ハウトゥーガールハントイズントイット、パードゥン?
年の瀬近い11月。ザ・ガールハントが今年最後の問題作「ハウトゥーガールハントイズントイット、パードゥン?」をタワーレコード限定でリリース!タイトルからしてすでに意味がわからない。さらにコントまで入れちゃったっていうんだからもっと意味がわからない。でも、聴いてみてドッキリ・ビックリ。1月にリリースとなるアルバムから数曲、今までの代表曲を数曲、さらにCHAGE&ASKAの『太陽と埃の中で』のカバー、そしてコント。ザ・ガールハントのライブのように、笑いの要素もふんだんに取り入れ、ワイワイとした賑やかで楽しい雰囲気をそのまま詰め込んだ作品。ザ・ガールハントの教則集となる1枚。
コントに人力舎の若手コンビ“ワンスター”が参加されているので、今回はザ・ガールハントとワンスターの対談となりました。ザ・ガールハントだけでも喋るのにワンスターが入って、いつも以上に収拾がつかない。問題児達の勢いに圧倒されながらも、とても楽しいインタビューとなりました。(interview:やまだともこ)
コントはアドリブで一発勝負
──早速ですが、ザ・ガールハントとワンスターが知り合ったいきさつを教えて下さい。
チバ(Vo,G/ザ・ガールハント):実は知り合ってからまだ1ヶ月も経ってないんです。このアルバムにコントを入れるという話の時に、紹介してもらって集まった即席ユニットです。だからほとぼり冷めたらもう連絡も取らないですね(笑)。
──ということは、出会ってすぐにレコーディングですか?
チバ:はい。その日に。
──ワンスターさんはこのお兄さん方にいじめられませんでした?
阿諏訪(泰義/ワンスター):いじめられました!(即答)
マスザワ(Vo,G/ザ・ガールハント):思ったより早い!
佐々木(修/ワンスター):でももう慣れましたね(笑)。
チバ:いじめられたそうなオーラが…。
佐々木:そんなオーラ出してないですよ(苦笑)。
阿諏訪:僕ら2人とも人見知りなので、初めて会うという時はすごく緊張してましたよ。
佐々木:でも気さくでよかったですね。バンドというもののイメージがあったんです。
阿諏訪:ロックバンドはこういう人(顔を手で隠すしぐさ)っていうね。
マスザワ:それは僕らとは違うよ(笑)。
阿諏訪: そんなんで来られたらどうしようって思ってた(笑)。
──ザ・ガールハントの存在はご存知でした?
佐々木:すいません。知らなかったです。
──ガールハントは?
チバ:…申し訳ないです。
クリハラ(Ba/ザ・ガールハント):お互いまだまだだなっていうのを実感しました。
──でも、CDからは初対面を感じさせないワイワイした様子が伝わってきましたね。
チバ:種をあかせばビールパワーです。
佐々木:それで一気に距離が狭まりましたね。
マスザワ:もともとザ・ガールハントのライブでMCが面白いって言われてたんです。もちろん全部アドリブなので、今回のレコーディングも順序立てて組み立てるよりその場で喋っておもしろいところをつまんだほうがいいんじゃないかって、一気にやったら楽しくできたので、そのまま入れたんですよ。
──MCが面白いということでしたザ・ガールハントだけでも良いのかと思ったんですが…。
マスザワ:コラボがしたかったんで、ワンスターをゲストに迎えたんです。
──ザ・ガールハントはアドリブで喋るタイプ。でもワンスターさんはネタを作り込むタイプじゃないですか。その辺はうまくできました?
マスザワ:それはガチ!みんな俺の方が面白いって出てくる出てくる(笑)。
チバ:予想外の返しが来て「そう来たか!」って(笑)。
マスザワ:その場で質問とか急に変わったりするんです。
──コントの台本はだいたいどの辺りまで決めていたんですか?
マスザワ:音楽番組にザ・ガールハントが出るって言うと、警備員、スタッフ、大物歌手っていう配役だけ。あとは一発です。
チバ:“ピー&ぴー”っていう新しいユニットも出来たよね。
マスザワ:これも話してる中でパッと出た。
阿諏訪:未だになんなのかわからない(笑)。
──お互い一緒にやってみてどうでしたか?
