ギター バックナンバー

CD REVIEW ('06年12月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
レビューページの画像をクリックすると、Amazonのページにリンクします。

★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。



イーモトロール / Niw Rec Roll
NIW-010 2,205yen (tax in) / 12.08 IN STORES

CUBISMO GRAFICO FIVEが! FRONTIER BACKYARDが! riddim saunterが! ZARIGANI5が! 今年、怒濤のリリース・ラッシュでライヴハウスに! CLUBに! レコード・ショップに! マスメディアに! と世間を騒がせたNiw! Recordsからの締めの逸品が届きました。イーモトロール。知る人ぞ知る渋谷organ bar店長にしてラッパー。Niw! meets HIP HOP?、いやいや、普通(タダ)では終わりません。前出のバンドたちの珠玉の名曲にイーモトロールのラップがのったレーベルサンプラー的な内容の1枚となっております。12月8日にはLOFT meets Niw Recordsと題して大忘年会が夜から朝まで開催されます! 何か起こりそうなよ・か・ん? 今年の締めにさ・わ・げ〜!


Naked Loft:ウエムラタカユキ


X.Y.Z.→A / WINGS
GTCD-4001 3,000yen (tax in) / 12.03 IN STORES

ここ最近のハードロック事情がどうなってるのかちょっと判りませんが、そんなことは一切お構いなしに自らの道を貫く屈強の男達が5thアルバムを発売! ラウドネス、筋肉少女帯、そして爆風スランプといった特大ステージでキャリアを積んできた彼ら。そんな彼らがどこまでも真摯にハードロック/ヘヴィ・メタルのフォーマットを踏襲する姿はしかし、何の予備知識の無い子供達の腰もしっかり抜かすことでしょう。もちろん、人格形成期にガンズやメイデンやクワイエットライオットやマノウォーやハロウィンなどの諸先輩方に根性を叩き直された元・子供達ならば、何度でも感涙にむせぶであろう完成度。ある意味ここまで芯がブレていない作品というのも、そう出会えるもんじゃありません。


CRUX:前川 誠


OVER ARM THROW / Love us,Love our tales
FGCA-20 1,100yen(tax in) / 12.06 IN STORES

最近どんなCDを聴いても、それだけで満足してしまうと言うか…「絶対ライブ行こう!ゼ〜ッタイダイブしてやろう!!」なんて感じる音に出会ってないなぁなんて思ってしまった。そこへ来てこのOVER ARM THROW(以下OxAxT)は、久し振りにワクワクしました。横浜出身、3ピース、速い曲とシンガロングスタイルの曲、ハッキリ言ってドメロコアです。何が悪い?「昔はよく聴いてたけどねぇ…」なんて枯れた事いってる人にこそ聴いてほしい。もちろん元々好きな人にも。全3曲のシングルながら曲の秀逸さはもちろん何よりライブ感があって素晴らしい。それに、3曲とも色の違いはあれど、どれをトップに持ってきてもOxAxTというバンドのオイシイところを味わえる。3曲全部がA面クラスの曲の良さ。個人的には2曲目の「closing」、これぞ正に!って感じの速い曲で、メロディの良さもあいまってそれこそメロコア好きにはたまらんでしょう。来年からはアルバム制作に入るためライブ本数は少なくなるようですが、まずはこのシングルを聴いてアルバムを心待ちにしといて下さい。きっとステキな興奮をアルバムでもライブでも見せてくれると思いますから。


