ギター バックナンバー

CD REVIEW ('06年11月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
レビューページの画像をクリックすると、Amazonのページにリンクします。

★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。



URBAN TERROR / Silence Is Cowardly“S.I.C.”RE-MIX!!!
KOCCD-005 1,600yen(tax in) / IN STORES NOW

Japanese Hardcore Punkシーンの最重要バンド・URBAN TERROR。昨年は下北シェルターで久しぶりに伝説のライブ企画「THE GREAT JAPANESE BASH!」を復活させ、最新型のハードコアを精力的に提示し続けている。そのURBAN TERRORは、現在ニューアルバムを制作中とのことだが、アルバムに先駆け、なんと45分(!!)収録のシングルCDがリリースされた。内容は、URBAN TERROR Vo.である“TxGxU”の呼び掛けに賛同して集まったアーティスト達による7トラック+1エディットのRe-mix集で、Punk,HARD CORE,トランス,テクノ,SKA,サイケデリック,DUBなど、多彩なジャンルが一つに融合したエキサイティングな作品。とにかく、これ1枚でシーンの最前線を見渡せるというのが凄い! ニューアルバムへの期待が否が応でも高まります。


ロフトプラスワンプロデューサー:斉藤友里子


ASIAN KUNG-FU GENERATION / フィードバックファイル
KSCL-1050 3,059yen(tax in) / IN STORES NOW

バンド結成10周年を記念してリリースされる、ASIAN KUNG-FU GENERATION初の編集盤『フィードバックファイル』。アルバムに未収録だったシングルのカップリング曲、未発表音源、ボーナストラックのライブ音源が5曲の全16曲が収録されています。
 初めてライブで聴いたときに感動して鳥肌が立ち続けていた『Hold me tight』や、ライブ人気楽曲の『サイレン』等、既発曲が多めでありながら新譜を聴いているような気持ちでステレオの前に座っています。制作年代順に並べられた楽曲でありながら1曲目に『エントランス』(入り口)で始まり『永遠に』で幕を閉じるところはもはや偶然ではなく、アジカンが結成された当初からの必然だったのかと考えてしまいます。
 初回限定生産盤のみライブDVDが付くとのことで、こちらもかなり見たい。2003年の新宿リキッドルームとか懐かしいです。それから11月29日にはシングル『或る街の群青』のリリースが決まっており、初のアリーナツアーは11/11幕張メッセ展示ホールからです(11/6には下北沢シェルターも!)。これからのアジカンはもっともっと楽しみになります。


Rooftop:やまだともこ


APOGEE / グッド・バイ
VICL-36169 1,050yen(tax in) / IN STORES NOW

先日ようやくAPOGEEのライブを見ることができました。今まではCDからの情報しかなかったので、ライブでもシンセサイザー以外にキーボードの方がいることだったり、ベースの内垣さんが実はちょっとコワモテだったり(失礼…)、シンセサイザーの大城さんは想像以上にお人形さんみたいで美しい方だったり、ライブで改めて知ることがすごく多かったような気がします。
 今回リリースされる『グッド・バイ』を初めて聴いたのもライブ会場だったんですが、ブラックミュージックのリズム&ビートとニューウェイブテイストがミックスされたユニークで心地良いサウンド。そこに永野さんの独特のヴォーカルが重なるともう最高。それを広いところで聴けるというのはやはりCDに比べスケールも違ければ、その場に流れている全体の空気やイメージしていたものをさらに膨らませてくれ、この作品をよりダイナミックに聴かせてくれました。この曲はライブに行けるチャンスがなかったら、とりあえず家にあるスピーカーをMAXにするか、i-PodのヴォリュームをMAXにするかで聴いてみて。異次元の世界に連れて行かれた気持ちになるから。


Rooftop:やまだともこ


EXILE&倖田來未 / WON'T BE LONG
【CDのみ】RZCD-45486 840yen(tax in)【CD+DVD】RZCD-45485/B 1,365yen(tax in) / 11.22 IN STORES

