ギター バックナンバー

らぞく ('06年8月号)

らぞく

ある淋しい深夜、酒が美味しく呑めるバンドに出会った

自称・新人ロック評論家を標榜し始めてから、わたしゃ、渡された新しいバンドの音源をなるべく聴くようになった。ある夜、酔っぱらって家に帰り気まぐれに、何の期待もなくらぞくの『HOWSWEET』を、チェ・ゲバラの精悍な顔の大きなポスターの見下ろす私と猫しかいない書斎でぽつんと深夜聴いてみた。彼らの醸し出すヴォーカルの“けだるさ”とロックが持つ“緊張感”が交差する楽曲を聴いて、更に酒を呑んでいる自分にビックリした。お酒が美味しく呑める音楽に出会ったのは長年慣れ親しんだジャズ以外久しぶりだ。特に「じゃんけんぽん」は秀逸な作品だと思った。それから私は3回続けて彼らのライヴに通った。このバンドの今のスタイルに色々不満はあるが、このバンドは絶叫バンドの対極にあって、私の“感”が確かならば必ず春から夏の季節、秋から冬の長い時間を経て彼らは大胆に成長すると思った。らぞくの旗よ高くなびけ! ってよいしょなしに思った。(interview:平野 悠)

平野、らぞくのライヴに怒濤のダメ出し!

平野:僕はね、らぞくのライヴは今まで3回観て、CDを2、3回聴いた程度なんだ。あなた方への知識はそれくらいしかないの。それをまず判っておいて下さい。失礼なこともたくさん言ってしまうと思うけれど、そこは勘弁して下さい。

らぞく一同:はい。

竜太:どうぞお手柔らかに(笑)。

平野:早速だけど自分の話になっちゃうんだけれども、正直なところ僕は今の日本のロックに対して一部を除いて余り興味を惹かれないんだ。でもね、つい3ヶ月前に家で酒を呑みながらあなた方の『HOWSWEET』を聴いて、「イイじゃん!!」って率直に思ったんですよ。でもそれが何故いいのか判らなくて、ずっと考えちゃった。“この気怠さがいいのかな? 何なんだろう?”って。要するにさ、酒が美味しく呑めるんだよ。

竜太:それは本当に嬉しいですね!

平野:昨日LOFTでやったライヴはARB OFFICE社長の藤井(隆夫)も観に来ていて、それも一度や二度じゃないんだ。足を運べる限りは何度もらぞくのライヴを観てるんだよ。ARBと共に日本のロックの潮流を作り上げた男がだよ? 彼もやっぱり、「らぞくってなんか気になるんだよ。聴いていて不思議と耳に残るんだ」と言う。「大抵のバンドはCDを1、2曲聴いてみれば“ああ、もう判ったよ”と判断がつくけど、らぞくは最後まで聴き通してしまった。そんなのホント久しぶりのことだよ」って。僕も藤井と全く同じ気持ちなんだよ。それで、自分のらぞくに対する思いは間違っちゃいないんだって自信が湧いちゃって、「これからはらぞくだ! 俺にインタビューやらせろ!」って騒ぎ出したというわけ(笑)。

竜太:ははは。有り難いですよ。

平野:でもね、持ち上げておいていきなり落とすようで悪いけど(笑)、昨日のLOFTのライヴは今ひとつだと思ったよ。全部で5曲やって、初めの3曲は最高、完璧だと思った。でも、後の2曲は最悪。4曲目のあのダラダラと長い曲を聴きながら“こいつらは一体何をやりたいんだろう?”って思ったよ。あれなら最後の2曲はやらないほうが良かったんじゃないの?

