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avengers in sci-fi / avenger strikes back
HKP-007 2,300yen (tax in) / 8.09 IN STORES
神奈川県内の高校の同級生だったコハタタロウ(g, vo)とイナミヨシヒコ(b, vo)の2人にハセガワマサノリ(ds, vo)が加わり、2002年頃からavengers in sci-fi〈アヴェンジャーズ・イン・サイファイ〉として活動開始。avenger=仇討ち人とはまた何とも物騒なバンド名なのだが(R.E.M.のアルバム『New Adventures In Hi-Fi』を文字って命名されたとのこと)、疾風の如く打ち鳴らされるそのサウンドはダイナミズムに溢れた人力直情ロックを基調としながらも、足下に並ぶ無数のエフェクターを駆使して無機質な電子音をそこに溶け込ませて独特の昂揚感と浮遊感を醸し出す一風変わったものである。sci-fi(空想科学小説)という言葉が体を表すように宇宙を想起させる壮大な曲展開が大きな特徴で、理屈抜きに身体が動いてしまうダンサブルな4つ打ちナンバーのキレの良さ、3ピースとはとても思えぬ音数の多さはとにかく驚異的だ。
下北沢ERAのレーベル“blue green”よりリリースされた1stミニ・アルバムから2年半、遂に届けられた初のフル・アルバムとなる本作は“ロックの宇宙船”と評された前作以上に進化するロックの可能性に満ちている。閉塞した日本のロック・シーンに対して22世紀の未来から強烈な逆襲が今始まる!
Rooftop:椎名宗之
HELDON / WELL AND ALIVE IN FRANCE
CTCD-551/552 3,200yen (tax in) / IN STORES NOW
毎度驚きのリリースでコアな音楽ファンの度肝を抜くキャプテン・トリップ・レコードが、なんと「エルドン」の秘蔵ライブ音源を特製紙ジャケ仕様でリリース! エルドンといえば、フランスが誇る奇才リシャール・ピナスが中心となって結成されたバンドで、主に1974年から79年まで活動。まるで、74年に解散したキング・クリムゾンの意志を受け継ぐかのように、クリムゾンの音楽性を独自に発展させたエルドンの世界は、アヴァンギャルドとポップが絶妙に同居したもので、後のインダストリアル・ミュージック、ミニマル、トランス、エレクトロニカ等に与えた影響は計り知れない。昨年、長らく廃盤だったオリジナルアルバムがリイシューされた所、予想外のバカ売れだったらしく、それが今回のライブ盤の発売に至ったのだろう(ちなみに12月にはピナスの来日公演が決まったという嬉しいニュースも!) クリムゾンもそうだが、やはりエルドンのようなバンドはライブが超重要で、今回の秘蔵音源によってエルドンの混沌とアナーキーに満ちたライヴ演奏を疑似体験できるのは本当に至福の時間だと言える。
加藤梅造
girl it's U / girl it's U
KYTHMAK105DA 2,940yen(tax in / IN STORES NOW
ラブ・タンバリンズが解散してから10年以上経っていた。10年前と言えばT.Kミュージック全盛期。そこそこカワイクて、そこそこ歌がうまければ誰でもCDデビューできるような、そんな時代だった。そんな時代にでも紛れも無く本物は存在した。それがラブ・タンバリンズ。Vo.エリと斉藤圭市。10年の空白期間を埋める自由な音楽表現空間、それが「girl it's U」。すでに発売中のこのアルバム、またこの2人が一緒にやるなんて思いもよらずにまったくのノーマーク。知ったのは本当につい先日…しかも今年の元旦にすでに4曲入りのE.Pを出してたらしい。久々に聴くエリの声にまず感動。ラブ・タンバリンズは一貫してソウルやファンクなどのブラックミュージックだったが、今回のgirl it's Uではもっと広がりが出ている斉藤圭市(今回から名前の表記がdb)のソングライティングに当たり前だがしっかりマッチしている。先ほど「自由な音楽表現」と書いたが、それに相応しいのは曲調だけでなく、1分チョイしかない曲から6分以上ある曲があったり、エリとしては初の日本語詩の曲、しかもそれが京都の民謡だったりと、正に多種多様な内容、これぞ正にフリースタイルだ。機会があればラブ・タンバリンズも聴いてみてほしい。あの時代に存在すること自体が奇跡的な名盤「Alive」と、E.P集の「Love Parade」。10年以上前に出た作品とは思えない、新鮮なソウルミュージックが聴けるから。