60歳を過ぎたおやじがこの歌を聴いてぶっ飛んでいる。まさに打ち込みも含めて完璧なのだ。このデュエットコラボ(EXILEと倖田來未)は若者があこがれる大人の色気が全面に出ていて全くの違和感がなく素晴出来らしいのだ。カラオケ屋でいつものように演歌とか裕次郎の「銀恋」なんか歌っている時、隣の部屋からノリのいい浜崎あゆみなんかの曲が流れてくるとき、何かそう言ったノリのいいリズム感あふれる曲を歌えなくって演歌を歌っているのが悲しくなって来るときがあるが、ちょうどそんな気分。すなわち、わしらももう少しこういったリズム感あふれる音楽の時代に高校生時代なんぞを過ごしていれば良かったのに…なんて思うことしきりなのだ。
 若い子達が夢を見れない時代に倖田來未の骨太な歌が流行るのは当然な気がした。今の若い子達にモテるには、なんとしてもこの曲をマスターしなければいけないなって思うことしきりだ。そんなことを事務所で話していたら、この曲は20年も前のバブルの時代流行ったバブルガムブラザースの曲だよってロフトの音楽セクションから忠告された。そういえばこの時代私は日本にいなかった訳で、私はこのシングルは気に入っている。あの愚かなバブルの頃みたいに簡単に消費されないことを祈るのみなのである


新人ロック評論家・平野悠


M.J.Q / unplugged punk
TKCA-73109 3,000yen(tax in) / IN STORES NOW

ミチロウさんはパンクだ。その昔、田舎の童貞中学生だったボクは、サブカル全開だった頃の「宝島」かなんかを読み、ライブで客席に豚の臓物をまき、女性客にフェラチオをさせているスゴイ人がいるという情報を知り驚愕した「これがパンクか!」と。その後、上京して、東京で初めて見たミチロウさんは既にスターリンを解散していて、アコースティック一本だけで歌い、臓物も投げなければフェラチオもさせてもいなかったが、醸し出す空気感は当時流行っていた数々のクソみたいなパンクバンドの何百倍もパンクだった。観ながらボクはなぜかおちんちんがカチンコチンになってしまったのをよく覚えている。
 そんなミチロウさんと、MOSTの山本久土、The Birthday のクハラカズユキによるアンプラグド・パンクユニットM.J.Qのファーストアルバム! スターリン時代の曲を中心とした構成なのだが、アコースティックになったことにより、非常に生々しいサウンドとなっており、ヘッドフォンで聴いてると目の前にドラムセット、右耳と左耳にアコギを押しつけられ、頭上でミチロウさんが歌ってるかのような錯覚すらも覚える。そしてボクはまた、なんかよくわからないけどおちんちんがカチンコチンになってしまうのだ。


北村ヂン


GARLIC BOYS / 群青/GUNJO
PCD-4346 2,300yen(tax in) / 11.17 IN STORES

大阪が誇る最終兵器、結成20年を経、なお熱くたぎる兄貴達“ガーリック・ボーイズ”の燃えさかる魂を注入した最新アルバムが到着。 秀逸なユーモアはそのままに、よりラウドに、そしてエモーショナルに、持てるエネルギーをタッぷりと詰め込んだ内容。もちろんライブでもトビコミやすいアゲアゲナンバーが満載。最近の激しく盛り上がるライブ、まんまの激燃えアルバムです!!!
 2001年にはヨーロッパツアーも行い、中国北京でのライブも敢行。海外でも作品がリリースされたりと、日本を越えた活動を行い、アメリカをはじめ、ヨーロッパなどでも支持を集める。そして最近は、人気イベント“SET YOU FREE”へも頻繁に登場。HAWAIIAN6とのツアーなどを経て、ライブではKIDS達が激盛り上がり! 状態。今作も、捨て曲なし。爽快にしてメランコリックな濃厚ガーリック・エキスをミッちりと詰め込んだ作品です! このレコ発ワンマンライブが、11/23(木)祝日、新宿LOFTにて開催されます! 是非、聴き込んでライブにお越し下さい。


新宿LOFT:東田慎二


GRiP / Hello
rpc-015 2100yen(tax in) / 11.15 IN STORES

私が一番兄貴を感じる人、ゴンダタケシ率いるGRiPのニューアルバムが届いた。いつも確信をもって動いているゴンダサン本人から手渡されたこのアルバムは、ピカピカとしていて、また最高のアルバムが出来たのだと感じた。中身を聞かずして思ったその感情は実際一聴して確信に変わった。最近また珍しくなってきた直球のギターロック、リフで押すロックンロール。そしてゴンダタケシの一番の味であるポジティブな歌詞。芯の太いストレートなロックバンドが少なくなってきた今、ロックに力を感じられるアルバムでした。個人的に好きなのは7曲目の『TRAIN IN VAIN』。へヴィーなリフから始まり、そのリフで最後まで押す。歌では朝までべろべろに呑んだ帰りの電車の中の情景を綴り、よく繰り返される自分の日常を映し出されているように感じた。これはゴンダさんの日常でもあるのだろうか?


