ギター 今月のRooftop

GOOD4NOTHING('10年9月号)

GOOD4NOTHING

自身のレーベル“L.M.N.O.P.”を立ち上げ、新たな布陣となって切り開く地平


 '98年に結成し今年で活動12年目を迎えたGOOD4NOTHINGが、自身のレーベル“L.M.N.O.P.”(読み:エレメノピー)を立ち上げ、ニュー・アルバム『BACK 4 GOOD』をリリースする。この夏も多数のフェスに出演し、全国各地でモッシュの渦を作り上げてきた彼ら。前作リリース後、ドラムのKAWAJINが脱退、新しくSUNEが加入というバンド内で大きな変化はあったものの、勢いを止めることなく走り続けてきた。それは、『BACK 4 GOOD』からも充分に感じることができる。30秒に満たない楽曲『27』から怒濤の勢いで始まるこの作品は、GOOD4NOTHINGならではのパーティー・チューンがあったり、かと思えばドラマティックな展開が待っていたりと、新しいスタートを切った1枚目にふさわしい作品だ。
 今回は、絶賛マスタリング作業中のU-tanがスカイプでインタビューに参加するという画期的な手法で、無事メンバー全員にお話を聞くことができた。(interview:やまだともこ+椎名宗之)


アメリカでのレコーディングで得たもの

──U-tanさんは現在地元に戻って『BACK 4 GOOD』のマスタリング中ということですが、もう8月の半ばですし、発売までかなりタイトなスケジュールですよね。一度録ったものに対して“こうすればもっと良くなるんじゃないか?”というアイディアが出てきて作業が延びている状況なんですか?

TANNY(vo, g):いえ、最初からケツまでキメキメでやっていなかったので、今になっていろんな作業が重なってきてしまっているんです。あと、マスタリングがニューヨークとのやり取りなんですけど、向こうとの兼ね合いもあって。

──今回レコーディングは、ご友人のバンドの協力によりアメリカでされたそうですが。

TANNY:はい。歌録りだけですけどね。

──アメリカでレコーディングをすることの意図というのは?

TANNY:空気感とか発音のレベルをもうちょっと上げたいと思ったんです。向こうに行ったらメンバー間で喋る時も英語になったりするんで、そういう環境の中でノリが音や声に出てるんじゃないかっていう。

──伸び伸びと唄えた手応えはあります?

TANNY:やってやった感はありますね。

MAKKIN(b):ただ、せっかくアメリカまで行ったのにレコーディングをしていただけで、コンビニ以外どこにも行ってないんですよ。けっこうタイトでしたね。

TANNY:ストレスはたっぷりでした(苦笑)。ずっとクローゼットの中やったんです。ちゃんとしたスタジオじゃなくて、レンタルハウスみたいなところを借りて。

MAKKIN:そこのクローゼットに機材を持ち込んでヴォーカル・ブースを一個だけ作って、みんなで入っていくっていう(笑)。

──歌録りの手法や環境的な部分で、日本と違うと感じたのはどんなところでしたか?

TANNY:基本は一緒なんですが、逆に“これでいいんかな!?”って思いましたよ。日本のレコーディングって音の跳ね返りがどうとか、マイキングの位置がどうとか細かいレベルまでやりますけど、そんなのが一切なかったので。

MAKKIN:吸音も、家から自分たちで持ってきたものをガムテで貼っただけでしたから。

──かなりハンドメイドなんですね。

TANNY:マイクだけは良いヤツを使いましたけどね。

──歌がちゃんと際立っているのは成果としてよく表れていますよね。マスタリングは順調ですか? (ここでスカイプを通じてU-tanが参加)

U-tan(vo, g):何とかやってます。

──今回のマスタリングのポイントはどんなところですか?

U-tan:今回はニューヨークでマスタリングをしてもらっているんですけど、日本だけど日本じゃない、アメリカだけどアメリカじゃないみたいなサウンドになれば良いかなと思っています。

──歌詞は英語だし、音も適度にカラッとしていますけど、湿度とか情緒など日本人らしさはちゃんと残してますよね。

TANNY:そこは日本人やからですかね。

U-tan:まず日本のバンドに影響を受けて、それから洋楽も聴き始めて、それぞれに良いところがありますから一度吸収した上で僕らの個性になれば良いかなと思っています。

──ところで、前作のアルバム『Swallowing Aliens』(2008年7月リリース)からメンバーが替わったり、新しくレーベルを立ち上げたことはバンドの歴史の中でも大きな変化だったんじゃないですか? もうSUNEさんが加入して1年ぐらいになるんでしたっけ?

