ギター バックナンバー

nobol ('06年10月号)

nobol

親しみやすいメロディー、ボーイッシュな歌声、4人が出すあたたかいサウンド。 目下上昇中、“nobol”の1st mini album『散歩』リリース!!

nobolとの出会いは、まさに♪軽い目眩誘うほどに…(by中森明菜)でした。初めてライヴを観たときはそのゆるさに愕然としつつ、楽曲の良さに耳を傾けた程度だったんだが…。プロデュースにメレンゲのクボケンジを迎えファーストミニアルバム「散歩」をリリースするのだが、彼女たちの成長っぷりは半端じゃないってことがこの作品を聴けば誰もがわかるはずだ。ただ、そこに鳴ってる力強い音楽に間違いなく打ちのめされるはずですよ。(interview:keystation/daisuke suzuki)

まさに成長期

──6月の下旬にライヴを久々に観たんですけど、かなり力強くなったよね?

ゆめん:あ、そうですか(笑)。ありがとうございます。

──半年ぶりぐらいに観たんだよね。「なんかだいぶ変わったな」って思ったんですよ。これってアルバムを作り始めたことと関係あったりするのかな?

ゆめん:それはありますね。今回、メレンゲのクボさんがプロデューサーとして関ってくれているんですけど、私たちの開けてない引き出しを開けてくれたというか。ちゃんと私たちに似合っているものを提案してくれたから、すごい広がったんですよね。勉強になりましたね。曲の作り方とかも。

──ライヴに関しても影響はありましたか?

ドゥ:あるねえ。それは。

ゆめん:うん。

ドゥ:CDになった音源をちゃんとライヴで再現しようと意識するようになるしね。そういう意識向上の部分とかはやっぱり大きかったんじゃないですかね。

──初めてライヴを観たときって、すごくいい曲を演っているバンドだなって思ったんですけど、ゆるいバンドだよなあと思って(笑)。

えな:それはね(笑)もちろんですよ。ゆるいバンドですから。

さやん:ねえ(笑)。

──だからね(笑)こないだ観たとき、かなり印象変わったわけですよ。1曲目の「雨だけ」って前から演ってたでしょ?

ゆめん:アレンジは違いますけど、前から演ってましたね。

──でしょ? で、こないだのライヴで観たとき曲の印象がまるで違って聴こえたわけですよ。「なんだよ、こんないい曲書いてるバンドだったんだ!」って驚いて。

ゆめん:ああ、それはね。ありますよね。だって一ヶ月前の自分とも違うなあって自分たちでも思うぐらいですから。

さやん:うん。まさに成長期だもんね。

ゆめん:やっと物心ついたみたいな(笑)。物心つかないまま、演ってたようなものですからね。私たちは(笑)。

えな:それはあるよね(笑)。楽しいなあ、っていうぐらいだったし。

ゆめん:仲良し! みたいなね。

──今回のアルバム用に作った曲ってあるの?

ゆめん:それはないですよ。今年の春ぐらいまで同じネタばっかり回してて、作んなきゃねっていって作った曲が入ってるぐらいです。

ドゥ:アレンジが大きく変わったぐらいですかね。

──なるほど。ちなみに曲作り担当はゆめんさんなんですが…。

ドゥ:ですね。

──どういう生活をしていると、こういう曲が作れるんですかね?

えな:はははは(笑)。

さやん:すごい質問ですね(笑)それ。節約第一、とか。

ゆめん:節約ですね。節約が趣味なので。

えな:そんなところから曲が生まれてるんだ(笑)。

ゆめん:いや、そんなことはないよ。

──すごく洋楽っぽいなあ、と思ったの。

ゆめん:ええ! そうなんだ。

──うん。だって、あんまりベタベタしたところがないじゃない。

ゆめん:へえ。

ドゥ:でも洋楽ってあんまり聴いてないよね?

ゆめん:うん。あんまり聴いてないですね。

──すごく洗練された感じがするんですよ。

えな:外人なんだよ、きっと。

さやん:外人なんだ? そっか。

ゆめん:そっか、って(笑)。

──今まで、どういうのを聴いてたの?

ゆめん:これというのはないんですけど…邦楽の、それこそロッキンオンジャパンに載ってるような人たちをメインに聴いてました。

──くるりとか?