兼作:昨日は盛り上がらなかったかもしれないけど、平野さんが退屈だと感じた4曲目の「AROUND THE SUN」はらぞくにとっては4番バッター的な存在でもあるし、自分達も自信を持ってる曲なんですけどね。お客さんと一緒にループしながら上がっていく、雰囲気のある曲なんだけど。

竜太:たとえば30分とかライヴの時間に制限があると、考えすぎちゃってどうしても"ヨソイキ"のらぞくっていうか、どこか楽しめないんですよね。緊張もするし、時間通りに終わらせなきゃっていう義務意識も生まれる。らぞくがもつのびのび感が出せないんですよ。

ぶん:昨日は音量のバランス的な面で、音楽的に距離が生まれちゃったかな? とは思ってます。そこを改善すれば、もっと一丸となれるんじゃないかな、と。

竜太:一丸となっている日もあるんだよね、ちゃんと。だから、環境的にどうのこうのっていうよりは、らぞくサイドのミスだね。どこでやっても凄い人は凄いからね。音量のバランス云々とか言ってる場合じゃないんだよ。どんな環境でも、その人が演奏すればその人の音楽になってるものなんだよね。環境だとか機材だとか、ましてやお客さんの責任じゃないと思うし。まだまだ、改良点は沢山あるよね。それがみつかるのも、バンドをやって行く上での楽しみかもしれないな。

平野:なんて言うのかな、あなた方の音楽はまるで土曜日の午後の昼下がりみたいな気怠い歌が最大の魅力なんじゃないかと僕なんかは思うわけ。

竜太:ありがとうございます。それは自分の声の質感で、唄ってみたらそうなったっていう偶然の産物ですね。中性的な声質だって言われたりもするかな。

平野:うん。その気怠い感じに緊張感のあるサウンドが合わさって、“これは新しいことをやろうとしている!”っていう意志が見えるんだ。ところが昨日のライヴは、ドラムやベースが出過ぎちゃってせっかくのバンドの持ち味を消してしまっているように思えたんだよ。

竜太:いやぁ、確かにまだライヴでは自分達でも見えきれてない部分が多くて……。

平野:そうでしょう?

兼作:それは、ドラムが歌の邪魔をしたということじゃなくて、単純にバッキングの時点で、出しているサウンドそのものが歌を殺してしまったということ?

平野:いやいや、そんな細かいことじゃなくて、バンドがハーモニーを取れてないんだよ。…あのさ、傷つくんだったら勝手に傷つけよ。こっちは勝手に言わせてもらうから。

竜太:いやいや、望むところですよ。まぁ、平野さんが言ってることも一理あると思うよ。らぞくは今のところ、歌を盛り立てようっていう意識でやってないからね。そういう部分が平野さんの言いたいことなんじゃない?

平野:要するにさ、ヴォーカルを中心とする時とサウンドを中心とする時のメリハリを付ける意識があってもいいじゃないかと思うわけだよ。

竜太:確かにそういうところはしっかりと意識してないので、そこはすいません、ちょっと意識し直します(笑)。歌に比重を置いてライヴをやり出したのも、実は最近のことなんですよ。

平野:ほうほう、そうなんだ? それは何かきっかけがあったの?

竜太:やっぱりこう…ライヴだとその場の空気で自由にセッション中心にやっていたので、曲自体に尺が決まっていなかったんです。だけど、曲を曲としてCDとしてパッケージする作業に入った時に、らぞくの曲はって、本当は生粋の歌ものなんだなぁって思ったんですよ。それが自分達にも如実に理解できて。あらたな発見だった。


絶叫系バンドと対極にあるらぞくの小気味良い気怠さ

平野:僕は身内にはヨイショしないことに決めてるから、ズバズバ行くよ(笑)。僕なんかからすると、はっきり言ってらぞくの歌詞は今ひとつ面白くないんだな。

一同:(苦笑)

平野:「助け合い、認め合い、許し合って生きて行くんだろう」(「Straight Ahead」)なんて、正直ありきたりに感じるよ。でもね、らぞくのあの気持ちがいいメロディにその歌詞が乗っかると、これが凄くいいんだよなぁ。竜太の気怠いヴォーカルとサウンドが合致すると、得も言われぬ心地よい気分になる。そこが不思議なんだよね。