新宿LOFT店長:大塚智昭


the court / HELLOWAYS
HKP-009 1,400yen (tax in) / 11.08 IN STORES

山梨は甲府出身の3ピース・バンド、the courtの1stミニ・アルバム。O-front名義で発売されている前シングル『さよなら』を遙かに上回る仕上がりになっている。Vo.鴇崎の特徴的な透明感ある唄声。スピッツやミスチルに引けを取らないポップなメロディ。彼の持つ独自の世界観から生まれる詩。それを引き立てるメロディアスなベース。変則的なリズムを刻むドラム。正直どれをとっても素晴らしい。ライヴ・バンドであることを貫き通す彼らから時間をかけて生まれた今作は、1stにしてベストとも言える内容に仕上がっていると思う。ライブでもお馴染みの「風も吹かぬ街」「Cello」「12月の音」、O-front時代からの名曲「白いヘビ」「AUBE」「君へ」の全6曲は、ファンにとって充分すぎるほどの内容になっている。正直彼らの唄で、ライヴで何度励まされたことか。感動を与えられたことか…この作品を聴いて皆さんも励まされたらいいのでは? 感動してみたらいいのでは? 2006年ギター・ロック界の革命はここにありますよ!


BEATSORECORDS:4184


サンキュー / ワン・ツー・サンキュー!
DDCE-11 1,800yen (tax-in) / IN STORES NOW

ロックには、ハードロック、パンク、ガレージといったジャンルとはまた別の括りで「ガールズ・バンド」という分類がある。それは「女の子だけのバンド」というかなり大雑把な括りであるが、例えばビーチ・ボーイズをボーイズ・バンドとは言わないことを考えると、やはりガールズ・バンドというジャンルには、ある種の特別な魅力が備わっているのだと思う。ランナウェイズ、バングルズ、レインコーツ、日本ではZELDA、GO-BANG'S、少年ナイフなどなど、ガールズ・バンドの歴史はロックの一大メインストリームなのだ。そして今回デビューアルバムをリリースするこのサンキューも、ガールズ・バンドの正規継承者として紹介したいバンドだ。メンバーが元リトル・フジコ、現イエロー・マシンガン、MOGA THE \5、suck piggyという経歴を持ち、その彼女達がラモーンズばりのR&Rをキュートに演奏している。これは期待せずにはいれないだろう。12/1はシェルターでレコ発ライブもあり。注目!


ガールズバンド研究会・加藤梅造


下地勇 / ATARAKA
TECI1138 2,500yen(tax in) / IN STORES NOW

全詞、宮古方言で歌うシンガー、下地勇の新曲を聞いた。「ATARAKA」とは『大切な』とか『かけがいのない』という意味でこのアルバムのどの曲もが変わってほしくない沖縄への思いが込められており一曲目の「アタラカの星」からは今、沖縄がいろんな意味で変わってきている。モノレールや基地問題。あと県外からの移住等。それらによって活気ついた沖縄もあるのだがそれによって壊されていく「大切なもの」がある。3曲目「商店のおばぁ」なんかは沖縄だけじゃなく全国の問題でもあってコンビニ等、スーパーが出来て便利になっている世の中で昔、通っていたおばぁのお店、駄菓子屋等がどんどん無くなってきている。そんな中で便利になった世の中をとるのか昔の風景のある世の中をとるのかと現実問題に『今、何が大切なもの』なのかこのアルバムの中から寂しいけどどこか希望のある曲やまた宮古フツ(宮古方言)で歌う彼の歌が訴えてくれる。一度、歌詞を観ないで通して聴くことをお勧めします。是非、このアルバムを聞いて下地勇というアーティストを知ってもらいたいです。


Naked Loft:上江洲修


SHORT CIRCUIT / LAST LIVE DVD“my favourite time final”
3P3B-48 4,200yen(tax in) / 11.29 IN STORES