新宿LOFT:水野 慎也
鬼頭径五 / song note vol.3/朱にピンクに銀のハンチング
1,500yen(tax in) / 各ライブ会場とhttp://santa-no-site.meganebu.comにて通販のみ販売
ジョン・リー・フッカーもどきに「ハウハウハウ」と始まる本作は、2003年からスタートした「ソングノート」シリーズの3作目にあたる。バンドサウンドから離れ、アコギ一本旅ガラスのライブ活動から生まれ出た鬼頭径五サウンドをCDに定着させていくというライフワーク的な作品集で、2003年『野良犬』、2005年『Stroker』そして本作『朱にピンクに銀のハンチング』と続くが、間の2004年に久々のバンドサウンドとして、Same Old Heavyzとの合作的ミニアルバム『ケイゴ・ウィズ・ヘヴィーズ』がある。
『朱にピンクに銀のハンチング』というのは、タイトル通り朱色のジャケットの下にピンクのシャツを着て、頭に銀ラメのハンチングを被り、列車に乗ってステージを回る鬼頭自身の旅姿のこと。他人から見ていかにも"芸人"ぽいそのルックスが鬼頭の覚悟そのままアルバムコンセプトになったワケだ。「オレは虫けら」という自己紹介に始まり、星空のもと「如何にも芸人」ルックで旅をしてライブをこなし、相次いで急逝したソウルブラザーの分まで「No Rock'n Roll, No Life」な宿命を背負って、「今こんな感じ」で同次元を生きる仲間たちと「風雲」に乗って「君に会いに行く」という、人恋しがり屋の鬼頭の気持ちが心地良く胸に染み込んでくるドラマティックなコンセプトアルバムである。
河野 崇
クラッシャーカズヨシ / 俺こそ正義だ!クラッシャーカズヨシ!
LOCD-777 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW
2005年秋から2006年夏にかけて立て続けにロフトプラスワンで上映され、大爆笑、大喝采の中、早くも伝説と化した究極のHERO映画「クラッシャーカズヨシ」。主題歌「俺こそ正義だ!クラッシャーカズヨシ!」を監督のレイパー佐藤が作詞とVoを担当。エンディングテーマ「手紙」を主演の酒井一圭が作詞とVoを担当。作曲は特撮、COALTAR OF THE DEEPERSで活躍中のNARASAKIが担当。レイパー佐藤と酒井一圭の綴るリリックとNARASAKIの織り成す楽曲の異色コラボは注目の的。
LOFT PLUSONE:酒井一圭
最初にこのジャケットを見たときには正直何かと思った。ヒーローだと言われているわりにはお腹も出てるし、パンツ(スパッツ?)の丈もなんか短いし、まず強そうではない。でも、顔が本気さを物語っている。映画『クラッシャーカズヨシ』の主題歌となっている『俺こそ正義だ!クラッシャーカズヨシ!』。とにかく短い。でも、この短い中で聞かせるのはクラッシャーカズヨシがヒーローとしての自覚、力強さ。この作品を聞くと、どこか情けなくも感じるクラッシャーカズヨシが本物の正義の味方に見えてくる。
Rooftop:やまだともこ
Kodama and the Dub Station Band / MORE
GNCL-1072 3,360yen(tax in) / IN STORES NOW
日本のレゲエオリジネーター、こだま和文のニューアルバムが完成した。最近のこだま和文氏のライブ形態、KODAMA AND THE DUB STATION BANDでの初スタジオ盤。バンド形態でのこだま氏の音源は10年前のKODAMA&GOTA以来との事。MUTE BEAT好きの私としては、個人的に本当に待ちに待った作品でした。内容は、そのMUTE BEAT時代の曲やBOB MARLEYのカヴァー、そしてこだま氏初のヴォーカル曲などが入った渾身の13曲に、去年のフジロックやUNITでの公演のベストライブテイクやレコーディングドキュメント等が入ったDVD付きです。今回のこだま氏のトランペットは今までのストイックで魂的な所での深さ・重さで表現してきた物から、それだけでは無い、音を楽しみ心地よさを加え、それを前提にしたさり気ない強力なメッセージを感じました。全体的にも、ベースを上げキックをへヴィーになどでは無く、こんなにタフに仕上げなくても、録るべき音を録ったと言う全体の余裕を感じました。まるく、とても大きくまるい優しい音が詰まっています。
