4人で生きた証を刻み続けた12年の軌跡、そして眩しき未来を掴む『新しい朝』 kyohsukeが赤裸々に語った解散の真実──
さる8月1日、新宿ロフトで行なわれた『ドキュメンタリーDVD 裏ラヴィアンローズ発売記念「2006 夏の裏巡業ツアー」FINAL!!』で、12年間にわたる活動に終止符を打つことを発表したラヴィアンローズ。バンド名の意味である“バラ色の人生”を体現するかの如く、一貫して明日への夢を歌に紡いできた彼らが下した夢の終わり。その過程におけるバンドを取り巻く現状への焦り、葛藤に苛まれた茨の日々、そして苦悶の選択に至るまで──。ラヴィアンローズこそが自分の夢だったというリーダーのkyohsukeに解散の真実について余すところなく訊いた。(interview:椎名宗之)
ラヴィアンローズは俺のすべてだった
──単刀直入にお訊きします。今回、解散という選択肢を採るに至った経緯を教えて下さい。
kyohsuke:常に前を向いて、夢を見ながらバンドを続けてきたんですけど、前々から“このままでいいのか?”っていう疑問みたいなものを俺自身は感じてきたんです。そういう現状に甘んじない気持ちは常に抱えていなきゃいけないと思ってるんですけど。“4人で一緒にラヴィアンローズというバンドをやり続けることだけが自分達の夢ではないのかな?”と俺は考えるに至ったんですね。でも、自分1人でそんなことを考えていても埒が明かないんで、4人で話し合うことにして。それが今年の春のことでした。その話し合いが結構深いところまで行きまして、この中に1人でも“そこまで求められたら俺はできねぇや”って奴がいたら、もう終わりにしよう、と。メンバー・チェンジは最初から選択肢としてなかったんで。全員がやるっていうんだったら、“この4人全員で死にましょう”ってことになったんです。
──kyohsukeさんはもちろん、バンドを続ける気でいた。
kyohsuke:ええ。俺はもう、やる気満々だったんで。ただ、その場では決断するのを避けて、「後で俺に電話なりメールなりで連絡をくれよ」とみんなに伝えたんです。弦楽器隊2人はすぐに連絡があって「やりたい」と。で、YUTAが1人、「自信がないので、解散を選びます」と。それで…バンドは解散することになったんです。まさか俺も解散することになるとは思わなかったですけどね…。YUTAが言うには、「短期間でそこまでバンドのレヴェル・アップや個人のスキル・アップを図るのは無理だと思う」と。だから自分は解散を選んだ、と。そんな話だったんですよ。
──引き留めはしなかったんですか?
kyohsuke:しなかったですね。YUTAにとってもラヴィアンローズがすべてだったと思うし、あいつが“解散”っていうワードを出したこと自体、苦渋の決断だっただろうことは俺にも判るし。ホントは解散したくないのはみんな一緒だし…。それでも、あいつの中では解散せざるを得ないと考えたんだろうし。
──当初、メンバー間の話し合いでkyohsukeさんは他のメンバーにどんなことを伝えようとしたんですか?
kyohsuke:最初に言ったのは、1人1人の音だったり、ヴォーカリストなら歌だったり、俺なら曲を書いてるから曲だったりにもっと責任を持とうぜ、と。自分以外の他の3人の人生が背中に掛かってるんだぞ、と。この先バンドをやるならそれくらいの気持ちでやろうぜ、と言いたかった。決して今までがダラダラやってきたわけではないんですけど、結成から13年目を迎える時に“あれ、なんかちょっと空気がちげぇか?”って思って。
──ひとまず活動休止して様子を見るという案は…?
kyohsuke:なかったですね。メンバーの中には、バンドの形だけ残して年に何回かライヴをやるのもいいじゃないかという意見もあったんです。どんな形であれ名前は残したい、っていう。でも、それはちょっと俺が納得行かなくて。やるならやる、やんねぇならやんねぇ。それじゃねぇと気持ち悪いし、もし誰かが他のバンドをやる時に足枷になりかねないと思ったので。全員がそれぞれどこかに就職するとかならまた話は別なんですけど、みんな音楽からは離れられないだろうし。
──……苦渋の決断でしたね。
kyohsuke:うーん……やっぱり、ラヴィアンローズが俺のすべてでしたからね。
──YUTAさんが解散を結論付けるに至った直接的な出来事は何かあったんですか?
