◆Rooftop編集長・椎名宗之に訊く『誌面刷新されるRooftop4月号の読みどころとは!?』
今年、創刊から31周年を迎えるロフトプロジェクト発行のエンターテイメント・フリー・マガジン『Rooftop』(毎月1日発行)が、来たる4月号を機にカラーページを増やしてまたもやリニューアルを果たす。
現状に甘んじることなく更なる進化を遂げるRooftopは何処へ向かうのか、編集長の椎名宗之(33歳独身・花嫁募集中)を緊急直撃した。(interview:俺)
◆既成概念や境界線を突き抜ける姿勢こそがロック
ーーひとまず今月も校了お疲れ様でした。次号から誌面刷新されるそうですね。
椎名:全体のページ数は変わらないんですけど、カラー台を増やして紙質を若干変えます。本当はページ数を増やして背を付けて打倒ジュースマガジンを目指したかったんですけど(笑)、限られた人数でやっている手前、現状ではこれが精一杯なんですよ。今月からカラー台を増やすタイミングで印刷所を変えて、入稿方法が変わったから戸惑う部分もありましたけど、非常に理解のある印刷所だったのでストレスなく作業できましたね。
ーー表紙巻頭は吉川晃司さんというのも、従来の読者の期待を良い意味で裏切る感がありますよね。
椎名:僕達の世代にとっての吉川さんというのは、COMPLEXや「せつなさを殺せない」より以前に、誤解を恐れずに言えばジュリー(沢田研二)の系譜を受け継ぐ正統派のロック歌謡を体現していた方であり、アイドルというジャンルがセグメント化される前の純真たるアイドルだったわけです。でも、従来の傀儡人形的な枠には到底収まりきらないイビツさは幼心にも感じましたよね。『ザ・ベストテン』でバック転してプールに飛び込んでみたり、『紅白歌合戦』でギターに火を燃やしてNHKを出禁になったりと(笑)。その後は作曲や楽器のノウハウを独自に学んで、今は一人の表現者として確固たるスタンスを築いている。僕はそういう既成概念や相反するモノの境界線を突破しようとする人に対して大いに共感を抱くし、本能的にロックな人だと感じていたので、妙にお利口さんな最近の若いバンドよりも余程ルーフトップの誌面を飾るに相応しい存在だと感じたんです。だから本誌に吉川さんのようなメジャーフィールドの方が登場するのはなんの違和感もないんですよ。それに、吉川さんの最新作『TARZAN』がお世辞抜きで素晴らしい出
来だったので、是非紹介したいと思ったことも大きいんです。本誌を手に取って吉川さんの一本気な言葉を読んで頂ければ、僕の言うロックな姿勢というものがよく理解してもらえるはずですよ。
ーー吉川さんのようなビッグネームの方とネクラポップやチョモランマトマトのような新進気鋭のバンドが一冊の雑誌に混在する姿勢がルーフトップの大きな持ち味だと思うのですが。
椎名:本来言うところの雑誌の『雑』の部分ってそういうことじゃないですか? いろんなモノがごった煮になって詰まっているからこそ面白い。日常生活でも、張り詰めた緊張感を強いられた毎日を過ごせば息切れを起こしてしまう。たまには息抜き、ガス抜きも必要ですよね。それと同じで、雑誌作りでも緊張と緩和のバランスが大切なんですよ。ミュージシャンへの真摯なインタビューとユルいコラムをバランスよく配合して、硬軟織り交ぜた娯楽雑誌にしたいんですよね。
ーーインタビューを掲載する基準としてあるものは?
椎名:端的に言えば、そのバンドなりミュージシャンに我々が姿勢としてロックであることを感じられるかどうか。また、彼らの生み出した作品が素晴らしいか否か。その作品を世に知らしめたいと我々が感じるものであれば、そのミュージシャンの性根がどれだけ腐っていようが(笑)僕はインタビューを掲載したいと考えてます。
ーー広告収入とのバランスも避けては通れぬ部分ですよね。
椎名:そりゃお金は欲しいですよ(笑)。それで儲けたいということよりも、広告収入が増えればページ数やカラーを増やせてより誌面を充実させることができますからね。言うまでもなくフリーペーパーという性質上、印刷・製本費や全国への発送費はクライアントからの出稿で賄われています。そこでのタイアップは疎かにはできませんけど、出稿がなくてもどうしても掲載すべきミュージシャンや作品というのがある。それは僕の独断と偏見、主観によるものですが、そんな部分こそが他誌に出せない本誌独自のテイストだと思ってます。作り手の顔が見えない雑誌にはなんの魅力も感じられないし、そういうのは総合情報誌にお任せすればいいことですからね。
ーー4月号の読みどころは?
