ASIAN KUNG-FU GENERATION主催!NANO MUGEN FES.レポート!
ASIAN KUNG-FU GENERATION昨年に続き、2年連続で横浜アリーナにてNANO MUGEN FES.開催!しかも今年は2days!NANO MUGEN FES.の第1回目が新宿ロフトで行われたのが2003年8月の話。そこから横浜CLUB24、大阪なんばHatch、2004年7月には日本武道館、そして昨年からは横浜アリーナで行われている。今回は海外と日本から両日合わせて12バンドが集結した。都合で17日しか行けなかったのを悔やむぐらいにいいフェスだった。(text:藤巻有花+やまだともこ)
アジカンが好きって言われるより、音楽を好きって言われる方が嬉しい
7月17日(月)天気・曇のち雨。たぶんこの天候の時点で野外フェスだったらかなり残念な気持ちになっていたハズ。しかし、ここが屋内フェスのいいところ。雨で合羽を着て動きづらい思いをすることもなく、傘を持ってジャマだなと思うこともない。快適快適。
というわけで、そんな天気でありながらも開場の時間にはすでにアリーナ外には長い長い行列ができていた。ようやく開場〜開演。1バンド目は髭(HiGE)。パーカッションの佐藤“コテイスイ”康一氏はもっさりとした髭を付けている。はっきり言ってどうコメントしたら良いのかわからない…。このバンドは一体…。実は髭(HiGE)のライブをちゃんと見るのは初。実際、会場後方からも「どんなバンドか見ておこうかな」という雰囲気が漂っていたのは事実。しかし、1曲目『白い薔薇が白い薔薇であるように』の爆音が鳴り響いた瞬間、自分の想像の中にいた髭(HiGE)とは確実に違う音を掻き鳴らしていた。サングラスをかけたVo&Gの須藤氏のハスキーな歌声・言葉、バンド全体から放出されるサウンドは時に色っぽく、時にサイケデリックで、“ロック”という一言で収めきれない。ゾクゾクとするこの感覚はなんだろう。イベントのトップバッターという大役を見事に果たし、
イギリスから1日目(16日)にも出演したSILVER SUNへと続く。この日はシャツやジーパンなど全身を銀色で揃え、まず目で楽しむことを教えてくれた。ここで一度会場からフードエリアに移動しようと外に出ると、そこは満員になったスタンディングエリアに入れ替えで入るための長い行列ができていた。次は…NANO MUGEN FES.最多出場のストレイテナー! 3ピースとは思えない程のボリュームのあるサウンド。のらずにはいられない。会場がステージに夢中だった。この日のライブではラストの『MAGIC WORDS』でドラム・ナカヤマ氏、あまりの盛り上がりっぷりにたまらずスタンディング席へ飛び込み客席の柵に登りガッツポーズ。あまりに長い時間戻ってこないのでホリエ氏と日向氏苦笑。最近見たライブの中でもベスト3に入る程のライブを見せてくれたストレイテナーは、最後「フジヤマー!」という「?」な言葉を残しステージを後にした。
続いてTHE YOUNG PUNX! のDJパフォーマンス。真っ赤なホットパンツを身に纏ったサポートヴォーカル・ティファニーはステージをセクシーに動き回り会場を挑発するかのようなダンスを魅せる。ドキッ。その横でまたもや挑発的に煽るのはスーパーマンの格好をしたDJ・ハル・リットソン。今までに信じてきたDJという概念を簡単に覆された。
SEが流れ手拍子で迎えられたのはBEAT CRUSADERS。「ゴッチごめん」と言いながら恒例の「おま●コール」。初体験です、おま●コール。女子も男子もおま●コール。卑猥×卑猥のコールアンドレスポンス。横浜アリーナのライブでこんなコールは今までにあったのだろうかという疑問が頭をよぎる。しかし、ずっとおま●コールをしていたわけではない!(当たり前か)。『HIT IN THE USA』などの人気ナンバーを次々と演奏し、会場をビークルワールドへと引きずり込む。伊達に年を重ねちゃいないんだと実感。アコースティックパフォーマンスで見せてくれたのはアメリカよりWAKING ASHLAND。ピアノ&アコギのシンプルな構成で、静かにでも、奥深く聴かせる。こんなデカイ会場で、しかも体をもみくちゃにしながらのライブを楽しんでいたオーディエンスが、とても心地良さそうな表情で聴き入っていた。
