ギター バックナンバー

NEW ROTE'KA イノウエアツシ × FLOWER COMPANYZ 鈴木圭介('07年6月号)

NEW ROTE'KA イノウエアツシ × FLOWER COMPANYZ 鈴木圭介

スペシャル対談 in 下北沢

ロフトのライブDVDシリーズ第一弾として、長いキャリアを持ちながら、今なお熱いライブを繰り広げているニューロティカとフラワーカンパニーズという2バンドによるスプリットライブDVDが発売! さらにはロティカ、フラカンにGELUGUGUも加えた3バンドでの「俺たちいつでもロックバカ!」ツアーも、この6月から開始される! その上、DVDと同時発売でフラワーカンパニーズのシングル「下北沢へ出かけよう/下北沢へ出かけない」も発売されるという盛りだくさんの今月。というわけで、ニューロティカとフラワーカンパニーズから、ボーカルのアツシさんと圭介さんに、再開発問題で揺れる下北沢にて色々と語らってもらいました。(interview : 北村ヂン)


自分たちの曲のようにやってました

──ニューロティカが23周年、フラカンが18周年という長いキャリアを持つ2バンドですけど。圭介さんはリスナーとしてロティカを聴いていた時期もあったんですよね。

圭介:一緒にやらせてもらうまでは生でライブを観たことはなかったんだけど、もちろん音源は聴いてたし、宝島とかのビデオも観てましたよ。

アツシ:曲よりもギャグだったけどね、宝島は。

──曲もカバーしたりしてたらしいですけど、それはどういうバンドだったんですか。

圭介:高校生の頃にドラムの小西くんと一緒にやってたバンドなんですけど、最初はラフィンなんかのコピーをやってたんですが、当時、インディーズブームが盛り上がりかけてた時期で、名古屋に一件だけ「ロックンロール・スウィンドル」っていうパンク・ショップみたいな店が出来て、そこでニューロティカのファースト・ソノシートを買ったんですよ。それに「青いお空に」っていう曲が入ってて、弟と良く聴いてたの。メチャクチャ良い曲だなって思って。

アツシ:ありがとうございます!

圭介:で、バンドでもやったんですよね。ラフィンは当時から売れてたからみんなわかるんだけど、ニューロティカはみんな知らなかったからオリジナルだと思われてましたね。「あの曲良いねぇ」とか言われて(笑)。こっちもあえて言わずに、自分たちの曲のようにやってましたから。そしたら、高校で一年上のパンクバンドをやってた人から「あれ、ニューロティカの曲だよねって」言われちゃって、バツの悪い思いをしましたね。

──その後、ロティカはバンドブームの流れに乗って一気に売れたという感じだったと思いますけど。

アツシ:完全に乗ってましたね。スカブームにも乗ったし、お笑いブームにも乗ったしね。全部乗っかってますよ(笑)。昔っからフェイクだからね(笑)。

──一方、フラカンはバンドブーム終焉後のデビューですよね。

圭介:バンドバブルが崩壊したとか言われてて、バンドなんか絶対に売れないとされていた時期ですね。ちょうど渋谷系とかが来てた時で、バンドはそういうしゃれた感じじゃないとダメで、ライブハウス系なんかダメだって言われてたんですよ。実際売れなかったですね、全然。

アツシ:フラカンはメジャーに行くのが決まってて東京に出てきたの? それとも東京出てきて何年か経ってからメジャーなの?

圭介:東京来て、一年くらい経ってからですね。

アツシ:それは、一年経ったら……とか約束されてたとかじゃなくて?

圭介:いや、違うんですよね。名古屋にいる時コンテストに出たら、名古屋のソニーの人が良いって言ってくれて、ライブにもちょくちょく来てくれるようになったんですけど、プレゼンにかけるって言われたまま全然引っかからなくて。それから、たまに東京に行ってはレコード会社の人をライブに呼んだりしてたんですけど、全然決まらなくって。結局、事務所だけついたんですけど仮契約だったんですよ。レコード会社が決まったら本契約しましょうっていう感じで。それで、もう名古屋いてもしょうがないから、バイトしてお金貯めて自分らで東京出てきたんですよね。それから一年間、月に3、4回ライブやって色んなレコード会社の人に見せてやっと決まったっていう感じですね。

