何でこんなにいい音が雑然としたスタジオで出るのか!?
STUDIO IMPACTと杉山オサムのレコーディング・マジックを徹底解明!
我がLOFT PROJECTが快適なレコーディング環境とコスト面の良心性を追求すべく設立したSTUDIO IMPACTは、メイン・エンジニアの杉山オサムの手腕と人柄もあり、数多くのバンドマンから絶大な支持を得ている。最寄り駅の西武新宿線・下井草駅から徒歩5分、新青梅街道に面したビルの2Fにある小さなスタジオではあるが、リラックスして雰囲気の良いレコーディングをするには絶好の環境だ。このSTUDIO IMPACTで録れる音と杉山の技巧に惚れ込み、杉山とは旧知の間柄であるHARISSの高橋浩司、Swinging Popsicleの平田博信の両名を迎え、他のスタジオにはないSTUDIO IMPACTの魅力と特性(スタジオ周辺の食情報を含む)について存分に語り合ってもらった。(interview:椎名宗之)
IMPACTはカジュアルな雰囲気で煮詰まらない
──高橋さんがSTUDIO IMPACTで初めてレコーディングしたのは、THE TURN-TABLESの『MAKE A TRICK』(2004年10月発表)でしたよね。
高橋:ええ、それが最初です。その後にPEALOUTのライヴ盤『PIANOMAN R&R SHAKE, SHAKE, SHAKES!!』(2005年9月発表)のミックスがあって、今年に入ってからHARISSのファースト『POP SAVE US』(2007年3月発表)があって、IMPACTにはホントお世話になりっぱなしなんですよ。
──他のスタジオにはないSTUDIO IMPACTの良さとはどんな部分ですか。
高橋:うまく言えませんけど、単純に自分に合ってるとしか言い様がないというか。それはこのスタジオの空気感であったり、オサムさんの人柄であったり。PEALOUTのミックスをした時も、“これで解散は悔いなし!”と思わせてくれるような文句ナシのアルバムが作れましたからね。THE TURN-TABLESの時も有り得ないくらい録りの作業が早くて、2日くらいドラムを叩いて、後はずっと絵を描いてましたから(笑)。
──ああ、ジャケット周りにも使われた、泣く子も黙る高橋画伯のあのイラストですね(笑)。
高橋:ええ(笑)。とにかくIMPACTではドラムを気持ち良く叩けるんです。PEALOUTの時に何度かニューヨークでレコーディングをしたことがあるんですけど、その時叩いたドラムの感じに凄く似てるんですよ。自分の音がしっかりうるさいというか。THE TURN-TABLESの1曲目のドラムを録った時から凄く好きなスタジオなんですよね。
杉山:ありがとうございます(照れ笑)。PEALOUTのライヴ盤で僕が大事にしたかったのは、ライヴの臨場感がまず第一。最終的にはオーディエンスの熱気みたいなものをどう再構築するかがライヴ・レコーディングの醍醐味ですから。でもね、THE TURN-TABLESにしろHARISSにしろ、高橋君が参加したバンドはリズム録りの記憶がほとんどないんですよ(笑)。
──あれ!?(笑)
杉山:いや、それはむしろいいことなんです。どうやって録ったか余り覚えてないっていうのは、それだけスムーズに作業が進んだってことですから。時間が掛かった部分だけは覚えてるんですけどね。
高橋:そうですよね。僕も正直、余りよく覚えてないんですよ(笑)。
──オサムさんから見たSTUDIO IMPACTの特性というのは?