kyohsuke:今回のレコーディングで自分なりに判ったことなんですけど…。ラスト・アルバム『新しい朝』の1曲目に入ってる「瞼」という曲はYUTAが作詞をしてるんです。俺が曲をみんなの前に持っていく時は、詞も曲も頭の中でちゃんと成立してるんですけど、「瞼」は自分で書いた詞が余り良くないと思ってたんです。ちょっと違うなと思って、YUTAに書いてもらうことにしたんですよ。「『瞼』っていうタイトルだけは残してくれよ」ってかなり勝手なこと言って。で、YUTAから上がってきたその詞が凄く良かったんです。レコーディングでもプリプロでも、自分で詞を書いただけあって明らかに歌が違うんですよね。唄わされてる感はまずないし、感情の込め方とか俺も凄くいいなと思って。今まではずっと俺が書いた詞を唄ってもらってたんで、その時に“ああ…もっと詞を書いてもらうべきだったな…”と思いましたね。それもステップ・アップに至らなかったひとつの原因だったのかな、と今になって思うんです。詞は書くのが好きだったので自分でバンバン書いてたんですけど、曲だけ書いてくるパートナー、詞は書けないパートナーだったら結果は違ってたのかな、とこのアルバムを作ってみて思うこともありますね。
生まれて初めて“夢が無くなる曲”を書いた
──世のバンドマンの宿命とも言えますが、音楽を続けていく上で生活のバランスを保たなければならないことが解散の遠因としてありましたか?
kyohsuke:生活とのバランスが苦になったっていうのはなかったですね。ただ、今のようなバンドの形態だと自分のすべての時間をバンドに注ぎ込むことは難しいし、そこに対するメンバー間のモチベーションの違いがあったのは事実です。
──20代の後半に突入して、三十路目前という年齢的な壁がバンド活動を阻むケースも多々ありますよね。
kyohsuke:そうですね。俺達ももういい歳ですからね。焦りみたいなものはあったのかもしれないです。
──ラヴィアンローズは一貫して希望の歌を紡いで聴き手に夢を与え続けてきたバンドだと思うんです。解散という言わば“夢の終わり”をファンに告げることは、バンドがこれまで唄ってきたことを否定することになりませんか?
kyohsuke:決断を下すまで葛藤はあったし、今もあります。ずっと夢を唄い続けてきたし、前作『バラ色の人生』に入ってる「夢を見て〜春麗仰ぎ見る哀歌〜」にも“生きてる限りこの4人でROCKして”っていう歌詞があるんですけど、今となっては「何だよそれ、嘘かよ!」って言われてもしゃあねぇなぁって覚悟はしてます。でも、この解散がきっかけで「あの頃があったから今の自分が在るんだ」って何年後か何十年後かに思えるように、解散が決まった以上今はただ頑張るしかないですね。次の新しい道を見つけなきゃいけねぇな、と今は思ってますね。
──解散声明では、「自分の夢がラヴィアンローズであった事を再確認し、初めて『夢が無くなる曲』を書きました」と発言されていましたが…。
kyohsuke:やっぱり、詞はリアルなことを書いていかなきゃつまんねぇな、と思って。解散が決まって気持ちが塞いでいる間にも、アルバムのレコーディングとかやることが続々決まり出してきたんです。今ある曲でアルバムを作って終わろうかとも思ったんですが、それじゃ何かおかしくねぇか? と。音楽で己を表現する人間が、それじゃまるで何も表現しきれてないな、と考え直して。そこで観念して、生まれて初めて“夢が無くなる曲”を書くことにしたんです。それまで夢を唄っていた奴が、夢が無くなった時にどんな歌を唄うのか。それをリアルにやるしかねぇな、と。この『新しい朝』は敢えて順番に曲を並べたんですけど、「生きて居るだけで傷付ける」から「LIVE! LIVE! LIVE!」は解散が決まってから作った曲なんです。「生きて居るだけで傷付ける」の前までは解散が決まる前の曲で、敢えてそこは分けました。
──“「好きならば 続ければ良いじゃねぇかよ」とそんな安易な言葉で殴らないでおくれよ”と唄われる「生きて居るだけで傷付ける」は、とりわけハードな内容ですね。解散声明で触れていた“夢が無くなる曲”はこの曲のことですね。