SUNE(ds, Kuchibue):1年経ってないぐらいですね。叩き出したのは昨年の10月からなので。

──バンドってドラムが変わると根本的に大きく変わりますよね。

TANNY:でも、変わってしまった感じではなくて、より盛り上がった感じを出したいなという思いが凄く強かったので、SUNEが入った昨年10月の終わりから今まで一生懸命やって来たという感じです。

MAKKIN:ベースとドラムでスタジオに入って練習も凄くしたんですよ。“なんか違う”というのがあって、それを合わせるのに何をどうしたらええんやろう? って悩んだし、俺らはどうしたら良いか、SUNEはどうしたら良いか悩みすぎて一回意味判らんくなって…(笑)。

TANNY:僕らのバンドってKAWAJINのドラムしか知らないんで、新しいノリを持った人間が入った時にスッと行ける部分と行かれへん部分があって、その間を取っていく作業がけっこう大変でした。

──ドラムが変わって、節回しが変わったりとかしませんでした?

MAKKIN:最初、U-tanは唄いづらそうにしてたな。

U-tan:そういう時はケンカするのが一番早いですね。SUNEが入ってからすぐにツアーに出たんです。ツアーを回って一緒の空気を味わんと絶対にできんって思ったので。そこでお互い思っていることを全部言い合って、MAKKINもホテルでキレて。

MAKKIN:キレたら、SUNEに「もう判りませんわ!」って言われて(笑)。

SUNE:「それやったら無理ですわ!」って(笑)。

U-tan:それぐらいからちょっとずつ良くなってきてますね。

──U-tanさんの中で、GOOD4NOTHINGのドラムとはこういうものだというひな形があったと?

U-tan:型にはめるつもりはないですけど、人間的に“俺はこれしかないねん!”という男であって欲しいんですよ。まずはKAWAJINのコピーをやってもらいましたけど、「徐々にSUNEの良さも出してこいよ」って言っていて、最近は良い感じではあります。まだ入って1年も経ってないし、どうなるか判らないですよ。あと2ヶ月で1年ですけど、そこまで保つかどうかも…(笑)。

──SUNEさんにとってこの1年は、千本ノックを受ける勢いでバンドに馴染もうとしている感じですね。

SUNE:ありがたいことです。

──どういった部分がGOOD4NOTHINGの曲を演奏する上で難しいところですか?

SUNE:最近気をつけているのはヴォーカルです。バンドとして一番強く出したいものがメロディだと感じているので、ヴォーカルとグルーヴの掛け合いは特に大事にしていますね。

──確かに歌とメロディはGOOD4NOTHINGの最大の武器ですから、そこをどう引き立たせるかは最優先すべき課題ですよね。

TANNY:KAWAJINがそれを上手いこと出していたので。

──でも、今回の収録曲で言えば『Flying high』などは、歌と演奏を聴かせるバランスが凄く良いですよね。

TANNY:それはツアーを回ったのが大きいです。SUNEが入った時に、この先どうしていくかという話の中でゆくゆくはアルバムを出すというところに照準を合わせて、そしたらまずはツアー回らんとあかんなって、そこで千本ノックをしてケンカして、ちょっとずつやけどお互い歩み寄っていって制作に取り掛かったので、それが音に出てるんだと思います。



バンドの活動を止めたくなかった

──今回、“L.M.N.O.P.”という自身のレーベルを立ち上げたのはどんな意図があったんですか? これまで所属していたKick Rock MUSICでも自由奔放な活動をしていたイメージがありますけど。

U-tan:最終ジャッジを自分らでやっていきたいというのがあったんです。Kick Rockとはケンカ別れでも何でもなくて、相談したら「一回やってみいや」って言ってもらえたので自立させてもらいました。

──リスクを自分たちで背負おうと?

TANNY:リスクもありつつ、レーベルの色がないところで自分らのやりたいことを完璧にできる環境を作りたいなと思って。

──“L.M.N.O.P.”とは何かの言葉の頭文字なんですか?

U-tan:特に深い理由はないんですけどね。

TANNY:『ABCの歌』ってあるじゃないですか。日本のは「H-I-J-K-L-M-N, O-P-Q-R〜」って続きますけど、アメリカは「H-I-J-K-LMNOP」って“LMNOP”までを一気に唄うんです。その響きが良かったというところで“L.M.N.O.P.”にしました。

──前作を出した辺りから、次は自分たちでレーベルを立ち上げてやってみようという意識が高まっていたんですか?

U-tan:前回のレコーディングは、“これはちゃうねんけどな…”と思いながらやっていた部分もあったんです。それがレーベルとのすれ違いの部分でもあって、レーベルのスタッフに「自分たちの手でやりたいです」って相談したんですよ。

──年齢が30歳を越えたことも大きいですか?