杉山:ウチのスタジオはマンション改造型じゃないですか? 大きいスタジオみたいなスペースの使い方はできないし、天井が低いぶんロウが回って、綺麗な音が出せるというわけにはいかない。でも、それが逆に良かったりするんですよ。いい意味で雑然とした感じが出るというか。それを利用して録ろうというのをいつも念頭に置いてるんです。狭い所だけど、この部屋を使ってる僕らの愛情が確実に音に出ると思うし、そこは自分でも好きなところですね。東京のスタジオには珍しくロビーに窓があって、煮詰まることも少ないし。
高橋:そう、演奏する側にとっては時間の経過が判るのが凄く大事なんですよね。夜になってIMPACTの窓から人通りが少ないのを見ると、「ぼちぼちレコーディングやめない?」なんて話になったりもするし(笑)、ダラダラやらなくて済むんです。だからIMPACTは、自由にやらせてもらって、いい部分だけをちゃんと録ってもらえるっていう印象が僕の中にはあるんですよ。
平田:僕らはいつも自分達で素材を用意してオサムちゃんにミックスをお願いするので、IMPACTで録音したことはほとんどないんですけど、スタジオの密閉感みたいなものがないのがいいと思いますね。カジュアルな雰囲気で、煮詰まることがない。それが僕らみたいな宅録派のバンドマンにも合ってるんじゃないかな。
──平田さんは、Swinging Popsicleの『楽園主義 swinging of eden』(2002年6月発表)がオサムさんと関わった最初の作品ですよね。
平田:そうですね。オサムちゃんとは、エンジニアとして出会う前にまずバンドマンとして出会ってるんですよ。以前からオサムちゃんのパーソナリティや音楽の趣味を理解していたし、その頃僕らが志向していたシカゴの音響シーンもオサムちゃんは詳しかったから、コラボレーションをお願いしたんです。その作品で期待以上の気持ちいい音が出せたので、それ以降『transit』(2004年3月発表)、『Go on』(2007年5月発表)と3枚続けてお世話になってます。
杉山:宅録のミックスも凄く楽しいんですよ。平っちのドラムの録り方がどんどん巧くなってるのも判るし(笑)。
平田:(笑)そうやってオサムちゃんに褒められるのが楽しみな部分はありますよ。見えない部分でオサムちゃんと競争してる意識はいつもありますね。
杉山:Swinging Popsicleみたいに何にも情報のないところから曲が集まってきて、その後を任されるっていうのも凄くやり甲斐のある作業なんです。自分が一から録ってる作品よりもアクティヴになる瞬間すらありますからね。“意外な引き出しがあるんだな”って思われたい部分もちょっとあるし(笑)。やっぱり、平っちみたいに古くからの知り合いだからこそヘタは打てない。僕のミックスでドキドキして欲しいしね。それはどの作品もそうだけど、アルバムを何枚も任せられればその意識はより強くなりますね。
平田:僕らはオサムちゃん独自の色を付けて欲しいから、あらかじめ余白を作って素材を渡すんです。で、オサムちゃんがそこに手を加えてくれて、“あれ、こんなところにフィルが入ってる!”っていうようなサプライズが毎回あるんですよ。そんなコラボレーションが凄く楽しい。それと、僕らのアイディアにとことん付き合ってくれるのがオサムちゃんを信頼してる一番の理由ですね。
音楽を刺激的にすべく作用する雑味
──「オサムちゃん、それやりすぎ!」みたいな部分はないんですか?
