関西スカコア・シーンの雄、結成10周年!ロックバカな盟友的大先輩と共にお届けする爆笑放談!!
関西パンク/スカコア・シーンに今なお絶大なる影響を与え続けているGELUGUGUが今年目出度く結成10周年! これを記念して、現在のメンバー編成でレコーディングし直した全30曲の激濃厚ベスト盤『SUPER BEST』と新旧織り交ぜた幅広い交流が窺えるパンク/スカコア系バンド全13組が一堂に会した豪華トリビュート・アルバム『GELUGUGU AMIGOS』が同時リリースと相成った。'90年代末期に勃発した怒濤のスカコア・ムーヴメントの先駆者的存在だった彼らの軌跡を、過去3枚ものスプリット盤を出している盟友・ニューロティカのアツシを迎えてGEN自身にたっぷりと語って頂こう!(interview:椎名宗之)
ロティカとチェッカーズが2大バンドだった(GEN)
──何はともあれ、GELUGUGU結成10周年おめでとうございます。月並みですが、どんな10年でしたか?
GEN:いやー、長かったですねぇ。ロティカと出会ってからはメチャクチャ早かったですけど(笑)。あっちゃんと知り合ったのは確か…'99年くらいとちゃいます?
アツシ:元POTSHOTのRYOJI君と仲良くなって、彼が「大阪に凄く面白いバンドがいるから」ってリキッドルームのライヴを観に行って紹介されたのが最初かな。当時あのスカコア・シーンのことはよく知らなかったんですけど、凄く盛り上がってお客さんも一杯入ってたし、GENちゃんはロティカの大ファンだって言ってくれるし、これはもうこいつらのシーンを僕が全部かっさらってやろうと思いましたよ(笑)。
GEN:まぁ、その時のロティカは大したことない時期でしたけどね(笑)。
──はははは。ライヴでの初共演は?
アツシ:「ツアーがあるからどこに入りますか?」ってGENちゃんに誘われて、ウチの空いてたスケジュールがF.A.D YOKOHAMAとBAYSIDE JENNYだったんですよ。
GEN:どっちもそれほどお客さんが入らなかったんですよ。BAYSIDE JENNYは入りましたけどね。僕の想像してたニューロティカとは違いましたけど(笑)、一瞬だったにせよスカのシーンを引きずり下ろした張本人はあっちゃんでしたからねぇ。
アツシ:やっぱり才能のある若い芽はどんどん潰していかないと!(笑)
GEN:こっちもメンバー4人辞めましたけどね(笑)。ロティカと出会った頃…スカ・ブームの頃はなんも考えてなかったですからね。何やっても客が入るし、ホンマええ時代でしたけどね。
──今思うと、当時のあの異常なまでのスカの盛り上がりは一体何だったんでしょうね?
アツシ:それは僕も聞いてみたいな。
GEN:何だったんでしょうねぇ…物珍しさと、キッズのフラストレーションが爆発したタイミングがぶつかったんとちゃいます? それまで何が流行ってたか思い返しても浮かばないし…メロコアも同時期でしたからね。バンド・ブームが終わって、みんなイライラしてたところにスカやメロコアがガツンと来たとちゃいます?
──当事者としてはかなり冷めた目で見ていたんですか?
GEN:僕らは冷静でしたね、大阪に住んでることもあって。
──ブームが一段落して以降、バンドとしてしっかり足固めをしていった感じですか?
GEN:そうですね。まぁ、僕らにはニューロティカという強い味方がいてくれましたからね。メンバーが抜けた時も新しいメンバーが入った時にも、GELUGUGUにとってロティカの力がメチャクチャでかかったですからね。唯一相談したのはあっちゃんだけですもん。何とかなるかな? とは思ってましたけど、あっちゃんが「大丈夫! できるよ!」って言ってくれたから続けられた部分はありますね。中高の時のヒーローから貰った言葉っていうのはやっぱりでかいですよ。
アツシ:ウチはそれで「RAT RACE」っていう歌を作っちゃったからね。「RAT RACE」っていうのはGENちゃんがやってた店の名前なんですけど。でも、ウチが復活できたのも、ロリータ18号とPOTSHOTとGELUGUGUという3バンドのお陰だと思ってるんですよ。彼らからライヴの運び方や物販のやり方を学んだし、今やれてることの基礎を固めることをできましたからね。
──若いバンドもたくさん読んでいると思うので、お2人にバンドを生き長らえさせる秘訣をお訊きしたいんですが。
GEN:僕らはまだ10年ですからねぇ…。10年はちょっと頑張ればできると思いますよ。
アツシ:10年って言うと、ウチは“10th ANNIVERSARY TOUR”をやってLOFTの10daysをやった頃。それで燃え尽きちゃって前のメンバーが辞めちゃったんですよ(笑)。まぁでも、何もバンドを続けることばかりが幸せとは限りませんからね。ウチの前のメンバーでもバンドを辞めて別にいい仕事を見つけたり、結婚して幸せになってるヤツがいて素直に良かったなぁと思えるし。僕自身はバンドを辞める時期をすっかり忘れちゃったクチですけどね(笑)。
──いやいや、お2人とももっともっと続けて頂かないと(笑)。今回、GELUGUGU結成10周年を祝してベスト盤と豪華な顔触れが集ったトリビュート盤が同時発売となりましたが、まずベスト盤のほうの選曲基準はどんなところですか?