kyohsuke:そうです。YUTAも、この詞を唄うことにかなりの葛藤があったみたいですけどね。春に解散が決まったから、夏に大きめなところで解散ライヴをやって終わり…みたいな選択肢も一切なかったんです。過去を振り返った時に、12年という歳月はやっぱり凄く重いことで。全国ツアーも廻んなきゃいけねぇし、CDも出さなきゃいけねぇし、やっぱりやるべきことは最後にちゃんとやんなきゃな、と思ったんですよ。
──6枚目にしてラスト・アルバムとなった『新しい朝』は楽曲のクオリティも過去随一だと思うし、だからこそ余計に解散が悔やまれる内容ですね。
kyohsuke:バンドの関係者各位との打ち合わせの中で、「ああ、これじゃ解散するよな…」って思われないようなアルバムを作ろうというのがまずコンセプトとして大々的にあったんで。「これで解散するのはもったいねぇじゃん!」って思われてナンボだと思ってましたから。尋常じゃない、かなりの気合いを入れて作ったアルバムなんですよ。
──意外なのは、アルバム・タイトルの“新しい朝”という象徴的な言葉が歌詞にある「瞼」は解散が決まる前の曲なんですね。
kyohsuke:そうですね。タイトルは俺が付けたんですけど、やっぱりYUTAが書いた詞から引っ張ってくるのが筋かな、と。今後のことも含めて、“新しい朝”っていうワードが一番自分に響いたので。
──kyohsukeさんがヴォーカルを取る「砕く細胞」は、恋人へのラヴ・ソングの形を取りながらもバンドに対する別離の曲のような印象も受けますね。
kyohsuke:ええ。まぁ、恋人のようなものだったんで…。ラヴィアンローズっていうバンドを愛してやまなかったし。
音楽で喰っていくこととバンドを続けていくことの違い
加藤龍一(DANGER CRUE/ラヴィアンローズ・プロデューサー):これはRooftopだからお話しするんですが……このバンドにとってロフトって大切なものだと思ったから。バンドの現状を見にて「どうなんだ、これ?」と他のメンバーに提案したのは確かにkyohsukeなんですけど、実はそれよりも先に僕が同じような話をkyohsukeにしているんですよ。「このままバンドを続けて1年に1回はアルバムも出せる環境はある。でも、それ以上のことは今のバンドのポテンシャルだとシンドイよ。って言うか無理!」ってはっきり言ったよね?
kyohsuke:うん。事務所の2階でね。
──そもそも、加藤さんがkyohsukeさんにそんな話をしたきっかけは何だったんですか? つまりはそれが解散に至る本当の意味での引き金ですよね。
加藤:去年の7月にシェルターのDVDシューティングが終わって、次の展開をどうしようか? って話をした時に、「戦略的な話をする前に、まずバンドとして足元を見定めないとさ…」って凄いぶっちゃけトークをして…それからだよね。
kyohsuke:現実的にバンドを見ると、加藤さんの言うことも一理あって。でも、まだまだ自分達はパワーを出し切れてない感じがあったんです。そういう思いをメンバーにぶつけたのは今年の春なんですけど。…これ、もっと早くメンバーに言ってたらもっと早くに解散してたかもしれないですね。
加藤:そうだ、思い出した。「シングルを出したい、シングル・ヒットを狙いたい」ってkyohsukeに言われたんです。いやいや、何言ってんの? と。まだまだそういうところまでバンドのシングル作成に伴う想いや事柄が成熟してないよ、って。あとあれだ、事務所のイヴェントで出た2度目の武道館が、ライヴは凄く良かったのに動員が伸びなかった。その直後にやったロフトはある程度入ったんだけど。そんな状態でシングルを出すっていうのは、ちょっと待てよ、と。またその前後のライヴが今ひとつ良くなかったんですよ。で、バンドとして徐々にスキルを上げていきたいのか、単純に売れたいのかどっちなの? って話になって。
──当時のkyohsukeさんとしては“売れたい”と?
