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石井聰亙&バチラス・アーミー・プロジェクト / アジアの逆襲
*『石井聰亙 作品集 DVD-BOX I〜PUNK YEARS 1976-1983〜』の特典として復刻
『狂い咲きサンダーロード』『爆裂都市 〜Burst City〜』といった斬新かつ前衛的なアクション映画を相次いで発表し、ジャパニーズ・ニューウェイヴの急先鋒として絶大な支持を得た映画監督・石井聰亙。彼の初期作品集『石井聰亙 作品集 DVD-BOX I〜PUNK YEARS 1976-1983〜』の超豪華特典のひとつとして封入されているのが本作である。『狂い咲き〜』では泉谷しげる、モッズ、パンタ&ハルの楽曲を、『シャッフル』ではヒカシューを音楽にそれぞれ起用し、『爆裂都市』ではロッカーズとルースターズの混合バンド“バトル・ロッカーズ”を全面的にフィーチュアするなど、石井は独自の映像表現手法としてその時々の先鋭的な音楽を巧みに織り込んでいた。そんな彼が映像の世界に飽き足らず、'82年9月に結成した自らヴォーカルと作詞を務めるバンドがこの石井聰亙&バチラス・アーミー・プロジェクトである。ギターには後にルースターズに参加する下山淳、ベースにヤンジ、ドラムに郷森信宏という顔触れが参加した。
本作のオリジナルは'83年9月21日発表。ルースターズの花田裕之、井上富雄、池畑潤二、安藤広一が全面参加し、部分的にナレーションとヴォーカルで小林克也、ヴォイスで柴山俊之がそれぞれ参加して作品に彩りを与えている。サウンドの基調はパンキッシュかつアヴァンギャルドで、石井の歌詞は呪術のように繰り返しを多用する印象的なものだ。泉谷しげるの強い影響下にあると思しき「Backstreet Gangstars」は白眉で、“映画の暴動”を具現化した奇才が味のあるヴォーカルを聴かせている。闇雲なエナジーに満ちた映画と音楽が絶妙にシンクロした時代のモニュメント的作品として日本のカルト・カルチャー史に留めておくべき快作である。
Rooftop:椎名宗之
INORAN / photograph
BZCS-1040 3,000yen(tax in) / IN STORES NOW
現在、ex.LUNA SEAのRYUICHIとD-LOOPのH.Hayamaとのユニット「Tourbillion」でも活動しているINORANの5年ぶりとなる3rdソロアルバム「photograph」が9/26に発売された。このALBUMは全10曲収録されていて、聴き応えたっぷり! INORANの歌声は透明感があり、私はこのALBUMを聴いているとなんか安心感を抱き、おだやかな気持ちになれるんです。
9/26から始まっているTOUR2006“photograph”は、なんと意外にも、今回が初となる全国ソロツアー! そしてすでにチケットはSOLD OUT! でも10/13にShibuya O-Eastにて追加公演が決定しています!(Rooftop10月号が世に出る時にはSOLD OUTしているかも…)初のソロツアーの機会を逃さず、チケットをget! してLIVEにぜひぜひ足を運んで下さいな。
新宿LOFT:キラ☆
wash? / HOWLING
EFCN-91008 2,500yen (tax in) / IN STORES NOW
詳しいことはP.33のインタビューを精読して頂きたいのだが、とにかくwash?史上最強の大傑作なのである。
