ギター バックナンバー

カオマイルド('07年8月号)

カオマイルド

夏全開!! ビーチでスウィートに聴かせるポップソングの数々『九十九里浜』リリース!!

2004年7月に結成! 千葉発! 究極のミクスチャー!? ポップ・ロック・バンド、カオマイルド!!
今回リリースされるデビューシングル『九十九里浜』。これまでの彼らの楽曲とは変わり、夏全開のポップなナンバーが勢揃いしています。房総メロディックロックを響かせる表題曲『九十九里浜』を始め、千葉型青春ロックナンバー『オーガスト』、真夏のビーチを感じさせる『サマードリーム』、打ち込みのリズムトラックをベースにした千葉系サマー・ソング『サマーイズフリーダム』。どの曲も、J-POPの“聴きやすさ”を根底に作られたとあって、はっきり言って見た目はかなりイカツイですが、ギャップにビックリするぐらい実は心地よい歌声で、聴く者の心をガッチリ鷲掴みにしていきます。今年の夏の名盤となること間違いなし!(interview:やまだともこ)


これからの音楽制作をしていく上で、きっかけになった作品

──Rooftopには初登場になりますので、まずバンド結成の経緯をお話して頂けますか?

内田太郎(Vocal):はい。三井くんと僕が同じ大学でメロコアを、原田くんがミクスチャーのバンドをやっていて、お互いイベントの時に誘い合っていたんですが、そのあと4年ぐらい原田くんとは音信不通になったんです。それで、ある時僕らがドラムを募集していることをどこからか彼が嗅ぎつけてきて叩いてもらうことになりました。

──お互いでやっていた音楽性が合わさって、今のカオマイルドの楽曲が作られたという感じですか?

内田:音楽性は反映されてますね。最初の頃はもうちょっとエモっぽい感じの音楽をやっていたんです。

原田征知(Drums):基本的に何も考えずに作ると暗い音楽ばかりできる。今回は「夏」というテーマがあったから、明るい曲を作らなきゃって頑張って作りました。

──しっくり来てますよ。だから今までもこういう楽曲を作っているんだと思ってました。

原田:今回がイレギュラーですね。できあがって「やれば明るい曲ができるんだ!」って、僕らが一番ビックリしました。新しい発見ですね。

内田:そういう意味でも、いいきっかけをもらえました。

──事務所から「夏をコンセプトで作品を作ってみよう」と言われたときはどう思いました?

内田:冗談だと思ってました(笑)。

原田:お話をいただいたのが今年の4月ぐらい。夏まであと3ヶ月だから、正直無理!って思いました。でもせっかくの機会なので作ってみようと。

内田:ハワイアンぽい感じでと言われて、思いっきりハワイアンを10曲ぐらい作っていったら全部ボツになりましたけど…。そこから「自分たちの夏ってなんだろう」って考えた結果、今回の曲ができた。

原田:最初は、スライドギターとか入っちゃう感じだったもんね。ウクレレ入ったり、本当にハワイにしちゃって「やりすぎだね」って…(笑)。

──これまでとは違う曲調で大変じゃなかったですか?

原田:大変でした(苦笑)。

内田:結果的には楽しかったですけどね。

原田:苦労がでかかった分、できた開放感や喜びはすごく大きかったです。

──今後、こういう楽曲にスライドしていくということは考えられていたりしますか?

内田:聴いてる人も楽しくなれるだろうし、バランスを考えて作ろうかなと思ってます。

三井学(Guitar):今までは漠然と曲を作っていましたけど、今回は「夏」というテーマで、それに向かってやれて、ひとつテーマがあるといいのかなって思いましたね。

原田:そういう意味ではゴールが決まっていて、どういうアプローチにするかっていう作業だったので、ゼロから曲を作るよりも楽でしたね。アレンジに関しても楽でしたよ。


いろんな夏の形を表現したかった

──先ほどからお話にあがっていた夏をイメージしたシングル『九十九里浜』がいよいよリリースされますが、九十九里浜は内田さんと原田さんが千葉出身というところからですか?

内田:そうです。海に行くっていったら湘南より九十九里浜。

原田:海っていうと、あの長い砂浜のどこかに行くっていう。

──この曲の中に葉山という言葉が出てきますけど、九十九里から葉山を思うのはどんな気持ちなんですか?