2006年7月8日にSHELTERにてLAST LIVEを行ったSHORT CIRCUITの模様が全て詰まったDVD。持ち曲全42曲(未発表曲2曲含)が収録されたこの1品。とにかくこのLAST LIVEに来れなかった人も、観に来れたあなたも是非観てほしい。彼等の表情まで惜しみなく流れる映像には、あの時感じれなかった何かがあるはずです。時折メンバーのアップになる瞬間とか、なんか…もう…。でもこの瞬間はあの時のものでしかないのだけれど、あの瞬間があった事を1人でも多くの人がこのDVDを観て幸せを感じ得る事が出来ればメンバー本人も嬉しさ倍増でしょう。そしてこのDVDはなんと2枚組! その正体は「MFTF DISC」と題された方にSHELTERでのライブが入っており、「BOUNUS DISC」には3日前に行われた3P3B MEETING CAPRICE FINALでASPARAGUSとpuliがSHORT CIRCUITのカバーをしたLIVE映像とSHORT CIRCUITのオフショット&LIVEが収録されております。ちょっと早いクリスマスプレゼントとして是非!


下北沢SHELTER:目黒彩海


The Strikers / I'M SENSITIVE
ORG-001 2,100yen(tax in) / 11.22 IN STORES

-001 2,100yen(tax in) / 11.22 IN STORES  “待ちに待った”では済まされない。約2年半ぶり、待ちに待ち倒した新作がようやっと届けられた。≪好きならば 全部やっちゃえ ホトトギス≫こうG&Vo.星野氏は詠んだ。歌謡風ロックはもちろん、どポップスにメタルに、ん? HIP HOP?! に。電子音シャカシャカ鳴っていたりクリスマスソング歌っていたり。この2年半の間に何があったのか? 中身にしろ外見にしろ「それ、本気?!」と思わせる。が。本気も本気、超マジ。聴き終わる頃にはジャケットの、その憎たらしいまでの笑顔にも頷けてしまうあたり、実に怖ろしい。全く憎いアルバムだ。
 そして、これまた待ち倒したライブも決定。再始動に期待するのは当たり前。この音源からどんなライブをするのかという好奇心にも似た期待感の方が大きいか。何やらメンバー揃ってダンススクールに通っているというし。そういうことなら、こちらもストレッチをして挑もうか。


Naked Loft:きしのわかこ


テルスター / テルスターTOUR'06 LIVE&CLIPS
TEKU-004 2,000yen(tax in) / 11.22 IN STORES

ライブと言えばテルスター、テルスターと言えばライブと言うわけで、ついにテルスターライブDVDリリースです!
 神戸スタークラブや千葉ルック、そして新宿ロフトで行われたワンマンのライブ映像に加え、私の中でかなり衝撃的だったLIQUID ROOM ebisuで千葉さんをガムテープでグルグル巻きにする横山さんの映像もあり。あの時は首にガムテープが巻かれていたから、千葉さんが倒れないか本当に心配になった…。でももっと衝撃なものがこのDVDには入っていたんです。神戸スタークラブの打ち上げで行われていた山田さんリサイタル(笑)。満面の笑みでおウタを歌う山田氏(千葉さんのサポートあり)。山田さんのあんな笑顔、初めて見ました。あれは本当にお宝映像だと思います。ロフトのワンマンは当日のライブを見ていたけど、メンバーの表情とか手の動きとか違った角度からも見れるし、迫力あります。また『ある決意』のリハーサル風景やオフショット等のサービスカットがあったり『アーティストの欄』や『ホントのところ』等のビデオクリップも収録されていたんですが、これは4人ともかなり若い!! ここ数年でかなり変わったんだというのを実感できます。男の人は30歳になると深みが増すのね。
こんなにたっぷり入って2000円!ライブに1回行くのと一緒!もちろんナマでライブを見たほうがいいに決まってるけど、このDVDはかなりその空気を感じることができます。
ただひとつ言いたいのは、このジャケはDVDを通して見るのと同じぐらい迫力がありすぎます。


