全てに於いて規格外のスケール! 日本から世界へ『MAKE YOUR HEAD DOWN』
2005年にフジロック出演、2006年にはサマーソニック出演最終選考まで残るなど近年業界の注目を一斉に浴びてきたMOTOR MUSTANG(モータームスタング)、略して“モームス”がいよいよ待望の音源『MAKE YOUR HEAD DOWN』をリリースする。若干23才のトリオが奏でる音はとにかく爆音、痛烈、爽快といった言葉が似合う。ライブのイメージそのままをパッケージした、今後語り継がれる名盤となるこのファースト・ミニ・アルバム。今回は発売を記念してVo/Gtの三好哲平に単独取材。世間では“JETの日本型か、21世紀型のモーターヘッドか?”なんて称されてますが、全て間違いです。敢えて言います。“現在進行形、日本のモータームスタング”なのです。“モームス”って言えば彼らのことを指す時代が間もなく訪れます。(interview:植村孝幸+椎名宗之)
モームスと言えば自分たちってなりたい。
──モータームスタング、略してモームス。狙いましたね(笑)?
三好哲平(Vo&Gt):ハハハ。まぁ、10年後くらいにモームスって言ったら俺らになってるようにと。10年前には同じ名前のアイドルも居たんだよ的な逆転の発想ですね。
──じゃあ、モームスってところからモータームスタングにこじつけた感じで?
三好:まぁ、バンドが持つ雰囲気もありますし。でも単に名前決める時に何も思いつかなかったとかですね。以上です(笑)。
──メンバーの皆さん、付き合いが長いんですよね。
三好:そうですね、小学校からですね。メンバー3人たまたま仲が良くて、中学の部活が一緒で行動を共にしてたら、何かのタイミングで音楽にハマったって感じですね。
──そして高3の春から本格的にバンドとして活動始めたと?
三好:中学の時にちょっとだけコピーバンドやったりしてたんですけど、その時点でドラムの森戸(皓平)は全く形にならず8ビートも叩けずで(笑)…。自分とベースの松川(洋平)は何となく弾けてたんですけど。
──森戸さんは、完全に自己流で叩き始めたと?
三好:いろんな音楽聴いて、ドラムのリズムくらいなんとなくわかったきてたんじゃないですかね? そんな感じでバンドは始まりましたね。
無料の宝くじに当たった感のあるフジロック出演、それで得た大きな財産
──色々活動していく中で2005年にフジロック出演、2006年サマーソニックでは一般応募で最終選考に残るなど、2大フェスの名前が出て来ますが、どちらも一般応募で出演されたりしているんですね。
三好:でも、特に何も考えてなかったんですよ(苦笑)。自分はしっかりした仕事が苦手で、事務的なオーディションの応募とかやれないんです。それで森戸にやってもらってるんですよ。フジロックの時は広告かなんかを見て軽い気持ちで森戸に「これ出しておいてよ」みたいなことを言って…。でも、あのフジロックですからまさか! って感じじゃないですか。そうしたら、数ヶ月後に森戸からメールが来て一言「フジロック出ます」って…。いや意味がわかんないからって感じでしたね(笑)。
──ということは、それまでフジロックに対する思いは無かったんですか?
三好:もちろんいつかは出たいとは思ってましたが、その当時は出られると思ってなかったし。まぁ、無料の宝くじを買っとけみたいな気持ち(笑)。だって「出しておいて」って頼んだ事すら忘れてましたから(苦笑)。サマソニの方は、次の年にまた広告で『サマソニへ行こう!』みたいなのがあったから「じゃ、次はこれ出そうか」って。フジロックもサマソニもなんとなく出した感じですね(笑)。
──この頃ってライブ活動は頻繁だったんですか?
三好:月1・2本、都内でやるぐらいですね。
──じゃあ、まさに青天の霹靂って感じだったんですね。
三好:はい、自分たちが一番ビックリしました(笑)。
──フジロックとかで観た海外のバンドと自分たちはこういうところが違うっていう差を感じたりしました? 例えば音圧が半端ないなぁとか。
三好:PAとかスピーカーを通してるから真実はわからないですけど、ドラムの音がバカでかいのは何故だろう? って感じました。あとは歌の迫力。何て言うか歌にしてもドラムにしても聴いてる側に飛んでくるイメージでしたね。
──力量か性格かわかんないですけど、海外のバンドって音が重いですよね。
三好:重いですよね。メンバー間では「肉が主食だからじゃねぇ?」って話で落ち着いたんですけどね(笑)。
──(笑)あと、ステージパフォーマンスとか魅せ方を含めて、自分たちなりに取り入れてみたりとか?
三好:とりあえず肉は食ってみたんですけどね(笑)。レコーディングの際、3日間くらい連続で食べたんですが、体調悪くなったんで止めました(苦笑)。海外のバンドのステージを観て取り入れたいって思ったのは、明らかに傍若無人と言うか好き勝手やってる感ですかね。日本のバンドのステージって、悪い事じゃないんですけど凄い構成されてるっていうか、エンターテインメントが過ぎてるというか…海外のバンドはサーカスみたいな感じで何が起こるかわからない感がありますよね。もちろん気は遣ってるんだろうけど、その気遣ってる感が出てないと言うか…。そのステージを観ていると、好きにやればいいんだなって思いますよ。
──自分の所感なんですが、日本のバンドってお客さんを意識し過ぎる傾向がありますよね。もちろん喜んでもらうことは大前提なんですけど、お客さんを喜ばせなきゃっていうのが前に出過ぎてて若干イヤラし過ぎって思うんですよ。
三好:海外のバンドを観ると、自分が一番楽しみたいというのが伝わってきますよね。(日本のバンドの)お客さんを喜ばせなきゃっていうのは良いことだと思うんですけど、それを意識しすぎているとお客さんにイヤラしく伝わっちゃう気がするんです。そういう風にならないように頑張らないとって思いますね。
世界へ向けての第一歩
──そんな感じで注目を集め始めて、いよいよ待望の音源発売ですね。
三好:はい、やっとです。
──歌詞が英詞ですね。何か拘りとかはあるんですか?
