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SHIBUYA HEART ATTACK! '06 ('06年11月号)

SHIBUYA HEART ATTACK! '06

渋谷のライブハウス13カ所、全88バンドが出演!
KOKORAHEN Presents『SHIBUYA HEART ATTACK! '06』
2006年11月11日(土)∼13日(月)開催!

東京というコンクリートジャングルに新たな風を吹かせるべく、昨年からスタートしたKOKORAHEN Presents『SHIBUYA HEART ATTACK! '06』。今年は11月11日・12日の2日、後夜祭は13日にO-EASTで開催されます。主催者やライブハウスが自信を持ってオススメできるアーティスト、まだあまり知られてないからぜひ知って欲しいと思うアーティストが出演するという、このシーンが好きな人たちにはたまらないラインナップとなっています。また、普段このバンドをこのライブハウスでは見ないだろうなというところもSHIBUYA HEART ATTACK! ならでは。  昨年に続き、全会場出入り自由共通チケットに出演者の曲が1曲ずつ入ったCDが付いて3,800円! この金額で3日間ライブを見ることが出来て、さらにCDも付いていたら今まで見たことのなかったバンドをこの機会に聴いてみようと思うし、ライブを見ることもできるんだと思うと、本当に得々チケットですね。こんな素晴らしいイベントが東京でも開催されるというのは画期的だと思います。 今回は、この素敵なイベントの主催者の一人でもあるBad News Records南雲さんと昨年も出演されているTYPHOON24のSENSHO1500さん、テルスター横山さんでの対談を行いました。全く嘘がない、ピュアな気持ちで開催されるこのイベントの魅力をもっと知っていただくとともに、ぜひ参加することをオススメします!(text:やまだともこ)


ライブハウスは素敵な場所

──2回目の開催となるSHIBUYA HEART ATTACK! '06ですが、まず昨年を振り返ってみてどうでしたか?

SENSHO1500(TYPHOON24):最高でしたね。普段出れないようなところでやるからね。DESEOに出たのも初めてだったしすごい楽しかった。テルスターはどこでやったんだっけ?

横山(テルスター):僕らはLa.mama。イベント一回目にしては良かったよね。

SENSHO1500:基本的にはやる側としては普通のライブだけど、見る側が違ったと思うんだよね。気になるバンドはいるけど、その為だけに見に行くってあんまりしないじゃん。でもHEART ATTACK!! みたいなイベントがあれば、見たいバンドも見れるし、見た上で良かった悪かったの判断ができますからね。一介のライブハウス好きにはたまらないイベントですよ。

横山:あと、非常に手作り感があふれていて良かったですね。

南雲:コンセプトとしてライブハウスに来るお客さんの目線に立つっていうのがあったんです。そういう部分で手作り感を感じてもらえたのかもしれないですね。音楽の配信の仕方として今はCDが主流で、まあ他にもパソコンでダウンロードしたりとかもあるんでしょうけど、アーティストとお客さんがコミュニケーションして気持ちが繋がる“ライブ”というものは今後も絶対なくならないんじゃないかと思ってるんです。だからこそ音楽業界で働く人間として“ライブ”というものの素晴らしさを伝えていくことこそが、今後の音楽シーンとって大切なことだと思うし、僕らが出来ることなんじゃないかと思うんですよ。僕が音楽シーンを語るなんておこがましいですけどね…。でもそういうことが本気で大事なんじゃないかと思うんですよ。

横山:ライブはいいものだと。

SENSHO1500:平たく見ればSHIBUYA HEART ATTACK! はたくさんのバンドが出るし、ワイワイとしたショウケース的なものでもいいわけじゃん。

南雲:そこが出発点じゃないですけど、最終的な形がショウケースでもいいと思う。

横山:主催者として今後の課題とかってあるの?