Rooftop:やまだともこ


怒髪天 / トーキョー・ロンリー・サムライマン
TECI-1142 2,500yen (tax in) / 11.08 IN STORES

結成から22年、現メンバーになって18年、そしてあの劇的な活動再開から7年。増子直純(vo)、上原子友康(g)、清水泰而(b)、坂詰克彦(ds)という不動の4人から成る怒髪天が1年振りに放つ一撃必殺の渾身作『トーキョー・ロンリー・サムライマン』は、寂寞として痩せた荒野で愚直なまでに種を蒔き、堅実に畑を耕し続けてきた彼らの集大成的作品であり、同時にバンドの新章突入を強く印象づける鮮度の高さをも感じさせるアルバムだ。日常を生きる中で沸々と湧き起こる喜怒哀楽を、一篇の歌として彩り豊かに織り込む姿勢は本作でも不変。誰しもが共感し得る普遍的な歌詞に、つい鼻歌で唄いたくなるメロディという公約数的かつ深みのある音楽性は格段にビルドアップが果たされ、彼らが身上とする“R&E”〈リズム&演歌〉の洗練度は過去随一だ。まず何より全12曲の圧倒的なクオリティの高さに加え、パンク、R&R、ロカビリー、昭和歌謡、ガレージ、ジャズ、フュージョン、果ては人力テクノといったあらゆるジャンルを貪欲に呑み込み紡ぎ出されたバンド・サウンドのキレとコク、有機的に絡み合うアンサンブルの妙、益々堂に入った感のあるヴォーカルの凄味…そのどれを取ってもこれまでの諸作品を遙かに凌駕している。
増子いわく「荒みきった大都会の片隅でまんじりともない夜をやり過ごす時代遅れのサムライ達に捧げる、懐かしくも新鮮に突き刺さる望郷哀歌」というタイトル・チューンを筆頭に、自らの内面と取り巻く社会に極限まで対峙して書かれた歌詞の叙情性、鋭利な社会風刺は本作の大きな聴き所のひとつである。気分と上っ面ばかりが先走る消耗品のような音楽が持て囃される昨今の日本の音楽シーンにおいて、どこまでも愚直で一本気、向こう見ずの無頼漢である彼らにとってこの平成の“浮き世”は“憂き世”でしかないのだろう。しかし、こんな“憂き世”だからこそ、ささやかだが力強い怒髪天の歌が我々の胸を深く衝くのだ。


Rooftop:椎名宗之


Kneuklid Romance / パズル
FAI-001 1,000yen(tax in)

私がこのCDを買ったのは何年前の事だろう…。上京してくる前に買ったCDなので少なくとも10年は前なのですが、今は販売されているか分からないCDであります。(調べてなくてすみません)高校生の時に友達から「Kneuklid Romance」と「SIAM SHADE」が入った彼のオリジナル選曲テープを「これ、聞いてみっ」って感じで渡された。彼は私にとって「LUNA SEA」というBANDの存在も教わった大事な友達だ。(今や二児のパパ)
私の地元は田舎なので、ヴィジュアル系と呼ばれる音楽とはほとんど接する事がなく、「LUNA SEA」はもちろん「Kneuklid Romance」の音楽は衝撃的だった! 地元のレコード屋には「Kneuklid Romance」のCDは売ってなく、1時間かけて街のレコード屋へ行き、このCDを発見し即購入しました。上京し、雑誌にて彼らの休止を知りショックを受け、復活した時にはVo.と1人のGu.がチェンジしていて、何と!!! とまたショックを受けたが、1回はLIVEに行こうと思い足を運んだら、YUTAKAサンの歌声に魅せられ、その後もLIVEに行くようになりました。その後、解散前にも何度もLOFTに出演してもらい、とても光栄でした。そんな彼らとのキッカケになった思い出のCDです。上京してからの「Kneuklid Romance」の音源も好きでしたが、このCDの「Kneuklid Romance」の音源もまた違う世界観を醸し出していて、聞き込めるCDです。今の若いヴィジュアルっ娘達にぜひ聴いてみてもらいたいです。今回は思い出のCDについて語ってみました☆


新宿LOFT:キラ☆


HUCKLEBERRY FINN / Traveling
DDCZ-1365 2625yen(tax in) / 11.08 IN STORES

昨年、今年と完全自主制作盤として『Bootleg EP#1、2』をリリースしてきた彼等が、ようやく(本当に待ちましたよ!私。)フルアルバムをこの冬リリースする事になりました。その間、着実に丁寧なライブ活動を実施してきた彼等。自信に満ち溢れたキラキラしたロック&ポップスナンバーがズラリ。極玉の12曲が詰まった作品なんです。ずしりと存在感ある楽曲はいつも自分の心に突き刺さる。そして、そっと寄り添っているかの様な優しい唄にいつも励まされる。彼等と出会いのきっかけは『冒険』というマキシシングルだった。あれから約7年。いくつになっても大好きなままでいられるのは、時間が過ぎ去っても変わらない素敵な唄を唄ってくれる3人がいるからだ。この先、ずっとずっと良い唄を唄い続けて欲しいバンドの1つ。彼等はいつだって健在です!


