ギター バックナンバー

DISK RECOMMEND('07年7月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
レビューページの画像をクリックすると、Amazonのページにリンクします。

★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

LUNKHEAD / FORCE
VICL-62418 3,045yen(tax in) / IN STORES NOW

LUNKHEADの4枚目のアルバム『FORCE』がリリースされた。今回は、前作の『LUNKHEAD』に比べると「人間くさくなった」というのが第一に思ったこと。そして『夏の匂い』はやっぱり名曲だということ。今月号のインタビューで「今回はやりたいと思うことを詰め込んだ」と言われているように、楽曲の勢いは以前と変わらずだが『LUNKHEAD』で聴かせてくれた“ポップさ”という点では前作ほどではない気がする。『FORCE』は彼らのライブのように、人間が生きている上での生々しい感情がギュッと詰め込まれている作品。怒ったり、笑ったり、泣いたり、悲しんだりという、喜怒哀楽の要素がここまで織り込まれているアルバムはそうそうない。「生きる」という言葉の強さと、曲から伝えられる力強さが封じ込められている。また、“語り”が入っていたり、突然(!?)叫んでみたり、本当に自由に思うがままに作ることができたんだろうと感じることができる。『眠れない夜のこと』(M-10)の詞は、私も子供の頃「みんないつか死んでしまう」って考えたことあるなぁと思い出しながら聴いた。あの感情がなぜあの時期に起こるのかは自分でも未だにわからないが、こうやって何かを共感できるということは聴く側としても親近感を抱くことができる。
この作品の中には、シングルでリリースされた『夏の匂い』『桜日和』『きらりいろ』も収録されており、この3曲とアルバムのみに収録されている曲を比較しながら聴くのもまた面白い。シングル曲のあのポップさと、アルバム収録のみのあの土臭さ。でも、トータルで聴くとやはり“LUNKHEAD”以外の何者でもないのだ。きっと、それは4人の命がちゃんと吹き込まれた作品になっているからだろう。
今作は、ジャケット写真からもわかるように、白で統一され一見シンプルにも見えるが、その内側にはマグマ以上のエネルギーが宿っている。もしかしたら「白」という色は、聴く側の感情次第でどんな色にも変化するものなのかもしれない。
今年の夏から秋にかけて何十本というライブが決まっている彼ら。CDもいいけどライブもいい! 耳で聴いて、体で感じていただきたい。


Rooftop:やまだともこ


UPPER / NOT OVER YET
PZCA-37 1,575yen(tax in) / IN STORES NOW

昨年、ピザオブデスレコードから発売された、『The Very Best of PIZZA OF DEATH』に参加、5月9日にアルバム『NOT OVER YET』が発売され、只今全国を駆け巡っているUPPERだ! このアルバムには、メタル、ハードコア、が融合し、かつメロディアスな曲ぞろいです。のっけから「うぉー!」と興奮して、2曲目は切なくも激しいメロディで涙腺を刺激しまくり! これまでメンバーチェンジを繰り返し今のメンバーになった新たなUPPERを聴いてみてください。しかも NOT OVER YET TOURファイナルは、下北沢SHELTERだ!! おそらくこのルーフトップが配られる当日にSHELTERは、燃え尽きるでしょう!


下北沢SHELTER :飯岡


オナニーマシーン / 義雄
THCA-061 2,000yen(tax in) / IN STORES NOW

「君は見たか!オナマシ特典映像を!まだなら今すぐタワレコに走れ!」というのは、この貴重な特筆するべき映像はタワレコでしか手に入らないのだ。
いやはや、びっくりした。突然ロフトシネマの北村師匠からオナマシ「義雄、僕の右手」特典映像を見せられた。前半がラママでの奇天烈なライブシーンである。オナマシは演奏も実にしっかりしているし、ボーカルの声質もいい全然いい。メジャーでやっていける質を充分持っているのだが、なぜかメジャーから追い出されてまたロフトレコードに戻って来た。なぜか? この映像をこの歌詞を見て私は今はっきり理解した。オナマシは銀杏なんかめじゃない(峯田君失礼)。この映像は、その昔の伝説の非常階段ライブを思い起こさせるくらい過激でめちゃめちゃでカッコイイ。リズム隊が軽快に重くも軽くもなく飛ばしている。これは並のバンドでは出来る演奏ではない。聴いてくれ! 見てくれ! 君も私と同じにオナマシの骨太に飛ぶはずだ。特典映像の後半は「義雄(イノマーの父)」さんへのインタビューだ。これがまたいい。「ラリホ〜!今夜のオナニーは最高。僕の右手はここにある」はポエムだ。ここまでの過激パーフォマンスをやらしてくれたラママに感謝。