竜太:嬉しいですね、面と向かってそう言われると。

平野:竜太のヴォーカル力に負う部分は凄く大きいと思うけど、あなた方はいわゆる絶叫バンドというか、お説教バンドみたいな感じではないよね。

竜太:要するに、サンボマスターとかですよね? もちろん、そことは全然違いますね。

平野:君達らぞくは、ああいう絶叫系のバンドとは対極線上にいるし、変に説教じみたMCも要らないじゃない? だからあなた方は自分達のリズムで淡々と音を紡いでいけばいいと思うんだ。僕はあなた方に今の主流であるサンボや銀杏BOYZにはない“何か”を感じているんだよ。大袈裟に言えば、日本語ロックの可能性みたいなものを感じるわけ。

竜太:話が大きく出ましたね(笑)、嬉しいですけど。

平野:細野晴臣の歌を初めて聴いた時も“巻き舌で変な歌い方するなぁ”って思ったんだ。日本語なのになんで判りにくく唄わなきゃいけないんだ? って。でも実は細野の歌い方は凄い良くて、同じことを竜太のヴォーカルにも感じる。細野とは違うけど、同じベクトルに在ると思うんだ。だからこそ、尚のこと歌詞をもっと突っ込んだ内容にしたら面白くなるんじゃないかと僕は思うわけ。銀杏BOYZは、平気で「戦争反対!」っていう歌詞を100回くらい繰り返すんだよ。それだけで曲にしちゃう。サンボもサンボで「イラク戦争は何だったんだ?」みたいなことをMCで堂々と言う。それに比べると、あなた方の歌詞は現実社会を見据えてないんじゃないかと僕には思える。そういう歌詞でも悪くはないよ。“サーフィンやって、女の子と遊んで楽しいなー”って、それでもいいと思う。それでもいいけど、それだけだとユーミンの描く世界のような中流意識の枠に留まってしまうんじゃないか? これは押しつけじゃないし、単なる僕の一意見に過ぎないけど、これから先の君達の生き様も含めて、現実の今の自分達の焦燥感を歌にすれば面白いと思うんだ。

竜太:ショーソーカン?

平野:焦燥感。焦る気持ちと、絶望感と言ったら早いのかな? たとえば今の日本には年金を含めると1800兆の借金がある。君達の世代には最早展望なんてないよ?

竜太:そうですね。上も下も真っ暗だ(苦笑)。

平野:その展望のない現実に、あなた方の音楽が持つ気怠さを叩き込んだらどうなるのか? という挑戦だよ。

竜太:ああ、それは面白いかもしれないですね。

平野:そうでしょ? あの気怠さの中に「現実から逃げるなよ!」っていうメッセージが込められたら、音楽に厚みが出てくると思うんだ。そういうのをどこかに叩き込んだら、ドラムもベースもギターも自ずと変わるんだよ。「自分の足下を見ろよ!」っていうメッセージを従来のサーフ・ロックにブチ込んだら新しいものになるでしょう?

竜太:なるほど。それは言えますね。面白いですよ、それ。いわゆる既存のロックをやってる上の世代とも勝負をしたいとも思ってますからね。

平野:勝負するなら、どこかで“おや?”と思わせる差別化を図らないとダメだね。どこかでびっくりさせないと。新しいことをしないと。それが音楽の面白さなんだから。

竜太:うん。それは判ってるつもりです。

平野:僕はやったことないけど、サーフィンって死と隣り合わせなんでしょ? サーフボードで波の輪に飛び込んでいく行為は、死ぬか生きるかの世界だって言うじゃないか。

竜太:そうですね。

平野:だったらそういう足下を一度見て、歌にしたら面白いんじゃないかな。

竜太:ディープに深く掘り下げるっていうことですね。

平野:そうそう。それでひょっとしたら、もF芽う一発面白くなるかもしれない。そうすると、歌い方も変わってくるかもしれないよな? そういうことを3人で研究すればいいんじゃなかな。…って何だか僕ばかり話してるけど(笑)、今日はらぞくに対して注文をつけに来たんだ! もちろん、それに従うか従わないかは全然気にしなくていいんだけど。とにかく、僕が注文つけたいのはそれくらいだよ。

竜太:了解です。ちょっと考えてみます。でも凄くためになりますよ。


素のままのいいところをパッケージした『JOYSTREEM』

平野:繰り返すけど、さっき僕が言ったことはひとつの意見だからね。ひとつにまとめちゃう必要はない。いろんな形があっていいと思うし、いろんな意見やスタイルがあっていいと思うんだ。らぞくが音楽を通じて語るストーリーというのは、“世の中は面白いんだ!”ってことだと僕は思うよ。