ゆめん:そうですね。くるり、スーパーカー全盛だった時期によく聴いてました。

──じゃあ、かなり影響を受けてると。

ゆめん:いや、そこまでは…どうなんでしょうね。ただ、色んなアーティストのスタンスから影響は受けたとは思いますけど。それこそ、あんまり身を削らないスタンスっていうんですかね? そういう部分には影響を受けたと思います。

──自分の中で、境界線みたいなものは引いてる感じはあるよね?こっからここまではOKだけど、こっから先はNGみたいな。不自然にがっと盛り上がるのは嫌だ、とかね。

ゆめん:ああ、ありますね。

さやん:それはメンバー全体に共通してることかもしれないですけどね。

ゆめん:力の入ってないバンドが演りたかったんです。

さやん:要するに(笑)。

ゆめん:最初からオリジナル曲を作ろう、とかそういう力みもなかったんですよね。経験の一つとして、オリジナルを演ってみようってところからここまで来てたりもするので。あ、作れてるからいいや、って思うところはたぶんあったんじゃないですかね。

──あんまりそういうところは語りたくないんです、と(笑)。

ゆめん:いやいや、そんなことはないです。

えな:ぼんやりしてるだけなんですよ。

ゆめん:考えたことがないんです。


曲作りは宿題!?

── 一番最初に曲を書いたのはいつぐらいなんですか?

ゆめん:14歳のときです。8年前ぐらいですかね。

──ずーっとそのスタンスは変わってないんだ?

ゆめん:そうですね。作るときの方向とかも変わらなくて。バンドを演ってて、ちょっと今までと違う曲を作りたいな、とかバンドメンバーからの要望があれば、作ってみたりとか。だから宿題みたいなところもあったりするんですね。「じゃ、次はこういうの作ってね」って言われて作ってみたりとかね。中には自由課題みたいなのもあるし。

ドゥ:そこぐらいじゃないの? 変わってきたのって。個人から団体になったことで、人の意見を意識するようになったところとかね。

ゆめん:今回もそういうので出来た曲はありますよ。「勢いのある曲を作って」って言われて作って演ってみたら、別に速くもなんともなかったっていう曲も今回のアルバムには収録されてます(笑)。

えな:ゆめんの志だけは買ってください(笑)。

ゆめん:課題を出されたから、それに沿った曲を作れるかといったらそうじゃないんですよ。試みてみるだけ。

──リクエストも速いとか遅いとかそういう感じなんだ(笑)。

えな:そういう感じです。

さやん:あんまり細かくはないです。あとはけっこう野放しで。

ゆめん:野放しですね(笑)。

えな:でも、それがいいんじゃないかな。

ドゥ:持ってくる曲がね、メロディが素晴らしいから。持ってきた曲で「あんまりこれ良くないね」ってことになった曲ってないよね。

ゆめん:一回もない。

──結成してからは?

ゆめん:結成してからは長いですよ。初めて組んだバンドなので17?

ドゥ:18歳のときでしょ?

えな:ゆめんとさやんが出会って、その後ドゥちゃんが入って…4年ぐらいかな。最後に私が入って。今の形になってから2年半ぐらいかな。

ドゥ:数々のメンバーチェンジを繰り返し、今に至ると。

──軸になるのはゆめんさんの曲なわけですよね?

ドゥ:そうですね。まさに。

えな:それがなければバンドは演らないと思うんですよ。

ドゥ:たぶん集まりもしなかったんじゃないですかね。

えな:うん。

──嫌になったりしないんですか? また遅い曲書いてきやがったみたいな(笑)。

えな:また遅い曲書いてきた…けど、いいじゃん! これ! みたいな。

ドゥ:そうだよね(笑)。

──そこでダメ出しはないんだ?

えな:ない。推しちゃう(笑)。


気持ちは男気バンド

──メンバーが考える、ゆめんさんの曲の魅力って何ですか?

えな:何だろうなあ。

ドゥ:メロディじゃない?

えな:うん。メロディはもちろんすごくいいし、言いたいことをさりげなく押し付けなしで書いてくるところとかが可愛らしいなって思うし、ゆめんらしいとも思うし。それが魅力かなあって。

──キャロル・キングっぽいなあとか思ったんだよね。

ゆめん:キャロル・キングを知ったのが去年の夏ぐらいなんですよ。

──あ、そうなんだ。

ゆめん:そう。だからあんまり知らないんです。

──今まで似ている、とか言われたことはないの?

えな:キャロル・キングはないね。クラムボンとかあるんじゃない?