新宿LOFT店長:大塚智昭
高森ゆうき / 陽当良好
HTR-001 500yen / IN STORES NOW
こんにちわ、高森オタクのゴー・ミー・ダウニングです。先月はライブレポの方でカレーが大好き高森ゆうきと紹介させて頂いたんですが、なんと、高森が日本で一番好きな地元のカレー屋がなくなってしまったらしいです。そんな悲しみを乗り越えて製作されたのがこのシングル。はっきり言って3曲とも良いです。既に色んな所で、良い曲を書く肌のすべすべした男の子として浸透してきているみたいですが、実は曲だけでなく彼の弾くギターもかなり良いんです。初めて彼と出会った当時は決して上手とは言えないギターでしたが、今の彼のギターは本っ当に素晴しいです。継続は力なりって言いますが、彼を見てると本当にそう思います。このシングルには入って無いんですが、ライヴでは披露されている、ギターソロがとてもいい曲があるんです。次の音源には是非その曲を入れて下さい。これはお願いではなく命令です。
下北沢SHELTER:ゴミ・アルドリッチ
長谷志恩 / 登校拒否児
PMF-121 2,300yen(tax in) / IN STORES NOW
「ホストNaked Loft、時給¥1000」というネイキッドの看板イベント(?)に新人ホスト君役で登場した長谷志恩の1st Full Album! なんと! KENZI&THE TRIPSのドラマー、MOH-CHANや、頭脳警察の石塚俊明さん等、なかなか豪華なメンツが参加しているのです。ジャケットを見る限り、スベスベの背中に、端正な顔立ち、・・・これはまさかアレな感じかな?と内心思ってましたがとんでもない!ドキッとするような歌詞の表現や、尾崎豊を彷彿させる十代の激情、そしてその歌詞世界を曲がりなくストレートに歌い上げているのです。8月21日Naked Loftにて、このアルバムを引っさげ「Naked Loft POWER PUSH音楽喫茶」に登場するので、要チェック!!!
Naked LOFT:荒木卓
Natural Punch Drunker / trooper
TECI-1133 2,500yen(tax in) / 8.02 IN STORES
Natural Punch Drunkerのニューアルバム『trooper』。ギラギラ照りつける夏の太陽の下で、爽やかに歌うイメージのNatural Punch Drunkerですが、実は夏にリリースというのはメジャーになってから初なんだそう。
1曲目は500円シングルとしてすでにリリースされている『夏のレイル』のリミックスバージョン。夏のワクワク感が伝わってきます。夏と海が大好きな私は一瞬にして射抜かれました。夏ってこの季節になるだけでハッピーなのに、さらに海のBGMとしてもこの曲が流れてきたら最高。
今作『trooper』では、『涙dub』で揺れながら踊れるレゲエにチャレンジしたり、ピコピコしたダンスナンバーがあったり、ギターロックだけでは括りきれない彼らに出会えます。また、どんな曲でも心地よい井村氏のハニーボイスも必聴。しかもリリースも8月2日のハニーの日。
夏をより感じたければ、次に海へ行くときは1枚持っていきましょう。
Rooftop:やまだともこ
NUMB / 空
RECD016 2,680yen(tax in) / 8.18 IN STORES