kyohsuke:うーん。単純にもっと多くの人達に認めてもらいたかった、っていうのはありました。自己満足で解決するなら別に趣味でも構わないし、そうじゃねぇだろって想いがずっとあったんで…。
加藤:趣味とは言わないけど、「“継続は力なり”でいいじゃないか?」って話をして、そこでkyohsukeが悩んで帰っていったのを凄くよく覚えてますね。RCサクセションだって売れるまで時間が掛かったんだよ、っていう喩えまで出したんですけど。
kyohsuke:その時は、自分としてはシングルとして出しても凄く自信のある曲があったんですよ。まぁ、今回の『新しい朝』には入れずに、結局封印しちゃいましたけど。だから何度も何度も新曲を書いて、加藤さんに聴かせたんです。
加藤:でも、僕にはその自信作がとても普遍的なシングルの水準には聴こえなかった。もっと強く言えば、僕にはそれがラヴィアンローズの音楽の本質に思えなかった。その旨を僕がkyohsukeに伝えたところからお互いが乖離していきましたね。音楽で喰っていくこととバンドを続けていくことの違い。すべての始まりはそこだったと思います。
kyohsuke:そこから俺は半年以上悩んだんですよ。加藤さんと話したことはメンバーに半年間ずっと言わずに。でも、バンドは俺だけのものじゃないし、話さなきゃしゃあねぇな、と思って。今思えば、独りで考え込んでたあの半年間が一番辛かったですね…。
──レーベルを変えて、心機一転を図ろうとは考えなかったですか?
kyohsuke:それも選択肢のひとつとして加藤さんに言われて、一度は考えました。でも、そこまで突っ込んでアドバイスをしてくれる人が今までいなかったんです。加藤さんみたいに忌憚なく意見を言ってくれる人の存在はバンドにとって凄く大事だと思ったんですよ。
加藤:僕自身はバンドを続けて欲しかったんです。今の時代、何が売れるかなんて判らないじゃないですか。だったらヘンにヒットを狙うことなく粘り強く活動を続けて、スキル・アップをしよう、と。そんなミーティングをしたら破綻が起きたんですよ。メンバーはそれ以上のものを求めてきて、それに対して僕が率直な意見を言い続けて、YUTAは結果的にその意見に悩み抜いてしまったのかなとも思います。
8月1日、新宿ロフトでの解散発表
──解散が決まってから書き下ろした4曲(「生きて居るだけで傷付ける」「砕く細胞」「クリスマスの様に」「LIVE! LIVE! LIVE!」)は、自然と湧き上がるかのように生まれたものですか?
kyohsuke:まぁ、その……単純に悲しかったんで。解散をテーマにした曲を何曲か書こうと決まって、この気持ちの時に書かないと意味ねぇなと思って、その4曲に関しては一週間くらいで一気に書きましたね。
──今までにない創作のアプローチですよね。
kyohsuke:そうですね。こんな気持ちの中で曲を書くにのは有難い経験ではあったけど、もう二度と味わいたくないですね(苦笑)。初めての気持ちの入れ方だったんで…。
──実際のレコーディングの場はどんな感じだったんですか?
kyohsuke:それはいつもと変わらず、和気藹々と。7月の終わりから8月いっぱいまでやってたんですけど、その頃にはある程度吹っ切れてたんで。あとはもうやるしかねぇだろう、と。自分の現実だったり今の思いを明確に表現しなきゃな、っていう気持ちだけでレコーディングに臨みました。期間も短かったし、ダッシュで突っ走った感じですね。
──凄まじく聴き応えのある10曲の後に「はしご酒」で落とすっていうのが如何にもラヴィアンローズらしいな、と思ったんですが(笑)。これはバンド一流の照れ隠しみたいなところもありますよね。
kyohsuke:そうですね。元から入れる予定じゃなかったんですけど、「はしご酒」っていうタイトルで曲を作りたいとは前から思ってて。俺達は酒が大好きだし、テーマはピッタリだったから。10曲通して聴くと、息抜きできる瞬間がないかな、と思ったんです。ちょっと重すぎる気がしたんですよね。最後の最後に、聴いてくれた人達をホッとさせたかったんです、「俺達は元気だよ」って。そういう意味合いのボーナストラックなんですよ。
──ラヴィアンローズとして最後のアルバムを録り終えてみて、率直な思いはどんなところですか?
kyohsuke:解散が決まったからこそ作れたアルバムなのかな、と。もし解散が決まってなくて“まだまだ頑張るぞ”的なアルバムだとしたら、こういう感じにはならなかったでしょうね。曲に対して全員で臨む精神は変わりませんけど、曲の書き方からして違いますからね。ラヴィアンローズとしてやりたかったことはまだまだあるんですけど…ぶつけたことはぶつけたかなと思ってます。
──強いて挙げれば、どんなことが心残りですか?