新人ロック評論家・平野悠


Katchin' presents DOGDAY AFTERNOON / Today Your Love,Tomorrow The World
NIW-021 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

歌舞伎町を歩いているとどこかの社長に間違えられそうなDJ Katchin'氏がKatchin' presents DOGDAY AFTERNOONとしてお届けする珠玉の名曲の数々が詰まったアルバム、それが『Today Your Love,Tomorrow The World』である。LONDON NITEなどで培った人脈を十二分に活かしたこの好盤、参加しているアーティストを羅列するとTrilets(from DREAMLETS)、TGMX(from FRONTIER BACKYARD/SCAFULL KING)、Kaori Kawamura、The Zoot 16(渡辺俊美 from Tokyo No.1 Soul Set)、WOWW(TAKA from BACK DROP BOMB)、E-Motoroll&Zen La Rock、NAHO(ex.Petty Booka)など多方面からアーティストが参加しているあたりKatchin氏の人柄の良さが伺える。中でもエリック・クラプトンのカバー『Layla feat.TGMX』は朝方のクラブでは必須のアイテム間違いなし。DJユースにはLP同発も嬉しいところである。


Naked LOFT:植村孝幸


コーチガリー / あいたい気持ち
TEKU-007 1,800yen(tax in) / 7.18 IN STORES

前作のミニアルバム『コーチガソー』から1年半。ようやくのリリースです。
日本は、音楽のジャンルを細かくしすぎるとはよく聞く話。音楽の世界の偉いんだか凄いんだか、それが誰なのかもよくわからないけど、影響を与えるだろう人たちが「これは何々系の音楽で…」とか難しいこと言うから、すごくいいバンドなのに聴かず嫌いだったり…という今の状況は良くないと思うわけです。その曲を聴いた人が「良い」とか「好き」って思ったらそれが全てなんじゃないですかね。
コーチガリーの1st.フルアルバム『あいたい気持ち』は、そういう難しいジャンルに全くとらわれない、私が聴いた感想で言えば「みんなのうた」に近い感覚。誰もが小さい時に聴いていたあの感じ。幼稚園や保育園で、お友達と一緒に笑顔で歌を歌っていたあの感じ。緻密に計算しつくされた楽曲とは違い、素直な音を聴かせ、素直な言葉で伝える。響いてこないわけがない。難しく、構えて聴く必要は全くなし! だってスピーカーから聴こえてくるのは、詞に、メロディーに、サウンドに、全力でぶつかって、恥ずかしくなる程に全身で大の大人が歌う恋の歌だから。すさみ始めていた私の心に、不純物が一切混じっていない湧き水のようにサラリと浸透してくる作品でした。こういう曲って、純粋な人の心に触れた気がしてちょっと泣ける。


Rooftop:やまだともこ


Discharming man / いた
5B-05 630yen(tax in) / IN STORES NOW

今月号に掲載したNahtのSEIKIさんとSHELTERの西村との対談取材時に、SEIKIさんが活動休止前のNahtを「音の重なりをもっと重厚なものにして、オーケストラみたいにする展開を考えていた」と話していた。その具体例としてこの蛯名啓太のソロ・ユニット、Discharming manを例に挙げ、「あいつは天才ですよ」とさり気なく呟いていたのが僕には印象的だった。
もはや“元キウイロールの〜”という前置きが不要に思えるほど自由奔放に独自の活動を続け、自らの世界観を増幅させているDischarming manが約1年振りに放つ音源は、3曲入りのシングル。メランコリックな音空間と無邪気な子供のようなイノセント・ヴォイスは本作でも不変。「君のことだけどとてもキライなんだ」「僕の憎しみは戦争と同じ空」と否定的なニュアンスを堂々と唄い上げるタイトル・トラック、軽快なレゲエ・タッチだがやはりどこか陰鬱な『身勝手なオレにはお似合いさ』、エレクトロニカのリフレインが不穏な空気を醸し出す『だいなしにしちゃった』と、3曲を通じて耳に残るのはやはり、どこを探しても見つからない不世出のあのピュアな歌声だ。フォーカスの焦点は“歌モノ”に絞られているように思えるが、これもあくまで多面的な、余りに多面的な彼の一面に過ぎない。バンド編成のシングルも制作予定とのことなので、シェルター・ツアーズ札幌編でバンド仕様のDischarming manにシビレまくった僕としては楽しみでならない。


