ギター バックナンバー

THE MACKSHOW('07年1月号)

THE MACKSHOW

俺たち、あの日を忘れない……マックショウと過ごした青春の季節!

汗と涙とポマードがしたたり落ちるほど生々しいライブ・アルバム、昭和八十二年元旦発売!!

 こんな所まで来るなんて、本人達ですら予想していなかったに違いない。だけど、それは必然だった。  皮ジャン、リーゼント&モーターサイクルと共に駆け抜けた70's〜80'sのロックンロールを現代に蘇らせるべく、2002年頃から120パーセント“遊び”感覚でスタートしたザ・マックショウ。そこに集まったのはご存知、THE COLTSのメンバーであるコージー・マック=岩川浩二、トミー・マック=トミー神田、そしてバイク・ボーイといった永遠の不良少年達。だが、ヤツら(ここでは、敢えて“彼ら”と言う呼び方は止めにしよう)が手を抜いた“遊び”をするハズがなかった。いやむしろ、“遊び”だからこそギアをオーバートップに入れて一直線に突っ走った。その結果、そもそも「3枚CDを出したら解散しようかとも考えていた」と言うザ・マックショウは、既に4枚目のアルバムを発売した今もなお精力的に活動を続け、各地の健康優良不良少年少女をギンギンにさせている。

 そんなヤツらの本質は、やっぱりいつだって“遊び”にある。皮ジャン&リーゼントでキメたルックス、キャッツ・アイやシルバー・ペンダントや皮ジャン(!)など充実しまくったグッズ群、そしてリリースの度にワクワクさせてくれる数々の仕掛け(限定盤と通常盤の内容が違ってファンに嬉しい悲鳴をあげさせたり、発売日をキャロルが解散した4月13日にしたり…)などなど、その他にもちょっと気を抜いたら見逃してしまうような細部にいたるまで、遊び心がいっぱいに詰め込まれている。

 そしてその遊び心は、ライブハウスで一気に炸裂する! 畳み掛けるように繰り出されるポップなナンバーは、その昔はリーゼントでキメキメだった元・ヤングはもちろん、古き良きアノ頃を知らない現・ヤングも揃って熱狂の渦に叩き込む。昨年、誰もが驚く怒濤のスケジュールで行なわれたツアー「マックショウ・フルスロットル!」では、毎晩のようにそんな光景が繰り広げられた。そう、ヤツらの“遊び”はいつだって本気だからこそ、いわゆる“お遊び”とは違い、人を巻き込むパワーがあるのだ。だってただの“お遊び”ならまだしも、ヤツらの全てが注ぎ込まれた本気の“遊び”を見せられたら、こっちだって本気でそれに向かい合わなくちゃつまらない。

 と、ファンなら百も承知な前置きが随分長くなったが、そんなザ・マックショウのライブ盤『ダイナマイト・ナンバー・ワン』が、“ザ・マックショウ時間”で昭和八十二年(つまり今年)の元旦に発売された。これは、前述したツアー「マックショウ・フルスロットル!」にて収録された音源から厳選されたものだ。これまでDVDは発売されていたものの、CDという媒体でヤツらのライブがパッケージ化されたのは今回が初めてである。昨年発売された最新アルバム『ブルメタ★反抗賊』から'03年に発売されたファースト・アルバム『BEAT THE MACKSHOW』まで、全作品からまんべんなくチョイスされたナンバーはもちろんのこと、最後には「スペシャル・アンコール」としてザ・トラブル(虎舞竜の前身バンド)の「恋のジュークボックス」とキャロルの「ヘイ・タクシー」のカバーも収録した全18曲。早い話が、「恋のロックンロール・ライセンス」や「ナナハン小僧のテーマ」、そしてもちろん「いとしのカロライナ」などの名曲をライブという最もヒリヒリした状態のまま自宅で聴くことができる、今のところ唯一のチャンスってワケ。アコースティック・ナンバーも2曲収録されているので、チークタイムにももってこい! ちなみにミックスは、もちろん今回もコージー・マック自身の手によるもの。終電とか明日の仕事とか明日の筋肉痛とか、そんなことは一切気にせず踊りまくるオーディエンスとバンドの繰り広げる幸福な時間が、ディスク上に可能な限り再現されている。

 昨年12月3日には、宿願の東京タワーにてライブを行ない(東京タワーCAFE・THANKにて行われた「ワンマン・カミナリ・コンサート IN 東京タワー」)、まだまだ上へ昇り続けるザ・マックショウ。そんなヤツらを次のステージへ導く上昇気流は、いつだってライブハウスから吹いているのだということを、今回のライブCDは教えてくれる。どれだけ時間が経ったとしても、ザ・マックショウという遊び場が遊び場である限り、その上昇気流は吹き止むことはないのだろう。それは、ヤツらがこの場所で“遊び”はじめた瞬間から、必然だったのだ。

 ちなみに同じく1月1日、THE COLTSのライブDVD『LIVE ON BLACK MARIA "Rocka Romantico"』がリリースされる。こちらもまた男達の“遊び場”を収めたドキュメントである。併せて入手して欲しい。

(text:前川 誠)


ダイナマイト・ナンバーワン

THE MACKSHOW
ダイナマイト・ナンバーワン

B.A.D RECORDS/DISCUS DLBD-2005
1,980yen (tax in)
昭和八十二年元旦発売
★amazonで購入する


1.怪人二十面相 2.恋のロックンロール・ライセンス 3.ビッグママ・ヘイヘイ! 4.ショート・ホープ 5.ハイティーン・ガール 6.恋のマジック・ドライヴィン 7.今夜はビリーブ 8.捨てたはずの恋 9.恋はキャンディーブルー 10.彼女は蒼い月 11.恋のモーターサイクル・アイズ 12.グッバイ・ステディ 13.ナナハン小僧のテーマ 14.家出娘に気をつけろ 15.いとしのカロライナ 16.今夜だけが
★スペシャル・アンコール:1.恋のジュークボックス(ザ・トラブル) 2.ヘイ・タクシー(キャロル)



LIVE ON BLACK MARIA 'Rocka Romantico'

THE COLTS
LIVE ON BLACK MARIA "Rocka Romantico"

B.A.D RECORDS/DISCUS DLBD-2006
3,150yen (tax in)
2007.1.1 IN STORES
★amazonで購入する


1.ROCKA ROMANTICO 2.GIVE! GIVE! GIVE! MORE! MORE! MORE! 3.KING OF THE PARTY JACK 4.RED FLOWER FOR ME 5.ROCKIN' ROOM FIVE-O-TWO 6.BAR DE BILLION DRUNK 7.BLACK MARIA 8.ジャッカルとハイド 9.SINGIN' IN VAIN 10.S.K.Y.L.I.N.E 11.KING KONG BOP 12.ROCALATINA 13.ミスター・ジュークボックス 14.ROCKSVILLE DRIVE 15.PARTY'S NOT OVER

B.A.D RECORDS UNITED OFFICIAL WEB SITE
http://bad-rec.com/

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