ギター バックナンバー

CD REVIEW part-2('07年5月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
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★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

南風亭こま / 弾き語り Live vol.1
NAK-001 1,000yen(tax in) / ライブ会場限定販売中

2年前にNaked Loftで開催していた「オープンマイク」というイベントに南風亭こまさんが出演されたときのこと。飲みに来たお客さんを一瞬にして虜にし、昔のフォークミュージシャンのような空気を放っていた。そこには音を楽しむ一人の若者ミュージシャンが歌っていた。それをきっかけにNaked Loftでは数々のミュージシャンとの対バン・イベントに呼ばれるようになり、今年に入ってからは自身のイベント『適材適音』を立ち上げるなど、今、注目のミュージシャンです。特にこのアルバムの最後の曲『日和見の心』は、きれいなメロディから始まり強く前向きな歌詞なのだが、悲しくなるという心を突き刺す歌だ。
南風亭こまというミュージシャンが表に出て来れば、これからの音楽シーンも面白くなると思います。是非、一度ライブで確認しに観に来て下さい。


Naked Loft 上江洲修


原マスミ / イマジネイション通信 / 夢の4倍 / 夜の幸
MMR-032(DDCR-5017)〜 MMR-034(DDCR-5019) 各2,800yen(tax in) / 5.23 IN STORES


凄い、あの伝説の原マスミの超幻の名盤3作が、DX紙ジャケット仕様になって19年ぶりに再発されたのだ。全36曲だ。勿論新曲(6曲)も入っている。その昔30数年前、私は無名な原マスミの『猫へ』という唄にぶっ飛んで、何とか彼のレコードを出そうと奔走したが実現できなかった過去を持つから、この「大全集」3枚同時発売が何よりも嬉しい。確かに原マスミの醸し出す世界は、そこらのポップスとはひと味違う。80年代のニューウエイブの世界や、あの時代の芸術ぽいアングラ的要素を持っていて何とも懐かしいのだ。この不思議な世界は、いろんな音楽を聴いていてそれに飽き足らないと言う人々のものだと思った。原マスミのこだわり、表現したい音の世界は強烈な世界が、芸術性が関係しているのは彼が今やっているライフワーク、ミュージシャン、詩人、ナレーター、イラストレター、絵本作家の多彩な活動とは無縁ではない。彼の世界が楽しいからこれだけの豪華な表現者が集まると思うのだ。


新人ロック評論家・平野悠


the band apart / stanley on the 2nd floor
asg-008 4,300yen(tax in) / IN STORES NOW

2006年12月23日に両国国技館で行われた、「SMOOTH LIKE BUTTER TOUR」のファイナルの模様のディスクと、“side view”という、そこ迄のツアーの様子などを集めたディスクの2枚組DVD。両国国技館のライブには行けなかったのですが、とにかく凄い広い会場と、観客の熱気を伝える1枚目は只ただ演奏の凄さに圧倒され、自分もレーベルで働いている身としては「リリースしたバンドがこういう風になったらいいなあー」と羨望の眼差しも含めて凄いと思いました。ディスク2とブックレットではではそのハイクオリティなサウンドの秘密が少し垣間見れる?のと楽しそうなツアーの様子ですが、ビックリしたのは、ベースの原氏が、10年くらい前に出たリズムマシン、BOSSのDR-5(ギタリストに使いやすいらしい、自分も持ってます)での指捌き。リアルタイムでアレだけスムーズにリズムを(指ドラム)叩き出す人を初めて見ました。自分も家でやってみたいと思います。多分無理ですが。


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


PIXIES / loudQUIETloud スペシャルBOX
KIBF-9457 6,090yen(tax in) / 5.09 IIN STORES

「ピクシーズをパクったのさ」とカート・コバーンが言っている。もしかしたら若いロックファンは既にニルヴァーナを知らない世代に入っているのではないだろうか。とあればピクシーズなんてもってのほかだろう。説教と捉えられても仕方がないが、もしロックが好きであればピクシーズは聴いて、感じたほうがいい。断言する。あなたが好きなあのバンドやこのバンドは、ピクシーズから影響を受けている。もし「そうではない」であっても、ピクシーズが「ロックを押し上げた」存在であることは歴史的に見て言い過ぎではないハズだ。92年に解散したピクシーズは02年に復活した。再結成を望むバンドは多数あるが、メンバーの死などでオリジナルでやり始めるバンドは稀だ。ピクシーズはオリジナルメンバーで活動を再開した。そのドキュメントである今回のDVDは、単にロックバンドの再復活を「メデタイ」といって流し撮りしたものではない。結局メンバー間のイザコザで解散した(バンドではよくあることだ)バンドが再結成し、ツアーを行う。このDVDはその前、そして途中でのメンバーの葛藤や苦悩を痛いほど垣間見ることが出来る。バンドをやること(人間関係を築き上げること)がどれだけ難しいことか、そしてその未来にある素晴らしい奇跡を感じることが出来るバンドはそうザラにない。もしバンドをやってなくてもその奇跡を感じ取れる素晴らしい作品に仕上がっている。自分も片手間ながらバンドをやっているが声を大にして言いたい。「ピクシーズなんかパクりまくっている」