内田:九十九里って、江ノ島とか葉山に比べるとリゾートではない庶民的な感じ。だからお金を稼いで葉山に住みたいけど、やっぱりお金じゃないよなっていう。仲間がいれば楽しいよなっていう対比というか、そういう感じで葉山を使ったんです。

──それが九十九里ではできると。三井さんは長野出身だそうですが、海の思い出ってあります?

三井:正直あまりないんです。

内田:基本的に海が嫌いなんです。海水がダメなのと、靴下に砂が入るからっていう(笑)。海に行くのに靴下履いてっちゃう。 一同 (笑)

──サンダルで行けばいいのに(笑)。

三井:海がなかったから海の楽しみ方を知らないんです。

──全体的にサウンドは、アメリカ西海岸系の影響はけっこう受けてますよね。

内田:ルーツとかではないんですけど、聴いてきた音楽のひとつが西海岸。それを『九十九里浜』で使わせてもらった感じです。西海岸ぽくしようって作った曲ですね。

──では、1曲目を作るにあたってここはこだわったところは?

内田:九十九里浜っていう言葉を使う以上、地元なので九十九里浜の良さを伝えようって思いました。

原田:トラックに関しては、楽しげでアッパーで聴いてるだけで体が動くような、とにかくわかりやすい曲を作らないとって思ってました。

内田:あとラップははずせないですよね。夏と言ったらラップかな。

──ラップは、もともとやってたわけではないんですか?

内田:はい。別にラッパーでもなんでもないですが、ヒップホップも聴いていたのでだったらやってみようかと。ラップっぽくやるのは初めてです。

原田:そういう意味ではテーマは“勢い”です。テンションを高めで。

内田:ラップをやる場合はスタジオだろうが、景色を自分の中で海に変えてる。僕は海にいるっていう感じにするんです。今回曲を作ってるときは、家で上半身裸になってサンオイル塗って、そのときは4月で寒かったですけどパンツ一丁でハロゲンヒーターを付けて、夏の雰囲気を自分で演出しながら作ったというのがこだわりですね(笑)。

原田:イメージ大事ですよね。

──作る側のイメージがね(笑)。実際、海はよく行かれるんですか?

内田:行きますね。夏しか行けないから。そのときにしかできないことを楽しみたい。

──ということは、詞で書かれていることは内田さんが体験したことなんですか?

内田:それは昨年の出来事ですね。

原田:昨年は太郎さんと一緒に海に行くことが多くて、歌詞があがって読みながら懐かしいって思いましたよ。1年前の太郎さん日記(笑)。

──2曲目の『オーガスト』。これはビーチでかかってそうな曲ですね。

内田:それを考えて作りました。

──『オーガスト』を作る時はどんなことを気にしながら作りました?

内田:日本的なポップスっぽく作ろうというところですかね。J-POPで夏の曲を作ったらそんな感じかな。

原田:そういう意味では『九十九里浜』とは対照的なもの。夏と言っても、民族とか地域によって全然違うと思うんです。そういう意味でもいろんな夏を表現できたらいいなと思います。

──今回皆さんが夏をイメージしたサウンドというのは、どういうところに盛り込んでますか?

原田:今回は歌詞の面でも楽曲的な面でも、4曲それぞれが違う夏なんです。そういう意味ではコレ!っていうのはないんですけど。

内田:夏のテンションとか、雰囲気を大事にしようと思ったのはあります。

──3曲目『サマードリーム』ですが、これまでのお話を含めて、この曲はどこの国をイメージされてます?

