『1 (one)』にまつわる記事は先月号にも掲載されていまして、彼らにとっては同郷の大先輩であるブッチャーズの吉村さんに最新作に対する忌憚なきご意見・ご感想を賜った次第なのです。
この企画、中尾憲太郎がヴォーカルを兼任することになった新生SLOTH LOVE CHUNKSの初ライブ後、新宿MARZ横の台湾料理屋で吉村さんがメンバーを一人ずつ呼び出し(笑)極めて具体的なアドバイスをしている姿を真横で見ている時に思いつきました。
HIGH VOLTAGEのメンバーは、言うまでもなく全員ブッチャーズから多大な影響を受けているので、取材当日の4人の極度の緊張っぷりたるや凄まじいモノがありました(笑)。
そんな彼らに、同じバンドマンとしての立場を尊重して慎重に言葉を選んでアドバイスを語る吉村さん。傍若無人なジャイアン的な振る舞いが吉村さんのパブリック・イメージかもしれませんが、実はちょっと尋常ではないほど周囲に気を遣い、底なしに優しい人なのです(取材が終わった後に「ちょっと言い過ぎて落ち込んだよ〜」とメールをくれるような方ですから・笑)。それに、アドバイスをするだけの価値がないと感じるバンドに対しては、端から言葉を費やす腹づもりもないでしょう。
取材後にSMA近くの韓国料理屋で軽く乾杯したのですが(なぜか店内はエリック・クラプトンにまつわる装飾品ばかりが陳列)、そこでも吉村さんは取材中の言葉を補うように懇切丁寧に助言されていました。その姿は札幌シーンの闘魂伝承といった佇まいで、何とも微笑ましい雰囲気でしたよ。
対談中の高橋君の発言にもある通り、HIGH VOLTAGEの次なる作品で吉村さんによるプロデュースが実現すればイイなと僕も思います。この対談をきっかけとして実りある作品が出来上がるのであれば、一介の編集屋としてこんなに嬉しいことはありません。(しいな)