新宿LOFT:水野 裕二


ザ・ガールハント / ハウトゥーガールハントイズントイット、パードゥン?
FLOWER-081 1,000yen(tax in) / IN STORES NOW

このアルバムを聴いて、「歌を歌うことがメインのはずなのに、歌にもコントにもここまで真剣に取り組んでいるガールハントって…」って気持ちがわかないはずがない。しかもコントには、若手芸人のワンスターを迎え、楽曲にもコントにも真剣に取り組んだガールハントのタワーレコード限定販売のアルバム『ザ・ガールハントイズントイット、パードゥン?』(なんのこっちゃ!)がリリースになった。
ガールハントのライブと言えば曲を聴いてるときのワクワクさはもちろん、MCでの「そこは楽屋か?」と錯覚させるほどのグダグダ…間違えた! リラックスしきったギリギリのトークが楽しくて面白いことは確か。そのMCの要素をコントにして詰め込んだっていうんだから、このCDを聴いていると「ガールハントは芸人なのか」とも思い始める。そんな爆笑あり熱唱あり、たまに失笑ありのアルバムは買わない理由がないと思う。また、ガールハントは1月にフルアルバム(残念ながらコントはナシ)もリリースするので、まず彼らを知る1枚としてどうぞ。


Rooftop:やまだともこ


金星ダイヤモンド / ヴィーナス★ダイヤモンド
FICA-2005 2,200yen (tax in) / 12.20 IN STORES

「えっ!? 金星ダイヤモンドがCDデビュー!? スゴイ!!」と即反応する人は本誌読者の中には一部かもしれませんが、こちら知る人ぞ知る待望の一枚なんです!
女芸人としても強烈なキャラクターで色々な所で活躍している、ヴォーカル椿鬼奴の書く歌詞は、もう“椿鬼奴ワールド”そのもの!! 奴姉さんの生活も垣間見れるような詞の世界は、思い切りおかしくて思い切り気持ちが良いんです。おなじみの、ハスキーで魅力的な声で言いたいことを存分に歌い上げております。ライブも、メンバーそれぞれが好きなことをやってる感が伝わり、とても痛快です。まさにダイヤモンドは永遠の輝き、キラキラしちゃってます。特に、以前イベントでカリカ林氏が『直線美』とコメントした奴姉さんのパフォーマンスは一見の価値ありです!
……聴いていたらビールが飲みたくなってきました。おつまみは私も、『鳥肉揚げたの、豚肉は揚げるよりも焼くの』でお願いします!


LOFT/PLUS ONE:鈴木 恵


group_inou / foods
GALS-003 1,575yen(tax in) / IN STORES NOW

今年のDIESELのイベントに参加し、ヒップホップ部門で日本1位に選ばれた彼らの名はグループイノウ=異能組、初印象はどんな音でくるのか分からない風貌の二人、謎多き二人だったがライブが始まった瞬間、魅力爆発な彼らの虜になってしまいました。トラックメイカーイマイの音を聞いていると不思議な事に周りの風景の色までもがイマイマジックにかかって変わって来るんです。彼は個人でも活動をしていて、その作品もあり得ないくらい飛んじゃう作品でそんな作品をこの世に産み落とちゃいます。 そのヤバイ音にのせてくるのがこれまたやばいMCキャスパー! キャスパーとはユニークな名前をつけたなと思いますが、彼もとてもユニークでちょっと間が抜けてるんだけど鋭い歌詞を投げてきます。そんな2人の音と音が合体して沸点まで達してく2人! こんな二人の音を是非必聴してみてください! ちなみに来年の一月にはこのミニアルバムfoodsの収録曲の改造版がでるそうです。そちらも必見!!


新宿LOFT:キッスは目にして貴美子


慶田盛大介 / はっぴー
1,000yen(tax in) / ライブハウス会場のみ販売

Naked Loftでもすっかりお馴染みになった沖縄は石垣島出身、慶田盛大介の初のソロCD。いきなり故郷である沖縄・石垣の海、波を思い起こさせるインスト曲『Island song』から始まり、サビが印象的なリード曲『Happy!!』などごく日常に溢れてる言葉の数々を飾らず歌う全5曲を収録。またRock'n Popなバンド8days functionや民謡中心のユニットLove&Porkとしても活躍している彼がソロでは歌いたいことを歌うだけという一味違った一面を見せ、彼の持つ愛嬌のある人柄とキャラを表すには十分な慶田盛大介の魅力満載の1枚となっている。残念ながら今のところライブ会場の手売りのみなのだが是非1度彼のライブに足を運んで体感し、文字通り『はっぴー』を手に入れて貰いたいものである。