アツシ:ああ、やっぱり全然違う道のりだね。俺は東京育ちだからね。昔、九州から出てきてるヤツなんかに「良いよね、帰るところがあって」って言われてたから。確かに、独り暮らしはしてたけど300円くらいで実家の八王子まで帰れたしね。

──ブームの最中と終わった後っていう違いもあるんでしょうね。

圭介:そうでしょうね。イカ天ブームが去って、TRFとかが売れてた時期ですからね。小室系とか渋谷系が全盛の時代ですよ。それから僕等の同期くらいのミッシェルが徐々に売れ出して、またちょっとづつバンドブームみたいなのが起こってきて、ハイスタとかが出てきて、エアジャム系のムーブメントが来て、シーンはパンク一色になっちゃって、みんな短パンになっちゃって……。そういうのには全然乗れてないんですけどね。


俺にとっては一番輝いてたシーンだから

──ロティカはパンクっていう方向性だったんだと思いますけど、フラカンって結成当初はどんな方向を目指してたんですか。

圭介:デビュー前まではエレファントカシマシとかがすごい好きで、ああいう感じを目指してたんですよ。エレカシが初めて邦楽の中でメンバーみんなが良いって一致したバンドだったんで。それまでは僕以外のメンバーは渋いブルースとかを聴いてて、洋楽好きの方が上、みたいな雰囲気出してましたからね。でも、ボーカリストは英語聴いてもっていうのもありますからね。

アツシ:俺もそうだよ。訳詩とか読んでも意味分からないからね。土曜の夜がどうのこうのとか、ベイベーとかなんとか……(笑)。

圭介:だから、ボーカルの人だけ邦楽をすごく聴いてて、バックは洋楽ばっかっていうバンドは多いんじゃないですかね。

アツシ:じゃあフラカンの他のメンバーにウチのCD送っとこ(笑)。聴いたことないかもしれないから。

──時期的に日本のバンドなんか聴いてるのは格好悪い、みたいな雰囲気もあったんじゃないですか。

圭介:イカ天の時期に、みんな髪の毛立てて、ラバーソール履いて、赤いズボン履いて……みたいな感じになってたじゃないですか。そういうのがチャラいなっていうイメージがあったんですよね、名古屋では。

アツシ:東京にもそういうのはあったよ。「あいつらは高円寺歩かせねぇ」みたいな(笑)。でも意外にああいうヤツらにもケンカ強いヤツらがいるんだけどねぇ〜。「マジかよ〜!?」って(笑)。

圭介:ロティカってその頃、名古屋にも来てましたよね。

アツシ:名古屋は芸音劇場とかでやってたんだけど、とあるライブハウスでケンカしちゃって出入り禁止になっちゃって……(中略)……でも、当時は名古屋が一番荒っぽかったかな、みんな酒飲んでシンナー吸って。

圭介:あの頃、僕は怖くってライブとかなかなか観に行けなかったですもん。何回か芸音劇場とかに観に行ったときには、本当に死ぬかと思いましたからね。始まった途端にグワーッて押されて将棋倒しみたいになってるし、靴なんて両方ともなくなっちゃったし、前の方から血だらけになった人が帰ってきたり(笑)。

アツシ:芸音は、もうステージ上も人だらけだったもんね。みんな上がっちゃって。

圭介:名古屋のパンクシーンはすごかったですよ。ラバーソール狩りとか本当にありましたからね。だから、普段は履いてても、栄に行く時にはみんな脱いで行くんですよ、狩られるから。

アツシ:やっぱりみんな格好つけたいんだよね。いっぱい酔っ払ってさぁ。でも、俺にとっては一番輝いてたシーンだからさ、パンクロックは。俺も友達のライブ行く時には酒飲んでいきがったりしてたしね。

圭介:今のパンクバンドやってる子たちは日常生活はパンクじゃなかったりしますけど、ロティカが若い頃一緒にやってたバンドっていうのは本当にド不良の人がやってましたからね。

アツシ:でも、そういう人たちも一緒にやると優しかったんだよね。……俺には今でも後ろに悪い人がついている、ウフフフ(笑)。

──アツシさんは昔のロフトの打ち上げで殴られた事がない男として有名ですからね。

圭介:それはすごいですね! 相当修羅場は見てるわけですよね。

アツシ:もめ事が始まりそうになると、さりげなく一歩二歩下がって「酒でも買ってこようかなぁ〜」って(笑)。上手く逃げてたからね。でも俺としてはそういう所にいるっていうのが一番ステイタスだったからね。当時で言えば、六本木のマハラジャで踊ってるのと同じくらいのステイタスだと思ってたからね。

圭介:僕等はそういうのを噂でしか聞いてなかったんで、ロフトでARBの人とかアナーキーの人とかが夜な夜な飲んでるイメージがあるんですよね。だから俺、実は前のロフトって行ったこともないんですよ。怖くって行けなかった。

アツシ:へー。ライブもやったことなかったの?

