マモルと愉快な仲間たちによる純真なロックンロール賛歌
前作『ヒットパレード(BEST OF MAMORU & THE DAViES)』以来約1年振りの発表となるワタナベマモルの新作は、DAViESから離れたソロ名義の賑やかなセッション・アルバムと相成った。タイトルも潔く『SESSiONS(セッションズ)』と命名された本作には、甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、トモフスキー、ハッチハッチェル、山川のりを(ギターパンダ)等々の名うてのミュージシャンたちが一堂に会し、マモルとがっぷり四つに組んだ純度の高いロックンロール全10曲(初回プレス盤は全11曲)が収録されている。寝ても覚めてもロックンロール、明けても暮れてもロックンロール、やること成すことロックンロール。「やりたいことはロックンロールしかない」と気っぷ良く言い切る男が奏でるロックンロールに純真さはあっても理屈はない。かつてキース・リチャーズがロバート・ジョンソンの音楽を評した言葉をそのままパクらせてもらうならば、『SESSiONS(セッションズ)』はこんなアルバムだと僕は言いたい。「おい、こいつを聴いてみろよ。何か特別なものを経験したいんだろ。ロックンロールがどんなにいいものか知りたいんだろ。だったらこれだよ」と。(interview:椎名宗之)
ハーモニカを吹きまくるヒロトの凄味
──今回、ソロ名義でのアルバム作りに取り組んだ意図はどんなところなんですか。
マモル:僕は弾き語りでツアーを回ることも多いし、その時に唄ってる曲が結構あるから、それをいつか形にしたかったんですよ。それプラス、ネタとしていろんな人を呼んでセッションをしてみようと思って。アルバム用に改めて作った曲もいくつかあるんですけど。
──弾き語りのライヴをやるようになってもうどれくらい経ちますか。
マモル:ツアーを回るようになってからは4年くらいですかね。気軽に地方へ行けて面白いですよ。普通の呑み屋みたいな所でも唄ってますけど、基本的にはライヴをやっちゃえばどこでも同じです。
──本作用に書き下ろした曲というのは…。
マモル:『ロックンロール賛歌』、『フライングマン』、『最愛なるプレッシャー』、『不遇な犬』、『It's a beautiful day』、『どけよ』ですね。
──まず目を引くのは『ロックンロール賛歌』と『ペンキ塗りのブルース』にハーモニカとコーラスで参加している甲本ヒロトさんですね。ヒロトさんがザ・コーツをやっていた時に知り合った感じですか。
マモル:その頃からの知り合いですけど、最近になってまた交流を持ち始めました。僕が今のレーベルを始めてからドクター・フィールグッドのトリビュート・アルバムをヒロト君の事務所に送ったら返事が来て、去年は僕のライヴを見に来てくれたりして。僕よりもちょっとだけ先輩だし、そんな頻繁に会うことはないんですけどね。
──『ロックンロール賛歌』はマモルさんの信条をそのまま体現したような歌ですけど、ヒロトさんのハーモニカやコーラスを想定しながら作ったんですか。
マモル:想定はしないけど、この曲は誰が入ったら面白いかなっていうのは考えてましたね。『ロックンロール賛歌』と『ペンキ塗りのブルース』はヒロト君だなと思ったし、『ペンキ塗りのブルース』は特に凄かったですね。あれだけハーモニカを吹きまくるヒロト君も珍しいんじゃないかな。「ハープはリトル・ウォルターみたいな感じがいいかなぁ」ってヒロト君に言ったら、「オッケー!」って応えてくれてね。
──テイクもそれほど重ねることなく?
マモル:3、4回吹いてもらって、後は僕がウチに帰って編集しました。今回はベーシックな音を自分で多重録音したんですけど、いつもよりはラクだったかもしれない。バンドでもソロでも、まとめる作業は面白いですよ。
──「アレンジに煮詰まったり、ひらめいたり、天国のような地獄のようなレコーデングの日々」とブログには記していましたけど。
マモル:いつもは先にライヴでやってるし、曲の形がある程度見えてからレコーディングするんですけど、今回は試しながらなので曲がどうなっていくか判らなかったんですよ。それが結構大変でした。
──一番手こずった曲というのは?