前作『真昼の月は所在なく霞んでる』の根幹を成す大樹のような楽曲「パズル」を聴いた時、果たして彼らはこの9分を超える規格外の大作を超えることができるのかと一抹の不安がよぎったが、本作を聴いてそれが全くの杞憂だったことを少しばかり恥じた。結成当初からのドラマーの脱退というアクシデントに見舞われながらも、前任者の力量と熱量を遙かに凌駕した長谷川道夫(ex.The Fantastic Designs)というバンド・サウンドの再構築を促進させたメンバーを迎え、wash?は更なる高い次元へと進化/深化を遂げていたのである。崩れたパズルの残骸を払い除け、彼らは絶望を味わい尽くした者だけが表現し得る限りない生への肯定を本作で強く打ち出している。「LOSER」といういささか自虐的なタイトルの曲が、尋常じゃない説得力を持って響くのはそのためだ。
昔、村上春樹と村上龍の対談集『ウォーク・ドント・ラン』の中で、『コインロッカー・ベイビーズ』発表直後の村上龍が「三作目で飛べ」と自身を言い聞かせるように語っていた。「処女作は体験で書ける、二作目は一作目で習得した技術と想像力で書ける、体験や想像力を使い果たしたところから作家の戦いが始まる」ということらしい。その作家論に従うならば、wash?として三作目となるこの『HOWLING』で彼らは大きく羽ばたいたと断言できる。
Rooftop:椎名宗之
CURSIVE / HAPPY HOLLOW
VSO-0027 2,079yen(tax in) / IN STORES NOW
昔からCURSIVE大好きです。最近リリースされたものはココで必ずレビューさせて頂いてるんですが、今作は前作まで在籍していたチェリストのグレッタ・コーンが脱退。4人になって再スタートと言う事でホーンセクションを導入し、チェロが入っていた頃とはまた違った雰囲気をかもしだしています。しかし、ティム・ケイシャー独特の絞り出すような声とシャウトを使い分ける『節』、そして毎回思うのですがアルバム全体を通しての映画のようなストーリー的な作りは今回も健在。結成10周年と言う事で、円熟したという感じです。先日の来日公演には行けなかったですが、やはり凄くよかったに違い無いでしょう。ああ、とても行きたかったです。
LOFT RECORDS / TIGER HOLE:オオサワシンタロウ
kow loon / the fever
TRACK-002 1,300yen(tax in) / IN STORES NOW
片山省吾からもらったCDを聴きました。なかなかご機嫌な音だったので、資料をみると、ex.界のメンバー(bass/guitar高橋鉄兵/keyboard 中村圭作/drums梅木太一)のNEW BANDでした。納得です。脈打つキック&ベース。流れるようなフェンダーローズの旋律。時にファンキーに、時にメロウに。ロック、ソウル、ハウス、ジャムバンド? AXSXE(NATSUMEN)との共同プロデュースによるジャンル分け不可能の4曲入りデビューミニアルバム。1曲目の小気味よいリズムに女の子のコーラスが気持ちよくていい感じです。全編通して良いと思います。http://www.kxwlxxn.com/
新宿LOFT:東田慎二
Good Dog Happy Men / Moat beautiful in the world
TBCD-1029 1,500yen(tax in) / 10.04 IN STORES
門田匡陽(Vo/G),韮沢雄希(B),内田武瑠(Dr),伊藤大地(Dr/pr)の幼馴染み4人で2004年夏、必然的結成。貪欲で冒険心旺盛なDRUMに軽快で温厚なPercussion、個性的で重厚なBassと陰と陽を司るGuitar。激しく、柔らかく、慎重に奏でられる演奏に魂を吹きかける門田のDivaが全てのものに生命を与え、聴き手を優しく包み込む。このバンドは、生きるために必要な空気みたいな存在だ。
1stミニアルバム『4人のゴブリン大いに踊る』に続く待望のセカンドミニアルバム。今春、ライヴ会場とハイラインレコードにて限定販売し、わずか三ヶ月半で完売!より多くの方々に届く事を願い、新曲のライヴ音源(新宿LOFTにて録音)を追加収録し、全国発売されます!