唯一無二のサウンド、パワフルでオリジナル、そして圧倒的なグル−ヴを持った日本きってのビートメイカー「NUMB」。4年ぶりとなる待望のセカンド・アルバムをリリースします。ブレイクビーツ、4つ打ち、ノイズ、アンビエント、音響..全てが混在し、メルティック・ポットのように溶け合った混沌の中から生まれた光と闇、静と動。どこまでも五感を刺激する純日本産のビート。この夏はこのアルバムを聴いて最高の音楽体験をしてください!NUMBは8/26(土)新宿LOFTで開催される、NYはブルックリンを拠点にHipHop、Dubをベースに置いたダークでイルネス感溢れるサウンドを10年以上に渡り発信し続けてきたレーベルWORDSOUND、のレーベルの主宰者Spectre、とSensational のJapan Tour 2006に、盟友SAIDRUMと共に出演します。是非、驚愕のラップトップ・パフォーマンスを生で体感して下さい。
新宿LOFT:東田慎二
HUCKLeBERRY FINN / Bootleg EP#02
800yen(tax in) / *HUCKLeBERRY FINNライブ会場、下北沢mona recordsにて限定販売中
ハックル兄さんから名曲3曲入りのシングルがこの夏リリースされました。前作“Bootleg EP#01”も聴き倒しましたが、本作も前作同様に本当に素晴らしい楽曲が収録されています。ここ最近彼等のライブでお馴染みの“SUNNY”や“ピリオド”、そしてしっとりと唄われる”regret”。ハックル兄さんの楽曲を聴くと、言葉一つ一つ、人柄を表すかの様な温かくて優しいメロディが胸にグサっと響き渡る。ハックルの音楽に出会ってからずっと変わらない、この感じ。同時に強烈に聴いていた頃を鮮明に思い出させる、この感じ。私にとって大事な思い出1つ1つが溢れ出てくる、この感じ。個人的にとてもとても大切な音楽である事は言うまででもない。これからもずっとずっと大切にしていきたいこの感覚。
SONG-CRUX:樋口寛子
BEAUTY MANIACS / fixed star
SCLB-003 3,150yen(tax in) / IN STORES NOW
BEAUTY MANIACSの1st album『fixed star』が7月12日に発売された。全12曲収録されていて、聴き応えタップリだ! 私のBEAUTY MANIACSの楽曲の印象は、スピード感のあるROCKな曲調に、真っ直ぐなVo.章人氏の歌声だ。そしてなお、バラードな曲はじっくりと歌い上げ、聴かせてくれる。今回リリースされた『fixed star』は、1曲目の『at first sight , out of sight ,out of mind』から攻撃的なROCKなサウンド&詩で始まり、最後の12曲目『体温』では、全てを包み込んでくれるようなサウンド&詩で終わるアルバムだと思った。「体温」という言葉にとても「温もり」を感じる。特に7曲目の『ヤスラギポジション』の曲に、温もりを感じた。この詩の世界は、多分、誰しもが望んでいる「ヤスラギポジション」だと思う。「ヤスラギ」=「温もり」とも思う。この曲のサウンドはとても温かい音色で、更に温もりを感じさせてくれる。このALBUMをぜひじっくりと聴き込んで、ROCKなサウンドと温もりを感じて欲しい。7月8日からスタートしている【IT'S MY WORLD NOW】TOURが、9月29日にここ新宿LOFTでTOUR FINAL ONE-MANを迎えます!8月28日には“UNDER THE INFLUENCE”イベントにも出演します。ぜひ、生のLIVEを味わって欲しいので、今から日程をキープしてLOFTに足を運んで下さいませ。
新宿LOFT:キラ☆
FoZZtone / VERTIGO
TM-0005 1,365yen (tax in) / IN STORES NOW
下北界隈でメキメキと実力を上げているFoZZtone。昨年は大阪のMINAMI WHEELに出演し、ホームの下北沢GARAGEで行われた初ワンマンが満員御礼で打ち止め! カウントダウンは大阪のイベントに参加し、今年の始めにはM-ON! の新人登竜門イベントに出演。全国の耳の早いリスナーには、既に彼らの評判が届いていることであろう。
ライブで評判の高い5曲が選りすぐられた今作「VERTIGO」は“めまい”・“旋回”などを意味する。ぶっちゃけ5曲ともキラーチューン! ポップで聴きやすいメロディの中に、どこかクセのある歌詞。いつしか自然と馴染み、思わずループ。いいバンドが出てきた! きっとそう感じさせる事を勝手に保証致します!!