佐々木:楽しかったです。はい。
阿諏訪:僕らがふらないと喋らないと思ったんですが、ふらなくてもどんどん喋る。
佐々木:アドリブ力っていう部分では勉強させていただきました。
阿諏訪:先輩芸人とやるよりも力尽きましたよ。
──きっと芸人なんですよ。
マスザワ:そんな呼ばれ方も悪くない(笑)。
──ではザ・ガールハントは、ワンスターからトークの面で勉強になったことはあります?
マスザワ:ナイです!(きっぱり)
佐々木:早いよ!(笑)
チバ:ぶっちゃけ…ナイです。知り合いが2人増えたぐらい(笑)。
マスザワ:(笑)でも、単純におもしろかったですよ。そこは僕らも勉強になりました。ひとつネタをふるとボーンと返ってくるのでキャッチボールしやすかった。だから次はこっちの方から投げてやろうかとか考えながらやってました。
佐々木:最後はビールの力もあって、いい意味で気を使わなくなってましたね。素のままというか、ネタをふられてすぐに返さないと、間に合わないですし。
阿諏訪:出会ってすぐにレコーディングだったから、最初はどんな人たちかもわからなかったんですけどすぐにうち解けられました。この人が変化球を投げてくる人とか、この人が何もない人なんだとか(笑)。
──アレ?(笑)
マスザワ:けっこう早い段階でわかったよね。
チバ:ナカヤマくんはすぐわかったよね。
──ナカヤマさんは…。
ナカニシ(Dr/ザ・ガールハント):ナカヤマじゃないです、ナカニシです(苦笑)。
チバ:ナカヤマは何もないキャラだった。
ナカニシ:面白い人たちがいっぱいいるなってずっと見てました。マスが合図出してくれたので、ようやく喋れたんですが緊張しました。話す隙間が見つからなくて。クリック(クリハラ)もけっこう喋るんですよ。こいつもおもしろいんだって思った。
クリハラ:俺は中チンさんの味方だと思ってました?
ナカニシ:うん。だから置いてかれてるって思ったけどどうしようもなかったですね。
マスザワ:ナカヤマは一番近くで楽しんでましたね。
──その何も喋り出せない感じを見ながらワンスターは…。
マスザワ:陰ですごいバカにしていましたね。
佐々木: 言った?
阿諏訪:言ったとしてもいいんじゃない?
全員:(笑)
ナカニシ:ワンスターは僕と年が10個ぐらい違うんですよ。
──じゃあかわいい弟みたいな感じですね。
チバ+マスザワ:かわいくはないです(笑)。
──(笑)レコーディング終わってからも会ったりはしているんですか?
マスザワ:僕は阿諏訪くんとメールしてるんですが会ってはいないです。
──じゃあこのインタビューでひさびさの再会ですか?
全員:そうですね。
マスザワ:まあ会いたかったかって言ったらそうでもないですけどね。
チバ:正直(ワンスターのことは)忘れちゃってました。
阿諏訪:佐々木はずーっとCD聞いてましたよ。
佐々木:温度差があるよ(笑)。
──ワンスターさんは他にどなたかとコラボしたことってあるんですか?
佐々木:お笑い以外は全くないです。レコーディングも初めてです。
マスザワ:最後にオマケで“ピー&ぴー”(ワンスター)が一曲歌ったりしてるんです。その場でギター弾いて歌ってもらって。
──なんで歌っちゃったんですか?
阿諏訪:いじめですよね。
マスザワ:“ピー&ぴー”っていう歌手の設定だったんで、コント的にあったほうが流れとしておもしろいかなって。
佐々木:でも気持ちよかったです。
──DVDで見たいって思いました。
マスザワ:次は視覚的なこともやりたいよね。
ザ・ガールハントの教則本となるアルバム
──ところで、このタイトルは一体何なんですか?