Naked Loft:ウエムラタカユキ


golf / YELLOW
CRYN-007 1,260yen(tax in) / IN STORES NOW

いきなり断言しちゃいますが、いま僕ん中のブライテスト・ホープ・バンドはgolfなんです。そんなgolfの名刺代わりの一枚になるであろう11/22発売のミニアルバム『YELLOW』はほんと名曲揃いです。僕らの日常を切り取ったかのような淡々とした世界観をボーカルの関根卓史くんがあくまでもポップに、そしてしなやかに歌い、ギターの右田恵美さんの囁くような歌声ときらびやかで眩いサウンドがハーモニーとなって包み込みます。さらにマニピュレーターとしてCHARAやHALFBYなどを手掛けた橋本竜樹さんを起用していて、golfの奏でる音にスパイスを効かせています。寒くなったこの季節にこの『YELLOW』を聴くとなんだかホッとできる気がします。


LOFT/PLUS ONE:白井絢介


THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE / ARE YOU EXPERIENCED?
MVCE-24027 2,541yen(tax in) / IN STORES NOW

この間何となくテレビを見ていたら、ニューヨークの名も無き老ブルーズマンの特集がやっていた。演奏をしているところから普段の生活にまで密着したもので、ついつい最後まで見てしまったのだが、その番組の中でジミヘンの「Crosstown Traffic」という曲がBGMで使われていた。あまりのかっこよさに番組そっちのけで聴き入ってしまった。「ジミヘン最高だな! オイッ!」と思い、番組が終わった後にCDの棚を探したのだが、何故か見当たらない。しばらく考えて思い出した。学生の時に友達だったヤツに貸したんだった。なんてこった。最悪だ。次の日、どうしてもジミヘンが聴きたかったので、すぐにシモキタの中古レコード屋に行って買ったのがこの一枚。
このアルバムは1967年に発表されたジミヘンのデビュー作。ロックンロール、サイケデリック、ブルース、ジャズなど様々な要素を持ちつつ、どこからどう聴いてもジミヘン。文句なしの名盤だ。よく見るとマヌケなジャケットもいい。ちなみに、このアルバムに「Crosstown Traffic」は収録されていない。
最後に、借りパクは最低な行為です。絶対にしてはいけません。俺の「Electric Ladyland」を返せ。


下北沢SHELTER:下村祐市


SOULAVY / ca-va-bonnaroo
STR-1002 1,575yen(tax in) / IN STORES NOW

2005年12月に東京で結成されたロックバンド、SOULAVY。主に新宿ロフト、渋谷CLUB CRAWLで活動中。
今ロックバンドは減ってきたと思います。そんな中、生々しさと、ラフな雰囲気、印象的なリフ、ダイレクトさを大切にしている稀なバンドです。ちょっと聞くと古い音楽と思うかもしれません。しかし、ロックンロールバンドとは、音楽の基本を大切にし、自然に吸収し、自然に表現するバンドであると思います。それを出来る数少ないバンドがSOULAVYです。
そんな彼らの1st Albumは、一聴するとありふれたリフを全面に押し出したシンプルイズベストな作品ですが、3回聴くと新しいリフの音の粒の裏が聞こえてきて、5回聴くとこの音楽にハマります。
最近の音楽に飽きている、元へヴィーリスナーに聴いて欲しい1枚です。


新宿ロフト店長:大塚智昭


tobaccojuice / Happy Birthday
JHCA-1004 2,100yen(tax in) / 12.06 IN STORES

天才と言っても過言ではないと思える数少ないアーティスト、tobaccojuice。魔法の声、とても優しく暖かく包み込み、それでいてしっかりとした芯のある詞、そしてキラキラ光る音が、ぎゅうぎゅうに詰まっているアルバムです。その名も『Happy Birthday』。素晴らしい音楽が生まれました。このシンプルな編成でこんなにもストレートに、グルーヴがあるブルージー? フォーキー? スモーキー? な感じは現代のボブディランを感じる。私は彼らの超名曲『ガーベラ』が元々大好きでした。でも今回セルフプロデュースと言う事で、曲の美しさと言う面では完璧では無いかもしれないが、どの曲もリアルに体にスッと入ってきて、何故かほっこり幸せで楽しい気持ちになってしまう、そんな作品です。間違いなく今年最後の名盤です。