圭介:ないんですよ。僕らは新しくなってからしかないんですよ。ロティカはバイオレンスなイメージはなかったですけど、ロフトで毎晩バカ騒ぎしてるんだろうなっていうイメージはずっとありましたね。しかも、ロフトで10DAYSとかやってたから、ロフトのハコバン的なイメージがありましたね。

アツシ:それは嬉しいな。

圭介:しかも、それだけのキャリアがあって、修羅場もくぐってるのに若い子たちのバンドをドンドン取り入れているのがすごいんですよね。楽屋とかでも全然重鎮面しないし、ドーンとしてないじゃないですか。むしろ腰が低すぎるくらいですよ。

アツシ:それが売れない原因かもしれないけどね(笑)。まあ、そう言われてすごく嬉しいけど、その取り入れている若手のバンドのひとつだからね、フラカンも。

圭介:ああ、若手ですかぁ〜(笑)。




これは偶然じゃなくって必然なんだよ

──そんな2バンドが初めて一緒にやったのはいつなんですか。

圭介:6年前のeggsiteですね(2001年7月8日)。ちょうどウチらはメジャーとの契約が切れるっていう時で、アルバムを出すあてもなく、レコード会社の人から曲だけ作ってこいって言われてて、ライブもやらずに曲だけひたすら作っては聴かせに行くっていうのを半年くらい続けてて。バンドもすごくテンション落ちてたし、動員も下がっちゃって、僕のプライベートもメチャクチャで、一番どん底の時期でしたね。で、もうこのまんまじゃダメになるっていうのでグレート(マエカワ)がブッキングしてきたのがそのライブなんですよ。

アツシ:でもその時は打ち上げ、別々のテーブルだったからね。ちょっとね、俺からするとおしゃれ系だなっていうイメージがあったんだよね。

圭介:おしゃれ系かなぁ〜(笑)? でも、こっちからは近づけなかったですよ。ロティカのテーブル、異常に人が多いし、男も女もウワーッてなってるし。とてもじゃないけど入っていけないですよ。僕らは関係者のみで地味に飲んでたから。

──楽屋とかでも話さなかったんですか。

圭介:楽屋にアツシさんいないんですもん。

アツシ:仕込みでずっとアンプの後ろに隠れてたの、スイカマンの格好で(笑)。

圭介:いないなーと思ってたら(笑)。でも、すげーなーって思いましたよ。ライブ始まったらスイカマンの格好で飛び出して来たんで(笑)。

アツシ:でも、意外とお客さん驚かなかったんだよね(笑)。あんだけガマンして隠れてたのに。

圭介:でも、芸人魂を感じましたよ。

──それから本格的に交流が始まったのはいつ頃からなんですか。

アツシ:全然最近だよ。去年の夏くらいから……。「松健aniki祭りスペシャル」(2007年7月10日、11日、13日)っていうイベントで神戸と松山と大分の三カ所を一緒に廻った時からだよね。で、フラカンはここ何年か自分たちで全部やって色々がんばってるって聞いてたんで、やっぱりこういうバンドと一緒にツアーやらなくちゃダメだなぁ〜って思ってて、それの打ち上げで(グレート)マエカワさんにツアーやりましょうって誘ったの。そしたら「うん、考えとくよ」って。おいおい、先輩に対して考えとくよかよ〜って(笑)。

圭介:彼は敬語を使わないですね。僕なんかは先に年齢を聞かないと話せないんですけど、グレートはそういうのはイヤらしく、意識的になるべくタメ口を使うんですよ。

アツシ:でも、それで違和感ないよねマエカワさんは(笑)。でも、実はオッケーしてくれないかなって思ってたんだよ。だから一緒に廻れる事になって嬉しかったな。しかも、一緒のツアーが決まった後に上手いことにロフトから今回のスプリットDVDの話が来たんでビックリしたんだよね。