南雲:不慣れな人間がやってますから至らない点も多いです。でも、前回の反省点をいかして、昨年より多くの人に参加してもらってライブハウスの良さを感じて欲しいと思ってますね。

横山:理想は素晴らしいよ。それには大賛成ですよ。

南雲:前回はイベントあって1日あけて後夜祭だったので、地方から来てもらう方々に親切じゃなかったんですよね。今年は後夜祭も入れて3日間連続にして、地方の人も参加できるようにしたり、渋谷ではないんですけど11月11日には高円寺クラブライナーでオールナイト的なイベントも考えてます。今年もいいアーティストに出演してもらっている自信はありますし、軽い気持ちで来てくれればなって思いますよ。

SENSHO1500:東京ならではのイベントってあんまりないしね。定着したロックイベントができればね。最近ライブやってても地方に比べると東京のほうが元気ないのかなって気になっていたんだよ。

横山:例えば地方都市であればライブハウスって県の中に2つ3つぐらいですよね。でも東京は毎日いろんなライブが100カ所ぐらいで行なわれている訳ですよ。だから東京にいると、選択肢も多いし象徴的なものっていうのは作りにくいんじゃないかって思いますね。

SENSHO1500:でも作る側の問題でもあるわけじゃない。こういう大きなイベントにしても、ないからやらなくていいってわけでもないし。だから南雲君の熱い気持ちは受け止めたいと思うんですよ。

横山:僕は自発的に何かをやれるようなきっかけになるのであれば、意味のあるイベントなんだと思います。ライブハウスに行くことにしても、バンドをやってみようと思うことにしても、何かを始めるきっかけになってくれれば、それは素敵なアクションのひとつなんじゃないかと思いますね。

SENSHO1500:昨年やってみてどこか繋がった感触ってあるじゃん。君と僕とは全然違うけど今日一緒のイベントにいるっていう連帯感は大きなイベント特有のものだよね。

──それが昨年言ってたコミュニケーションしたいということになるわけですね。

SENSHO1500:渋谷のほとんどのライブハウスがこのイベントで繋がっていて、参加する人もパスをぶら下げているっていう連帯感が楽しかったなって思いますね。

南雲:普通に毎日イベントがおこなわれている中で「今日イベントやってます」ということだけだったら、ライブハウスに行ったことがない人は大好きなアーティストが出てない限り、なかなか「よし!いくぞ」とはならないと思うんですよ。でもお祭りみたいにして、普段ライブハウスに来ない人が軽い気持ちで来てくれたらなって思います。そこでライブハウスの素晴らしさに触れるきっかけを作りたい。そして、今まで知らなかった素晴らしいアーティストも知ってもらえれば嬉しいです。



大元を言えば音楽が好きなだけ

──ところで、SHIBUYA HEART ATTACK! はビジネスとしては考えてないんですか?

南雲:考えてないです。

SENSHO1500:だからこそバンド側がこのイベントを利用してやろうっていう意気込みで参加しないと面白くならない気がしますね。

南雲:この間、あるバンドさんから「イベントってバンドも一緒にがんばらないといいイベントにならないですよね。僕らも頑張ってチケット売るんでいいイベントにしましょう。」って言われたのがすごく嬉しかったんです。移動自由だから人気あるバンドはお客さんが入るし、まだまだ知られていないバンドの時間にはお客さんが入らないっていうのをどうにか解消したいと思うんですよ。なので、昨年に続いてチケットにCDを付けて知らないバンドを知ってもらう、音源が気になったら見てもらうっていう、新しい発見をしてもらえれば嬉しいです。そこは今年もこだわってますね。知らないバンドを何もなく終わるというのは、やる人間からしても寂しいじゃないですか。そこに対して、アピール不足だからというのは避けたいですね。音源を聴いて自分とは合わないと思ったらしょうがないですけど、触れる機会を作るのが僕らの役目なので…。よく思うんですが、イベント全部、最初から最後まで見るって正直すごく疲れますよ。そしたら興味がないバンドにはやっぱり行かないと思うんです。だから興味を持ってもらうためにCDを付けているんです。

横山:僕は同じ時間帯にバンドがたくさんやってたら、そこで強弱が付いてしまうのはしょうがないことだと思いますが。

SENSHO1500:バンド側としても人が入らなくて悔しいって燃えることができたらそれはすごくいいイベントになるんじゃないかな。

横山:イベントもひとつのバンドだと思うんですよ。バンドが気持ちとビジネスの部分を多分に含んでいて、イベントも気持ちと熱意を含んでいて交差しあいながら地場をつくりあげるというのは素晴らしいんじゃないですか。きれい事どうしでやってもきれい事だけじゃすまない事もある。いろんなバンドがあってイベンターがあってライブハウスがあって見に来ている人の背景があって、それが交差していくとすごくいい化学反応が生まれると思いますよ。