下北沢SHELTER店長:西村等


Fed MUSIC / I fed music to you
NIW-020 1,890yen(tax in) / 5.05 IN STORES

ZARIGANI5がFed MUSICに改名しました!的なご挨拶代わりの1枚。ZARIGANI5時代の楽曲のリメイクはライブ活動で培われ得た経験によって遥かにポップさアップ。個人的に白眉なのは新曲『speed kills』(M-2)。Vo/Gt.久楽陸の元来持つメロディーメーカーとしてのセンスの良さに、雑食性の高さから来る裏打、ワンドロップのリズムが上手く昇華されてツボ。アコースティックセットで度々披露されてた彼らが敬愛するThe POLICE(祝!再結成)のカバー『so lonely』も彼らなりのリスペクトソングとしてクオリティが高い1曲。新曲、再録、カバー、リミックスとカラフルで飽きの来ない1枚となっている。"I fed music to you=私はあなたに音楽を届ける"読んで字の如く、あなたにこの素晴らしい音楽が届くことを願います…。


植村孝幸


FUGAZI / 3-27-02 NEW ORLEANS, LOUISIANA, USA/ TIPITINA'S
http://www.fugaziliveseries.com/

FUGAZI11枚目となるアルバム(ミニなども含めたりで11枚目というのが正しいかどうか…『Instrument Soundtrack』などはアルバムとして数えるのかな?)となる『The Argumen』。前回も書きましたが、あんまし愛聴していません。その発売後(2001年冬)のニューオリンズでのライブ。流石に、あまり聞いてないだけあって曲タイトルが“?”、この曲あったっけ?が多数。知らない曲は全て『The Argumen』からのナンバーでした。そういえばこのアルバムあたりからセカンドドラマーであるJerry Busherがメンバーとしてクレジットされてますね。なんとなくですが、激から静が多くなっているように聴こえます。2枚組みですが、1枚目最後の曲『SHUT THE DOOR』のイントロは確実に『DO YOU LIKE ME』だと思うのですが…スパゲッティ茹でてて「あれ??」とずっこけてました。


下北沢SHELTER店長:西村等/最近シェルターBLOG復活しますた


フラバルス / 君に捧げるメロディ
COCA-15993 1,050yen(tax in) / 5.23 IN STORES

前作『エンドレス』で全国にその名を広げた衝撃のデビュー作から首を長くして待っていました! 本作は轟音バラードをテーマに掲げた極上のポップスが3曲。昨年実施したフラバルスのワンマンライブでもその名曲達を惜しむ事なく披露してきたのを、この作品を聞いた時ふと思い出した。それは、フラバルスが描くメロディが人の記憶と密接に繋がっているからなのか、私の脳裏にしっかりと焼き付く彼のメロディ。そして、普遍的でありながらもピリリとひねりが効いたメロディを、至って自然にクールに聴かせてしまう所にもフラバルスの力量を感じる。こうした良い作品に出会うと、この仕事をしてきて良かったなぁと思う反面、いちリスナーとして出会ったら、また違う驚きや感動があるのだろうなとふと思う。
でも、一足早くこの素晴らしい作品に出会えて本当によかったなぁと思う。だからこそ、この場を借りて多くの人に自信を持って、フラバルスを推奨したいです。


SONG-CRUX:樋口寛子


BAREBONES / BACK IN YOUR BLACK
CD:TERNG-076 2,625(tax in)
LP:TERNG-077 3,150(tax in) / 5.23 IN STORES

*CDとLPで収録曲が異なります。LPは初回限定プレス・シリアルナンバー入り

偶然この1枚を手にしたときのことを僕は今でも覚えている。パソコンにこのCDを入れ再生ボタンを押した瞬間、「えっ!? これBAREBONES!?」と思った。本当にこれがBAREBONESか? と思ったが良い意味でBAREBONESは変化を遂げたと思う。音の迫力、曲の完成度、危機迫る雰囲気。そのすべてがグレードアップしていたせいか、BAREBONESだと一瞬では理解出来なかったのであろう。しかし根底からBAREBONESが変わってしまったという印象は受けなかった。今まで通り激しいギターにしゃがれた声、あのスピード感はまさに目隠しをして乗るバイクのようだった。そういったリアルな感情や風景が聴き手側の僕を完全に責め立てていた。そう、僕はドンドンと追いつめられていた。気付ばもう逃げ場はない。しかしそれも悪くはない気がした。今のBAREBONESならぶちのめされても悪くないかな?そんな気持ちになっていた。