──DVDのオファーをした時にはツアーがあることは全然知らなかったですからね。

アツシ:だから、これは偶然じゃなくって必然なんだよね……まあ江原さん的には(笑)。でもすごいなって思った。こんな事ってあるんだなってすぐにメンバーに電話したからね。

──マエカワさんは洋楽派って事で、ニューロティカの事はそんなに……。

圭介:あんまり知らないと思いますね。

──一緒にライブをやるようになってから、バンド内でのニューロティカの評判ってどうだったんですか。

圭介:やっぱり、一番多いのは酔っ払ったときの話ですね(笑)。

アツシ:俺がワイルドカードかと思ったら、もう一枚あったでしょ!

圭介:アツシさんがすごいのかと思いきや、ダントツにスゴイ人が他にいたんですよね。ぶっ壊れる人が……。もうね、あそこまでとは思わなかったですよ。

アツシ:まあウチのドラムのNABOの話なんだけど(笑)。

圭介:ホントね、松健で廻った時に、 カタルさんとシズヲさんは真面目に飲んでるじゃないですか。 ふたりがワーッとなるじゃないですか。 で、アツシさんはワーッとなると言えども、普段通りというか、ライブでもワーッとなってるから予測の範囲内なんですよ。でもNABOさんはもう……(笑)ああなるとは思わなかったですね。俺、正直もう、打ち上げの時にNABOさんがウワーッて真っ赤になって側に来ると怖かったですもん。ものすごく鼓動が早くなって「来るなー!」って思ってましたからね。

アツシ:でも、昔はもっと元気だったからね。

圭介:まず顔が変わるんですよ。垂れ目が異常に垂れ目になって、左右のバランスが崩れてくるんですよ。デッサンが狂っちゃって(笑)。色んな噂も聞いてましたからね。それ聞いて、みんなで「ヤベー! そんなスゴイバンドなんだ! 打ち上げはかなり覚悟しておかないとヤバイね」って言ってましたから。

──フラカンって、それまでそういう荒くれ者とは一緒にやってなかったんですか。

圭介:僕らはバイオレンスなシーンに全く足を突っ込んでなかったんで、本当に箱庭育ちみたいなもんなんですよね。いわゆるパンク系のバンドともやってなかったし。まあ、ワーッ騒いだり、カラオケで裸になるくらいの事はありますけど、店を壊すくらいの勢いでメチャクチャやったり、全裸で外を走ったとかはないですからね。

アツシ:やっぱりNABOちゃんもロフト育ちだからね。

──それもロフト文化なんですかぁ〜!?


自然なライブがそのままDVDになってる

──今回、そんな二バンドでのスプリットDVDが発売されますが、お二人は普段あんまり自分のライブ映像なんかを観ないらしいですね。

アツシ:観ないねぇ〜。

圭介:今回もチェックではちょっと観ましたけど。

──それは、どうして観ないんですか。

圭介:観るとガッカリしちゃうの。自分の中ではすごい決まってるつもりでやってるんだけど、ビデオ観ちゃうと全然違うんで、それが身になるというよりはテンションが下がっていくばっかりなんですよね。反省ばっかりして次に勢いがなくなっちゃうんですよ。

アツシ:ミー・トゥー! 本当にそうだよね。

圭介:やっぱり無心でやってる時が一番良いんですよ。自分だけは決まってると思ってやってるのが良いのに、「この間観たら全然決まってなかったなぁ〜」って考えちゃうと……。

アツシ:同じだー。

──本人が観たくないっていう物を売ろうっていうのもどうかっていう話もありますけど(笑)。でも今回のDVDは、販売する予定も全然なく撮っておいた素材を編集してるんで、撮られてるっていう意識がない自然なライブが収められてるんじゃないかと思いますね。

アツシ:それはそうだね。

圭介:DVDになると思ってやるとちょっと意識しちゃいますからね。そういう意味では自然なライブがそのままDVDになってると思いますよ。

アツシ:普通そんなことないもんね。


下北沢へ出かけよう/下北沢へ出かけない

──それじゃ、フラカンはDVDと同時発売で「下北沢へ出かけよう/下北沢へ出かけない」というシングルを発売するということで、せっかくなんでちょっと下北の話もしたんですが、アツシさんは下北に来たりする事ってありますか。

アツシ:ここ五、六年かな、顔を上げて歩けるようになったのは(笑)。俺はやっぱり新宿系だからさ。下北はどうしてもおしゃれって思っちゃうんだよね。レピッシュとかブルーハーツとかジュンスカとかが飲んでるイメージだよ。

圭介:ロティカから見ると、レピッシュとかブルーハーツはおしゃれ系なんですか?