SENSHO1500:大元を言えば音楽が好きなだけじゃん。それが一種のピュアネスだと思うし、そこに応える権利はみんな持ってるじゃない。

横山:あと、このイベントはビジネスとして成立するところから話が始まるんじゃなくて、音楽が大好きだというピュアネスから始まっているところをすごく感じるから、応援したいなと思うんですよ。でもピュアネスだけではできない部分もあるから試行錯誤がありつつ、でも根本が音楽を愛する、ライブハウスが好きだという気持ちを失わなければどんな形でもなくしてほしくないですね。ライブハウスって、キャパも違えば音も違うし雰囲気も違うし、そういう空間で行ったことのないライブハウスに行ってみるっていうのも楽しみのひとつだと思うし、会場の空気とか舞台の高さとかお客さんと近いのかとかライブハウスによって違うので、そういうことを知るいいきっかけになるかと思いますよ。こういうところもあるんだっていう価値観が渦巻いていて、おもしろいんじゃないですかね。その中で場所にしてもバンドにしても和洋折衷いろんなものが出てますので、食わず嫌いじゃないですけど苦手だと思っていても実は良かったとかありますから、またひとつ音楽を愛すること、自分の音楽人生を豊かにすることのきっかけになればね。

南雲:ライブハウスの店長さんやブッキングの方たちも、ライブハウスの良さに触れて欲しいという熱い気持ちがあるので、そういう方々全員でイベントを作ってる感じではありますね。

SENSHO1500:楽器を始めて最初にやることってライブハウスに出ることじゃん。そこで一堂に会してライブハウスを回ったり出たりするのってやる側にとっては原点回帰だよね。

横山:どんなでかい会場でやってるバンドも最初はライブハウスから始まっているんですよ。最初の場所を確かめるためにもお客さんと距離が近いところでライブをやるというのは原点を思い起こさせるような効果があるのかもしれないですね。世知辛い音楽業界でピュアネスを突き通そうとしているのには協力していきたいと思いますよ。みんな最初は音楽にしてもビジネスとして音楽をやってる人も根本はピュアネスをもっているんですよ。



自発的に何かをやることのきっかけ

──じゃあ今年はどんなイベントになりそうですか?

SENSHO1500:3日間東京で連続してやるイベントってないから、東京にいるバンドが渋谷に3日間集まってそれぞれのライブハウスでライブやって、小学生がポケモンのスタンプを集める感じでライブハウスを回ってほしいですね。

横山:3日間で僕が31年間生きていた全てを放出できればいいと思っています。さっきまで厳しいことを言ってましたが、全て自分に言ってるようなものなんですよね。自分に対してのフラストレーション。SHIBUYA HEART ATTACK! を成功させたいと思います。

──テルスターと TYPHOON24が出演されるのは後夜祭だけですが、他の2日も遊びに行かれるんですか?

横山・SENSHO1500:当たり前じゃないですか!!

SENSHO1500:俺、遊びに行くタイプ。好きなんですよ。それであのバンド良かったとか悪かったとか言いたい。そういうのが好き。

横山:傍観者になるよりは自発的に何かをやるということがリスクもあるけど充実もするんだというところ。傍目に見て文句言うことは簡単ですよ。でも自分で何かを起こしてやろうとすると弊害もいっぱいありますが、そこで掴めたものは貴重な経験になり、未来の音楽シーンに繋がると思います。バンド始めようと言ってもメンバー見つかるかなとかあるけど、とりあえずやってみようって思うことは非常に大事なことですね。恋愛に臆病な君も、そういうことを言いたい(笑)。SHIBUYA HEART ATTACK! に対抗するようなもっといいイベントが出てくればそれもいいしね。楽しもうと自発的になるようにね、そういう社会にしていきたい。

全員:社会の話!?(笑)

──イベントにしても何にしても1度始めたらなかなかやめられないですしね。

南雲:そうですね。でも、昨年は辛いこともいっぱいありましたけど、それ以上に感動したことがすごく多いので今後もやっていきたいと思ってますよ。

横山:それが聞きたかった。充実感を得るのは大変ですからね。

南雲:絶対来て損はないイベントにしますので。

SENSHO1500:でもこういうイベント、横チンならやる?