新宿ロフト店長:大塚智昭


永山尚太 / ありがとう
TECG-3 1,000yen(tax in) / IN STORES NOW

昨年、蒼井優主演の映画『ニライカナイの手紙』の主題歌『太陽ぬ花』を発表し、美しいバラードで全国の人達を泣かせた永山尚太の3作目となるシングル「ありがとう」を聴いた。先日、CDより先にNaked Loftでこの歌を聴いたとき、秋の寂しさを想わせる曲といつも世話になっている大切な人への『ありがとう』という気持ちの歌詞が印象強かったこの曲。またCDで聴いてみるとプロデュースが上地等(BEGIN)ってこともあるのだが、永山尚太の書いた歌詞を彼の透き通った歌声で聴くと「ありがとう」 という言葉って、遠く離れていてもその気持ちは忘れてはいけないことだと教えてくれた。せつなくどこか寂しい曲だが、ジャケットの写真からも感じられる前向きで希望を持たせてくれる歌。年内には初となるアルバムも出る予定なので、ぜひ彼のどこか寂しいけどピュアな歌を聴いて下さい。


Naked Loft:上江洲修


BITE THE LUNG / ルネッサンス
QWCD-00005 1,890yen(tax in) / IN STORES NOW

BITE THE LUNG メジャーFirst mini Albumが11/15にリリースされた。『ルネッサンス』を初めて聴いて感じた事。「明るく軽快でPOPなROCK」。何かBITE THE LUNGの新しい顔を見た気がする。
でも、やっぱり私が感じるBITE THE LUNGの男気溢れるROCKな音も感じた。1曲目はアルバムタイトルでもある『ルネッサンス』。スピード感が溢れ、軽快な8ビートな曲でアルバムが始まる。そのスピード感を持ったまま、最後の曲『流星』でこのアルバムは終わる。言わずと知れたインディーズ時代からのお馴染みな曲だ! 何か『流星』を聴くと、ホッと安心感を抱く。思わず口ずさんでしまう曲。
全7曲収録されているこのmini Albumを聴いていると、明るく元気な気持ちになれます。3曲目に収録されている『太陽』は、テレビ東京系のアニメ「遊☆戯☆王デュエルモンスターズDX」のエンディングテーマ曲でもあります! アニメのエンディングで流れている「太陽」を聞いたら、またBITE THE LUNGの違う顔を発見出来そうだなぁ〜。


新宿LOFT:キラ☆


VALVE DRIVE / Chronicle
GSRCC-003 1,575yen(tax in)

97年結成、地道かつ堅実な活動で、来年10周年という東京のメロディックパンクバンド、VALVE DRIVE。90年代初頭に多感な時期を過ごし、リアルタイムで活動していたFACE TO FACEや、GAME FACE、LAG WAGONなどのバンドに影響を受け、現在も一貫してそのスタイルを貫いている音は現在30才前後の世代なら聴けばワカル、といった感じです。そして彼等自身、今もThe Ataris、Autopilot off、MxPxなど、国内外の現在リアルタイムに活動しているバンド達との交流も深く、幾度となくそれらのバンドの日本ツアーのサポートも勤めており、そういったシーンの橋渡し的な存在になりつつ有る様です。
10年間、マイペースなように見えて、キッチリとやってきた彼等の区切りとしての『Chronicle』というタイトルであり、第2章の始まり、ということで今後も要注目です。


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


Venus Peter / DELUXE EDITION(THE BEST OF V.P)
MTCD-5020〜1 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