そして、今作の東名阪ワンマンツアーが、11/23名古屋アポロシアター、11/24大阪ファンダンゴ、11/26新宿ロフトにて決定しました。http://www.gooddoghappymen.com/
新宿LOFT:東田慎二
毛皮のマリーズ / 戦争をしよう
DKRC-0055 2,310yen (tax in) / IN STORES NOW
PTAから苦情が来ます! 非常に危険な匂いがします。これは間違いなく不良の音楽です。
「俺はアンタの恋の犬!!」と絶叫したかと思えば、「この世界の全ての罪を僕に背負わせてくれないか」などと殊勝につぶやいてみる。可愛い笑顔を見せたかと思えば突然金属バットを振り回す。一度聴いたらトラウマ必至!
30年前のアメリカの子供達にとってのイギー・ポップだとかニューヨーク・ドールズって、きっとこんな感じだったんじゃないかと思う。なんとなく見ちゃいけないような、でもなんだかキラキラ、ギラギラしてかっこいい。現代の日本の子供達は、押し入れに隠れて毛皮のマリーズを聴いて、沸き上がる正体不明の衝動を押さえ切れずにチャリンコでその辺ぶっ飛ばしたりするのだ。勢い余って田んぼにダイブ。そして30年後の日本でこの一枚、不良になる為のマストアイテムとして燦然と輝いていることでしょう。ママには内緒で聴きなよね。
LOFT PROJECT:稲垣由香
jealkb / 恋傷
YRCI-70010 1,050yen(tax in) / 10.25 IN STORES
今年5月にリリースしたデビューシングル『metronome』がオリコンインディーズチャート1位を獲得したロンドンブーツの淳が率いるヴィジュアルバンドjealkb。今回リリースされるシングル『恋傷』は恋して傷ついてもその分強くなれるんだからと、恋する勇気に捧げてくれる曲。私のように強くなりすぎた場合はどうしたら良いのかもレクチャーしていただきたいところではありますがね…。でも、この曲、本気度100%が伝わってきます。ギターがギュインギュイン鳴ってます。それと「恋傷はいつか笑える日がくるって? 思い出を残すためにいきてるんじゃない」という詞がリアリティーあります。2曲目の『kills』はイントロが聞こえて、「あ〜」って妙に納得してしまう。なんで納得したのかは聴いてみたら分かります。あの美しいキーボードの音色は、12/7にO-Eastで行われるワンマン『白薔薇ノ雪』で聴くことができるのでしょうか? あと、どうして詞がこんなにキザなのでしょうか?
ビジュアルと呼ばれるバンドはあまり聴かないけれど、jealkbはCD聴いたりライヴ見たりしていて、こういうジャンルを知るきっかけになったというのは事実です。
ジュリエットやまだ
センチライン / 手紙
TBCD-1026 500yen(tax in) / IN STORES NOW
「黄昏シリーズ」と題された、5ヶ月連続でリリースしていたシングルの第5弾『手紙』。5枚通して聴いてみて、やわらかいメロディーや、曲の持つ雰囲気、詞のあたたかさが一番好きなのは『手紙』かな。現代的にはメールといういつでも送受信できる身近なものがあって、手紙なんて全然書かないけど、メールで絵文字いっぱい使うよりも一番気持ちが伝わる手段なんじゃないかと思います。
この曲の歌い出し「拝啓 寝不足の君へ〜」というフレーズ、好きです。送ったらすぐに返事が来るメールと違い、その人のことを考えながら手紙を書く時間、届いて相手がその手紙を読むと想像したときのドキドキした感じ。メールよりすごく繋がっているような気がします。その雰囲気がこの曲に入っていて、自分が手紙を書いているような、照れくさいような、何とも言えない気持ちになります。枝松さんの歌声とサウンドがまた絶妙にバランスがよくて、この曲により深みを増しています。イイです!本当に。
Rooftop:やまだともこ
騒音寺 / 狐か狸か
RAGG-004 2,000yen(tax in) / IN STORE NOW
京都が生んだロックンロールの怪物、その名も騒音寺が3rdアルバム、『狐か狸か』をリリース! 京都のバンドというだけあって、丑三つ時の閑静なお寺街に、オロローンと鳴く野良犬のようなボーカルNABEさんの歌声が、日本人である僕の心に深く染み渡るのです。西洋で生まれたはずのロックンロールに、ここまで日本人としての特有の感性を注ぎ込み、僕達日本人の心を躍動させるサウンドを作り上げることの出来たこのバンドは、ある意味この作品で一つの終着を越えているのだと思います。サウンド的には古くからのロックンロールを基調にしているためか、やはり古くささ、泥臭さ、そして男臭さがありますが、決してただの模倣ではなく、現代日本テイストにうまく昇華させた傑作となっておるのです。10月には東京での遠征ライヴもあるので、粘膜同士で騒音寺とレッツコミュニケーション!