横山:大変そうなんで僕はちょっと・・・(苦笑)。

Live info.

『SHIBUYA HEART ATTACK!'06』
●日程:2006年11月11日(土)/11月12日(日)
●会場:渋谷屋根裏、CYCLONE、DESEO、TAKE OFF7、SHIBUYA PLUG、LUSH、eggman、La.mama、SHIBUYA O-nest、SHIBUYA O-Crest、RUIDO K2、GIG ANTIC
●出演:スムルース / 堂島孝平 / テルスター / TYPHOON24 / PLATON / メガマサヒデ / サザーランド / スケルトンズ / tae / Natural Punch Drunker / 宙ブラリ / ニライカナイ / スキップカウズ / ストレンジヌードカルト / FREE FOR ALL / ザ・ガールハント / 広沢タダシ / Good Dog Happy Men / pegmap / FREEZER NOIZE / Healthy Student / トキメキ泥棒 / the coleslaw / ドロノフネ / discourage / パウンチホイール / Music From The Mars / グリンゴ / 高森ゆうき / エビタイガー / GREEN GROUND Asia / HOPE THE / Dr.Snufkin / コーチガリー / avoid note / 鳳山雅姫 / 鉄と鉛 / Lucky13 / nudge'em all / かまボイラー / KAO / PANICSMILE / PRIMARY COLOR / おとぎ話 / ヒダリ / nobol / UNISON SQUARE GARDEN / sister jet / 夏待ちレスター / ハミリーコンプータ / even / ザ・カードボードボックス / TAYNTON / セツナブルースター / たむらぱん / FoZZtone / 超飛行少年 / ローザパークス / センチライン / セックスマシーン / 小林少年 / 蝉時雨 / UTARI / H. / MOOOLS / トレモロイド / かげぼうし / スクラフィー / YUEY / 東京パレード / 鶴 / いなかやろう / WHEEL COMPASS / ハックルベリーフィン / Prof.Moriarty&Smiley-Todd / サキノハカ / ワタナベフラワー / e-sound speaker / nitt / バックマーカー / brainwash / 箱庭の室内楽 / AIR MASTER / knock note alien / マヒルノ / 大柴広己 / Auroranote / etc...(約90アーティストの出演!)
※詳しい情報はhttp://www.badnews.co.jp/kokorahennoie/cgi-bin/index.cgi
●OPEN/START:14:30/15:00

『SHIBUYA HEART ATTACK!'06後夜祭』
●日程:2006年11月13日(月)
●会場:SHIBUYA O-EAST
●出演:テルスター/TYPHOON24/スムルース/堂島孝平/他11,12日出演者の中からお客さんの投票により1アーティスト決定
●OPEN/START:18:00/19:00

●料金:3日間全会場出入り自由+36曲収録コンピレーションCD付きチケット ¥3,800
※チケットはTOWER RECORDS渋谷店/HMV SHIBUYA/SHIBUYA TSUTAYA/HIGHLINE RECORDS/ライブハウス各店/KOKORAHEN HP通販にてお求め下さい。

SHIBUYA HEART ATTACK!'06

SHIBUYA HEART ATTACK!'06

収録アーティスト:Lucky13/鶴/ヒダリ/かげぼうし/コーチガリー/ワタナベフラワー/nobol/おとぎ話/超飛行少年/PANIC SMILE/ハミリーコンプータ/高森ゆうき/knock note alien/トキメキ泥棒/ストレンジヌードカルト/スケルトンズ/H./GREEN GROUND Asia/ローザパークス/鉄と鉛/ザ・いなかやろう/KAO/ザ・ガールハント/エビタイガー/Prof.Moriarty&Smiley-Todd/tae/大柴広己/バックマーカー/FREE FOR ALL/HOPE THE/TAYNTON/東京パレード/the coleslaw 他(全36アーティスト収録)

※このイベントはCDがチケットとなります。CDに封入されているチケット引換券をイベント当日、所定の場所にてイベントパスに引き替えていただいてのご利用となります。
http://shibuya-heart-attack.com/

SHIBUYA HEART ATTACK! '06から素敵なプレゼントがあります!

posted by Rooftop at 17:00 | TrackBack(0) | バックナンバー

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