竜太:うんうん、そこまで言ってくれると、本当に嬉しいなぁ。そういうことなんですよ。言葉にするのは、余り得意じゃないから…。僕らは、言葉でもそうなんだけど、音楽で気持ちをどうやって伝えられるかっていうことが音楽だと思うんですよ。音楽でしか表現できないものというのがあって、それを人に伝えていきたい。押しつけるんじゃなくて、感じてほしいんですよね。

平野:うん、押しつけじゃなくてね。そんなところへ僕は自分の意見をあなた方に押しつけてしまうよ(笑)。今度のアルバム『JOYSTREEM』は、もちろん盤としての出来はいいと思うんだけど、なんて言うのかな、前のアルバムで言えば僕が聴いてブッ飛んだ「じゃんけんぽん」という曲が持つ思想と意識を引き継いでないんじゃないかな? と感じた。

竜太:うーん……。

平野:“もしかして、こいつら気まぐれで音楽やってるんじゃないか?”って思ったよ。ひとつのスタイルが固まっていないうちに新しいことに手を出しちゃって。ちょっと待てよ、早すぎるよ、っていう。

竜太:そういうところは多分にありますね。確かに気まぐれだと思うし、今回は前回とはもっと違うことがやりたいっていう気持ちもあった。もっともっとやりたいっていう気持ちが。

平野:だから、僕が感じるらぞくの良さっていうのは少数派の意見なのかな? って思ってしまったんだ。つまり、「じゃんけんぽん」や「HOWSWEET」みたいな曲の何とも言えない不可思議さ、みたいなところだよね。

竜太:今回はより歌に焦点を絞って、フレッシュな感じに仕上げたかったんですよ。こう、10代後半から20代前半の気持ちに向かっていった部分が強くて。『HOWSWEET』と今回の作りに関しては全くの別物だと思ってるし、違うバンドと言ってもいいくらいの差があると思うんですよ。

平野:でも、そのどちらもらぞくなんだよね。

竜太:うん、そうなんですよね。

平野:それも面白い話だよな。前にSHELTERであなた方のライヴを観た時も、途中で突然違うバンドになっちゃうのが訳が判らなかったんだよ。僕が面喰らうのは、そういう突然変異みたいなところなんだろうな。

竜太:うん。

平野:ロックというのは既存のイメージやら世界をブッ壊すから、それはそれで面白いんじゃない。ただそれも、自分達の確固たる世界をちゃんと作り上げてからの話だよな。まずはらぞくの揺るぎないイメージを確立しないとさ。

竜太:きっと、急いでいたんだと思う。急ぎ過ぎくらいに急いでいたんだと思うんですよ。10年間らぞくをやってきて、やっと何とか光明が見え始めてきて、曲もそれなりに練られ過ぎるくらい練られちゃっていたから、とにかく早く出さなきゃっていう気持ちが先行しちゃったんだと思います。でも、自分達としては納得はしているんですよ。このスピード感も悪くないと思うし。

平野:確かに『JOYSTREEM』のほうが聴き手を選ばない作品っていう印象は受けるけれど…。

竜太:うん、それは意識したと思う。軽い感じっていうか、スナック的な感じ。作り込みも余りなく、素のままのいいところをパッケージできたと思うんですけどね。

平野:ただ、僕の好みとしてはやっぱり『HOWSWEET』なんだな。寝そべっていたところをいきなり立ち上がったかと思ったら、花瓶を外に投げつけたかのような、あの感覚。そういうのが『HOWSWEET』にはふんだんに散りばめられていたんだよ。だけど、『JOYSTREEM』にはそれが陰を潜めているんだよな。

竜太:そうですね。起伏がないかもしれないな。でも、そこは敢えてその起伏を排除した部分もあるので、これはこれで合ってると思ってますよ。『HOWSWEET』は時間もあったので作り込んだ。今度のは作り込みというよりは、素のままの感じですから。

平野:そうか。僕は『HOWSWEET』のほうが凄く自然な感じに聴こえたけどね。

竜太:そうですか。そういうふうに聴こえるのかな?

