10.10 IN STORES ※枚数限定販売

07年3月22日、新宿LOFTでのライブを最後に惜しまれながらも約4年間の活動に終止符を打ったKOHL。その4年間でシングル1枚、アルバム5枚というハイペースなリリースにも関わらず、クオリティの高い楽曲を産み落とし続けた。その高いクオリティと一貫した世界観の証明とも言えるベストアルバムが解散後の5月に発売されたが、今回はライブ映像を発表。これまでライブ映像等は一度もリリースされることがなかったKOHLだが、上記の新宿LOFTでのライブの模様を全21曲、約2時間と余すことなく収録。「KOHLはライブバンドだから」とメンバーがよく言っていたが、その“ライブバンド”の全てを注ぎ込んだ当日の熱気が蘇るかのような見応え満載のDVDとなった。
この作品は枚数限定販売となっていて、通販ならOZ MUSICのオンラインショップ(http://oz-music.shop-pro.jp/)で、ショップ(通販も可)なら下北沢のハイラインレコーズ(http://www.highline.co.jp/)で購入可能。なるべく早めのゲットをオススメします。


LOFT PROJECT:東 健太郎


STARBOARD / Drive-In
XQDH-1001 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW

どんなCDを聴く時でも、再生してからの最初の1曲目って結構重要ではないでしょうか?? アルバムのタイトルでもある『Drive-In』という曲がこの度紹介するスターボードのニューアルバムの1曲目になっている。震えました。ここ最近では海外アーティストの来日サポートもあってか、邦楽ファンのみならず、洋楽好きのリスナーをもうならせる彼らの楽曲。そんなエモーショナルな楽曲構成から飛び出してくるのは日本語。英詞が聴こえてきそうだけど、日本語で耳に入ってくるのでイメージしやすく、綺麗な声と美メロが心地よく、いつまでも聴いていたくなる様な気持ちにさせられました。
彼らを知らない人は、まだ出会えてないだけです。「STARBOARD」というバンド名をよく見かけ、気になった時、この最高傑作『Drive-In』を聴いてみてください。


新宿LOFT:佐藤 統


スワン / フィズ
CTCD-588 2,300yen(tax-in) / NOW IN STORES

「陸の孤島」土佐の国から、まっことごっついバンドのCDが届けられた。1999年に高知で結成されたトリオバンドswan。地元を中心に各地のライブハウスで評判を呼び、このほど完成した待望のファーストアルバムがこの『FIZZ』となる。ギター、ベース、ドラムの三人編成ならではのシンプルなswanのロックは、ワンコードのギターリフレインで聴くものを陶酔させていくのを特徴としつつ、静寂と喧噪の干満でより大きなグルーヴ感を生み出している。エンジニアは、ゆら帝、ギターウルフ、Boris等でおなじみの「轟音の魔術師」中村宗一郎。ガレージやサイケデリックな要素がありながらも、swanの場合は、むしろサイケ以前のファズサウンドが心地よい。ジミヘンでいえばエキスペリエンス辺りの感触だ。直接的な感情を言葉にした歌詞は、聴く側の感覚をダイレクトに刺激し、演奏と渾然一体となって迫ってくる。是非ライブを体験したくなるバンドだ。


加藤梅造


part-2に続く→


posted by Rooftop at 06:30 | TrackBack(0) | バックナンバー

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