アツシ:そうだよー。だって飲み会やるなら新宿でしょ。なんで下北なのって感じだもん。そういうイメージ。新宿からなら自転車で帰れるけど、下北からだとタクシーで帰らなきゃとか色々考えちゃうもんね。ようやくここ何年かは下北のレコード会社からリリースしたりして、下北の飲み屋にも慣れてきましたけどね。

──圭介さんは下北との関係性が強いっていう感じですよね。

圭介:東京に出てきて初めてワーッて火が点いたのが下北だったんですよね。名古屋から東京にツアーに来たいと思って、でもテープ送っても聴いてもらえないと思って、車で渡しに来て、色んなところを廻ったんですけど結構冷たくあしらわれたんですよね。で、聴いてもらえたのが吉祥寺の曼荼羅と、四谷のフォーバレーと、下北沢のシェルターだったんですよ。シェルターって敷居が高いなって思ってたんで敬遠してたんだけど、行ってみたらその場で聴いてくれて。当時の畠山さんっていう店長さんがすぐにブッキングしてくれたんですよ。当時、下北のライブハウスが増えてきた時期だったんで、下北のライブハウスにはほとんど出ましたね。やっぱり居心地が良かったんですよね。

アツシ:密集してるもんね、ライブハウスが。行けば誰かしらいるっていうのがおしゃれなんだよな。

圭介:色んなライブハウスがあるから出会うこともあるんですよね。「今日ライブだったんだ」とか。

アツシ:それがすごいよね、下北は。新宿だと柴山さんに会って、G.D.FLICKERSに会って、アナーキーに会ってくらいしかないからね(笑)。

圭介:昔のロフトでは今言った人たちがいつも飲んでるっていうイメージですよね。

──やっぱり文化が生まれて来る場所って、そういうゴチャゴチャしてて人が集まってくる場所じゃないですか。新宿だとロフトだったりゴールデン街だったり、下北は街全体がそういう感じですよね。

圭介:そうですね、下北は普通に歩いてても誰かしら知り合いに会ったりしますからね。

アツシ:昔のロフトだと、あの辺にはロフトしかなかったからね。もうロフトに朝までいるしかないから。下北に住んでたら楽しいかもね。新宿のライブハウスも密集はしてるけどつながりないもんね。

──下北の再開発というのが今問題になってますけど、街がそういう風に変わって行くというのはどう思いますか。新宿でいうと、昔のロフトの立ち退き問題なんかもありましたが。

圭介:もしかして開発された後も面白い街になってるのかもしれないけど、とりあえず今のままが好きなんですよ。これくらいの下北が好きだから、変わっておかしなことになるのはイヤだなとは思いますね。

アツシ:俺は、昔のロフトがなくなるっていう時、反対はしたけど、どっちかというとしょうがないと思っちゃうタイプなんだよね。心の中にはまだ昔のロフトの思い出があるから大丈夫って思っちゃう。新しいロフトに移った時にも最初は、「新しい店員はわかってねえな」とか思ったけどね(笑)。でも、今はまた家族みたいに迎えてくれるんでありがたいしね。変わっていくのは仕方がないと思うけど。ただ、俺はそこまで下北に固執はしていないからわからないけど、好きな人からしたら、ここだけは壊しちゃいけないっていうのはあるんだろうね。

──まあロフトに関しては移転したとはいえ、まだ存続してますけど、下北に関しては今の商店街にある小さい店とかが残れる可能性は少ないですからね。

圭介:そういうのはなくなっちゃうでしょうね。

アツシ:あ、そんなに変わっちゃうの?