TANNY:というわけではなくて、バンドがひとつの高みに到達したという感じですね。酸いも甘いもじゃないですけど、いろいろ経験して土台ができたから、もうひとつ大きいステップが踏めるんちゃうかな? じゃあ行こか! っていう。

──『Swallowing Aliens』は曲の粒も揃っていたし、コンセプトもちゃんとしていたし、活動10年分の集大成という側面もありましたよね。今作は、それを乗り越える作品というプレッシャーもあったのではないですか?

TANNY:ない言うたら嘘になりますけど、プレッシャーは毎回ありますから。

MAKKIN:でも、いつもに比べたら今回はラフな気持ちで臨めたような気はするな。U-tanもそんなに苦しんでる感じがなかったやん。

TANNY:自分らでやっていかなあかんっていう、違うプレッシャーはありましたよ。レコーディングに慣れてきた分、肩の力を抜いてやることはできたけど、もう一歩踏み込んだところで、ちゃんと作品を作らなければいけないというのは各々あったと思います。

U-tan:KAWAJINが抜けたことを絶対プラスにしたかったんです。だから、1ヶ月でも活動を絶対に止めたくなくて、アコースティック編成でも3人でやるつもりでした。その時期がいつものように“曲を作らな!”って焦る感じにならんくて、それが逆に良かったのかもしれないです。

──となると、『Flying high』はKAWAJINさんへの惜別の歌という意味もあるんですか?

U-tan:これはKAWAJINに向けた歌ですね。

──本作の中でも特にグッと来るナンバーですよね。

U-tan:でも実はこの曲、MAKKINが…。

TANNY:それ言っちゃう?(笑)

U-tan:MAKKINが原曲を作ってきて、その曲があんまりやからちょっと改造してみようやって改造したら、めっちゃ良い曲が出来たんです(笑)。

MAKKIN:気を遣ってくれたのか、「ここだけメロディ使う」とか言うから、「俺の曲なくしても良いから」って言って。

U-tan:それが跡形もなく、なくなったんです(笑)。

TANNY:MAKKINは、演奏する時も凄く微妙な顔をしていますね。生まれるきっかけは作ったけども…。

MAKKIN:けども、ええ曲やから何も反論できへんし(笑)。

U-tan:最初は爽やかすぎて、ちょっとちゃうかな? と思ったんです。でも、やっていくうちに自分らの音にできたから、やろうってことになって。

TANNY:仮タイトルも最初は『爽やか』でしたから。

U-tan:『SWYK』だったな(笑)。

──GOOD4NOTHINGの楽曲は、持ち寄った形から完成形が大きく変わるパターンって多いんですか?

U-tan:たまにありますね。

TANNY:でも、『Flying high』に関しては異例ですよ。

──U-tanさんとTANNYさんの曲に対するイメージの違いって、どんなところがありますか?

U-tan:基本は一緒やと思いますけど、TANNYにしか持ってない判断力もあって方向転換をよくしてくれます。

TANNY:なるべく全体の雰囲気を重視するようにしているんです。

U-tan:たまに全体を見過ぎて、宇宙から地球を見てる感じになってるよな(笑)。大阪がどこかも判らんって。

TANNY:それは否めませんけど、そのバランスが絶妙なのかもしれませんね、実は。


U-tan(vo, g) TANNY(vo, g)

新しい境地に辿り着いたような感じ

──『Never Too Late』は、ツイン・ヴォーカルの畳みかける感じが底抜けに気持ち良いですよね。

TANNY:今回はツイン・ヴォーカルを増やそうやって決めたんです。ドラムがSUNEになった時に、「俺らを客観的に見た時に何が一番の武器や?」とか「どういうアプローチをしたら良いのか?」という話をU-tanとして、「やっぱりツイン・ヴォーカルじゃない?」みたいな。畳みかける感じって最近あまりやってないし、僕らがバンドを始めた当初からの攻撃スタイルやったので、それを今回は全面に出そかって。

──だからこそ歌がちゃんと聴こえるようにという意図を汲んでアメリカに飛んだわけですね。表現方法が格段に上がった手応えはありますか?

TANNY:出来上がった作品を聴いて、アメリカに行った意味はあったなって思います。

U-tan:曲は多かったんですが、時間があまりない中で十何曲録るというのは成長した部分もあるし、英語の発音は今までは気づかなかったもう一個上のところで教えてもらえたので、凄く意味がありました。

TANNY:前の経験を活かしつつ、新しい境地に辿り着いた感じはしましたね。

──現地の人から英語の発音を直される部分というのは、たとえばLとRの違いとかですか?