7月からライブツアーも始まり、全国を巻き込んでゆく。まずは8/21 新宿LOFTをチェック! ツアーファイナルは9/3 下北沢QUEですよ! この渦に乗り遅れるな!!
LOFT PROJECT:アカセユキ
BRAZILIANSIZE/wash? / THEY'RE NERD #2
ZNCA-9003 2,000yen (tax in) / 8.23 IN STORES
taeとのスプリット・アルバム『THEY'RE NERD #1』に続くBRAZILIANSIZEの“変わり者(NERD)同志”コラボレーション企画第2弾、お相手は一卵性双生児的盟友・wash?である。昨年から今年にかけて2度の合同ツアーを行ない、公私にわたって良好な関係を保ち堅い絆で結ばれた両者が心腹の友だからこそ本気汁120%で臨んだタイマン・スプリット。その内容が悪いわけがない。両者ともに今秋発表されるニュー・アルバムの確かな感触が窺える新曲3曲ずつに互いのカヴァー1曲ずつを加えた全8曲、単なる企画盤の域に留まらない高いクオリティと濃度の高いALCOHOLISMを誇ったトータル30分強の充実作だ。
収録曲はいずれもシングル・カット可能な水準に充分達しており、とりわけBRAZILIANSIZEの「WISH」とwash?の「LOSER」は双方にとって今後代表曲となり得るポテンシャルの高い楽曲。また、BRAZILIANSIZEが「CYDER」を、wash?は「ウィーラブブラジリアンサイズベリーマッチ」というタイトルで「揺るがざる日々」をメインに「PRETENCE」と「here」を部分的にそれぞれカヴァーするなど、お互いの持ち曲を大胆なアレンジで披露しているのも大きな聴き所のひとつである。なお、本作も前作同様TOWER RECORDSとHMVでの500枚限定販売、売れ切れ必至なので予約はお早めに。
Rooftop:椎名宗之
FLIPPER'S GUITAR / THREE CHEERS FOR OUR SIDE 〜海へ行くつもりじゃなかった〜
MTCD-1069 felicity cap-61 2,500yen(tax in) / 8.25 IN STORES
なんとフリッパーズ再発。しかもオリジナルデザインの紙ジャケ(1st+2nd。今回は1stです)巷じゃビナペも復活したりなにやらマンチェ・ギタポ・ネオアコあたりが忙しい様子。フリッパーズはやっぱり永遠ですね。何度聞いても聞き飽きない1stはまだメンバーも5人編成で(シェルター周りじゃ有名なあのドラマーですから)曲名+サブタイトルの日本語など曲はもちろんセンスが大爆発ですよ。今真似しても全然大丈夫な未来永劫的なスマートセンス。1曲目から「Hello/ハロー、いとこの来る日曜日」ですからね。どっからでてきてるんでしょうか、いとこは。自分のセンスじゃ絶対出てこないPOP感は自分30も超えたというのに「ウキウキ」という言葉が出てきそうです。ちなみにシェルターの常連さんは「フリッパーズカラオケ」なるフリッパーズのみ歌うカラオケ大会(オザケンソロもOKらしい。コーネリアスは初期のみっぽい)を時折開いてます。興味がある方はどうぞ。半端な気持ちで行くと後悔すると思いますけど…。
下北沢SHELTER店長:西村等
hare-brained unity / Sputnik
UPCI-5036 1,050yen(tax in) / 8.09 IN STORES