マモル:自分で馴れないピアノを弾いた『ハレンチな夜』とかは大変でしたね。
──アコギを基調として浮遊感のあるメロディが特徴的な『It's a beautiful day』だけは完全にマモルさんだけの多重録音ですね。
マモル:特に意図はないんですけど、あの曲は一人でいいかなと思って。アコギがいいのかエレキがいいのか悩みましたけどね。両方録ってみて、どっちがいいかずっと考えたんですよ。
──バンドとソロで曲作りの線引きはあるんですか。
マモル:ないですよ。今回のアルバムの中でも『ロックンロール賛歌』とか『It's a beautiful day』なんかはバンドでもやってますから。バンドでやってみて良かったらやるし、逆に『地味な夜』とか『ハレンチな夜』はバンドではやらない感じがありますね。
データのやり取りは文通みたいで面白い
──カントリー・タッチの『地味な夜』は、以前、西荻窪のCLOP CLOPで行なわれた企画のタイトルでしたよね。
マモル:そうです。それで作ったんですよ。その名前でまだ企画をやってるんですけどね。
──“地味”に引っ掛けて、ジミ・ヘンドリックス、ジミー・ペイジ、ジム・モリソン、ジミー・クリフの名前を挙げて、最後にジミー大西で締まるのが笑いました(笑)。トモフスキーさんの追っ掛けコーラスを含めて。
マモル:トモフスキーとは一緒にレコーディングをしないでデータのやり取りだけだったんですけど、データを送って戻ってくる楽しみがあったんですよ。何をしてくるのかなっていう文通みたいな感じで。
──トモフスキーさんとは『フライングマン』でも息の合ったハーモニーを聴かせていて、一緒にスタジオに入っているような一体感がありますね。
マモル:普段やらない作業だから面白いですよね。トモフスキーはセンスもいいし。今回は人にお任せって感じで、曲がどうなっても良かったんですよ。バンドでやる時は自分のやりたいことを僕が責任を持ってまとめなきゃいけないんだけど、今回は“何だこれは!?”っていうのが来ても受け入れられたって言うか。それが新鮮な作業だったんですよね。
──どの程度の段階でデータを渡したんですか。
マモル:8割方オケが出来た段階ですね。『フライングマン』はキーボードが入ってない状態で送って、「オルガンを入れてくれ」って書いて、どんなのが来るのかを待つっていう。届いたデータは自分がまるでイメージしてなかったものだから、最初はやっぱり良くも悪くも違和感があるんですよ。でも、聴いてるうちに向こうの意図が理解できてきて、それを自分の中で消化していくんです。八馬君(ハッチハッチェルこと八馬義弘)のドラムにしても、最初は違和感があるんですよ。でも、それを自分なりに取り込んでいくのが凄く面白い。
──『最愛なるプレッシャー』のハッチさんのドラムはデキシード・ザ・エモンズ以来久々に聴きましたけど、相変わらずパワフルで昂揚感がありますよね。
マモル:今もちょこちょこ叩いてるみたいですけどね。彼独自のドラムになってるし、ああいうリズムをやってもらいたかったんです。だから注文は一個もなくて、まず2人でスタジオに入って、家に帰ってベースを入れたりしたんですよ。一番何も考えてなかった曲ですね。最初はコードとメロディだけで、そこにドラムをのっけただけだったんです。歌を入れたデータを事前に送って聴いてもらって、スタジオで5、6回音を合わせて終わりみたいな。
──『メンドクセー』のマモルさんの叩くドラムも味わい深くていいですよね。
マモル:まぁ、簡単なことしかできませんからね。フィルとかはできないし。必要最小限でいいんですよ。別にドラムが入ってなくたって構わないし。
──げんなりする出来事は全部俺のせいにしとけばいいと唄われる『メンドクセー』は、『だまって俺について来い』とかクレージーキャッツの世界観に通じるものがあるなと思ったんですよ。
マモル:ああ、なるほどね。言われてみればそうかもしれない。僕はクレージーキャッツが大好きで、だいぶ影響を受けましたから。
──しっとりと聴かせる『ハレンチな夜』はビートルズの『Maxwell's Silver Hammer』っぽい曲調ですけど、『Strawberry Fields Forever』で聴かれるメロトロンによるフルートみたいな音色もアクセントになっていますね。
マモル:『Strawberry Fields〜』の音は意識しましたね。ウチにあるMIDI音源の中にメロトロンのソフトが入ってて、『Strawberry Fields〜』の音に一度はしてみたいと思ったんですよ。バンドマンなら一度は必ずやってみたいことじゃないですかね。
──あと、『ハレンチな夜』はロマンティックなヴァイオリンの音色も心地好く耳に残りますね。