GEN:事前にお客さんに投票してもらって、上位20位をまず選んだんです。それとメンバー6人の推薦曲1曲ずつと、どうしても入れたい曲を4曲足して全部で30曲という内容です。凄く短い曲なんですけどライヴではお馴染みの「WE ARE GELUGUGU」とか、6人になってから初めて作った「SIX SKA AMIGOS」といった曲は絶対に入れたいと思った?冗んですよ。理由はあるようでないような感じですけど、何とか全部で30曲にしたかったんですよね。
──現在のメンバー編成で録り直しているところに意味がありますよね。
GEN:そうですね。そこがポイントなんです。これ出したら、もうアルバムは当分イイですわ。CDも思うように売れないですからね(笑)。
アツシ:僕は音楽的なことはうまく言えないけど、GELUGUGUって僕達が中高生の時に聴いてた歌謡曲に近いテイストがあるよね。全部が全部ってわけじゃないけど。
──そういう独特なキャッチーさは、それこそロティカからの影響が大きいんじゃないですか?
GEN:それは間違いなく。ロティカとチェッカーズが僕の中で2大バンドでしたからね(笑)。
──はははは。フミヤかアツシか、っていう。
アツシ:それを言うなら、こっちは石橋 凌か松山千春だから!
GEN:そういう感じですわ(笑)。フミヤはアーティストっぽくなったけど、あっちゃんが凄いのは未だにお客さんから「カワイイ! カワイイ!」って言われ続けてるところですよね(笑)。
“マンネリ”という名の進化ですよ!(アツシ)
アツシ:でも、この間もGENちゃんに言われたんですよ。「あっちゃんがお客さんを笑わせてるんじゃなくて、お客さんに笑われてるんだよ」って(笑)。GENちゃんとの会話から何かが生まれるってことが実は多いんですよ。ツアーの移動中に「GENちゃん、MCがさっぱりウケないんだけど何か面白いネタない?」って訊いたら、「“ややうけ”くらいがちょうどいいんですよ」って言ってくれて、「それだ!」と。そこにカーラジオから175Rの曲が流れてきたから、「これをくっ付けちゃえ!」と思って“88ライダー(ややうけライダー)”が誕生したんですよ(笑)。
──安直極まりないですねぇ(笑)。
アツシ:安直って言ったら、GELUGUGUが去年“THREE CODE”から出した最初のアルバムが『CHOCOCHIP BABY!』って言うんだけど、僕がライヴの時に履いてるサンダルのブランドが“CHOCOCHIP”なんですよ。
GEN:そう、そこから取ったんです(笑)。その事実を知ったメンバーは目が点になってましたけどね(笑)。
アツシ:この2バンドで、普通なら10年でやることを2、3年でやり遂げた気がするよね。
GEN:そうですね。凄い勢いでやりましたよね。スプリットも3枚出したし、ツアーも毎年やってるし。今年はまだ1回しか一緒にライヴをやってないですけど。
アツシ:ふと気づいたら、やるのを忘れちゃってたんだよね(笑)。一回ツアーをやると、その時の打ち上げで「次はこういうのやろうよ」って次のツアーでやることが決まる仕組みになってるんですよ。最初の2、3年は特に異常に濃かったよねぇ…。
──アツシさんが後輩ミュージシャンとそこまで親しいケースも珍しいですよね。
アツシ:うん。GENちゃんは何でもこっちの言うことを聞いてくれるからね(笑)。
──一方、ロティカを筆頭にKEMURI、175R、ロリータ18号、RUDE BONES、GOLLBETYなどGELUGUGUと縁の深い全13組が参加したトリビュート盤のほうも非常に聴き応えのある作品に仕上がっていますね。
GEN:有難いですよねぇ。参加してくれた顔触れは主に僕以外のメンバーが誘いをかけて、僕はコンコンジャンプとかGOLLBETYとか女の子バンド担当でしたね。
──アツシさんにはGENさんから声を?