Rooftop編集長:椎名宗之


怒髪天 / 酒燃料爆進曲
TECI-119 1,200yen(tax in) / 2007.7.4 IN STORES

怒髪天の新作はいつも以上に男気&アルコール濃度高め!な、「酒」がテーマの曲のみを収録した所謂「酒シングル」! ライヴの大定番曲「酒爆」の新録から、究極のヘベレケソングな新曲『ヘベレ・ケレレ・ヨー』、萩原健一さん『ぐでんぐでん』のカバー、そして『ビール・オア・ダイ』の“二次会編”テイクと、4曲ながらも超濃厚!(詳細は巻頭インタビューをお読み下さい。)
それにしても怒髪天、メンバーの酒好き加減も去ることながら、実はファンの呑みっぷりも半端じゃないんです! 「怒髪天のライヴはドリンクの売行きがすこぶる良い」とロフトグループの店舗内では有名(笑)! 酒好きが怒髪天の音楽に惹き寄せられるのか、怒髪天の音楽が飲酒を促進するのか、はたまたその両方か? 兎にも角にも、コレを聴けば酒が進むこと間違いナシ! 只の酔っ払いから酒造メーカーの方々まで、酒好きは全員必聴! 呑めない人もバーチャル飲酒体験? 契り酒に祝い酒、ヤケ酒、寝酒、二日酔い! 何でもいいから酒もってこい馬鹿野郎!(みりん以外)


LOFT PROJECT:稲垣ユカ


tron / TRONIQUE
AVCD-23320 2,940yen(tax in) / 7.04 IN STORES

NEW WAVEは終わった。は、終わったと高らかに言い放つような作品が届いた。
元honeydip、元catenineの面々によるthe tronが2007年、意を決する様に名前をtronと進化させ、数々のライブで鍛え上げ、そして多くの意志を音の粒に込め誕生したアルバム「TRONIQUE」。1曲目のイントロからゾクゾクと新しい音との出会いを想像させるような始まり。そこから1980年代から2060年くらい先までの音の旅をするような印象を受けた。
時に激しく、切なく、ポップで、アバンギャルドで、温かくも、鋭く、楽しく、感じた。彼らに言わせると「センチメンタルかつロマンティック」らしい。
そんな人生の様な1時間1分です。何はともあれ私は美しいアルバムだと思います。


新宿LOFT店長:大塚智昭


ナーグシク ヨシミツ / 独立琉球NIPPON亜米利加
K-NN0002 7.07 IN STORES

ライブ会場、http://wnt.shop-pro.jp/で販売中!

ヨシミツさんと長い話をするときは、いつも泡盛を飲みながら必ず現在の沖縄のことについてよく会話する。みんなが感じる青い海、青い空、観光地ともて遊ばれている沖縄。その沖縄の中にはいつも米兵に遊ばれる現実や、元々ある海やまちゃ(店)などが壊され外から新しいものを入れられる。彼の中にある沖縄への想い、怒りなど寿【kotobuki】のライブを観ていていつも飽きさせないのはナビィさんとヨシミツさんの想いが音楽を通して伝えるからだ。そんな沖縄人がいだく問題がこのCDには込められている。沖縄に興味を持っている人は、青い海を観る前にこのCDを聴いて現実を受け止めてみるのもいいかと思います。