SONG-CRUX:樋口寛子


FUGAZI / 3-19-90 GAINESVILLE,FLORIDA AMERICAN LEGION HALL
www.fugaziliveseries.comにて通販のみ販売

さて、お待たせしました(?)FUGAZIのライブ盤のボックスセット第二弾です。ちなみに今回は10枚組、ジャケは前回とは違いますが10枚全部同じです(笑)遡って1990年、(Margin Walkerリリースは1989年)フロリダのライブです。正直あれだけ聞いてきたので新鮮さは全く感じないのですが、なんでしょうかやっぱり好きなんですね、3曲目『MERCHANDISE』、5曲目『TURNOVER』やラスト15曲目の『BURNING TOO』など聞くと聞き「ながら」の作業が出来なくなります。最後の『BURNING TOO』で録音状態(場所?)の問題でやたらとリバーヴがかかったようなところが一瞬(1分ぐらい)あるのですがそれがやたらと臨場感があって聞き応えがあります。やっぱりFUGAZIだな…。


下北沢SHELTER店長:西村等


BREAKfAST / BREAK ME FAST vol.14
MTCD-1075 2,000yen(tax in) / IN STORES NO

ブレックファスト,とうとうフェリシティから音源リリース! RAZORS EDGEのテープリリースやオムニバスで54-71などかなりのふり幅(良い意味)のあるレーベルであるfelicity。最高ですね。しかもBREAKfASTのベスト的な内容となるライブ音源。皆様はBREAKfASTを体感したことはありますか?場所的な問題でまだ未経験であれば絶対に聞いたほうがいい!ただのハードコアバンドと思っている方も絶対聴いたほうが良い! なぜならBREAKfASTは最高のロックバンドでありパンクバンドでありファンクバンドでありハードコアバンドだからです。そしてライブにいった方は最後の長い長い「おしゃべり」も絶対聞いたほうがいいっす。


下北沢SHELTER店長:西村等


藤岡弘、 / 荒野のサムライ〜明日に向かって走れ〜
SNR-06013 1,000yen (tax in) IN STORES NOW

一体ここはどこなんだ? 西部劇のような黄砂舞い上がるあの枯れ果てた荒野なのだろうか?ブルージーなギターと尺八の孤高の響きが織り成すサムライワールド。
体現できるのは藤岡弘、他いない。着物を纏い、馬に跨り、やってくる。紅い夕日を背に…。先日プラスワンでのイベントで彼は静かに口を開いた。「この歳になって、何か若い世代にメッセージを残したかった。」「胸に手を当て、大きく呼吸する。母なる大地の息吹を吸って…合掌、藤岡弘、」渋ーい! 2曲目に収録されている「レッツゴー!! ライダーキック 2006」あの主題歌を主人公・本郷猛が唄っている! 今年、仮面ライダー生誕30周年に相応しい1枚で2度おいしいマキシシングル!


ロフトプラスワン:酒井一圭


メレンゲ / Underworld
WPCL-10375 1200yen(tax in) / 11.22 IN STORES

今秋公開される映画『暗いところで待ち合わせ』の主題歌であるタイトル曲『Underworld』。デビュー以降、映画やTVドラマ等に楽曲を起用される事が多い彼等の楽曲の評価は相変わらず高い。この楽曲に関して、彼のオフィシャルホームページ(http://www.merengue.jp/) のブログの文中にも書いてありましたが、「自分で言うのもなんだかすげー名曲です。こういうのをシングルに出来て嬉しいな」という言葉がこの楽曲の全てを語っているかのように思えた。また、いつも自信を持って世の中に発表している姿を伺える事は同時に嬉しかったりもする。そして2曲目は、『初恋サンセット』に収録されている「きらめく世界」が映画の挿入歌としても起用されている。こうした彼等の活躍がいつの日か日の目を見る時に私は何をやっているのかな? ふと思った秋の夜でした。


