ギター バックナンバー

Natural Punch Drunker ('06年8月号)

Natural Punch Drunker

突き抜ける空と透き通る海との勝負

Natural Punch Drunkerが初めて夏のこの時期にリリースする作品は、夏がてんこもりとなったアルバム『trooper』。疾走感溢れる『夏のレイル』から始まり『未来のライナーノーツ』までの全11曲。今までのさわやかなイメージだけではない、新たな一面を見せてくれるアルバムとなった。関西在住の彼らが東京ライブに来ていた時期にインタビューを敢行。そういえば、以前インタビューしたときは電話だったなあとしみじみ思いながら、目の前にいる4人の軽快すぎるトークで『夏のレイル』と『trooper』について伺った。今年の夏はナチュパン色に染まりそうだ。(interview:やまだともこ)

シングルもアルバムもジャケットとかも含めて愛して欲しい

──7/5にリリースされたシングル『夏のレイル』は疾走感のある夏っぽい作品でしたね。

井村(Vo.G):今までの僕らの中ではテンポも早いんですけど、強い曲だよねってことはよく言われますよ。アンセム的な…。

──さらに2曲目には『NPD Summer Song Medley Special Mix』と題された夏曲のメドレーが入っていて新しい気がしたんですけど、あれはどういった意図で?

井村:インディーの頃からの夏曲がたくさんあるので、せっかくだからメドレーにしてみようかなみたいな話が出てやってみたら意外といけた。リリース前だったんですけどどうせだったら、アルバムからも入れちゃおうかなって。今回は値段もそうですけど、今まで僕らを聞いたことない人にも聞いてもらいたかったんです。しかもインディーから最新まで入ってるメドレーって言ったら聴き応えあるじゃないですか。シングルの曲ってアルバムに入るから、アルバム買えばいいやじゃないところは美しいかなって思いますけどね。シングルもアルバムもそれぞれ良さがあるし、ジャケットとかも含めて愛して欲しいと思うんです。ミックスも違うし作り手としてはシングルで出してるときと鮮度が違うんですよ。だからこれでワンセットっていう気持ちは常にありますけどね。

村上(Ba):僕もリスナーだったらアルバム待ちますね。でも、シングル500円だったら買いますもん。レディオヘッドのアルバム出るゆうて先行シングル1ヶ月前に500円だったら買いますわ。めちゃいいじゃないですか。

──(改めて)すごいことやったじゃないですか!

全員:(笑)

──この季節にはピッタリなほどに夏を大開放してますし。

村上:さわやかさに対する挑戦といってますけど…。

──もともとさわやかですよ。

村上:そうなんですよ。僕だけ浮いてるかもしれないですけど(笑)。

井村:全員がさわやかでもね。ストッパーですよ。箸休めみたいな(笑)。

村上:箸休め嫌やな(笑)。でも、実はこんなルックスですけど繊細なところがあって…。

井村:僕もそんなにさやわかじゃなかったり…。だから、突き抜ける空と透き通る海との勝負ですね。


楽しいにまつわる事が、わき起こる感情に繋がるから楽しいって感じる

──アルバム『trooper』もかなり聴き応えありましたね。1曲目には『夏のレイル』のミックス版も入り…。

井村:アルバムでは『夏のレイル』の曲順は最初か最後だったんですけど、イントロから来る疾走感というか夏を呼び込んできてくれる感じで1曲目にしたんです。この詞には空気感とか直接的に夏は楽しいぜっていう歌詞はないけど、夏の楽しさとか巻き起こってくるワクワク感とか、過ぎ去って行っちゃう切なさとか、その感覚を味わえる曲っていいじゃないですか。冬にライブやったときにどんな風に聞こえるのかなって気になってますけど。

──さっき楽しいとか直接入ってないって言ってましたけど、そう言われてみると直接的な感情を発してる曲って少ないですね。

井村:楽しいって言う言葉は一番楽しいっていうわけではないと思うんです。楽しいにまつわる事が、わき起こる感情に繋がるから楽しいって感じると思うので、聴いたときに想像してもらいたいんです。それで最終的に聴いた人が楽しいって思ったらそれはすごく優秀なオリジナルワードになるんちゃうかな。

──あー、なるほど。だからなのか詞もそうなんですけど、メロディーだったり声だったりがすんなり入ってくる感じがするんです。これを作られてるみなさんは今までどんな曲に影響受けてきました?