平田:うーん…強いて挙げるなら、レヴェル突っ込みすぎなところかな(笑)。僕らは必ず2つのヴァージョンを作ってもらうんですよ。レヴェルがグイッと飛び込んでくるヴァージョンと、ちょっと抑えめなヴァージョンと。それはマスタリングの時にエンジニアと相談して、どちらが音のはまり具合がいいかを決めるんですけど。でもやっぱり、オサムちゃんの選択が吉と出ることが多いんですよね。『Go on』に関して言うと、生演奏で録った楽曲と打ち込みで録った楽曲とが半々あって、それぞれ別のセッションで録ったんです。その2つのセッションを、歌という素材でオサムちゃんが巧く繋げてくれたんですよ。あれは本当に見事でしたね。
杉山:それは素直に嬉しいな。『Go on』も『POP SAVE US』も、僕は普段から家で結構聴いてるんですよ。自分が関わった作品というのは置いておいて、バンドの持ち味がどちらもよく出てるから。アーティスト・パワーがあって、バンドの良さが出し切られてる作品は、自分が携わったものであっても、自分の手から離れて一リスナーとして聴けるんです。
平田:『Go on』をマスタリングしてくれた方も、このアルバムをエイジングに使ってるって言ってましたよ。
高橋:僕も『POP SAVE US』をレコーディングをする時の基本として聴いてますから。『Go on』は、ポップスな方向に行きかねないところをちゃんとロックなアルバムになってるのがオサムさんの手腕だと思う。決して無機質なものになってないし。
杉山:仮に打ち込みのミックスでも、人の手が加わった意志の感じられるものにしたいんですよ。そうすれば必ず有機的なものになるから。
──『Go on』と『POP SAVE US』の共通点を敢えて挙げるなら、どちらも歌の良さが際限まで引き出されているところですよね。
高橋:そうですね。だからHARISSは最初のレコーディングでハードルがもの凄く高くなっちゃったので、これからが大変ですね。『POP SAVE US』であれだけのことができちゃったから。今度iTuneシングルとしてリリースする「NEW WORLD」は別のスタジオで録ったんですけど、さっきオサムさんも言ってたように、IMPACTのほうが猥雑な感じが出るんですよ。どれだけミックスしてもザラついた感じが最後までちゃんと残ってるというか、いい意味で耳障りな音にちゃんとなってくれる。
──それこそがIMPACTマジックかもしれませんね。
杉山:そうかもしれない。他のスタジオで仕事をすることもあるんですけど、“この曲だけIMPACTのドラムの音にしたいな”って思う時が実際ありますからね(笑)。もちろんいいスタジオにはそれだけの良さが必ずあるんだけど、どんなスタジオでもキャラクターの見える所が僕は一番好きですね。お店でもそうじゃないですか? 洋服屋にしてもレストランにしても、その店で働いてる人の温かさがお客さんに伝わったほうがいい。ライヴハウスなんてまさにそうですよね。
高橋:僕らで言えば、IMPACTは4人の個性が凄く出しやすい。スタジオがそういう気持ちでやってるからじゃないですかね。“自分の叩くドラムってこうだったなぁ…”って改めて思わせてくれるんですよ。良くも悪くも素が出るんだけど、レコーディングってそういう瞬間を切り取ったものが盤になるわけだし、IMPACTはそういう作業に凄く適したスタジオだと思いますね。
──そこはやっぱり、オサムさんの人柄に担う部分が大きいんでしょうね。
平田:うん、それは凄く思いますよ。実は僕、HARISSが最初に作ったCD(『DEMO 5 POPS!!』)のミックスをやったんですよ。録った人が別にいて、「レヴェルを揃えるだけだから、平田頼むよ」って高橋君が素材を持ってきて(笑)。
高橋:そうそう。そんな時だけ先輩風を吹かせて(笑)。[編註:高橋と平田は大学の先輩・後輩関係で、共にMOTHERSというバンドをやっていた]
平田:その自分が携わった作品と『POP SAVE US』を聴き比べると、音質が違うのは当たり前だけど、録ってるテイクは『POP SAVE US』のほうが格段に恰好いいんです。レコーディングは物理作業だから、“ここでこうやればこういう音になる”という道筋と方程式があるじゃないですか? だけど、『POP SAVE US』に関しては“なんでこんないいテイクが録れてるんだろう?”っていうのがあって。誰とは言いませんけど、演奏もいい加減なところが実はあって(笑)、でもそれがアルバムを刺激的にする雑味としてちゃんと作用してるんですよ。その雑味っていうのは、誰かが判断しないとOKテイクにならないじゃないですか? その雑味をOKにしたディレクションを含めて、IMPACTでどんなことが行われたんだろう? っていうのは凄く興味あるんですよね。僕が思うに、音にはならないこのIMPACTで行われた作業──メンバーとオサムちゃんとのコミュニケーションだったり、オサムちゃんが言った気の利いた一言だったり、そんなものが作用してるんじゃないかな、と。
高橋画伯はアトリエとしても利用!?