Naked LOFT:上江洲修


Naht / Narrow Ways"Turned Pages"
BOMBCD-90 2,300yen(tax in) / IN STORES NOW

以前、某雑誌の特集でオルタナ〜エモ名盤特集なる物を目にした事があるPIXIESやSUNNDAY REAL ESTATE、AT THE DRIVE INからTHE USEDまで、そこに並べてある物に異論は無い。がしかし、このNahtの『NARROW WAYS』も加えてほしい。絡み合うギターワーク、グルービィなリズム、正にエモーショナルとしか言い様が無い歌。何より曲のメロディとアレンジのセンスには脱帽する。現在は3人でやっているためシャープなイメージが強いが、この頃は良い意味で肉厚な感じで、ヘビィになりがちな所もアコギなどを入れて柔らかくしている。後にバイオリンが加入するが、この頃からアコースティックな楽器と融合するイメージは相当強かったと思われる。1999年の日本でこの音が生まれていた事は奇跡に近い。最近の流行で見せかけだけでオルタナとかエモだとか言ってる若い連中とは格が違う。
最近この時代の曲はライブではほとんどやらないそうだが、これを機に新旧織り交ぜたセットでのライブが見たい、そう願ってる人は少なくないはず。6月に出た新譜と合わせて聴きつつ心待ちにしたい。


新宿LOFT:水野 智昭


中森明菜 / 艶華 -Enka-
UMCK-1227 3,000yen(tax in) / IN STOERS NOW

我々ブルーメタリックならぬブルーメタボリック★反抗賊のオーバー・サーティ半ばにとって、中森明菜と言えばゲラッゲラッゲラッゲラッバーニンラーッ! なわけだが(当方、生まれて初めて買ったアイドルのレコードは『スローモーション』であります)、昨年からデビュー四半世紀モードに突入している今の彼女のキーワードはズバリ“演歌”である。“花の82年組”同期のシブがき隊はかつて「演歌なんて歌えない」と唄っていたのに、常に歌謡界の第一線で活躍し続ける“歌姫”は、日本人のDNAに擦り込まれた琴線に触れる大衆歌を唄うことを敢えて選んだのだ。演歌と言っても、場末のスナックで流れるような外連味に溢れたそれではなく、アレンジはサウンド・プロデューサーの千住明との強靱なタッグのもとに生まれた壮大で品の良いオーケストレーションだ。そんな映像喚起力に優れたサウンドに、まさに情念を唄い上げるために生まれてきたと言っても過言ではない艶やかで華のある明菜のヴォーカルが融合すれば、それだけでもう“艶華”というひとつのジャンルが確立する。単に演歌のヒット曲をカヴァーしただけの安直な企画盤では決してない、明菜の志の高さが窺える好盤である。


Rooftop編集長:椎名宗之


THE 日本脳炎 / KICK BOY FACED VOL.1
Texture-01 2,100yen(tax in) / 7.07 IN STORES

なんだ!? どうしたんだ!? 大丈夫なのか!? なんだか落ち着かないし、ソワソワしてくるし。いても立ってもいられないこの感じは何なんだ!? たとえて言うなら安全装置のないジェットコースターに乗り、まさに今から発車しようとしているような瞬間的でありながら、かなりのリスクを背負っている感覚である。明らかに僕は今、死に向かおうとしているが、それに挑んでみたい気持ちにもなっている。とにかくスリリングで、とにかくデンジャー!! あまり危険過ぎるこの感じがソワソワしてたまらなく心地いいんだ。だってこんな体験ってなかなかないでしょ? と言うかこんな体験出来ませんよ。そんな一瞬に立ち会えるわけだし、なんならそのまま死んじゃっても悔いはないと思うよ。そんなところが日本脳炎の魅力だったりもするしね。でも、本音を言ってしまえばあんまり深い入りしない方が良いと思いますよ。クセになって手放せない存在になってしまうだろうから。僕みたいに。


新宿LOFT:HxGxK


The ピーズ / HIBIYA-REVENGE
KIBM-137 4,800yen(tax in) / IN STORES NOW

今年、活動開始から20周年を迎えた彼等。2004年に行なわれた初の日比谷野音ライブは雨。そのリベンジとして挑んだ2006年5月の野音でのライブ模様を収録したDVD。大方の予想通り再び雨(笑)。『とどめをハデにくれ』を皮切りにアンコールまで本編全22曲に加え、メンバー会場入りの様子や楽屋、リハーサル模様等も収録(当日の会場前のダフ屋の姿までも鮮明に...)。  カッパ姿で身を包む大勢のオーディエンスを“白装束”呼ばわりする、はるのMCは相変わらずのプチ毒っ気を放ち、土砂降る雨の中で披露する『パープー』は最高だ。相変わらずアビさんの変態的な!? ギタープレイにはシビレっぱなし。アンコールでは猪狩氏(ex.THE STRIKES/新宿Red Cloth)を迎え、名曲『サマー記念日』を披露。全編通して、編集の面で変に作られた感じが無く、良い意味でブート物的な感じを醸し出しているナチュラルさがまた暖かくて良い感じだ。続きは本編をチェックしよう!