アツシ:いや、僕から言いました(笑)。175RのSHOGOから電話が掛かってきて、「あっちゃん、何やるんですか?」って訊かれて、そこで初めて知ったんですよ。
GEN:ロティカは必ずやってくれると思ってたから、つい後手後手になったのかなぁ?(笑) 曲は「XL MAN OSAKA」になってるんですけど、いろんな曲をミックスしてくるなと思ってたから、とりあえずタイトルだけ指定させてもらって。でも相変わらず素晴らしい出来でしたよ、ニューロティカは。
アツシ:「XL〜」で良かったですよ。一番よく知ってるし、何より唄いやすい曲だったから。違う曲だったら全然唄えなかったかもしれないし(笑)。個人的には「WORK A HOLIC」が好きで、それをちょっと唄いたい気持ちもあったんだけど、英語だし節回しが難しいんだよね。多分僕じゃ唄えなかっただろうから、やらなくて良かったよ(笑)。
GEN:ロティカには以前スプリットで「ONE TWO」をカヴァーしてもらいましたけど、やっぱり感動しますよね。今回はメンバー全員で唄い回しまでしてくれたんで。そういう芸当は恐らくロティカにしかできへんと思うし。
──ガーゴイルとか“最後のGS(グループ・サウンズ)”の異名を持つキャプテンズ辺りはかなり異色な人選だと思いましたけど…。
GEN:ガーゴイルはあっちゃんの紹介なんですよ。色々とかわいがってもらっていて、まさ?冗か参加してくれるとは思わなかったですね。キャプテンズも意外に思われるかもしれないですけど、僕は元々GSとかが好きだし、彼らのやってることも結構好きなんですよ。彼らがカヴァーしてくれた「涙のラストチャンス」って曲は、前の事務所にいた時に「これからはGSのブームが来るから、GELUGUGUもGSっぽい曲を作れ」と言われて作った曲なんですよ。でも、僕らではうまく消化できなかったので、ここは本家にやってもらおうと思って。その仕上がりは完璧でしたね。
──そんな異色な顔触れも含めて、まさにGELUGUGUのトリビュートでなければ実現しなかった面子ですよね。
GEN:そうですかねぇ…もうホントに有難い話で。KEMURIなんてようやってくれましたよね。多分イヤイヤやったと思いますけど(笑)。今はどうやってこの恩を返していこうかと思ってますけどね。このトリビュート盤のイヴェントもやりたいと考えているんですけど、ご承知の通り皆さんご多忙の身なのでなかなか一堂に会すことが難しくて。でも恩返しの意味を込めて何かやりたいと思ってます。
──こうした集大成的作品を経て、11年目のGELUGUGUがどう飛躍していくか非常に楽しみですね。
GEN:これもまた有難いことに、僕らの裏マネージャーであるあっちゃんに既にスケジュールをビッチリ押さえて頂いてますので(笑)。延長線上は延長線上ですけれども、ライヴもややマンネリ化してるところがあるのでそこは変えていこうかな、とは思ってますけどね。曲とかじゃなくて、ライヴの見せ方と言うか。
アツシ:GENが言う“マンネリ”っていうのはマイナスの意味じゃなくて、そういう次元から一線を超えてるレヴェルの話ですからね。僕らもそうだし、きっとどのバンドもそうだと思うけど、随時進化してるってことです。“マンネリ”という名の進化ですよ!
GEN:恰好イイなぁ(笑)。
アツシ:いやホントね、ヘタなお笑い番組を見るくらいならGELUGUGUのライヴを観たほうが絶対に面白いよ。GENちゃんのMCは抜群に面白いからね。
GEN:あっちゃんも面白いんだけど、別世界まで超越してますからね。テレビ番組で言ったら『笑点』の世界ですから(笑)。笑いの引き出しが多すぎて、カギをどこかに忘れてるだけなんですよ(笑)。
GELUGUGU BEST ALBUM
SUPER BEST
Musicmine IDCA-1027
2,940yen (tax in)
IN STORES NOW
★amazonで購入する
GELUGUGU TRIBUTE ALBUM
GELUGUGU AMIGOS
Musicmine IDCA-1028
2,940yen (tax in)
IN STORES NOW
Live info.
◇ニューロティカ+GELUGUGU
俺達いつでもロックバカ!Vol.95-97 〜Fuckin X'mas〜
12月16日(土)名古屋クアトロ【w; GOLLBETTY】
12月17日(日)大阪BIG CAT【w; ムラマサ☆, GOOD BETTER BEST】
12月23日(土)新宿LOFT【w; ROBOTS, MJ】
◇GELUGUGU
11月3日(金)大阪心斎橋クラブクアトロ
11月5日(日)滋賀大学学園祭
11月9日(木)名古屋クラブクアトロ
11月10日(金)福島郡山#9
11月11日(土)岩手クラブチェンジ
11月17日(金)大分CANTALOOP2
11月18日(土)熊本ジャンゴ
11月19日(日)佐賀RAG-G
11月20日(月)福岡CB
11月24日(金)茨城水戸SONIC
11月26日(日)原宿アストロホール
12月1日(金)広島ナミキジャンクション
12月3日(日)京都MOJO
1月28日(日)新宿LOFT【ワンマン】
2月3日(土)なんばHATCH【ワンマン】
◇ニューロティカ
11月13日(月)長野ライブハウスJ
11月14日(火)高崎club FLEEZ
11月18日(土)新宿LOFT
11月23日(木)北堀江club vijon
11月25日(土)岡崎CAMホール
11月26日(日)名古屋クラブダイアモンドホール
12月2日(土)下北沢CLUB251
12月9日(土)富士アニマルハウス
GELUGUGU OFFICIAL WEB SITE
http://www.gelugugu.com/
ニューロティカ OFFICIAL WEB SITE
http://www8.big.or.jp/〜roteka/