──駅前に幅26mの道路がズドーンと通るらしいですよ。

圭介:全然変わっちゃいますね。

アツシ:それはイヤだねえ。今、駅前を工事してるから、そこだけなのかと思ってたら、そんなに大きい道路が通ったら全然変わっちゃうよね。

圭介:難しい所ですよね。それはそれで便利なのかもしれないし、昔から住んでた人の中には立ち退き料をもらえるという事で、みんながみんな反対ではなかったりするみたいなんですよ。

──そういう簡単に良い悪と判断しづらい問題を、自分なりの表現として曲にしたんだと思いますけど。

圭介:曲に関しては、地元の人がどう思っているのかっていう所までは考えずに、単純に下北が好きだからっていう気持ちでつくりましたね。やっぱり下北って、ちょっと学生気分でいられる街なんですよね。甘いのかもしれないけど。学園祭ムードが常に漂ってるから、それが良くも悪くもぬるくって居心地が良いんですよね。

──それじゃ最後に、「俺たちいつでもロックバカ!」ツアーに向けて、一言づつお願いします。

アツシ:また新しい友達が出来たなって思ってるんで、ツアーは楽しみですね。仲良いバンドとツアー廻るのが一番楽しいしね。

圭介:ウチらはこんなにガッツリ同じバンドとツアーを廻った事ってないんですよね。だから僕も、もう思いっきり楽しみたいですね。もちろん色々勉強させてもらいますけど。

アツシ:俺は、フラカンとGELUGUGUが仲良くなってくれて、各バンドのお客さんが喜んでいただければそれで満足ですね。それで最後のロフトで美味しいお酒が飲めれば最高ですよ。出来たらまた来年とかも一緒に廻れたら楽しいかなと。単独のツアーも良いんだけど、やっぱり仲良しのバンドとやるツアーが一番好きかな。思い出作りってヤツか……俺の(笑)!


Live Shock Loft ニューロティカ×フラワーカンパニーズ

SPLIT LIVE DVD
「Live Shock Loft ニューロティカ×フラワーカンパニーズ」

RTLC-005 2,625yen(tax in)
2007.6.13 IN STORES
★amazonで購入する
日本のロックと共に歩み続け、昨年開店30周年を迎えた新宿ロフトが自信を持ってお贈りするライブDVDシリーズ第一弾はニューロティカ、フラワーカンパニーズという今、一番熱いライブを繰り広げている2バンドによるスプリット・ライブDVD!

<収録曲>
●ニューロティカ
1.ア・イ・キ・タ 2....to be HARLEM 3.太陽族 4.ダイナマイトでぶっとばせ! 5.足踏みかませ!! 6.東京ハレンチ天国 7.ロックンロール風俗part 2 8.気持ちいっぱいビンビンビン!! 9.絶体絶命のピンチに尻尾を高くあげろ!
●フラワーカンパニーズ
1.It's Only Roc'kyun'Roll 2.永遠の田舎者 3.年をとるってこと 4.はじまりのシーン 5.俺たちハタチ族 6.アイム・オールライト 7.YES,FUTURE 8.白眼充血絶叫楽団 9.馬鹿の最高

<特典映像>
お互いのライブに乱入!もう二度と観れない(……かも知れない)夢のセッションライブ。


下北沢へ出かけよう/下北沢へ出かけない

フラワーカンパニーズ
「下北沢へ出かけよう/下北沢へ出かけない」

RTC-002 525yen(tax in)
2007.6.13 IN STORES
★amazonで購入する

Live info.

<俺達いつでもロックバカ! Vol.19>
ニューロティカ / フラワーカンパニーズ / GELUGUGU

6.25(月) 浜松 LiveHouse窓枠
6.26(火) 三重四日市CLUB CHAOS
6.27(水) 神戸STAR CLUB
6.29(金) 博多Be-1
7.01(日) 鹿児島SR HALL
7.03(火) 広島ナミキジャンクション
7.04(水) 岡山ペパーランド
7.05(木) 京都磔磔
7.07(土) 大阪BIG CAT
7.08(日) 名古屋Electric Lady Land
7.14(土) 柏ZaX
7.15(日) 新宿LOFT

ニューロティカ OFFICIAL WEB SITE
http://www8.big.or.jp/~roteka/(PC)
http://www8.big.or.jp/~roteka/mobile/(mobile)

フラワーカンパニーズ OFFICIAL WEB SITE
http://www.flowercompanyz.com/

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