続いては、この名前を聞いて「NANO-MUGEN FES.に行ってみよう」と思った人も少なくないはず。元Weezerのマット・シャープ率いるTHE RENTALSの登場(1日目にも出演)。レンタルズ直前には、ゴッチ自らがステージに登場し、レンタルズへの思いを熱く話す一面も。バイオリンとシンセの絶妙なサウンドでライブスタート。男女のハーモニーを惜しみなく聴かせ、Weezerの『I Just Threw Out The Love Of My Dreams』も披露。会場の熱気は絶頂に達している。ラストの『Friends Of P』では、出演者全員がステージに上がり大合唱。どの顔も笑顔に満ちあふれていた。そしてすっかり外が暗くなった頃、ラストは主催でもあるASIAN KUNG-FU GENERATIONの登場! スタンディングエリアは全てのブロックが定員オーバー(というか、この日は常に満員だった)。1曲目は『センスレス』。会場にいる何万人もが拳を振り上げる。MCでは、「昨日(1日目)横浜アリーナの楽屋口に入ろうとしたら止められました」と、確か何年か前もどこかの楽屋口で止められたとMCで言われていたゴッチを思い出す。ステージに立てば、こんなに多くのお客さんを魅了し、こんなに多くのお客さんに愛されているゴッチもきっと楽屋口ではタジタジだったのだろう(笑)。
この日、本当に久しぶりに『未来の破片』を聞くことができた。あのギターのメロディーが流れた時、感動というのか思いがけないこの曲に会場は一瞬ざわめき、その後歓声に変わった。会場がひとつになったというのは正にこのことかもしれない。全員が歌いステージに力強い拳を向ける。もみくちゃになりながらも笑顔で、ステージから放たれるエネルギー(音)を全身で浴びる。アンコールではレンタルズを呼び込み、コンピレーションに収録されているレンタルズの『Getting By』をセッション。ゴッチが憧れの方とのステージでとにかく幸せそうな顔をしていたのが印象的だった。ステージも客席も興奮覚めやらぬまま、全てのステージは終了。
「アジカンが好きって言われるより、音楽を好きって言われる方が嬉しい」とMCでゴッチが言っていたが、その思いはこの会場にいる一人一人にちゃんと届いてることだろう。もしかしたらアジカンにしか興味がなかった人もこれだけ人がいたらいたはず。ここで初めて聴いたバンド、曲もあったかもしれない。でも、この場にいた多くの人は1日を通してとても楽しんでいたように見えた。それはきっとNANO-MUGEN FES.をアジカンがやる意味、そしてこのフェスの展望がはっきりと見えていた。音楽が主役となっているNANO-MUGEN FES.だからこそ体を預けるように楽しむこともできた。昨年このイベントに参加したときは、アリーナ初開催ということもあり、手探りの中でやったんだろうという思いはあったが、ここがもっと良ければもっと良かったのにというのが多々あった記憶がある。しかし、あの時お客さん側から見た疑問点・不満点が今年はかなり改善されていた。大人数がこの場にいる分、全員の要求を聞き入れることはできないかもしれないが、昨年に比べるとこの1年間本当に考えてきた上でのNANO-MUGEN FES.2006だったのではないかと思う。フードエリアは出店数がかなり増え、どの店も心奪われるぐらいおいしそうなにおいを漂わせていた(実際、この日は何食食べたのかわからないぐらい食べ歩いた!)。
また、横浜アリーナ4階に作られていたのは、ドラム・潔さんがプロデュースした「KIYOSHI'S BAR “GESTREALM”」というバースペース。ここではお酒を飲んだりしながら、スクリーンに映るライブを楽しむことができる。2階・3階席も昨年に比べかなりの席数が開放され、多くの人がゆっくりライブを見る配慮も。純粋に音楽を楽しむことができ、1日を快適に過ごすことができた。こんな素敵なフェスがASIAN KUNG-FU GENERATIONによって開催されるとは本当に素晴らしいことだと思う。2日間、お疲れさまでした!来年もまた楽しみにしています!
ASIAN KUNG-FU GENERATIONは今年11月から初のアリーナツアーも決定している。ここでも最高のライブを魅せてくれるに違いない!
Live info.
Tour 酔杯2006-2007 - The start of a new season -06/11/11(土) 千葉県・幕張メッセ展示場ホール9・10・11
06/11/12(日) 千葉県・幕張メッセ展示場ホール9・10・11
06/11/19(日) 愛知県・名古屋レインボーホール
06/11/25(土) 福岡県・マリンメッセ福岡
06/12/09(土) 神奈川県・横浜アリーナ
06/12/10(日) 神奈川県・横浜アリーナ
06/12/15(金) 北海道・北海道立総合体育センター きたえーる
07/01/10(水) 大阪府・大阪城ホール
07/01/11(木) 大阪府・大阪城ホール
ASIAN KUNG-FU GENERATION OFFICIAL WEB SITE
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/AKG/