内田:ハワイですね。サーファーが作った感じ。

原田:『九十九里浜』と『オーガスト』は縦ノリなんですけど、『サマードリーム』と『サマーイズフリーダム』は横ノリ。

──『サマードリーム』はサンセットのイメージがある曲ですよね。ドラムの表現方法が難しいんじゃないかと思いますが。

原田:僕がベーシックを作っているので、苦手なドラムは叩いてないです(笑)。ずっと洋楽を聴いてきたので、そんなに苦労はしてないですけど。トラックは、いかに気の抜けた感情を出すかっていうのがすごく難しくて、リードギターの音がふざけているのかまじめにやってるのかっていう境目を狙ってやったんです。あまりシリアスすぎても夏っぽくないし、聴いたときになんだコレ!って笑えるようなフレーズを全体的に考えました。

三井:レコーディングは間違えちゃったように聴こえてもいいから楽にやろうよってなって。

原田:海でアコギをつま弾いて鼻歌で歌ってるような、それぐらいのまったりした感じ。

──詞に出てくる「ボイン」は…。

内田:響きがいいですよね。おじさん達はこの言葉に敏感なので、そういう意味で年齢を問わず聴いてもらえるかな。「ハイレグ」もあらゆる年齢層に向けてる。

──「サンタンギャル」は?

内田:これから流行らせようと思ってるんです。真っ黒に焼けした女の子達をサンタンギャルを呼ぼうっていうキャンペーンをやっているところです(笑)。

──流行るといいですね。4曲目『サマーイズフリーダム』はギターの綺麗な曲でしたが…。

三井:アコギのフレーズは自分が思いついて、それをメンバーに聴かせたときにいいよねってなったのでやったんです。

──今回の4曲は、聴きやすいく、いい感じにまとまりましたね。

原田:いいメロディーがあって、わかりやすい展開でいく。3人でやるならみんながいいと思う部分を突き詰めていこうというのがバンドの前提にあるんです。


海辺でゆっくり聴いてもらいたい作品

──カオマイルドのライブはどんな感じですか?

内田:涙目ですね(笑)。もともと僕はドラムをやっていて、このバンドでボーカルになったから、お客さんとの距離の近さが怖いんです(苦笑)。

原田:(笑)全体的にはライブ感があって、今回の音源よりは激しめですね。音源は音源で綺麗に聴いてもらって、ライブは勢いだったり空気だったりという、別物で考えているところがあるので。

──『九十九里浜』と、今までの曲とではうまくバランスを取るのが大変そうですね。

内田:それは考えながらうまくやってますよ。

──今後の活動予定はどんな感じですか?

内田:『九十九里浜』という曲を作ったので千葉でライブしたいですね。あと、海でライブがしたい。お祭りにも呼んでもらいたいですね。アコースティックの活動も増やしていきたい。

三井:初めて全国流通でCDを売ることができるので、一人でも多くの人の耳に届けたい。

原田:全国の人に僕らの音を聴いてもらって、楽しんでもらえたらいいなと思いますね。

三井:カオマイルドとはなんぞやというところから。

──確かにバンド名から気になりますね。

内田:大阪に「アホマイルド」っていう芸人さんがいるらしいんです。

原田:僕ら知らなかったんですけど、大阪にツアー行ったときに「偽物が来た!」っていう空気がすごく流れてました(笑)。

──(笑)他にRooftop読者に言いたいことってあります?

内田:一気に焼くなっていうことですね。

一同:(失笑)

内田:ゆっくり焼きながらカオマイルドを聴いてもらいたい。

原田:海辺で聴いてもらいたいですね。それか家で聴いて海に行ってもらいたい。

三井:ライブで音源とのギャップを楽しんでもらいたいですね。どんだけ見た目が怖いのか、しゃべりだしたらどんだけ小さいのか(笑)。

内田:あとはどんだけ汗かいてるんだよと。

──ある意味暑い海に行った気分になる(笑)。

原田:(笑)いろんな人の夏にスッと入り込んで行けると思うので、それぞれの楽しみ方で聴いてもらえたらと思います。

三井:今年の夏の1枚にしてもらえたら。2007年の夏と言ったら、この中のどれかが思い浮かぶような。

内田:シングルと一緒に思い出を作ってもらいたいと思いますね。


九十九里浜

九十九里浜

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Live info.

8.01(Wed)高円寺 Club Liner
8.12(Sun)仙台FLYING STUDIO
8.17(Fri)浜松町 文化放送広場
8.19(Sun)HMV 千葉ニュータウン店
8.26(Sun)柏 Alive
10.20(Sat)柏 Alive

カオマイルド OFFICIAL WEB SITE
http://www.kaomild.com/

posted by Rooftop at 15:00 | TrackBack(0) | バックナンバー

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