高橋:オサムさんが迷うことなく「今のでOK!」って言ってくれると、それがワン・テイク目でも“これでいいかな?”と思えるんですよね。“ホントに大丈夫かな?”と思っても、聴いてみるとまず間違いがない。『POP SAVE US』も、3回演奏した曲があるかどうかっていうくらいだったし、録るつもりで叩いてないテイクが採用されたケースもあるし。
杉山:ギター・ソロのミスとかの失敗はあるにせよ、やっぱりワン・テイク目って確実にいいですからね。それは何があっても押さえておくことにしてるんです。エディットする気になればそうすればいいと思ってるし、「今の消していいよ」って言われても、僕はまず消さないんですよ(笑)。HARISSは仮歌でOKなのも多かったんです。ワン・テイクどころかゼロ・テイクだけど(笑)、最初に無意識で唄ったものは“唄いたい!”っていう思いが詰まってるから、多少粗っぽくても間違ったテイクではない。スタジオに持ってくるまでに何度もリハを重ねてるだろうし、すでに熟成した形になってることが多いですからね。
平田:オサムちゃんの音の演出との相乗効果なんだろうけど、「WHO KILLED?」の8小節のドラムのロール・プレイにはシビれたねぇ…。
高橋:ホント? そういうのやってたっけ?(笑)
平田:頼みますよ、先輩(笑)。ここ1年で聴いたロックンロールの中で、最も刺激的なプレイのひとつだったんですけど。
高橋:そこまで言ってくれるなら、今度からどの曲にもロール・プレイを入れようかな(笑)。
──ストレートなロックンロールを奏でる高橋さんのようなタイプもいるし、純度を上げて録音していく平田さんのような宅録派もいるし、多種多様なバンドマンの資質に対応できる才能がエンジニアには求められますよね。
杉山:でも、凄く面白いですよ。ウチのスタジオは音を録れるブースが3つとコントロール・ルームがあって、完全に分かれてるので、僕はヴォーカリストがどんな表情で唄ってるかは全然判らないんです。だけど、マイクから乗ってくる声が如実に物語ってるというか、今何を考えてるかが充分判るんですよ。“今ひとつピンと来てないかな?”とかね。よく「演奏してる人の顔が見えなくて不便じゃないですか?」って訊かれるけど、僕は全然不便じゃないんです。
高橋:僕はブースに入ってるよりも、ここのロビーにいることのほうが多いかも。
──ああ、画伯はここがアトリエみたいなものですからね(笑)。
高橋:そうですね。ここでだいぶ絵をマスターしたから、それがIMPACTでの一番の成果かもしれませんね(笑)。でも、僕はレコーディング中に相手の顔が見えないとイヤなほうなんですけど、IMPACTだけは大丈夫なんですよ。そういうのは初めてですね。
平田:バンドっぽいバンドには適したスタジオなんでしょうね。ブースが離れてても、プレイとか音の呼吸で以心伝心し合えるというか。僕らはIMPACTでよく誕生会をやらせてもらいましたけど(笑)、やっぱり凄く居心地がいいんですよ。
──オサムさんはエンジニア単体としてサンボマスターからも絶大な信頼を置かれていますよね。
杉山:有り難いことです。基本的に彼らは気持ち良くプレイできたらOKなんだけど、作品を構築していく段になるともの凄く細かくなるんです。まぁ、曲にもよりますけどね。ミックスまで入れて1時間も満たないような曲もあれば、凄まじく時間を掛ける曲もある。その落差が面白いですね。逆に言うと楽曲に対してのブレがないんじゃないかな。
──高橋さんや平田さんのようなキャリアのあるバンドマンだけではなく、IMPACTはレコーディング初心者にも懇切丁寧に向き合うスタジオでもありますよね。