井村:僕は基本的にはフォーク。オフコースとか井上陽水さんとかが基本好きなんです。あと洋楽を聴きますね。

──昔ライブを見たときはパンクっぽいノリだった記憶があるんですが…。

井村:バッチバチのピザ・オブ・チルドレンやったんで…。

──それが楽曲的にもここまで変わったというのはどういう経緯があったんですか?

井村:僕はレディオヘッド好きで、トム・ヨークが作ってみんなで構築していく感じに近いかな。元ネタはアコギ1本でも聴ける曲もあるけど、バンドで肉付けしていく。その時にメロディーのすんなり感とか、最初にアレンジしていく当然ラインのひとつなんです。

小野(G):共通認識みたいなかんじですね。メロディーを大切にしていくバンドアレンジ。

村上:聴く側のジャンルは問わへん。好きなバンドとはかぶらへん。そういう暗黙のテーマがあったような気がします。


可能性を自分らで終わらせることはしたくない

──『trooper』では『声の導火線』(M-5)や『涙dub』(M-9)のような今までのイメージをうち破るようなサウンドにも挑戦されていましたが…。

井村:ちょいちょいやってたけど今回しっかりやりましたね。リハの段階からプロデューサーの中村公輔さん(※1)と一緒に作り込んでいったんです。僕らの持ってる感覚を生かしながら自分のカラーを入れていくっていう。

──ナチュパンらしいと思っているところをうまく引き出してくれるわけですね。

井村:そうそう、しっかりそれは出してくれてる。そこは良かったですね。

──『涙dub』ではレゲエのアレンジで。

村上:この曲、最初はバリバリのドエイトでした。

小野:これをどうしようって思った時に、村上と飯田がレゲエとかやってみたらいいんじゃない?ってことで作ってみたんです。

飯田(Dr):ちょっと前に村上くんの中でレゲエブームが来ていたんで…。

村上:僕、クラッシュがレゲエやってるのとかが好きなんです。完全に手には入れられへん。どこかに自分ららしさが宿ってしまうんですけど、好きなことに手を出すという感覚。ワクワクするんです。

井村:そんなんも好きですよっていう感じですね。飽きずに聴けるアルバムとしていいフックになりましたよ。

──アルバム3枚目にして新しいジャンルを取り入れたら今後も何かやってやろうっていうのは?

井村:できる範囲でやったら絶対面白いと思いますからね。『涙dub』にしてもギリギリまで悩んだんですけど結果的に良くなったし、やってみたらできるもんかな。最初の一歩を締めてしまわないほうが楽しめるかなっていう発見がありましたね。

──みなさん甘いフェイスしてますし、長年バンドをやられているとイメージもついてますし、そこから違うジャンルにも手を出してみるっていうのは本当に挑戦ですよね。これで今度はメタルやろうって言われても…。

飯田:できますよ。

村上:できます!? できますけどフィットしません(笑)。

飯田:メロディーが一番芯にあるのが自分らの音楽なので、それをなくさないところで試していきたいですね。

小野:うん。僕らはこれだって凝り固まってしまわずに、可能性を自分らで終わらせることはしたくないですね。

井村:人間って成長したほうがカッコイイと思うんです。見た目なんて服みたいなもんですから、イメージに打ち勝って行かないとならないんです。

──詞を読む限りではありますが、井村さんってポジティブな方ですよね。普段曲を書く時ってそのポジティブを自分に向けているか、聴き手に向けているかどっちが多いですか?

井村:どっちもですね。自分が書いてるけど自分に言ってる、イコール聴いた人にも届くんだと思います。すごい前向きやなって思いながら書いてますもん。改めて読み返すとそういう感覚になる。聴いた時に後ろ髪ひっぱるかんじじゃなくて、グイグイ押してく感じの曲ができたらいいなと思います。

──『9回目の別れ』(M-8)も切なさの反面、絶対に前に向かってる感じがしました。

井村:お手上げとかそうはしたくないし、諦めない気持ちがずっとあればいいな。なくなったら終わりやと思う。

──あと、この曲のサビではギターのメロディーラインが全面的に押し出されていたり、これって今までにないですよね。

小野:リードギターを入れた時にコーラスも入れてみたんですが、その役割をギターがしてたからコーラスは入らなくなったんです。どうもしっくりこなくて…。足してから引き算するんです。

井村:余分なモンは入れんでいいんです。


Natural Punch Drunker流夏の楽しみ方

──では『夏のレイル』の夏にかけて今年の夏にやりたいこととかチャレンジしたいことあります?