Naked LOFT:荒木卓
QOMOLANGMA TOMATO(チョモランマトマト) / hontowa shigaraminonaka
ABD-004 1,050yen(tax in)
今年のサマソニにも出演した、2003年結成の横浜のチョモランマトマト! 決して器用ではなく不器用さが全面にでた作品(だから私は惹かれました)、ライブでは一瞬にしてすべてを斬ってくれる彼ら! そして動かされた自分の体 彼らの汗、汗、汗!! のひとつひとつが語っています!! ぜひこれを聞いてあなたの限界の糸を斬ってもらいましょう。
三河☆キッスは目にして☆貴美子
鉄と鉛 / GOOD MORNING MUSIC!!!!
rpc-006 1,800yen(tax in) / IN STORES NOW
鉄と鉛の2年ぶりのニューアルバム『GOOD MORNING MUSIC!!!!』。9月号Rooftopインタヴューでメンバー全員が口を揃えて「自信作です」と言われたように、実はリリースされなかった幻の1枚を経て、吹っ切れた感のある鉄と鉛をそのまま切り取った作品となった。 新しい気持ちで夜明けを迎えた、まさにGOOD MORNING!ファンク色が以前より増し、力強いサウンドが更に骨太になったという印象。今にもステージから飛びかかってきそうな野獣のようなライヴの勢いも、しっかりとこの1枚に収められています。私は特に『Curly Ron』(M-3)が好きです。ベースのメロディーがたまらないんです。一言でファンクって言ってしまうと聞き慣れない方もいると思いますが、ギターロックと呼ばれるものを好む私もすんなり聴くことができたので一度聴いてみて下さい。 そうそう、見ての通りジャケもかなりインパクトありますが、中の写真もかなりキテます(笑)。あと余談ですが、ヴォーカル井上さんがすごくオトコマエです。
Rooftop:やまだともこ
天空快 / うちゅう
KRCL-93 2,100yen(tax in) / 10.21 IN STORES
「フォークなんて捨てちまえ 25才だ 働かなきゃねえ どうせ僕の好きな曲は さびしい曲さ 思い出さんでいいよ」(『モーリスリップス』)
鋭すぎるということは、よく切れて痛いということだ。天空快のことばは、ぱっと見は優しい童話のようなのに、語る中身は鋭くて、あまりにも現実的だから、痛い。
1stシングル「ディランのレコード」では「マニアでちんけな宝物 他の人には価値のないもの」と歌っていた天空快。自分の宝物を「思い出さんでいい」ようなちっぽけなものだって半ばあきらめながら、それでも捨てられないのは、だってそれを捨ててしまったら自分には本当になにもなくなってしまうって分かっているから。音楽や、恋愛や、夢や、そんな小さな宝物にすがりついてしまったことのある人なら、きっとみんなこのアルバムで泣いてしまうのではないでしょうか。
10/31にはレコ発ライヴ、12月からツアーも決まっているようなので、ぜひライヴもチェックを!