kyohsuke:もうちょっと楽しい曲を1、2曲入れたかった気もしますね。でもまぁ、そういう曲に逃げてお茶を濁すのも違うなと思ったし、だったら今までにない、いい意味で期待を裏切るアルバムにしたいとレコーディングに入る前から考えてたんです。欲を言えば、もう少し時間が欲しかったとは思いますけど。なんせ、27日で24曲を録りましたからね(笑)。
──同時発売となるベスト盤の再録もありましたからね。ベスト盤の選曲基準はどんなところですか?
kyohsuke:ライヴでやってる曲が中心になってます。それと、エクスタシー時代の音源は入手困難だから、ライヴで盛り上がってるのになんで音源が聴けないの? っていう人達に向けてこの際再録しよう、と。あとはやっぱり、今まで支えてくれたファンのみんなに対する感謝の気持ちですよね。俺としては、正直なところ「夢を見て」をベスト盤に入れたくなかったんですよ。その当時は偽りなく唄ってましたけど、解散が決まった今、その曲を改めて発表するのはどうなんだろう、と…。
──『新しい朝』のベクトルと真逆ですからね。
kyohsuke:そうなんです。でも、ベスト盤という括りの中では絶対に外せない曲だし、色々と葛藤はあったけど入れることにしたんですよ。で、8月1日にロフトで解散を発表したんですけど、その時に「夢を見て」を解散声明を出す前にやったんです。「よりによってその日に『夢を見て』をやらなくてもよくねぇか?」ってメンバーにも言われたんですけど、俺はどうしてもやりたかったんですよ。解散を発表する直前に、どうしても1回だけ「夢を見て」で夢を見せてあげたかったんです。それくらい思い入れの強い曲だったんで。ライヴの最後にYUTAがファンの前で解散を口にした時は、もうファンの顔を見てられなかったですね。下ばかり向いちゃって…ダメなんですけどね、ホントはね。まぁでも…YUTAがしっかりと伝えてくれたんで。
加藤:あの時は、YUTAしか前を向いていなかったね。
kyohsuke:演奏にも今ひとつ集中できないところがありましたね(苦笑)。ライヴではいつも「この場所で死んでも構わねぇ! 明日なんかねぇ!」っていう気合いで臨んでるんですけど、あの日は解散発表があったから、心ここに在らずって感じで…。後で同録のビデオを見たら、露骨に顔に出てましたね。楽しい曲をやってるのに思いきり悲しい顔をしてましたから。
最後の最後まで“バラ色の人生”を掲げてやっていく
──バンド解散後、各自音楽活動は続けていきますか?
kyohsuke:それぞれがやりたいことをやっていくでしょうね。俺はバンドをやることしかできないので、音楽活動は続けていきます。でも、今はまだ先のことは具体的に考えられないですね。
──現時点で“4人で歩いた過去”を振り返った時に、ラヴィアンローズというバンドをどう捉えますか?