10代は気合を入れないと東京に来れないぐらい田舎に住んでいた自分は、Venus Peterはテレビから流れてくる音楽だった。しかもカテゴリーの中では「オシャレ」という音楽のジャンルではないところにあった(ように記憶している)。シェルターで幾度となく呑んでいる古閑氏(bass)の姿を見ていると、あのキラキラした思い出は幾分か薄れてしまうことは否めないが、復活したVenus Peterはキラキラとした思い出が間違っていなかったと思わせるほどのクールネス、「渋谷系」を体現しているのも分かった。12月のライブで終了なのを惜しむのは自分だけではないと思う。ベスト版リイシュー(このCD)と新しいアルバムを残してまた人々へキラキラとした思い出を残そうとしているV.Pに乾杯しているそのグラスの中はウーロンハイであった。


下北沢SHELTER店長:西村等


BEEF / TOO FAST TO SLOW DOWN
3P3B-50 1,260yen(tax in) / IN STORES NOW

「3P3Bより、新人バンド現る!?」とは言っても、メンバーの名前を聞けばご存知の方もいらっしゃるでしょう。メンバーは岡田洋介(VO,AG)奥脇雄一郎(Dr.)神長貴博(EG.CHO)川田達也(B.CHO)。11/29(イイニクの日!)に発売となったこの4曲入りマキシシングルは、メンバーのバンド経歴のイメージだと、パンクなテイストをイメージするだろう。けれども、作詞/作曲を手がける岡田氏が奏でるAGが彼等の楽曲を時に激しくも優しく聴こえさせる。
ライブも現時点でSHELTERで2本決まっており(詳しくはBEEF オフィシャルWEB SITEを参照→http://www.beeforchicken.net/)夏頃にはアルバムをリリース予定とのこと。アー写(?)ではメンバー全員眼鏡をかけているのが個人的に気になる所ですが(笑)H.Pをcheckして遅れないうちにLIVEを体感するべし!
ちなみに、3P3B H.P内のBEEFのbiographyがなかなか面白いです→http://www.3p3b.co.jp/index.html


下北沢SHELTER:目黒彩海


FUGAZI / 10-14-91 Sydney, Australia-Triple J Radio Live Broadcast
www.fugaziliveseries.comにて通販のみ販売

91年フガジinオージー。Steady Diet of Nothing発売後のツアーでしょうか???(発売は91年夏)FUGAZIが活発に動いていた頃でこの後スグ(でもないですが)92年3月にIn On The Kill Takerのレコーディングです。
で、かなり脂の乗っている頃ですがナゼか曲数は8曲とかなり少ないです(10曲クレジットですが1,10曲目はイントロ、アウトロ)ラジオの公開録音みたいなものなのでしょうか・・・TWO NEAT OFF(2曲目)やEXIT ONLI(6曲目)などやってますが、WAITING ROOMやBURNINGなど1STから1曲もやってないのです…ナゾは深まるばかりですわ…


下北沢SHELTER:西村等


polyABC / Imprint****
CHRS-016 2,500yen(tax in) / IN STORES NOW

日常に沁み渡る心地よいメロディ。バランスの良い絶妙なハーモニー。ストレートなようでひねくれたサウンド。文句なしのギターPOPがpolyABCから3年振りに届いた!
喩えるならば冬の朝。夢も途中だし寒くて布団から出たくない。でも起きなきゃ。隣りにいた筈の君はもう居ない。そんな事にも、もう慣れなくちゃ。漫然としてじっとりとした寂しさも、空気がツンと澄んでるから心も澄んだ気がして救われる。透明感のあるヴォーカルとキラキラとしたサウンドが、緩やかに鮮やかにモノクロームの景色を彩る。街が水彩絵の具で色付けられていくような、そんな感じ。何処となく冬を感じさせるのはジャケットのセンスしかり、そこはかとなく北欧の匂いがするからであろう。
過去も未来も全てを引っ括めて、日々のサウンドトラックとして末永く長く愛聴できる一枚。こういった音楽が鬱屈とした毎日には必要なのだ!