杉山:自分がやる時は、相手が誰であろうとスタンスは変わりませんよ。初心者の方とはどんなサウンドにしたいのかを事前にちゃんと確認するようにしてるし、レコーディングの合間の雑談からその人達のキャラクターを掴めるように意識してコミュニケーションを図ってますね。僕みたいな仕事をしてる人は誰でもそうだと思うけど、ちょっと心理作戦に近いところはあるのかな(笑)。まぁ、初心者の方はいくらでも気軽に相談して欲しいですね。レコーディングのやり方や専門用語すら判らなくても全然大丈夫だし、誰でも最初は初心者なんだから。先月号のRooftopで表紙を飾ったa flood of circleだってそうだったしね。彼らは凄く吸収力が早くて、グングン成長していく様を傍らで見ているとなかなかスリリングですよ。
高橋:僕らもまだまだスポンジのように吸収していきたいんですけどね(笑)。
アナログ・マインドだから心までエディットされない
──あと、オサムさん自身がバンド経験者であることも個性的なミックスに繋がっているんじゃないですか?
杉山:まぁ、バンドをやってた流れがあるから現場で理解できることは多いでしょうね。
平田:そんじょそこらのギタリストよりもオサムさんは巧く弾くしね。
高橋:セイジ君(HARISS)、ちょっとビビッてたもんね。「あの人の前でギター弾くのイヤだな」って(笑)。
──ここ数年、プロトゥールスなどレコーディング・ソフトの飛躍的な浸透によって誰しもが同じような録音環境にある中で、最終的に問われるのはバンドマンやエンジニアのセンスではないかと思うのですが。
杉山:そうですね。エディット機能も簡単だし、面白い。そこは僕、肯定的なんですよ。でも、簡単に使えるからこそその人のセンスが問われる時代だと今は思いますよね。
高橋:オサムさんの凄いのは、デジタルを使いながらマインドはアナログなところ。エディットされてもアナログ的な感覚だから、大事な根本的な部分は絶対に切らないんですよ。それはHARISSのレコーディング中に感じましたね。
──スタジオを利用する側からすると、レコーディングに煮詰まった時に息抜きできる周囲の環境って凄く大事だと思うんですよ。近くに旨いラーメン屋や打ち上げに適した呑み屋があるとか(笑)。
高橋:ああ、息抜きは凄く大事ですよね。近くのコンビニで食べ物を買ってスタジオの音を聴きながらお腹を満たすよりも、30分でもいいから外出して、レコーディングとまるっきり関係のない場所で食事をするほうがいい。食に関しては僕、下井草周辺の店は結構好きですよ。「御天」っていう強力なとんこつラーメン屋とかね。
杉山:野獣系ラーメンだよね(笑)。博多出身の人が認める店なんだけど、メンバー全員がそこで食べてスタジオに戻って来ると、匂いがとにかく凄まじい(笑)。他にも近所に「なか星」とかラーメン屋はいくつかあるけど、オススメなのは餃子が安くて美味しい「南軒酒家」かな。TIGER HOLEのISHIKAWAさんも大好き(笑)。
高橋:「南軒酒家」の餃子は最高ですね。レコーディングの打ち上げをLONESOME DOVE WOODROWSと合同でその店でやりましたからね。打ち上げするためだけに下井草に集合して(笑)。
──脱線話のついでに訊きたいんですけど、受付に何故か優香の生写真がいつも置いてあるじゃないですか?(笑) これは誰が持って来たんですかね?
杉山:とあるバンドの人が「これを譜面台に置いて演奏すると巧くいくんですよ」って持って来てたんじゃないかな(笑)。
高橋:HARISSの「HEY VERBAL」っていう曲の中に“優香”って歌詞が出てくるんですけど、それは確実にこの生写真からなんですよ(笑)。これもまたIMPACTマジックかもしれない(笑)。
──高橋さんと平田さんから、STUDIO IMPACTに今後期待するところはありますか?