新宿LOFT:小山


BOA / BoA COMPLETE CLIPS 2004-2006
AVBD-91457 2,990yen(tax in) / IN STORES NOW

俺の趣味の1つにPV世界一決定戦というのがある。これを行なう時は、仕事終わりで飲んでいる時ばかりなので、どうしても酒に合うPVという事になってくる。そうなってくると、やはりデスメタルやスラッシュなどでは無く、LAメタルとかになってくるわけで、CINDERELLAやPOISONのPVなんて観てると、気付けば朝の9時とかで、出勤前の彼女が起きてきて白い目で見られるなんてしょっちゅうだ。(しかしこれが世界一のPVを決める基準の1つでもある。) そして、この度遂に世界一のPVが決定した。このPVを見過ぎたが故に朝まで酒を飲みベロンベロンになり、彼女には白い目どころか、軽蔑の眼差しで見られた。それもここの所毎日である。そんな恐ろしいPV、それこそがBoAの『抱きしめる』である。字数の関係で簡単にしかこのPVの説明が出来ないのだが、まずド派手な衣装のBoAが踊り狂い、その躍動感に興奮し、車の運転席から見下すような視線で歌うBoAに更に興奮し、2コーラス目から出てくる天使の様な笑顔のBoAで昇天する。こんな恐ろしく完成度の高いそして、見飽きないPVを俺は今まで見た事が無い。間違いなく現時点で世界一のPVである。他にもいいPVが入ってるが、この1曲を観る為だけでもこのクリップ集は買っておいた方がいいだろう。


下北沢SHELTER店長:タイトなジーンズにねじ込む五味という戦うBODY


moools / DUB NARCOTIC SESSION
mooo-001/002 1,800yen(tax in) / IN STORES NOW

『バブル期』『めまいセロハンごし』『なわとびの前で』『アニバーサリー欠乏症』って。あぁ、タイトルだけでゾクゾクする‥! このバンドの何が好きって、臭ってくるかのような不可思議さ、ソレが好き。ソレが魅力。決して聴き手の色や匂いとは雑ざらない。それなのにモゾモゾじわじわと染み渡ってくる。違和感と心地好さが同居した、このムズムズが堪らない。
前作のフル・アルバム『モチーフ返し」』に触れたとき、えらく興奮したものだった。これ以上は当分ないだろうと。半年後。違った。出たんだ。衝撃だった。大袈裟じゃなく、これぞMOOOLSってもんが詰まっているのではないか?と感じたほど。どうにも馬鹿な表現だけれど、音楽が息をしている。やっぱり一筋縄ではいかない。内臓まで反応するようなそのグルーブと引っ掛かりの多い言い回し。喜怒哀楽から大きくはみ出した感情。相変わらずの奇声。それがより濃厚に、よりシンプルに、よりダイレクトに、この1枚に生きているんだ。
捨て曲なし! とか名曲揃い! とかは軽々しく言うもんじゃないと思わせた、4曲入りってのがどうにも疑わしいDVD付きミニ・アルバム。
http://www.moools.com/


Naked Loft:きしのわかこ


L'Arc〜en〜Ciel / FIVE LIVE ARCHIVES
KSBL5833〜5837 29,400(tax in) / IN STORES NOW

私、高校生の頃始めてつきあった女の子に、MIX TAPEを貰ったのです。そのTAPEにはいっていたのが、ハイスタの『サマーオブラブ』や、ランシドの『RADIO』、何故かファイヤーハウスの『HERE FOR YOU』、そしてラルクの『GOOD MORNING HYDE』が入っていました。青かった私は見事にそのバンド達のコピーバンドをしていました。その私的音楽ルーツに影響を受け、今ロフトにいます。そして当時既にとても人気だったラルクアンシエルのライブを見に行けず、泣く泣くウォークマンでアルバム『true』を聞きまくってました。前置きが長くそんなライブが家で見られるなんてー! な作品がリリースされました! 未発表ライブ映像5公演、しかもあの思い出の98年のライブ!! 丸一日つぶして、全10時間ちょっと見てしまいました。


新宿ロフト店長:大塚智昭


posted by Rooftop at 07:20 | TrackBack(0) | バックナンバー

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