マモル:北海道にツアーへ行くとよく共演するMojo Houseっていうユニットのゆうちゃん(鈴木裕)にお願いしたんです。ヴァイオリンが上手なもんですから。彼は北海道在住だから、それもデータのやり取りでした。
──マモルさんの音楽にあれだけ弦楽器が似合うとは正直思いませんでした。
マモル:あれは良かったですね。僕も感動しました。ヴァイオリンとはまたやりたいです。
自分以外の音や声が歌を広げてくれる
──そんな情緒のある雰囲気の一方、岩川健次郎さん、サブディランさん、ベニイ鈴木さん、高橋啓さんによる武骨なヤン衆的コーラス隊が随所で大活躍していますね。
マモル:太陽民芸っていう若手のバンドですね。ちょっとバカな感じが出てていいんですよ。“多分こうなるだろうな”っていう僕なりの読みがあって、彼らのコーラスが入ればバカな感じになって面白くなるだろうと思ったんです。現場では「おお、いいよいいよ! もっと行ってみようか!」なんてヨイショしたりしてね(笑)。
──アッパーなアンプラグド・ナンバー『不遇な犬』でグレイトリッチーズ時代の盟友である谷口昇さんがパーカッションとして参加しているのも、本作の大きなトピックのひとつじゃないかと思ったんですが。
マモル:谷口君は今岡山に住んでて、岡山に弾き語りで行くと一緒にライヴをやったりもしてるんですよ。彼がバンドを始めて、たまたま東京へ来る機会があったんです。ちょうどこのアルバムのレコーディングをやり出した頃だったので、彼を誘ってみたんですよ。「東京でのライヴの次の日にもし時間があるなら、スタジオに来て叩いてみないか?」って突然メールをして、曲もその場で聴かせて。それで岡山へ帰る日の午前中に3時間くらいスタジオに入ったんです。そこでコンガを叩いてもらって、「後はやっとくわ」みたいな。面白かったですよ。
──もの凄くタイトなスケジュールだったんですね。
マモル:そういうのが好きなんですよ。急に思いついたことを行動に移すのが。『不遇な犬』はパーカッションが必要だなと思って、誰がいいかなと考えてた時に“あ、谷口君が東京に来るな”とひらめいたんです。ただ、「もっと事前に言ってくれ」って文句を言われましたけど(笑)。
──でも、結果的に上手いことハマりましたよね。
マモル:うん。僕のイメージの中では初期のRCサクセションみたいにしたかったんです。アコースティック・パンクみたいなアプローチと言うか。太陽民芸のバカ・コーラスもそんなアコースティック・パンクに合ってるし、その場で太陽民芸の高橋君に犬の鳴き声までやってもらったりして(笑)。そういう要素が自分のイメージを広げてくれるし、バンドでやってるとこうはならないだろうなと思いますね。
──他者の手を借りて化学変化を楽しむのも良かろうと?
マモル:そういうのも大事なんだなと今回は思いましたね。いつもはもっとカッチリやってるけど、これからはそれだけじゃダメなんだなって。自分の許容範囲をもっと広げて、“何でも来い!”みたいにならないと。
──バンドと違ってソロは自由度が高いぶん、音作りの最終的なジャッジで悩むところもありましたか。
マモル:まぁ、経験に基づくしかないですよね。でも、編集作業は自宅でやってるから面倒くさくなったら寝ちゃえばいいし、3時間くらい寝てスッキリしてからやり直してもいいんですよ。それができるのが良かったですね。
──いくらでも音は後から付け足せるし、その見極めは難しくなかったですか。
マモル:その辺は大丈夫でしたね。ミックスよりもマスタリングのほうが大変ですよ。曲順は大体いいとしても、音の大きさや曲間を客観的に判断するのは苦手な作業なんですよね。日にちを置いて普通のリスナーにならないと何が何だか判らない。
──『どけよ』はギターパンダの山川のりをさんがギターを弾いていますが、ヨレたドライヴ感がクセになる逸品ですね。
マモル:のりをもデータのやり取りでした。「スライドよろしく」って書いて送って(笑)。実はね、音はまだいろいろ入ってたんですよ。それはのりをに限らずみんなそうで、僕が要るところだけを使ってるんです。向こうも入れるだけ入れるから好きなように使ってくれと言ってくれたので、自分で好きなように要らないところは捨てました。そのジャッジは時間が掛かりましたね。トモフスキーは似ててちょっと違うコーラスを2つ用意してくれましたから。でも、逆に僕が音を入れてくれと頼まれても同じように2、3個入れると思うし、みんな2、3テイク入れてきますよね。
──『どけよ』は終盤に『Get Back』のフレーズが入っていてニヤリとしますね。
マモル:そういうのはしょうがないんです。曲を作ってガチャガチャやってると、自ずとそうなっちゃうんですよ。
高い楽器を使おうが聴く人には関係ない
──今回、歌詞の煮詰まりはなかったですか。
マモル:悩むところもあるけど、最近はすぐにバーッと書いちゃいますね。悩むところが人と違うと思うんですけど。
──語感とかですか?