hare-brained unityニューシングル『Sputnik』。念のため、Sputnikとはロシア語で「旅の道連れ」という意味だそう。表題曲となっている『Sputnik』の詞にある「まだ見ぬ明日へ 僕らは歩いて行くんだ」というフレーズが好きです。何が待ち受けているかはわからないけれど、自分の思い描く未来を信じて突き進んでいくという前向きな詞に最近強く共感します。 この詞にヘアブレの持ち味でもあるYOTSU-UCHIビートが組み込まれ"80sというよりは近未来的なディスコサウンドで煌びやかに発光し、この詞で伝えらているメッセージ、自分の突き進む道を確信へと変えてくれるようでもあります。ところで、前作に増してギターのメロディーラインが強調されているような気がしたのですが、これは気のせいでしょうか? たっぷり踊れるダンスナンバーに仕上がっています。この夏フェスで聴く楽しみがまたひとつ増えました。
Rooftop:やまだともこ
松崎ナオ / Flower Source
MYCD-30394 3,000yen (tax in) / 8.18 IN STORES
「友達に手紙を書こうとして気持ちが上手く伝えられずに歌を書いた」のをきっかけに作曲活動を開始、シングル『花びら』でデビューを果たしてから早8年、TVドラマ『リング〜最終章〜』の“呪いのビデオ”で一躍名を馳せた松崎ナオも今年三十路を迎えた。いつも口が半開きでいるようなあどけない表情と愛くるしいキャラクターで一部熱狂的な男性ファンから未だに根強い支持を集める彼女だが、その真髄は可憐なルックスとは対照的な独特の詩世界にある。痛みをもって痛みを癒すとでも言うべき、まるで神経の一本一本をサンドペーパーで擦り付けたかのようなヒリヒリした歌詞は「生きていくことの厄介さに真っ向から対峙すること」を命題に置いている。聴く者によっては彼女の赤裸々な歌が希望の曙光に感じられるほどメッセージ性の高いものであり、いわゆるニートと呼ばれるモラトリアム世代に彼女のファンが多いのも頷ける。約5年振り通算4枚目となるフル・アルバム『Flower Source』ではその詩世界が一層深みを増し、タイトルが示す通り明日への萌芽のような種子となり得る珠玉の12曲を収録。この会心作を聴いて希望という名の大輪の花を咲かせるのも、はたまた枯らすのも、後は聴き手であるあなたの感受性次第である。
Rooftop:椎名宗之
ムジカラグー / ポプジカ
CLA-60024 2000yen(tax in) / IN STORES NOW
待ちに待った待望の新作は、非常にバラエティに富んだ作品となって1st album『デイドリーム』となって発表された。元々、私はBassの加藤とGの萩原とは某バンドのメンバー在籍時に出会い、その頃からの知り合いである。脱退後「今僕ら、新たにバンドを組んでいるんですよ〜」って音源を聴かせてくれた時は、正直こんな風に変貌を遂げるなんて予測もつかなかった。でも、彼等の腕前は確かなものだったので絶対良くなるんだろうなぁって思ったりしたっけかな。あれから4年経った今、それはそれは見事にサウンドを確立させ、オリジナルを演っているのだ。どこかの誰かの真似ごと、あこがれの誰かの音像を追いかける事に夢中になっている、よくあるバンドとは一線を画しているのだ。色んな要素をふんだんに盛り込んだ、ムジカラグー流POP SONGは、ステップしてみたくなるような、気持ちを軽くしてくれる感じがたまらないんだな。
SONG-CRUX:樋口寛子
U-DOU & PLATY / Vibes UP
MYCD35017 / IN STORES NOW