URANOK!39


FUGAZI / 10-31-02 LEEDS, UK / METROPOLITAN UNIVERSITY STUDENT'S UNION
http://www.fugaziliveseries.com/で販売中

FUGAZI in UK。しかも大学の校舎(UNIVERSITY STUDENT'S UNIONってそういうことですよね?)でのライブですがこのCDやたらと音がいい! 裏ジャケに「デジタルレコーディングが〜」と書いてありますがDAT使ってAIRを拾ったのか、きちんとした機材でやったのかは分かりかねます。…が、現時点での最後のアルバム『The Argument』が2001年10月リリースだったので約1年のハロウィーン(!)ライブ。もうなんか、神ですね(笑)。なにかただ熱いだけでない奥行きがすごく深い音楽を感じます。2ndドラマーJerry Busherのパーカス加減+トランペットなどが素晴らしいアクセントです。ツインドラムなどを考えると現在日本のバンドは200MPHが一番近いようにも思えますが…圧巻はDISC2の3曲目『REPEATER』始まり方、スネアのエフェクトなどこれがThis is「かっこいい」です。皆さんこぞってマネしましょう。
というかですね、6月30日来日予定だったJoe Lallyが来ない! 何で?(号泣)キャンセルのニュースはJoeのHP、dischordのHPにも流れておりました…再来日希望中(切実)。で、次で涙の(笑)ラスト30枚目。


下北沢SHELTER:西村等


フラバルス / End of The DREAMS
COCP-34333 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

極上の10曲が詰まったこの作品が、まさに“メロディー”の大切さを丁寧且つ親切に教えてくれます。全曲共通として言えるのは、思わず口ずさんでしまうかの様なメロディーが、言葉の様に情景や感情を描写しているのです。フラバルスが得意とする、骨太でありながらも芯が通ったポップソングは世代を選ばず、老若男女楽しめるかと思います。その証としてスピッツ草野マサムネ氏をはじめ様々なミュージシャンや職種の方からもナイスな応援コメントをもらっていたりして。(詳しくはhttp://hullabaloos.jp/をのぞいてみてください)。そんなフラバルスは、この作品を引っさげツアーも控えています! 私も東京公演に参戦出来たらな。それまでみっちりとこの作品を聴きこんでいたいと思います。


SONG-CRUX:樋口寛子


FULLARMOR / ZION
FLAM-002 1,700yen(tax in) / 7.04 IN STORES

まずは色んな雑念を捨てて目を閉じて聴いて欲しい。FULLARMORはここで改めて触れるまでもない錚々たるメンツで構成されているバンドだ。4.01新宿ロフトでのライブを観た者は衝撃を覚えたのではないだろうか? ツインベースにドラム、キーボードという特異な編成から繰り出されたヘヴィ且つ斬新な音の数々は、今でも脳裏に焼き付いているはず。そのFULLARMORが待望の音源『ZION』を自分たちの手でリリースする。「今、自分達自身でやれる意志を、音楽に換えてパッケージしたものが今作だ」とのこと。共感出来る。その音は自由そのもののロックなのだけれどその精神はパンク、D.I.Y、そして初期衝動を感じた。その通り、ほとんどの曲が一発録りなのだ。音に敏感な者は黙ってその音に身を委ねて叫喚し踊り狂えば良いのだ。