Naked Loft:こだま
BEAT CRUSADERS / TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT
DFCL-1314 1,223yen(tax in) / IN STORES NOW
現在、ユアソンやトロゴリらと企画盤(SPLITサーガ)をリリース中のビークルが、「一発いこうか」という感じでシングル盤をリリース! それがこの『TONIGHT, TONIGHT, TONIGHT』だ。4月からテレビ東京で放映中のアニメ『BLEACH』のオープニング曲としてオンエア中なので、既に耳に馴染んでいる人も多いだろう。「ジャカジャカジャ」と一聴で彼等だとわかる印象的なギターリフで始まるこの曲は、2分50秒の中に、音楽的な起伏とドラマを過不足なく表現しており、ビークルお得意の3分間ポップチューンに仕上がっている。一方、カップリングの「I WANNA GO TO THE DISKO」はボーコーダー・ボイスが光る80's エレクトロ・ディスコ・チューン。安っぽい打ち込みのリズムトラックがくせになって何度も聞き返してしまう。この2曲を聴くだけでわかるように、もはやポップ職人としては国宝級とも言えるビークルだが、期待されるニューアルバムは、その職人芸をさらに極めるのか? それとも期待を裏切る別次元に逃走するのか? 今から期待が高まる。なお、初回限定盤にはさらに2曲追加されていて断然お得。
加藤梅造
敏感少年隊 / サウンドオブ下北沢
SKOOL-011 840yen(tax in) / IN STORES NOW
2005年11月に渋谷のライヴハウスで行われた下北沢再開発を考えるプロジェクト「SOS」のイベントに峯田が引き語りで出演した時のCDらしい。 峯田氏達が一体何を考えたか解らないが、私が持っているこのCDの資料の中でタクヤ氏が「分析とか批評とか、このCDの前では全然意味がなくて、僕たちは下北沢の街を歩きながらこの曲のフレーズをただ口ずさんでいればオッケーなのだ」の言葉通り、私はそのまま素直にこのタクヤ氏のコメントを超える言葉は出ないと思った。だからコメントをする事は控えたい。ただ私は、これからの峯田氏がどんな楽曲を持って世間を騒がせて行くのかと言う興味があって、このCDを聞いてがっかりする必要は全くないと思った。峯田氏の「銀杏BOYZ」の圧倒的な爆音のライヴを聞き慣れているファンにとっては、このCDがきっと峯田氏の今までとは違った側面を見いだせるに違いない。若い峯田氏はこういう場面を通り過ぎることによってロックという物を確立して行くんだろうと思う。それにしても峯田氏は本当に下北の将来を心配しているのかな? 今度は下北大型道路粉砕デモで会おうぜ。
新人ロック評論家:平野悠
藤崎賢一 / KENICHI FUJISAKI SOLO BEST
赤盤BRCDS-8007・黒盤BRCDS-8008 2,500yen(tax in) / 10.10 IN STORES
JUSTY-NASTY、CRAZE、そして6(six)のヴォーカリスト藤崎賢一。2002年〜2004年、6(six)結成までの2年間のソロ活動期にリリースした曲達のコンプリート・ベストが発売になります!! しかも「赤盤」と「黒盤」と2つに分け、2枚同時発売!! 収録曲は全曲、リミックスまたはリマスタリング。そして、それぞれ未発表新曲を2曲づつ収録!! 7/1に惜しくも6(six)が解散。今後改めてソロ・アーティストとして活動を再開。11/11にはNEWソロ・アルバムの発売も控えています。
安達勇二
リック・リヴェッツ・バンド / シティ・ロッカーズ
CTCD-555 2,300yen(tax in) / IN STORES NOW
リック・リヴェッツと言えば、アーサー・ケイン、ビリー・マーシャルと共にニューヨーク・ドールズの前身バンド「アクトレス」を結成したNYパンク重要人物の一人。ドールズがブレイクする前にリヴェッツはグループを去りBRATSを結成。そして1977年には再びケインとCORPSE GRINDERSを始動し、NYのストリートシーンを代表するギタリストとして知られている。そして2004年。同年に亡くなったアーサー・ケインの追悼コンサートで旧友達と再開したリヴェッツが結成したのが、この「リック・リヴェッツ・バンド」だ。本作は彼らの1stアルバムで、こちらの期待通りの70年R&R、パンクチューンが全編に渡り収録されている。ストーンズばりのルーズなギターリフで始まる“Quaalude Queen”、これぞNY PUNK!な“Bang Bang Bullet”、そして故ジョニー・サンダースの代表曲だった“Pipeline”まで、隠れた名盤といえる内容だ。これぞロックン・ロール!