夏になって聴きたくなるのがU-DOU&PLATYの『Vibes UP』。2年前から沖縄ではモンゴル800以上に売れてビーチや街に行くとしょっちゅうこの人達の唄が流れている。沖縄ではコザ(沖縄市)を中心にロックは強いのだがダンスホールレゲエも今は伝説となったクラブ『バナナジャマイカ』を拠点に活動をしていた“キングリュウキュウ”が中心に活躍していた。彼等もその頃キングリュウキュウとして活動していた。彼等の曲は、沖縄の民謡を中心とした曲をダンスホールレゲエスタイルでレゲエにあるレベル(怒り)をウチナーグチ(沖縄の方言)で沖縄の環境、社会を中心に歌っている。「クユイヌハナシ」、「さとうきび畑のうた」では基地問題、沖縄戦への怒りを歌い「WANT YOU BACK」では遠く離れた沖縄との遠距離恋愛が強く伝わるし彼等の唄には共感させれます。ライブの方も沖縄ではもちろん最近では“ジャパン・レゲエ・フェスタ”や“琉球フェスティバル”といった東京でも人気のある祭りに出演し今や沖縄の祭りイベントには外せない存在になってきています。ウチナーグチ(沖縄言葉)は難しいけど洋楽と思って勉強して聴いて彼等の言葉を理解するときっと共感できるアルバムです。
Naked LOFT:上江洲修
レイ・ハラカミ feat.原田郁子 / 暗闇の色 Colors of the Dark
IDCS-1021 2,100yen(tax in) / IN STORES NOW
京都在住のRei Harakamiは、多様なインテリジェント・テクノを輩出してきた90年代の日本テクノ・シーンにおいて、最も奇妙でおぼろげな電子音を「Rei Harakami Ep」(98年)によって浮上させた。1stアルバム『UNREST』(98年)で、ゆったりと流れる雲のようなサウンドを、『Opa*q』(99年)では、さらに深みの増したスペイシーな異空間を描写。さらに、その魅力はミックスマスター・モリス/ケン・イシイ/ジャザノヴァといったエレクトロニック・ミュージックのトップ・アーティストたちを虜にした。「Rolandの音源とAKAIのサンプラーのみ」というストイックな機材環境で創られたとは思えないほどの奥行きと、浮遊力のあるリラックスしたサウンドは、Harakamiの内に秘めたソウルをリスナーへとダイレクトに伝達。『red curb』(01年)では、デトロイト・テクノ直系の優美なロマンティシズムを創出した。これらは、侘び/さびの精神と情感を携えた宇宙屈指のフューチャー・エレクトロニカである。そのレイ・ハラカミが、お台場の「日本科学未来館」のシンボルとしてギネスにも登録されている、500万の星を投影するという“本物の宇宙“に世界一近いプラネタリウム、MEGASTAR-II cosmosの最新コンテンツ「暗やみの色」のために、書き下ろした珠玉の電子音楽がついにリリース!透明ディスクで、完全初回限定プレスでのリリース!谷川俊太郎氏が書き下ろした詩をクラムボンの原田郁子がナレーターとして朗読するなど流麗なトラックに彩りを添えています。
新宿LOFT:東田慎二
locofrank / The First Chapter
KICS 1253 2,300yen (tax in) / IN STORES NOW
文句無しの名作だろう! 約2年振りとなるロコのフルアルバムが届いた。セカンドとなる今回のアルバムタイトルは『The First Chapter』。「???」と思われるだろうが、彼らの夢であった会社を立ち上げ、DIY精神に則りセルフマネージメント・セルフプロデュースで活動を始めた、記念すべき1発目のアルバムなのだ!!
自由を守る為に腹をくくった気概を感じさせる今作は、力強くもスカッとしたメロディが乱射。なのにさらりと「そんなに曝け出すの?」と驚いてしまうような歌詞が乗り、もう白旗をあげるしか無い。ちょっとちょっと! かっこ良すぎるよ!! 思わず体がウズウズしてしまう。ライブに行って発散しなければ!!
フジロック・エゾロックと大型フェスに出演が決定(野外でロコ! よっしゃ! )。9月からは約4ヶ月間の全国ツアーがスタート。日本全土に最高のメロディを轟かせてくれる事だろう。さあ、突き進め!!