Naked LOFT:植村孝幸


BREAKfAST / AMERICANBREAKfAST
RZCD-45569 1,680yen(tax in) / IN STORES NOW

ここ数年、シェルターを中心に日本各地でスケボー、そしてそれに纏わるハードコアを引っ張っていったのは「BREAKfAST」だと自分は思っている。とりあえずスゲーカッケーバンドである。近年、下北沢SHELTERでトップ3に入るぐらい熱いライブ+トークを広げてきたBREAKfASTは2003年、世田谷を飛び出してアメリカに進出(既に出ている音源は海外版も出ていた)。見れば分かるが兎に角アメリカでも熱いライブを繰り広げ、それは確実に受け止められ、求められていた。スゲーカッケー。岡さん坊主だし(BASS岡さんは既に脱退している)、大学の校舎的なところでやっているライブはMINOR THREAT級だ。いや、超えてるかも。それぐらい盛り上がってるし、ライブハウスの人間ならばよくあの状況でライブやっているなと確実に思うだろう。スゲーカッケー。
BREAKfASTに会わなければ30も過ぎてスケボーを久しぶりに乗ることもなかっただろう。それぐらい俺はBREAKfASTに影響を受けている。何度も言いますがスゲーカッケーのです。


下北沢SHELTER:西村等


マーブルシープ / リュウグウノツカイとルビーのバラ
CTCD-595 2,800yen(tax in) / IN STORES NOW

先日のSHELTERワンマンを大盛況で終えたマーブルシープのニューアルバムがいよいよ発売! 『リュウグウノツカイとルビーのバラ』という謎めいていて魅力的なタイトルを持つ今作は、1999年から活動再開したNewマーブルシープの4thアルバム。金剛力士3部作、ヨーロッパツアーの成功などで1つの頂点を越えたマーブルシープから、新たな地平への旅立ちを告げる自信作として届けられた。ロック黄金期(60年代〜70年代)のアナログ感を重視して作られたというサウンドは、ハードでラウド、ポップでサイケ、タフでワイルドとあらゆるポジティブな形容詞をつけたくなる最高のロックだ! ツインドラムと爆音ベースの分厚い土台に、突き抜けるツインギターと駆け上がるキーボードが有機的に絡み合う全8曲を一気に聴き終えると、それは至福のロックンロール体験をあなたにもたらすだろう。初回プレスは2006年ドイツツアーのライブDVD-R付きの見開き紙ジャケなので、この美しいアートワークの本盤を是非手に入れていただきたい。


加藤梅造


ゆらゆら帝国 / 美しい
AICL 1836 1,223yen(tax in) / 7.04 IN STORES

ゆらゆら帝国がその領土をじわじわと拡大している事をご存知だろうか? 2度のNYツアーを経験し大盛況。前作アルバム『Sweet Spot』のUSA盤リリース。今年は初のオーストラリアツアーに飛んでいった。彼らがどういった意図でこのバンド名を付けたか知る由もないが「日本語のオリジナルロック」を提唱してきた彼らが、世界で支持される事はとても喜ばしい。
前置きが長くなったが、結成から約18年のキャリアを持つ彼ら。緩む事無く独自の世界(帝国?) を築き上げている。“継続は力なり”と最近特に思うが、長く続けるには、前作を超えるモノを作らなくてはならないプレッシャーが、モノを作る人間には常に付きまとう。言葉での表現には限界があり陳腐だ。かといって、言わなくても伝わるなんて傲慢だ。最高と評してしまうのは何か物足りない…。モノ作りに向き合い、しっかりと光を放つ彼らは、文句無しに「美しい」のだ。まぶしい。


LOFT PROJECT:アカセユキ


Laughline / 優しくして
自主制作 1,000yen(tax in) / ライブ会場限定

こんなにハマった自主制作盤に出会ったのも久しぶり。(前作の3曲入りのデモの時も同じ事を書きましたが)繰り返し繰り返し聴く毎日。
立派にパッケージをし、全国のレコード店へ流通し、ラジオや有線で流れ、雑誌に記事が掲載されたりと言った流れに沿った作品よりも、全く持って流れに沿っていないこの作品にしっくり来ているが自分がいる。
今ではすっかり、「誰よりも早くこんな素敵な音楽に出会ってしまった!」という特異な感覚にすっかり陥っている。この感覚は、20代の頃も30代となった今も全く持って変わっていない。また、そんな音に出会った時にライブハウスに近い現場で働いていて本当によかったなぁって思う理由の1つである。LaughLineが奏でるメロディは、単純に良いだけじゃなく私のヤル気を震い立たせる威力も兼ね備えている。もっともっと多くの人に聞いてもらえる様に沢山の人に広めたくなってしまう。少なくとも私の中の“2007年度ベストミュージック10”以内に入っています。むしろ1番といっても過言ではありません。とにかくオススメです!!!