マスザワ:新録が2曲入ってて、既存の曲やカバー、コントも入って、雰囲気もうまく伝えられるかなっていうのがあって、ザ・ガールハントの教則本。だから“ハウトゥーガールハント”。“イズントイット、パードゥン?”は悪ノリですけど。コントとオマケを含めて12曲入って1000円。手に取りやすいものになっているので、ぜひ聞いてもらえればな。これでガールハントを知ってもらって、1月にリリースになるアルバムのいい入り口になればいいですよね。
──CHAGE&ASKAのカバーをしたのは?
クリハラ:全員CHAGEさんが好きなんです。
マスザワ:あとは僕らもボーカルが2人なので、カバーをやろうという時にCHAGE&ASKAに決まったんです。最近有頂天のカバーをさせていただいたんですけど、この時も僕らっぽくできたし勉強にもなったので、またカバーをやりたいって思ったんです。でも、カバーをやるにあたってCHAGE&ASKAを好きな人に失礼にならないようにしなきゃならないんじゃないですか。その点はすごく気を使ってリスペクトを込めましたね。
──「ハウトゥーガールハントイズントイット、パードゥン?」の出来は?
チバ:コント以外はいいんじゃないかな。
マスザワ:コントというか、ワンスター以外は…。
佐々木:あらららららららら。これまた。
阿諏訪:お前何うれしがってるんだよ。
全員:(笑)
マスザワ:でもワンスターさんにも入ってもらって面白くなったと思ってますよ。ワンスターさん的にはどうですか?
佐々木:良かった。(上目線で)いいアルバムだったと思うよ。
マスザワ:出た!ピー&ぴー(笑)!! でもライブもそうなんですけど、曲は一生懸命やって、MCで楽しくして、その雰囲気が伝わるかなって思ってます。
クリハラ:収録曲も今までの2人の共作を集めた曲なんで、ベスト盤っていうぐらいでいいかなって思ってます。ガールハントがどういうバンドかわかってもらいたいっていうところの作品になったので思惑どおりにはできたな。
マスザワ:これを聴いてアルバムに期待していただければ…。アルバムにコントは入らないですけど。
──そっか。入らないのか。
マスザワ:残念そうだな(笑)。
チバ:毎回入れようか、じゃあ。
何でも挑戦したほうがいい!
──ガールハントの皆さんは、ワンスターさん以外に好きなお笑い芸人っています?
阿諏訪:すごい興味ありますね。
チバ:ダウンタウン。若手だとFUJIWARA好きだよ。
マスザワ:僕はアンタッチャブル。ワンスターはM-1とか出ないの?
阿諏訪:M-1のMは漫才のMなんですが、僕らはコントなので…。
マスザワ:そうなんだ。マスザワのMだと思ってた。
全員:………(全員無視)
阿諏訪:今僕らが漫才をやると、よっぽど良いものができたんじゃないかってハードルが上がるんです。だからできないんです。
マスザワ:僕らがレゲエやるみたいなもんだ。
──ナカニシさんは?
ナカニシ:僕は大助・花子が好きです。あとM-1で優勝したときの中川家はすごく好きだった。関西に住んでいたことがあって、深夜番組でお笑いはよく見てたんです。でも何でも挑戦したほうがいいよ!ハードル上げたほうがいいよ!(いきなり熱くなるナカヤマことナカニシ)
阿諏訪:説得力ない。まず、帽子に「Don't Worry! Be happy」って書いてある。
ナカニシ:いや、やってできないことはない!(まだ続く)
──…もういいですか? えと、ワンスターさんはこういう界隈のバンドと会うのは初めてですか?
阿諏訪:はい。でも、インディーズのアンテナがある友達でガールハントの大ファンがいたので、一緒にやるって言ったときに驚かれましたよ。周りの反応見て「オーラないのに本当はすごい人なのかも!」って思いました(笑)。
──今後一緒にやっていきたいとかは?
クリハラ:イベントのゲストに出ていただけたらおもしろいかなって思いました。
マスザワ:何かしらできれば…。
チバ:いや、この関係はできれば今日で終わりにしたいですね(笑)。
阿諏訪:そしたら僕らチケット買って見に行きますよ。出待ちもします。
全員:(笑)
佐々木:やっぱり温度差あるね。
ハウトゥーガールハントイズントイット、パードゥン?
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