加藤梅造
RON SEXSMITH / OTHER SONGS
MVCT-24002 2,420yen(tax out) / IN STORES NOW
僕は最初エリオット・スミスと間違えてこのCDを購入しまして、何か声が違うような〜とか思いながら聞いていた覚えがあります。多分、中古で¥1,000しなかった気がします。でも当たりでした! 今では仕事が終わったらオーディオの前でこれを聞きながら、無印良品で¥15,000で購入したビーズクッション(こげ茶色)にうずもれるのが小さな幸せのひとつになっています。あとアイスとかあったらもっと最高ですね。1stに比べると音数も増してハイファイな仕上がりに聞こえますが全体的に落ち着いてなんだか暗い印象もありますが、そこが好みです。とは言っても3thまでしか持っていないためあまり詳しい事は分かりませんが、何か長く聞けるんじゃないかな〜と思えるアーティストです! あとシェリル・クロウが歌ではなくアコーディオンで参加してますね、曲は物語調になっていたりで歌詞カードを見ながら聞くのもこれから秋の夜長に良いのではないのでしょうか。無理せず気長にお給料が入るたび集めて行きたいと思っております。
下北沢SHELTER:高森ゆうき
V.A / air catalog2006〜stereoglider sampler〜
OWCA-1014 1,000yen(tax in) / 10.25 IN STORES ※TOWER RECORDS限定販売
レーベル“stereoglider”によるコンピレーション。収録アーティストは、巷のライヴハウスを中心に、多彩なポップミュージックを展開しているthrowcurve、同月に2nd album『セメントフォーク』をリリースさせる12月8日、以前スキマスイッチのメンバーと共に活動していた経歴をもつ孤高のピアノマンYotsuya Takahiro、甘く切ないキャラメルボイスを持つ女性ポップシンガーkoume、音響系ダンスロックバンドのメトロオンゲン、浮遊系エレクトロニカ・ギターバンドのmushpitら計6組が参加している、偏っていない多彩な作品である事は間違いない。あと、コンピレーションを購入し、封入されたチケットを11/26代々木Zher the Zooで開催されるレコ発イベントに持参すると無料で参加出来るとの事。低価格な上に、レコ発ライヴが無料で参加出来るなんてなんとも美味しい1枚なのです。
SONG-CRUX:樋口寛子
V.A. / The Very Best of PIZZA OF DEATH
PZCA-30 2,300yen(tax in) / IN STORES NOW
時代を背負うレーベル、PIZZA OF DEATHが、今を表現する1枚のコンピレーションCDを作った。その名も『THE VERY BEST OF PIZZA OF DEATH』。PIZZA所属のアーティストと言う枠を超えて集まった15バンド、全バンド録りおろし新曲という力作です。その中でも特筆すべきは、F.I.B。私は全くこのバンドの情報を知らないが、WATER CLOSETとHAWAIIAN6に挟まれた、このバンドの一瞬ストラングアウトの様なリフから始まる雰囲気に懐かしいあの頃の香りを感じつつ、そこからのSTOP&GO!、間奏での複数ギターのエモーショナルな絡みに、今の時代の音を聞きました。このコンピの最大の聞き所はYOUR SONG IS GOODのその名もズバリROCKALYPSOからKEN YOKOYAMAへの曲間3秒。この間に1枚のアルバムとしての最高のクライマックスを感じます。
新宿LOFT店長:大塚智昭
V.A / SHIBUYA HEART ATTACK06'
2枚組コンピレーションCDチケット 3,800yen(tax in) / 10.10 IN STORES
昨年に続き、今年は後夜祭含めて3日間に渡って開催されることが決まっているSHIBUYA HEART ATTACK!。そのイベントチケットに付いてくる2枚組コンピのご紹介。ライヴも見れてCDも聴けて3,800円。お客さん的にはこんな太っ腹なイベントには大感激だけど、大丈夫なんでしょうか?