LOFT PROJECT:アカセユキ


ミンガス / プリミンガス〜LATEST TUNES & EARLY SESSIONS〜
MYCD35017 / IN STORES NOW

小西麻美(歌、鍵盤、ソングライティング)を中心に、大学の先輩である櫻井俊光(ベース)、相原健彦(ドラムス)のトリオとして2005年に誕生。バンド結成1年足らずで、ミンガスから生まれる抜群に素晴らしいポップソングの数々が噂となる。しかもそんなバンドのディレクターは、“サニーディサービス”、“初恋の嵐”、そして“スクービードゥー”を育て上げたWさんではないですか!!! そんなWさんが注目している“ミンガス”! それだけでもかなり注目する価値があるかと思います。『プリミンガス〜LATEST TUNES & EARLY SESSIONS〜』には存在感のある極玉のポップスがギュッと詰まっています。ルームミュージックとして、もちろん生で聞くのもよし。80年代生まれのミンガスが提案する新しいポップソングが楽しみでなりません。


SONG-CRUX:樋口寛子


メリー / コールing
初回盤:VICL-36187 1,260yen(tax in) 通常盤:VICL-36188 840yen(tax in) / 12.06 IN STORES


12/6にメジャー3rd Single「コールing」をリリースするメリーは、ツアー「Many Merry Days #2〜PEEP SHOW〜」で初海外ライブを行う。1日はドイツ・ミュンヘン。3日はフランス・パリ。「いよいよメリーも海外進出だ〜」と思いつつも、メリーの海外公演には妙に納得する気持ちがある。そして9日からは国内にて追加公演を6公演、そして31日には渋谷公会堂にて「Many Merry Days 5th Anniversary Special 2night〜白い羊〜/〜黒い羊〜」の2ステージ公演と、精力的なライブを行う。
「もう5周年を迎えるんだなぁ〜」と時が過ぎる早さをしみじみと感じた。3rd Singleのタイトル曲「コールing」を聴いていて、とてもとても切なくなった。バラード曲ではあるが、“メリー”色を存分に感じる音とメロディー。それでいて、切なさをグッと込み上げさせるガラの歌声と歌詞。「大切なキミ」に曲中で伝えている言葉(歌詞)に暖かさも感じた。
今回の3rd Singleでは、初回盤ではBALZACとのコラボ曲『陽の当たらない場所〜陽の当たらない闇〜』やTHE MAD CAPSULE MARKETSのTAKESHI UEDA氏のリミックス曲『ジャパニーズモダニスト』が収録されたりしている。音源を聴いているとやっぱりライブでメリーを感じたいなぁ〜としみじみと思います。


新宿LOFT:キラ☆


YAMAZEN / GIFT
DLCP-2067 2,940yen(tax in) / 12.06 IN STOERS

この盤から醸し出されるサウンドとボーカルは、ポケットに万札が5枚あって凄くリッチな気分なのに吉野屋の380円の牛丼を食べている感じ。これって六本木のシャブシャブよりうまいぜって…。全ての主語が「俺」。逃げていない「俺」。山善が叫び豪華すぎる幾多の年輪を重ねて来たおやじ達のギターがうなり、8ビートのドラムが刻まれる。そりゃ〜強がって突っ張って生きているから情けない言葉なんか1つもないよ。でも、でもこれが反骨精神あふれているロックなんだな。バラード曲だってそんな軟弱な若い奴らに媚びてはいないよ。研ぎ澄まされたリアルな現実がそこにあって目を背けない。社会からつまはじきにあった野良犬のような明日のない不良ロック音楽とはこれだよ。酒、クスリ、女、そして有り金はたいて買ったギター。山善の低音が「心の臓」から絞り出される…しばし私は30年前のメンタイロック全盛の頃を思い出していた。みんな横並びばっかで異端者がはじかれてしまう今の嫌な時代をぶっ飛ばしてくれる。ARB、ロッカーズ、サンハウス、鮎川誠、山善もそう、みんな。今でも「山善ロック」は充分通用するんだよ。ただその日本のロックの歴史をリスペクトしない、聞こうともしない、そう…君たち若者が愚かなだけだよ。時代に復習されるのは今これを読んでいる君だ。聞け! 山善の絞り出すようなロックを!