平野:いや、僕がそう聴こえたってことは、逆に言えばらぞくの勝ち! ってことだと思うよ。

竜太:ははは。今になって改めて思うのは、10年間、ずっと無計画にやってきたんだなぁっていうことなんです。音楽で旅をするみたいに、すべて成り行き任せで、みんなで音楽を楽しむスタイル。それが最高だよね! っていうことを表現したいんですけど。どうもね、こう変に考え過ぎちゃって。メジャー感みたいなものにとらわれ出すと、いつも空回りしてしまう。そういうのが最近やっと判ってきたところなんです。

平野:そうか、そうか。

竜太:ライヴ一つを取っても研究中といいますか……日々研究しないとダメなんだけどね。自由にやり過ぎていたことが、こういうことになるっていうのは考えてなかったからね。難しいな。

平野:うん、難しいよな。そうだね、研究できるだけすればいいんだよ。

竜太:自由にやるだけじゃなくて、やっぱり音楽は一人でも多くの人に聴いてもらわないと。聴いてほしいしね。聴いてもらうためにはどうしたらいいのか? が今の研究課題ですね。

平野:そうだよな。音楽をやるからには、最低限それで飯は喰いたいって思うでしょ?

竜太:もちろん! 僕達は音楽しか出来ないし。

平野:それには、バランス感覚を保つことと、バンド内での話し合いだよな。お互いがお互いをちゃんと立てること。要するに、尊重し合うことだよ。現場の空気とか3人の空気とか、そういうのをみんなで読むことだよね。それがハーモニーに繋がるんだから。

竜太:うん。ですね。会場とのハーモニーもあるだろうしね。


らぞくとは終わりの無い音楽の旅

平野:らぞくはいつもどうやって曲作りをしてるの?

竜太:詞とメロディは同時に降りてくるんですよ。同時多発で。

平野:へぇ、それは凄い。瞬間芸だな。

竜太:瞬間に生まれればいいんだけど、時間が掛かっちゃう時のほうが多いかもしれない。日々鼻歌。いろいろ鼻歌を唄って、ある程度の歌詞もつけて唄って。そこから心に残ったものをピックアップして、スタジオに持って行く。そういう感じかな。

平野:何度も言うけど、別に政治のことを唄えっていうわけじゃないんだけど、たとえばあの「じゃんけんぽん」の歌詞だって、“ブッシュ! ブッシュ! ブッシュ!”って唄ったら面白いかもしれないよね。だってさ、ブッシュって今や世界の笑いもんじゃん。

竜太:あの、ちょっと今びっくりしているんですけど。「じゃんけんぽん」はあの後に、実はもっとひどい展開があったんですよ。“911(ナイン・ワン・ワン)!”って叫ぶ下りが最初はあったんです。

平野:エッ、そうなの?!

竜太:ええ。でも、何故かCDに収める時になくなっちゃっていたんだよね。

兼作:まとめる時に、その部分ごと削除しちゃったんだよ。元々、反戦の意味も含んだ曲だったんですよ。さっき平野さんが言った“ブッシュ! ブッシュ! ブッシュ!”って叫んでいたライヴもあったくらいなんです。

竜太:そうだね。だから突然それを平野さんに言われてびっくりしたんですよ。

平野:そうなの? それは失礼しました。適当なことを思いつきで言っただけなんだけど(笑)。

竜太:“ピースがパーをハサミで脅して、グーをパーで包み込んだ〜”っていう歌詞があるんですが、その部分も暗喩なんですよね。

平野:ほうほうほう。それはいいね!