飯田:健全な精神は健全な肉体からだと思うので、バンドやってると精神の異常を来しやすいので体を鍛えたいですね。ドラムは体が特に資本ですから。生楽器やからメンタル面では表に出ると思うんですよ。だから体をバリバリに鍛えてマッチョなぐらいになりたい。

全員:昨年夏は倒れてましたからね…。

小野:今年の夏はツアーしかやることがないので、9月3日の神戸スタークラブのワンマンまでとぎれることなく走り続けたいですね。

井村:僕は昨年も言ってたんですけどビアガーデン行きたいですね。万国旗が飾ってあってデパートの屋上のリアルビアガーデンに行きたい。

村上:夏のビアガーデンはベタですけどね(苦笑)。まあライブ後のお酒は最高ですから。僕はツアーなので実りあるツアーにしたいです。初めてのところもあるので、いろんな人に印象付けたいな。おもろい夏にしたいです。

──最後に東京・名古屋・神戸ではワンマンもあるので意気込みを。

村上:シェルターは普通のバンドをやってる人間からしたら憧れなので、関西在住の僕らは思い入れがあります。シェルターのワンマンは初なのでワクワクしてますね。

小野:ワンマンって言ったら来るお客さんが絶対僕らを見に来てる。一発勝負というか、下手なライブできないじゃないですか。その緊張感も楽しみつつ、僕らもお客さんも笑顔でいい思い出が作れるワンマンにしたいですね。気合いは入ってます。ワンマンって来るってだけでエネルギーがすごいと思うんです。それに負けないためにも僕らのエネルギーも分け与えたい。

飯田:自分らのバンドっていろんな色を持ってると思うし、その色を余すことなく出し切れるのはワンマンならではなので、いろんな自分らを見せつけてやりたいです。

井村:名古屋は初ワンマンなのでドキドキなかんじもありますけど、どこのワンマンも今日のテルスター(※2)に負けないようにがんばりたいと思います。

※1:M-5/M-7/M-9を手がけるプロデューサー兼エンジニア兼マニピュレーター。本人曰く「BECKをプロデュースしているダスト・ブラザーズのような存在」
※2:7/15に新宿ロフトで行われたテルスターワンマン(レーベルメイト)後のインタビュー


Natural Punch DrunkerさんよりRooftop30周年お祝いコメントをいただきました。

村上 歴史にはかないませんが、40周年もでかい形で祝いたいです。

井村 フリーペーパーで30周年ってすごいと思うので、これを機に値上げな月もあってもおもしろいかもしれないですね。おめでとうざいます。これからもよろしくお願いします。

小野 全国どこでも手にすることができる。僕ら音楽に精通している人間からしたら情報を楽しませてもらってますので…。これからも末永く…おめでとうございます。

飯田 30周年おめでとうございます。僕は濃い読み物がすきなのでこういう見てて飽きない感じの雑誌はこれからも僕の暇な時間を楽しませて下さい。平野さんの連載楽しませてもらってます。

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Live info.

Natural Punch Drunker『夏のシンガロングツアー』
8/03(木) 大阪/福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
8/11(金) 愛知/名古屋 ell.FITS ALL ※ワンマンライヴ!
8/13(日) 横浜 FAD YOKOHAMA
8/14(月) さいたま新都心 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心VJ-3
8/17(木) 水戸 LIGHT HOUSE
8/18(金) 下北沢 SHELTER ※ワンマンライヴ!
8/19(土) 千葉 LOOK
8/21(月) 岡山 MO:GLA
8/22(火) 広島 CLUB QUATTRO
8/23(水) 松山 SALON KITTY
8/25(金) 大分T.O.P.S
8/26(土) 長崎 DRUM Be-7 ※オールナイトイベントです。
8/28(月) 福岡 DRUM SON
8/29(火) 熊本 DRUM Be-9
9/03(日) 神戸 STAR CLUB ※ワンマンライヴ!

Natural Punch Drunker OFFICIAL WEB SITE
http://www.badnews.co.jp/npd/



posted by Rooftop at 19:54 | TrackBack(0) | バックナンバー

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