kyohsuke:辛いこともあったけど、それすらも笑い飛ばせる4人だったから楽しかったですね。性に格も合うし、4人で酒を呑んでもリハに入っても面白いし。そこまで波長が合う奴はなかなかいないし、だからこそこの4人で12年にもわたってバンドを続けてこれたんだと思います。1人でも欠けてたらラヴィアンローズは成立しなかったでしょうね。そう考えると余計…“ああ…”って思いますけど(苦笑)。あれだけのメンバーにはこの先巡り会えないだろうし。
──年内まで残り19本のライヴは正真正銘最後のツアーだし、1本たりとも観逃せないですね。
kyohsuke:俺達はライヴを常に大切にしてきたし、純粋に大好きだったし、ライヴがすべてでした。だからこそ『新しい朝』の最後も、「はしご酒」の前に「LIVE! LIVE! LIVE!」という曲で締めたんです。今までずっと夢を唄ってきたラヴィアンローズというバンドが、どうケリを着けるのか…その辺をしっかりと考えて、見せるべきところはちゃんと見せなきゃいけないし、それが解散を決めた俺達に託された最後の使命だと思ってます。
──有終の美はやはり、地元の水戸ライトハウス。
kyohsuke:最後は絶対にライトハウスで終わりたいと全員が決めてましたから。俺達はライトハウスで生まれたバンドですからね。経営者も店長も12年前とは変わっちゃいましたけど。
──新宿ロフトにはcaligariのイヴェント『東京地下室』で初出演('97年7月2日)して以来、12月14日が通算51回目にして最後の出演となりますね。
kyohsuke:ロフト初出演は今でもはっきり覚えてますよ。自分達の企画じゃないのにトリをやらされたんですから(笑)。東京に出てきてすぐで、まだ17、18歳の頃。最初のロフト・ワンマンは、お店に無理を言ってチケット代を1,000円でやらせてもらいました。ガッチガチに緊張しましたけど、もの凄く達成感がありましたね。そこから9年で50回ロフトに出させてもらってるから、もう完全にロフト・バンドですよ。最後のロフトは、今までお世話になった人を全員呼ぶお祭りで終わりたいと思ってます。来年になったらもうラヴィアンローズは存在しないので、リスナーのみなさんには最後のツアーにできる限り参戦して欲しいですね。俺達も楽しいものにしたいし、俺達の最後を見届けてもらえたら嬉しいです。
──『新しい朝』に収められた、解散をテーマにした曲を何度もプレイするのはかなり堪えると思いますが…。
kyohsuke:そうですね。多分、唄い手が一番辛いでしょうね。解散が決まってからの曲はやりたくない奴もいるかもしれないけど、やらざるを得ないわけで。その辺を各々が消化していかないと、これから先のライヴも成立しないですからね。毎回毎回ライヴで涙を流すようなライヴをやってもしょうがないし、最後の最後までラヴィアンローズは“バラ色の人生”をテーマに掲げてやっていこうとみんなで決めましたから。ライヴは楽しいものだとメッセージとして提示してきたバンドだと思ってるので、それを最後の瞬間まで全うしたいですね。
LAST ALBUM "新しい朝"
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収録内容:『夏の裏巡業ツアー2006』全行程&LAST RECORDINGドキュメント映像!(ライヴ映像ほぼなし! ちょっとだけあり!)
ライヴ会場&通販限定発売! 限定生産につき、無くなり次第販売終了! 追加なし!
Live info.
ラヴィアンローズ Last Japan Tour 2006 〜THE ROSY LIFE〜
◆10月1日(日)池袋CLUB ADDICT『ラストアルバム&ベストアルバム先行発売ワンマン』
◆10月18日(木)水戸LIGHT HOUSE『でた!裏ヴィアンローズ2発売記念ワンマン』
◇10月23日(月)金沢Van Van V4【共演:y.k.ユナイテッド / ジュリィー】
◇10月24日(火)新潟CLUB JUNK BOX【共演:y.k.ユナイテッド】
◇10月25日(水)仙台HOOK【共演:y.k.ユナイテッド】
◇10月27日(金)札幌BASSIE HALL【共演:y.k.ユナイテッド】
◇11月1日(水)高田馬場AREA【共演:y.k.ユナイテッド】
◇11月4日(土)福岡DRUM Be-1【共演:y.k.ユナイテッド】
◇11月6日(月)広島NAMIKI-JUNCTION【共演:y.k.ユナイテッド】
◇11月8日(水)松山SALON KITTY【共演:y.k.ユナイテッド】
◇11月10日(金)京都MUSE【共演:y.k.ユナイテッド / INO HEAD PARK / Buzz Sonic】
◇11月18日(土)つくばPARK DINER【共演:y.k.ユナイテッド】
◇11月25日(土)宇都宮HEVEN'S ROCK VJ-2【共演:y.k.ユナイテッド / 宇都宮ROCK STARS】
◇11月27日(月)高崎CLUB FLEEZ【共演:y.k.ユナイテッド】
◆12月14日(木)新宿LOFT『ラスト新宿LOFT!お世話になったみなさんありがとうイベント!』
◆12月19日(火)名古屋HUCK FINN『名古屋ラストワンマンライヴ』
◆12月20日(水)大阪LIVE SQUARE 2nd.LINE『大阪ラストワンマンライヴ』
◆12月27日(水)渋谷CLUB QUATTRO『東京ラストワンマンライヴ』
◇12月31日(日)水戸LIGHT HOUSE“最後は地元で踊れや騒げ♪”