ゆめん:あと低い音域がUAっぽいね、とかは言われたことはありますけど。

えな:それは言われたね(笑)。

──1曲目の「雨だけ」とか聴いてると、キャロル・キングっぽいなあって思ったんだけど。

ゆめん:へえええ。

──いや、確かに一番最初ライヴを観たときはクラムボンっぽいなって思ったんだけど。あとはくるりとかにも影響を受けてるのかなあとも思ったけど、こないだのライヴで印象はかなり変わったんですよ。

ゆめん:音楽的知識はホントにないんですよ。だから隠しようもなく。

えな:知能犯にはなれませんよ、ゆめんは(笑)。

ゆめん:小さいときに、お母さんがサザンが大好きで、家でよく流れたりとかはしてましたけどね。

ドゥ:あとはユーミンもでしょ。

──小さい頃に流れてたっていうと、割と初期のサザン?

ゆめん:「C調言葉に御用心」とか「そんなヒロシに騙されて」とか。

──意外な感じですね。だって洋楽っぽい歌い方してるから。キャロル・キングだなあって思ったのは歌い方なんですよ。この娘、だいぶ洋楽聴いてるんじゃないかなって思ったの。

ゆめん:へえええ。そういうの、どんどん教えて下さい! 自分で自分がまだよくわかってなかったりするんで(笑)ライヴでも「自分の声、聞こえてるのかなあ?」とかそういうことしか思ってなかったりしてますから。

えな:ぼんやりしてますからねえ(笑)。

──だって今回のアルバム聴いて、一番耳が反応したのは力強さだからね。その辺はクボくんの存在が大きかったりするのかな?

えな:全体的にアルバムの印象は勢いのある感じを出したくて製作してたんですよ。でも、歌い方とかはクボさんはあんまり言わなかったよね?

さやん:どっちかと言えば、うちらが言ってた(笑)。

ドゥ:アレンジはだいぶ変わりましたけどね。曲の構成とか…それに対して歌い方も変わっていきましたし。

えな:でも結構今回は任せていただいたことが多くって。細かいニュアンスとかちょっとしたフレーズとかではアドバイスを受けましたね。

ゆめん:あとは曲に対して、「こういう言葉を入れてみたら」とか「こういう展開にしてみたら」っていう希望を言ってくれて。じゃあ、作ってみますってやってみたらそっちの方が良かったりして。レコーディングを円滑に進めてくれた人でした。

──このアルバムって、俺はホント良い作品だと思うんです。ちゃんと力強く、ココロに響く音楽っていうか。だからね、多くの人に聴いてもらいたいと(笑)そう思いますよ。

ゆめん:嬉しいねえ(笑)。

──まったく、なよなよしてないところが良いですよ。

ゆめん:ぼんやりはしてますけど(笑)。

えな:気持ちは男気バンドとして(笑)頑張りたいなと思います。ギャルバン的な、可愛らしい音楽とかあんまり思われたくないところもあるので(笑)。

さやん:それはあるね。

──大丈夫。それはまったくない。

ゆめん:ホントね、多くの人に聴いて欲しいですね。出来るだけ。



散歩

散歩

RTSC-014 1890円(tax in)
1.雨だけ 2.浜の目 3.日の席 4.そろそろ 5.ナジム 6.ハチ(全6曲)
10月25日発売

★amazonで購入する
★iTunes Storeで購入する(PC ONLY) icon

Live info.

10/6(金) 大阪『MINAMI WHEEL2006』
会場 KINGCOBRA 18:30〜出演

1st mini album『散歩』CD発売記念ライブ〜Girlies voice ver〜
10/30(月) 下北沢440
OPEN 18:30 START19;00
adv.2300円(D別) door.2600円(D別)
ゲスト 岩崎愛 / Quinka,with a yawn / ムジカラグー
(問)下北沢440 03-5481-4165

1st mini album『散歩』CD発売記念ライブ〜Boys voice ver〜
11/28(火) 下北沢SHELTER
OPEN 18:30 START19;00
adv.2300円(D別) door.2600円(D別)
ゲスト パウンチホイール / オーノキヨフミ / etc..
(問)下北沢SHELTER 03-3466-7430

nobol OFFICIAL WEB SITE

http://www.nobol.org/
posted by Rooftop at 17:00 | TrackBack(0) | バックナンバー

この記事へのトラックバック