新人ロック評論家:平野悠


リシャール・ピナス / クロノライズ、他4作品
CTCD-560〜3 各2,500yen / NOW IN STORES

第1期キング・クリムゾンが打ち立てたプログレッシブ・ロックを独自の方法論で引き継ぎ発展させたのがフランスが誇るミニマル/アヴァンギャルドバンド・グループ「HELDON(エルドン)」だ。先日、キャプテン・トリップ・レコードが発売した、HELDONのオリジナルアルバム(再発)と未発表ライブアルバムはあっという間に完売してしまい、未だに衰えない彼らの人気の高さを証明した(店頭在庫を見つけたら即買うべし!)。その勢いに乗って12月にHELDONの中心人物、リシャール・ピナスがまさかの来日! ちょうど今頃は、なかなか体験する機会のないピナスの卓抜した演奏が、多くの日本の観客を圧倒しているはずだ。このライブを体験した人も、体験できなかった人も是非注目して欲しいのが、今回リリースされたリシャール・ピナスのソロアルバム4作品だ。初期のサイケデリックな作品から、エレクトロニクスを深化させていった代表作まで、HELDONの世界とはまた違った、アヴァンギャルドミュージック最高の美学を堪能することができる。これもまた完売必至だ。


加藤梅造


ROSEROSE / SKATEREVENGE
KOCA-031 2,100yen(in tax) / IN STORES NOW

日本のSKATE ROCKの元祖として、結成24年目ながら19才と26才の若い新メンバーを加え、未だ現役バリバリの重鎮ROSE ROSEの新作(?) は現在入手が困難な昔の曲をセルフカヴァーしたものプラス、あまりに最高な新曲1曲という作り。以前の曲は当然、リフレッシュされたメンバーにより、再度新たな命を吹き込まれパワーアップして戻ってきたという感じです。前リリース時の音源と聴きくらべて見ると、やっぱり同じ曲ではあるのに新しいものとして聴いても全然違和感がないのは、それだけ当時からカッコイイ曲だったんだなという事を確認しました。ココ最近の作品で知った人なんかは全然リアルに新作として聴ける、いいアルバムですよ。


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


V.A / みやこ音楽
bncl-26 2400yen(tax in)/ IN STORES NOW

制作しているスタッフのテンション、参加しているミュージシャンのテンション、そしてこの1枚に対しての熱い思い。同じ温度が伝わる1枚。音を鳴らし、先だつものさえあれば容易くCDを作れるような今の時代。そんな中、コンピレーションに携っている人達のテンション、温度が同じって凄いなぁ〜とただただ感心するばかり。同時にもの凄く羨ましく思う。
東京生まれ東京育ちの私が初めて“京都”という土地を踏んだのは、中学生の時に行った京都修学旅行。その次に足を運んだのは、社会人になり、大好きな京都出身ミュージシャンの軌跡を追っかけて出かけた京都旅行。そう! 思えばこのコンピレーションを制作した“くるり”や“キセル”、参加はしていないけど“つじあやのちゃん”のおかげで、私なりに“京都”が近くなったんです。さらに、この1枚を聞いて京都という街が生んだ音楽、カルチャー、人間性に増々興味が沸きだちました(まんまとこの1枚の思う壷)。どうであれ、私と“京都カルチャー”がグッと距離が縮まりました。こんな親切で愛があって土地感のある手引書、とてもじゃないけど私じゃ出来ないな。こんな事発言している時点で出来ないのだろうけど。


SONG-CRUX:樋口寛子

posted by Rooftop at 08:00 | TrackBack(0) | バックナンバー

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