マモル:うん、語感かな。
──ジミー大西的な?(笑)
マモル:あれは悩まないです(笑)。全くの思い付きですね。と言うか、むしろ最後はジミー大西しかないくらいの勢いでしたから(笑)。引っ掛かりになるような言葉が欲しくて、それが僕の場合はスラングなんですよ。それがいっぱいあれば楽しいんです。言いたいことを言ってるようで言ってないみたいなね。それか、思い切ってそのまま言ってしまうか。その両極端が好きなんですよ。
──マモルさんの歌の頻出単語である“キンタマ”は今回も『不遇な犬』で出てきますね(笑)。
マモル:“キンタマ”は好きですね。『不遇な犬』でまた出てきちゃったので考えたんですけど、もう1回くらいは使ってもいいだろうと思って。どうしても出てきちゃうから気をつけなきゃいけない。
──一見書き殴りのような歌詞なのに、音と合わさると響きが良くて過不足もないのはマモルさんの書く歌詞の大きな特徴だと思うんですよ。
マモル:まぁ、ノリで書いてるところがありますからね。僕が今さら人生の応援歌を唄ってもしょうがないし、そんなのはロックじゃねぇよと思うし。だからと言って、心の入ってない歌もイヤだし。せっかく音楽をやってるんだから、何も残らないのはイヤですから。
──物語性の秀逸さで言えば、『ペンキ塗りのブルース』はとりわけ出色の出来ですね。
マモル:僕が10年以上前にペンキ塗りのアルバイトをしていた時に書いた歌詞なんですよ。アルバイトが早い時間に終わって、学校を早退した時みたいな楽しい気分になって歌詞が浮かんだんです。今回のアルバムで一番古い曲なんですけど、アレンジをスウィング系にしたのはこれが初めてなんですよね。今までやったことのないアレンジで大変でしたけど。ギターのアレンジが特に。
──確かに、ここまで真っ黒なブルースはDAViESでもなかったですよね。
マモル:うん。ここまで本格的なのはやったことがなかったです。ライヴでやるやらないは置いといて、スウィンギンなブルースをやってみたかったんですよね。
──初回プレス盤のボーナストラックとしてグレイトリッチーズの『時速4キロの旅』のセルフカヴァーを入れた意図というのは?