椎名:僕が担当したページで言えば、吉川さんとのインタビューという名の真剣勝負、上原ひろみさんとウチの悠さんの会話の噛み合わなさ具合(笑)、どこよりも早いブッチャーズの新作に関する吉村さんの肉声、スパルタローカルズのコウセイ君との4年振りの仲直り、パニックスマイル吉田さんのJ・J・バーネルへの話の引き出し方、僕も構成で携わった自叙伝『スネア』に対する高橋まことさんの熱き思い、そしてビークル日高さんとロマンポルシェ。の掟さんのメロン記念日への切り込みっぷり(笑)。遂にルーフトップがロックとアイドルの境界線を突き破りマシータ(笑)。
◆モラリストが無責任男を演じるおかしみ
ーーそう言えば、椎名さんの敬愛する植木等さんが先日お亡くなりになりましたけど…。
椎名:メロン記念日のDJイベントでエイジアにいた時に、マイミクでもあるBITSU!-Chang氏からメールでその報せを聞いて…ショックでした。本気で絶句してしまいました。クレイジーキャッツの音楽や無責任男シリーズの映画はもちろん大好きだったし、寺の住職だった父親の生き様を植木さんが執筆した『夢を喰い続けた男』という本に若い頃非常に感銘を受けましたからね。植木さんのお父様は、戦時下に当局の言論統制が厳しいなかで人々に戦争の愚かさを説き、投獄されてもなお反骨精神を貫いた方なんです。植木さんはそのお父様の背中を見て育ったモラリストで、『スーダラ節』みたいないい加減な歌を唄うことに大いに躊躇したと言います。本人はフランク・シナトラのような二枚目歌手を目指していたんですから(笑)。でも、植木さんがそのことをお父様に相談したら「『わかっちゃいるけどやめられない』という歌詞は親鸞の教えそのものだだから、胸を張って唄いなさい」と諭されたそうです(笑)。そのエピソードが僕は大好きなんですよ。
ーーモラリストたる本質を持つ植木さんが無責任男という軽薄極まりない人物を演じることに面白さがあったわけですね。
椎名:そうですね。僕がグッとくるポイントである相反するモノを同居させた人なんですね、植木さんは。あと、黒澤明監督の『乱』という映画に植木さんが出ていて、格調高い映画なのに植木さん一人だけ無責任男シリーズの平均(たいら・ひとし=主人公の役名)そのまんまだったんですよ。東国原宮崎県知事もビックリです(笑)。闇雲なエネルギーを画面一杯に放出していて、とにかく突き抜けてる。あれは凄いなと思いました。
ーー昨年末の青島幸男さんの葬儀に参列した植木さんが随分と老いてしまったのをテレビで見ましたけど…。
椎名:酸素吸入器を付けていらっしゃいましたけど、あの姿は痛々しかったですね。多分、来週の週刊文春には僕の好きな小林信彦さんがコラムで植木さんの死について触れるだろうから、それは早く読みたいんですよ。あと、渥美清さんや横山やすしさんの伝記を上梓してきた小林さんに是非植木さんの本を書いて頂きたいです。
ーー週末はゆっくりできそうですか?
椎名:シェルター昼の部に店長西村のバンドが出るので、それを観た後にみんなで花見かな。大酒カッ喰らって酩酊の限りを尽くしたいですねぇ。でももう5月号のコンテンツを固めないとマズいので、うかうかしていられないんですけどね。ホントはぶらっと当て所なく一人旅をしたいんですよ。その旅先でリア・ディゾンみたいな見目麗しき娘さんと恋に落ちるのが夢ですね(笑)。なーんて、まァ一生言ってろやって感じですけどね(笑)。
自問自答、interview:俺って(笑)
マヂでウケますょ。
カラーを増やすとか表紙巻頭は吉川晃司さんとか、驚きの連続です!!
まさに、進化し続けるルーフトップ!さすがですね。
4月号の読みどころ、椎名さんのあげているもの全部楽しみですが、中でも『上原ひろみさんと悠さんの会話の噛み合わなさ具合(笑)』が気になってしかたないです。
花見、いぃですね〜。飲み過ぎ注!で楽しんでくださいね。
てか、リア・ディゾン(笑)
その恋の落ち方がなんともドラマみたいですゎ(≧m≦)
YUKAさんのお手元には今週半ばには届くであろう新しくなったRooftop、Webでも読めますが是非手にとって読んで頂ければ幸いです。悠さんの対談も理屈抜きに面白いですから(笑)。
かなりロングインタビューだし早朝からどぅしちゃったのかと思いました(爆)(=^▽^=)
どん引きしてませんから大丈夫ですよ(´∀`)
たまにはこぅいぅのもいぃですね〜。
Webで読む前に、スネアと一緒にRooftop4月号GET出来るかな!?o(^-^)o
なーんてバカな手前インタビューをやってるうちに早くも今月号のインタビュー記事がWebにアップされました! K2氏は長すぎて前半と後半に分かれてます(笑)。じっくり読んで下さいまし!