SONG-CRUX:樋口寛子


YO LA TENGO / I AM NOT AFRAID OF YOU AND I WILL BEAT YOUR ASS(※輸入盤)
MATADOR / IN STORES NOW

8月発売のヨ・ラ・テンゴの新譜ですが、やっと買えました。しかし、試聴をする前までは、ちょっと新作はどうなるのかな? と思っていました。というのは、前作がかなりマッタリ脱力な感じで、聴いていると心地よい眠りに誘われてしまうため、アルバムを通して聴いた事が3回くらいしか無いような気がしたからです。このレビューを書くためにどのくらいか確かめようと聴いていたら気付くとまた寝てしまっていました。そのくらいです。ああ、今作もああいう路線だったら買わないかもなあ、そんな期待と不安を抱きながら試聴したら、良かったので買いました。ジャケからしてポップ、カラフル。オモチャ箱を引っ繰り返した様な、という表現が国内盤の帯にあった様な気がしますがイイ表現だと思いました。そのくらい多彩な曲たち。アルバム、I CAN HEAR THE HEART BEATING AS ONEの感じになっていたのでアレが好きな人はもれなく買った方がイイですよ。


LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ


L!EF / DEMO.ep
自主制作のため販売してません

SHELTER 15th anniversary at 札幌COUNTER ACTIONで、出会った素晴らしいバンド。L!EF!! 僕はこのバンドを全く知らなかったのですが、リハの時点で釘付け。本番で震駭。いったい何なんだこのバンドは!? 格好良すぎる。SHELTER CREW全員ド肝を抜かれました。即T-SHIRTS購入。音源ないですかと聞いたところ、ないです。でも今度デモCDを送りますと。なんていい人達なんだ。こうして手に入れたCDです。残念ながら売ってません。またこの音源もすごくいいんですよ。でもこの音源と今とはメンバーが異なっていて、ライブを観た限り僕は今のほうが好きです。編成はG&Vo/G/SYNTHE/B/Drで、ポストロック、ハードコアをエモーショナルに激しく奏でています。なのに踊れる。すごくツボです。来年にVAに参加すると言ってたので、買いです。早くもう一度観たい。こんなに心を掻き立てられたのは久しぶりです。
PS:ミネザキは眼鏡をとると怖いです。死神みたいです。眼鏡をしてても怖いです。魔太郎です。ミネザキとは、SHELTERの店員です。


下北沢SHELTER:しゅういち


V.A. / worth one's salt
CHRS-015 [通常盤] 1,575yen (tax in) / IN STORES NOW

BEAT CRUSADERSの久保田氏が主宰するレーベル“CAPTAIN HAUS RECODING”のコンピレーションCD。以前は各アーティストの物販、web限定販売だったものの全国流通盤。横浜を中心に活躍し、今やCAPTAIN HAUSの代表的バンドでもある変拍子を巧み使うエモーショナル・ギターロック・バンドtrademarkを筆頭に、代表久保田氏率いるキャリアがあるからこそ出来る打ち込み系バンドkuh、ガールズPOP PUNKバンドpoly ABC、期待の突発的新人(変人?)GALLOW、横浜出身若手バンドU.M.N.C、ASUPARAGUSとは全く側面を見せる山下潤一郎という錚々たるメンツで構成されたこのアルバム、バンドの知名度はさておき今まで地道にレーベル活動を行なってきた久保田氏の強いこだわりを感じることのできる一枚に仕上がっていると思う。


BEATSORECORDS:4184


V.A(日本脳炎・BAREBONES・the原爆オナニーズ・Midnight Bankrobbers)/ TRIP IN HARDCORE
CD:TERNG-074 2,000yen(tax in) / LP:TERNG-075 2,500yen(tax in) / 11.22 IN STORES

『楽しけりゃそれでいいんじゃない?』
そんな事を突然思った深夜24時。それは決して“楽しければダサくてもいい”とか“楽しければ間違った事しててもいい”とかと言った甘っちょろい話じゃない! 楽しむ事に本気だったらダサい事なんてなにもない。楽しむ事に本気だったら間違ってる事なんてなにもない。この4バンドだったらきっと僕の言ってることを理解してくれる気がした。だって彼らの音楽にはウソや建前、迷いや後悔とか言った言葉が一切似合わない。とにかく直球で、とにかく全速力で突っ走ってる感じ。それでいて不器用だから見てるこっちがヒヤヒヤする。しかし心配する事なんてなにもない。だってそれがパンクだと思うし、その中でも最前線を走っている彼らだから何度倒れたってすぐに立ち上がってくれるはず。どん底からのスタートくらいの方が刺激的で楽しいと思うよ! 楽しまなきゃ意味がない! そう気づかせてくれたのがこの1枚だった。


新宿LOFT:HxGxK

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