このコンピに入っている曲は、それぞれ発表されている曲ではありますが、まだ聴いたことがないバンドの曲が聴けるのが嬉しいですね。チケット購入した時CDも付いてくるってことは、ライヴまでに気になるバンドが見つけちゃうかもしれないってことでしょ。そして当日は1枚のチケットで何バンドも見れるってすごいことだと思います。私も今の時点で曲を覚えちゃうぐらい気になるバンドがいます。
出演者の中に1バンドでも好きなバンドがいたらチケット即買いですよ。1粒で2度以上おいしい感覚を味わえます。
Rooftop:やまだともこ
V.A / Do you like pop music a “he,she&I”?
COAR-0047 1,890yen(tax in) / 10.23 IN STORES
Coa records関連アーティストによる、誰もが知っている世界的スーパースター“カーペンターズ”のカヴァー集。収録アーティストが個性を存分に発揮し、カーペンターズに敬意を示した1枚。エバーグリーンミュージック史上最高の至宝=カーペンターズの光と影にCoa records関連アーティストが挑んだサウンドは、愛嬌あるサウンドばかりで思わず“にんまり”としてしまう。最近、何かとネタが出来ると手軽に制作してしまっているかの様なコンピレーションばかりで正直うんざりしてしまう事が多かったのですが、この1枚は思わずレーベルをやっている私としても「やられた〜」って思う位、斬新で面白かったな。そんな私はCoa recordsに敬意を払いたいと思います。これからも素敵な作品を期待しています。
SONG-CRUX:樋口寛子
V.A. / 20 Years of Discord〜Rare and Unreleased〜
DIS125 / IN STORES NOW
ディスコード20周年記念盤もこれで最終回。「Rare and Unreleased」とされた3枚目は文字通りレアトラックやライヴ録音などリリースされていなかった音源ばかり集めたスペシャルCD。なんといってもエンハンスド使用、PCで映像がみれるという涙物(全てライヴ)Teen IdlesやSOA,Faith,Voidなど。だがしかし、なぜかワタクシのCD、Voidだけ見れないのです。知り合いもやはりVoidだけ見れないっていってましたがさてはて??? Minor Threatの「Straight Edge」やfugazi「Burning」など狙いでしょうがバンドの初期の曲(バンド結成してスグ作ったような曲)ばかり入ってます。ジャケからも分かりますがSCREAM「DEMO」などの文字が見えるマスターテープの数々をみるとまだまだお宝は眠ってますね・・・よくとっておいたもんだ。
下北沢SHELTER店長:西村等
V.A. / 20 Years of Discord(BOOKLET)
DIS125 / IN STORES NOW
これはCDレビューとしは反則技なのですが、やはりディスコード20周年のディスクレビューならこれまで書かないと駄目だろうと思いまして・・・というわけでブックレットレビューです。これほど最高なブックレット付きのボックスセットもないでしょう。イアンとジェフ、ディスコード2TOPの過去と現在(ジャケット表と裏)、内容を見れば未来までも見えてきそうな充実したブックレット。ま、英語が喋れない自分は規になったところを辞書と格闘しながら見ているのですが、バンド年代順に並べられ、全て写真付き。レーベルやっている人は溜息が出るような作りとなっています。ディスコード好きな人はもちろんにやにやしながら見ているのは想像できますが、ディスコードのいいところはアートワークの素晴らしさ。デザイン本としてもネタがごろごろしています。もちろんバンドの生い立ちも書かれているのでめくったりめくり返したりでボロボロにあるの必至。一家に3セットです。(見るやつ、飾るやつ、封開けないやつ)
下北沢SHELTER店長:西村等