三好:拘りっていうより、単に自分たちが聴いてきた音楽が洋楽だったって感じですね。「日本語で歌ってみなよ」っていう意見もあって、スタジオでやってみたんですけどしっくりこなかったんです。それで日本語詞と英詞、どっちを採るかみたいな話になった時に、もう日本語でやる気は無かったんです。英語でやろうって。
──将来的には海外でやりたいとか願望があってかと思ったんですが。
三好:その為ではないですね。ただ、バンドをやり続けていく上で憧れだったり、目標としているバンドが海外で活躍してる方々なので、いつかは行きたい。でも今の時点ではそこを見据えてって感じではないです。
──詞は三好さんが書かれているんですか?
三好:6割型自分で書いてます。曲は9割型自分が書いてます。詞の場合は、松川が歌う事もあるんで松川に「そのまま自分で詞書いちゃって」って言うこともあります。
──詞は曲ありきって感じですか?
三好:そうですね、曲に乗せる感じで書いてます。
──詞を普段から書き溜めるって感じではないのですね。
三好:詞を書く人って結構書き溜めたりする人が多いから真似してみたんですけど、どこにも当てはまらずうまくいかなかったので、その方法はやめました(苦笑)。
──1曲目の『WELCOME TO THE SHITSVILLE SMELLING LIKE A MOTORJUNK』から疾走感溢れる曲ですが…タイトル長いですね(苦笑)
三好:ハハハハハ。
──いきなりギターのリフが象徴的なんですが、全曲に通して言えるのがリフとリズム隊の絡みが秀逸なところだと思うんです。何か意識されたりしてます?
三好:強いて言うなら自分はギターなんでリフを意識してます。でも、キメとかよりはAメロにしてもBメロにしてもリフにしてもサビにしても、そのリズムがしっかりしてるかっていうのを気にしてますね。
──ギターのリフに重きを置いてるってことですが、今まで聴いてきた中で好きなギターのリフとかどんな感じですか?
三好:完全に私感でいいんですかね?
──全然構いませんよ。
三好:んー、例えばダットサンズの『MOTHER FUCKER FROM HELL』とかガンズアンドローゼスの『WELCOME TO THE JUNGLE』、でも一番好きなのはワイルドハーツの『GREETINGS FROM SHITSVILLE』ですかね。
──今、確信したんですが、1曲目のタイトルって、今言われた曲名あたりを文字りました?
三好:ハハハ。まぁ、そんな感じですね。
──『TRAP OF LIFE』(M-2)やら『ALRIGHT』(M-3)の曲の最後が普通に終わらないっていう捻くれ具合も気になるところですが…。
三好:結構そういうところに気合入れてるってところがありますね。本当はイントロとかも凝ってやりたいんですけど、イントロをあんまり長くしても後がだれてきそうで。そういうところもあり、最後はちょっと小細工したいなぁって気持ちはいつもありますね。
──代表曲っていうか推し曲的にはやはり『CHERRY BOMB』(M-6)ですか?
三好:『CHERRY BOMB』は昔っからやってて代表曲な感じはありますが、このアルバムに関して言えば、『WELCOME TO THE SHITSVILLE SMELLING LIKE A MOTOR JUNK』(M-1)であったり、『TRAP OF LIFE』(M-2)であったりしますね。
──ライブも続々と決まってますね。レコ発ツアーも敢行されて…。
三好:関東近辺から回り、それから全国へ行きます。
──4月20日のレコ発と、7月には初ワンマンをredclothで行うそうですね。そうなると必然と次作も期待されるのですが…。
三好:今年中に出したいですね。いや、出すつもり、いやいや、出します! とにかくモータームスタングは音的には最先端の何かをやってる訳ではないんですけど、普遍的に良いものを作りたいと思ってます。その過程で、今年は最も貴重な時間であったりする、例えばニルヴァーナが『NEVERMIND』出した頃みたいな、とにかく見逃したり聴き逃したら損する時期だと思うんでライブなりCDなりをチェックして欲しいですね。
──今、最も進化している時期ってことですね。
三好:気づいたら、「あ〜、観ておけば良かった」ってなると思うんで、どこかで名前を見かけて気になった人は是非観てもらいたいですね。
MAKE YOUR HEAD DOWN
redrec RCSP-0002 / 1,890yen (tax in)
4.04 IN STORES
★amazonで購入する
Live info.
1stミニアルバム「MAKE YOUR HEAD DOWN」レコ発ライヴTOUR
4.20(Fri) 新宿レッドクロス
with UNISON SQUARE GARGEN、BACK-ON
5.15(Tue) 高崎FLEEZ
with THE RODEO CARBURETTOR
5.17(Thu) 宇都宮HEAVEN'S ROCK
with THE RODEO CARBURETTOR
5.18(Fri) 水戸LIGHT HOUSE
with THE RODEO CARBURETTOR
5.22(Tue) 横浜CLUB 24
with THE RODEO CARBURETTOR
5.23(Wed) 神戸VARIT
5.24(Thu) 大阪 福島2nd LINE
5.25(Fri) 名古屋 大須OYS
MOTOR MUSTANG OFFICIAL WEB SITE
http://www.motormustang.com/
所属レーベル:スプートニクラボ OFFICIAL WEB SITE
http://www.sputniklab.com/