マモル:スタッフの提案ですね。今も弾き語りでたまにやってる曲で、スタジオでマイクを立てて一発録りしたんですよ。その出来が良かったので入れてみました。やってみて良かったら入れることにして、良くなかったらやめようと思って。曲を並べてみてもちょうど良かったし。
──グレイトリッチーズ時代の曲をやるのに特に抵抗はないものなんですか。
マモル:進んでやろうとは思わないですけど、「いい歌なんだからやりなよ」って言われれば「そうだね、いい歌だからね」ってやる感じですかね(笑)。まぁ、歌詞が青くせぇなぁとは正直思うんですけど、ここまで来たらむしろ関係ねぇぞって言うか、今だからこそやれると言うか。
──今回のようなデータのやり取りでもマモルさんの歌の持ち味は十二分に出ていると思うんですけど、アナログ・テープを使った一発録音で温かみのある音作りをしてみたいとは思いませんか。
マモル:現実的にアナログ・テープを扱ってるスタジオも少なくなったし、テープも高いし、手間も掛かりますからね。聴いてる人は一発録りだからどうとか、多分関係ないと思うんですよ。少なくとも僕はね。こんなヴィンテージの楽器を使ってますとか何とか、そんなことに興味はないし。そりゃミュージシャンですから、“この曲は絶対にギブソンで弾いとこう”とかこだわりはあるけど、録った後はどの曲にどのギターを使ったかは自分でも覚えてないんですよ。そんなもんなんですから。聴いた人が家や車の中で気持ち良く聴ければそれで充分なんです。決して投げやりなわけじゃなくてね。
ロックンロールしかやりたいことがない
──歌ばかりでなく、音楽に向かう姿勢も極々シンプルなんですね。
マモル:昔、高い真空管マイクも持ってたんですよ。確かに音はいいのかなと思いましたけど、それで自分の声が良くなるわけじゃないし、出来た曲には何も関係ないから売っちゃったんです。今の時代、要らないものが多すぎるんですよ。それは自分で分別するしかない。パソコンの新しいOSも要らないですよ。ちょっとインターネットの繋がりの不具合があるくらいで、充分使えるんですから。そうやって分別していくと、要らないものだらけなんですよね。僕は曲を作って唄っていられればそれでいいんですよ。
──マモルさんが要らないものを次々と処分していった結果、残った数少ないものの中のひとつがロックンロールなんでしょうね。
マモル:そうですね。今もロックンロールが好きだし、四六時中聴いてますから。何でここまで好きなのかは判らない。判らないけど、ホントの意味でのロックンロールが絶滅の危機に瀕してるのを最近感じますね。ロックンロールみたいなバンドはいっぱいいるけど、ピュアなロックンロールを掻き鳴らしてるバンドは少ない。少ないなら自分でやればいいんですよ。
──ピュアなロックンロールのDNAを次の世代に継いでいきたい気持ちはありませんか。
マモル:こうしてアルバムを出していけば、それを聴く人がいれば、それで充分じゃないですかね。ロックンロールは押し付けるもんじゃないし、ちゃんとアンテナがあれば自分で見つけますから。若い時に宣伝に騙されて勢いで買ったCDは捨てちゃいますけど、自分でいいと感じた音楽は今もずっと残して取ってありますからね。CDが売れるとか有名になるとかはくだらないことで、いい音楽が残ることのほうが僕には大事なんです。僕も誰かにロックンロールを教わったわけじゃないし、簡単に言えばビリビリビリッと電気が走ったんですよ。『ブルース・ブラザーズ』でジョン・ベルーシが教会で雷に打たれるシーンがありますけど、あれはホントなんです。親の金を盗んでレコードを買ったこともあるし、そういうのは止められないものじゃないですか。その衝動は決して押し付けじゃないし、ロックンロールを好きなヤツに押し付けられたヤツは一人もいないんですよ。高校の時にドクター・フィールグッドを友達に教わって凄くいいと思ったんですけど、メチャメチャ悔しいから「そんなの知ってるよ」ってウソをついたんです(笑)。で、こっそり違う友達から借りてきてテープに録音してね。そういう音楽がずっと好きなんですよ。
──マモルさんはロックンロールしかやりたいことがない、根っからの音楽人なんでしょうね。
マモル:他のことをやっててもまるでつまらないダメな人間なんですよ。ロックンロールがなかったら毎日がつまらない。「ああ、つまんねぇな」とか言いながら釣りでもしてるのかもしれないけど。ちゃんと爆発してたロックンロールは未だに僕の心を昂揚させてくれるし、それは理屈じゃないんですよ。ロックンロールは理屈じゃないんです。
SESSiONS(セッションズ)
01. ロックンロール賛歌
02. フライングマン
03. メンドクセー
04. ハレンチな夜
05. 地味な夜
06. 最愛なるプレッシャー
07. 不遇な犬
08. It's a beautiful day
09. どけよ
10. ペンキ塗りのブルース
11. 時速4キロの旅(スタジオライブ/初回プレス限定ボーナストラック)
MAGIC TONE RECORDS MAGI-0005
2,625yen (tax in)
2010.10.06 IN STORES
Live info.
ニューアルバム先行発売ワンマンライヴ
2010年10月3日(日)下北沢SHELTER
出演:MAMORU & The DAViES
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV. 2,300yen (+1DRINK) / DOOR 2,500yen (+1DRINK)
info.:SHELTER 03-3466-7430
MAGIC TONE RECORDS official website
http://www.magictone-blues.com/