竜太:だけど、そういうことは余り説明しないようにしてるんですよ。意味を特定しちゃうと面白くないというか、広がらないかな? っていう気持ちがあって。とは言ってもね、説明が足りない部分があるかもしれないよね。もっと歩み寄ってもいいのかもしれないけど、本当は“勝手に考えてくれよ”っていう気持ちが強いんですよ。

平野:それでいいんじゃない? 押しつけは良くないと思うし、それはらぞくの感覚じゃないと思う。

竜太:ですよね。

平野:平たく言えば、らぞくはお客さんを踊らせたいし、じっくり音楽も聴いてほしいという、相反する欲張りなことを一遍にやろうとしているわけだね。

竜太:そうですね。ジョギングというか、サイクリングというか。景色も見えれば車にも注意するし、でも目的地には到達したい。そのために漕ぐ! …そんな感じかな。

平野:そう! まさにそれだね。終わりがないんだよ。目的地はあるにしても、次の目的地もあるわけでしょ。だから音楽には終わりがない。そう思わせる音楽をあなた達はやっているんだと思うよ。曲の終わりがないんだよ。終わりがない曲。ずっと口ずさんでいることも出来るし、ずっと踊っていることも出来る曲。それも魅力のひとつなんだろうな。

竜太:ジャンルとか何を食べてるのとか関係なく、もっと一般の庶民まで開かれた音楽をやりたいんですよ。もちろんパーティーは好きだし、野外なんか最高なんだけど、みんなどこか閉鎖的なんですよね。老若男女関係なく、もっと音楽は開かれてもいいと思うんです。らぞくのメンバーはみんなドロップアウト的なことを今まで充分してきただろうけど、やっぱり家族もいれば、もっと上昇したい気持ちだってある。今が最高って思いたいけど、そうでもないよ、やっぱり。うーん…まだ言葉にするのは難しいですね。まとまりきってないかもしれない。

平野:らぞくの唄うテーマって何だろう?

竜太:うーん……大きく言えば、愛なのかなぁ…。ラヴ・ソングを歌っている人はたくさんいるけど、もっとこう、身近で地球規模で、個人的だけど大衆的でもあり、普遍的な…。言葉で言うと伝わりにくいけど、そういう思いを紡いで、構えず、頭で考えずに鳴らせたらいいんじゃないかな。臆病者だから、事を荒げることはしないで、ソフトに既存のものを壊す感じですね。

平野:なるほどね。らぞくをやっていることの意義というのは?

竜太:この3人で続けていられることじゃないかな。

兼作:10年も一緒にやっているからね。

竜太:いろいろあるけれど、今のところはこの3人でやるのが強力だって思ってますね。それと、音楽を通じて感じたままに自由に表現していければいいなと思ってます。

平野:サンボみたいに言葉でアジテーションしなくたって、生々しい現実に生きていることを音楽で表現してやるんだ! って、それくらい言っちゃってもいいのかもしれないよね。

竜太:うん。ただの癒し音楽で終わるつもりはないし。聴いた人が癒されるのは別に構わないんだけど。

平野:暑苦しいことを言わなくても、熱いものは心に持っているんだぜ! っていうことだよな。しかしいいのかな、僕みたいなのが勝手に好き放題言っちゃって。

竜太:いや、この対談でいろいろ見えてきた部分もあったので、今後に繋げたいですよ。これからもよろしくお願いします!

平野:オヤジの言うことはよく判った?(笑)

一同:ためになりました!


JOYSTREEM

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Live info.

JOYSTREEM release party!!!
"SHINJUKU LOFT 30TH. ANNIV. & JOYSTREEM release party !"
09/06(水)
at 新宿LOFT
w / ズボンズ、SUN PAULO
18:00 open / 19:00 start

other live
07/30(日) "FUJI ROCK FESTIVAL06"@苗場スキー場 FIELD OF HEAVEN
08/04(金) "UEDA JOINT 2006"@上田市上田城跡公園
08/06(日) "JOYSTREEM RELEASE PARTY"@藤沢・タハラ藤沢店内 *FREE LIVE
08/12(土) "JAMMING SPECIAL"@越谷EASY GOINGS
08/20(日) "金椿"@静岡ミュンヘン
08/29(火) "SHONAN SPACE CONNECTION"@江ノ島東浜・海の家美名鉄
09/01(金) "SunSetLive2006"@福岡県・芥屋海岸キャンプ場

らぞく OFFICIAL WEB SITE
www.razoku.net



posted by Rooftop at 19:55 | TrackBack(0) | バックナンバー

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