SONG-CRUX:樋口寛子


LINK / UPRISING
YRCN-11098 2,000yen(tax in) / IN STORES NOW

誰がなんと言おうと文句は言わせません!! おそらく僕が『音楽』と言うものを意識し始めた頃から今の今まで大好きなバンドLINK!! この疾走感あふれるサウンドと、時にダンサブルな曲調、かと思えば泣きメロな1曲もあったりして。そして柳井さんのあのしゃがれた声と小森さんのハイトーンボイス。直球ストレートのみで9回すべてを投げ続けるかのような柳井さんのギターが大好きです!! しかも今回の『UPRISING』なんとインディーズ初期〜中期のものをオール録り直しとくればこれ以上なものなどないでしょう!! 最近のLINKしか知らない人も昔から好きな人もみんなが楽しめる1枚ではないでしょうか? ちなみに僕のオススメは10曲目の『怠惰な日々』ですね。何年か前にLINKがON AIR WESTでワンマンを行った際に入場者限定で配られていたCDにこの曲が入っていた気がするんですが、そのころはギターが一切入っていないに等しくて、なんとも柳井さんらしい1曲だと思っていたけど、こうやってギターが入ったバージョンも良いですね。『……だけど愛してる、それだけだよ』と言う歌詞がものすごく切なく好きですね。もう当分このCDばかり聴くことになりそうです。


新宿LOFT:HxGxK


ROSE ROSE / cheapER DReaM
KOCA-35 2,100yen(tax in) / IN STORES NOW

自他共に認める日本のSKATE ROCKの元祖であり、現在もエクストリームミュージックの最前線を行く彼等。昨年11月にリリースした集大成的セルフカヴァーアルバムから早くも届いた通算11枚目となるニューアルバム。前作『NEO UNKNOWN TRANCED SLAYERS』で、へヴィロックへ接近し新たな方向性の模索が感じられましたが、今作では更にメロディックな部分が感じられ、そのクロスオーヴァーさせて行く所がオリジネーターながら新たなものを作って行こうという意気込みが感じられる一方、元レーベルメイトであるHERESYのカヴァーに彼等の原点も感じられ、元祖ながら牽引者という風格がさすがだと思います。もちろん激必聴!!!


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


V.A / 黄色い涙 オリジナル・サウンドトラック
JACA-5054 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

「黄色い涙」主演:嵐。1960 年代を背景に描いた、夢を持った若者5人の物語。この映画はただのジャニーズ映画では収まらない内容。嵐というアイドルグループの風貌がとってもこの年代にぴったりとはまっていた。演技の評価が高い二宮君を筆頭に良い意味で素朴さを全員が醸し出している。まだ公開中のはずなのでぜひ観てみてくださいっ!!
その映画の音楽を担当したのはインストバンド「SAKE ROCK」(このサウンドトラックには嵐が劇中で歌った曲も2曲入っています)。SAKE ROCK自体はSHELTERにも出演した事があるのですが(調べたら前回は2005の冬に出演)、受付でてんやわんやしていてきちんと聴けなかったままでした。しかし、この映画を観て改めてSAKE ROCKを聴きその世界観に圧倒された私。トロンボーン / ギター / ベース / ドラムの編成なのですが、トロンボーンの浜野謙太(通称ハマケン)のたまにかすれる音がさらに良い(ちなみにギターが大人計画のメンバー)。そして映画にマッチした良い意味で古い感じがたまらない。映画を観た3日後にSAKE ROCKのLIVEがあったので興奮のまま観に行きましたが、これまたLIVEが断然に良かった!インストバンドなのに曲終わりごとにハマケンがしゃべるしゃべる! しかも面白い! 面白い事にしか興味がない私は何度好きになったことか(笑)。でも曲はしっとりと聴かせる辺りがたまらなかった〜。いやぁ〜世の中捨てたもんじゃないっすね、と本気で思いました。(KKBR社長〜! 本当にあなたのセンスは最高です☆)


下北沢SHELTER:目黒彩海


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