平田:スウェーデンのタンバリン・スタジオやニューヨークのウォーター・フロント・スタジオ、シカゴにあるジョン・マッケンタイア所有のSOMAスタジオに僕らが憧れるように、もうしばらくしたらSTUDIO IMPACTの杉山オサムの音に触れたいっていう人が増えると思うし、僕らもまだまだお世話になっていくつもりなので、これからも互いに切磋琢磨していきたいですね。
高橋:僕はやっぱり、アナログ・マインドをこれからも持ち続けて欲しいかな。あと、いつかオサムさんと一緒にIMPACTでビートルズの“ホワイト・アルバム”みたいな2枚組のアルバムを作ってみたいですね。それがIMPACTでなら、オサムさんとならできる気がする。僕らの長所を伸ばしてくれるIMPACTは常にアナログ・マインドだから、心までエディットされることはないんですよ。だからこそバンドが求めるいい音がIMPACTで生まれるんだと思います。
杉山:ありがとうございます。僕はいろんなものが手に届くこのスペースが大好きなんですよ。だからより快適な空間にしたいと自分でも思うし、高橋君や平っちみたいなバンドマンが使いやすいと感じてくれるようにもっと精進していきたいですね。
STUDIO IMPACT information
LOFT PROJECT(新宿LOFT、下北沢SHELTERを経営)が設立した良心的なレコーディング・スタジオ。
レコーディング・スタジオの常識を覆すハイ・クォリティ&ロー・コスト・スタジオです。
〒165-0032 東京都中野区鷺宮6-31-18 エムジーホール2F
西武新宿線・西武新宿駅より電車で約20分の下井草駅より徒歩5分。
ブッキング及びお問い合わせ:ロフトプロジェクト/03-5287-3766(小川)
OSAMU SUGIYAMA'S RECORDING WORKS
THE TURN-TABLES/MAKE A TRICK
LOFT RECORDS / TIGER HOLE CHOICE THCA-037 2,100yen (tax in)
当時PEALOUTのメンバーだった高橋浩司と近藤智洋、LONESOME DOVE WOODROWSのTARSHI、JIGHEADのRYOTAという布陣のスペシャル・ユニットによる唯一の作品。
★amazonで購入する
PEALOUT/PIANOMAN R&R SHAKE, SHAKE, SHAKES!!
LOFT RECORDS / TIGER HOLE CHOICE THCA-047 2,100yen (tax in)
2005年5月4日、新宿LOFTで行われた『激ロックシンポジウム・ファイナル』を完全収録したライヴ盤。THE CLASHの「LONDON CALLING」のカヴァーは大きな聴きどころのひとつ。
★amazonで購入する
HARISS/POP SAVE US
LOFT RECORDS / TIGER HOLE CHOICE LOCA-1008 2,310yen (tax in)
ポップとパンクとロカビリーが革命的な融合を果たしたHARISSのデビュー・アルバム。高橋いわく「バンドに誘われた時、『LADY BIRD』を聴いて凄いバンドになるんじゃないかと思って参加を決めた」とのこと。
★amazonで購入する
Swinging Popsicle/Go on
Flavour of Sound PUCA-1063 2,400yen (tax in)
ロング・セラーとなった前作『transit』から3年、デビュー10周年にして自らのポップスを更に進化させた5thアルバム。アメリカと韓国でも発売され、日本国外にもその類い希なポップ・センスは着実に浸透している。
★amazonで購入する
HARRIS OFFICIAL WEB SITE
http://www.hariss.info/
Swinging Popsicle OFFICIAL WEB SITE
http://www.swinging-popsicle.com/
STUDIO IMPACT OFFICIAL WEB SITE
http://www.loft-prj.co.jp/impact/