LOFT PROJECT:アカセユキ
WaT / Hava Rava
初回限定盤UMCK-9148 1,200yen(tax in) 通常盤UMCK-5151 1,000yen(tax in) / 8.02 IN STORES
デビューシングル『僕のキモチ』が昨年11月で、2ndシングル『5センチ』が1月、アルバム『卒業TIME〜僕らのはじまり〜』が3月とコンスタントにリリースしていたWaTなだけに、今回のシングルまでかなり待ったような気がします。テレビではよく見かけるような気がしてましたが、やっぱりこの2人の天使の様な笑顔で歌う歌が聴きたい! と思い続けてました。なので、ようやくなんです。WaTの3rdシングル『Hava Rava』。えと、実は『Hava Rava』の意味はよくわかりません。曲中で「合い言葉はHava Rava」と歌われてましたが、最近の若者の間で流行っている合い言葉なのでしょうか。まあ、それは別の機会に考えるとして、表題曲『Hava Rava』は男同士の友情を歌ったWaTならではといった感じ。男同士の友情ってなんかいいなぁって思います。また、今までシングルでリリースされていた曲とはガラリと変わりテンポも良く、CDで聴くのもいいけどライブで聴きたいなぁと思う曲。もちろんライブで2人の楽しそうな顔を見ながらもっと幸せ〜な気分を味わえる感じで☆でもCDからもかわいさが充分すぎるぐらい伝わってきてるんですけどね。そんな幸せ度100%の『Hava Rava』。きっとアナタにも天使が訪れることでしょう。
ジュリエットやまだ
V.A. / TWENTY YEARS OF DISCORD
DIS-125 / IN STORES NOW
FUGAZIのLIVE盤は来そうな気配も無いのでシェルター15周年ですし、ディスコード20周年記念BOX SET(合計3枚組+ブックレット)のレヴューを1枚ずつに分けてレヴューします。まずは初期ディスコードバンドの集まったDISC ONE。一発目から当たり前ですがThe Teen Idols(THEが付くのを初めて知ったように思います)29曲入りでラストはfugaziの前身バンドのHappy Go Lickyまで(1980〜1987までのバンド)ちなみにFUGAZIは1986年にHappy Go Lickyがベースを探しているというところからFIGAZIへ移行していったらしいです。このCDを聞いて分かったことはIan MacKayeがやっていたバンドが全てかっこいいわけではないということ。embraceやEgg Huntは好みにもよりますが個人的にピンとこないです。このCDでよかったのはVoid。どんな音源でも上手くないが、どの音源もかっこいいです。Screamの「Fight/American Justice」のレゲエアプローチなど。次回はDISC TWOです。
下北沢SHELTER店長:西村等
V.A. / 第3世代compilation album vol.2
KTM-002 1,890yen(tax in) / 8.09 IN STORES
昨年11月に発売された『第3世代compilation album vol.1〜Do the BANDS!!!〜』に続きVol.2が8/9にkatatema records(このレーベル名何度聞いてもすごい)よりリリース! 収録されている12曲がほぼ全曲未発表曲。ということは、各バンドのファンならマストアイテム。ファンじゃなくてもなんか聴いてみたいバンドいると思ったら手にするべき。気にはなっていたけどライブを見る機会がなかったバンドが聴けたり、これがV.A.の良いところなんですね〜。イメージだけで作り上げていたバンドが実はこんな素敵なバンドだったりとか、私も最近なんだか気になって仕方なかったsoulkidsが聴けたりして得した気分になりました。どんなバンドかは…聞いたらいいんですよ。そしたら他にもこの曲好き〜!っていう曲に出逢えちゃうんです、きっと。『第3世代compilation』みたいにバンドをやってる方々選んだバンドがいっぱい集まったコンピなだけに間違いはないです。というのも全曲、う〜ん…って思うことなかった。むしろこの1曲だけじゃなくてもっと聞きたいって思ったほど。1バンドごと紹介したい気持ちは山々ですが、スペースがないのでこの辺にします。とにかく聴けばそれぞれの良さがわかるってことです。夏なんだし新しい自分に挑戦してみてください。
Rooftop:やまだともこ