U-tan:あと、母音が5種類ぐらいあるじゃないですか。喉の奥で言う“アー”とか、ちょっと巻く“アー”とか。今回めっちゃ難しかったのが、“party”と“story”だったんです。“パーリィイ”って、最後の“イ”をちゃんと言わなあかんのですよ。“イ”がちゃんと聞き取れて初めて“party”って聞こえるんです。“story”の最後も同じで、その辺が難しかったです。“パーリィイ”って(ここで“イ”を一生懸命発音するU-tanがパソコンの画面にドアップで映し出される)。

MAKKIN:ここで英語のレクチャーしてどうすんねん!(笑)

U-tan:それが面白くて、向こうにいた期間中にも曲を作ったんですよ。俺らはめっちゃパーティー好きやし、パーティーに行きたいけど、その前にパーティーって上手く言われへんねんって。一発録りで、ボーナストラックとして入れた曲なんですけど。

──ブログを拝見したら、21曲作った中から厳選した14曲を収録したと書かれてましたが、恐ろしく曲を作りましたね。どれだけ気合いが入っているかがよく判りました。

U-tan:その中から14曲を選ぶのがけっこう苦労しました。

MAKKIN:アルバムで言ったら2年ぐらい出してないから曲も溜まっていたし、早く出したかったんです。U-tanは、一時神が降りて来ている時があったみたいで。

U-tan:今も来てるけどね(笑)。

──U-tanさんはここ数年の中で、最速の作曲ペースだったんですか?

U-tan:そうですね。けっこう早かったです。

TANNY:僕はU-tanに「もうちょっと待って」って言って引っぱっちゃいましたね。

──SUNEさんが加入した今のバンド・サウンドを想定した曲作りだったんですか?

TANNY:ドラムが変わったからこうしようというのはなくて、メロディとか全体のイメージで試行錯誤していたんです。

MAKKIN:次の時はもっとSUNEの良さを出して欲しいな。

SUNE:今回は徹した感じにしたんですよ。バンドのイメージがガラッと大きく変わるのは怖くもあったし、自分がバンドのいちファンでもあるので壊したくなかったんです。僕はもともと手数が多いほうが好きなんですが、このバンドはメロディを大事にするバンドなので、今回はなるべく削ぎ落としました。でも、最近になって自分ができることの隙間が見えてきたので、早く次を録りたいですね。

──今回採用されなかった曲もたくさんありますからね。

TANNY:U-tanと「もう1枚アルバム出来るな」って話をしていたんです。一昔前は「曲がない」って言ってた気がするんだけど、今は曲がありすぎて出しきられへんみたいな。

──1曲目の『27』のような30秒に満たない曲は、“いきなりこんなボールを投げてくるのか!”と思いましたけどね。新しくレーベルを立ち上げて、1枚目の1曲目に勝負してる感があると言うか(笑)。そうやってユーモアを全面に押し出すのもGOOD4NOTHINGらしいですよね。

TANNY:あまり固い感じじゃなくて、柔らかくしたかったと言うか。そのほうが面白いですから。


MAKKIN(b) SUNE(ds)

自分たちが最後まで責任を持つ

──マスタリングはU-tanさんに全幅の信頼を寄せているんですか?

MAKKIN:はい。

U-tan:今までは、マスタリングにはあまり立ち会わなかったんです。

TANNY:ガチでやるのはミックスまでで、マスタリングはお任せしてましたから。

──レーベルを立ち上げた意味と同様、自分たちで最後までしっかりやるという心の表れですね。音の現場監督はU-tanさんが担っているんですか?

MAKKIN:大まかな形を作るのはTANNYとU-tanです。あとは僕がコーラスをもうちょい欲しいとか、ベースをもうちょい欲しいとか言いますけど、それをまとめるのがU-tanとTANNYなんです。

──MAKKINさんは、曲を持っていってもほとんど改ざんされてしまいますからね(苦笑)。

MAKKIN:寂しいもんですよね。

TANNY:でも、そのおかげで名曲が生まれたからな。

MAKKIN:そうや! 俺のおかげや!!

U-tan:でも、MAKKINのミックスはベースしか聴こえなくて終わってましたね(苦笑)。

TANNY:MAKKINはホントにベースが好きなんやなって思いましたよ。プリ・ミックスの段階で各々が持って帰って、思うところをエンジニアの人に伝えていく時に、MAKKINは「全体的にベースが欲しい」って言っていたんです。それで、みんなの意見を盛り込んで聴いたら、もの凄いモコッとした感じになって却下したんですよ(笑)。

MAKKIN:やってるパートが好きなもんで(笑)。

TANNY:そこでMAKKINに言ったのが、「もうちょっと全体考えて、出すとこ引くとこ考えたほうがいいんちゃう?」って。

──でも、ベースの音はどの曲も粒が際立っていますよね。

TANNY:今回、楽器は良いスタジオで録らせてもらったので、凄く音が良いんですよ。

──抜けの良さは近年の作品で一番良い気がします。

TANNY:足し算引き算が前よりもできるようになったんです。殺し合うんじゃなくて“どうぞどうぞ”って引くやり方も判ってきたし。

MAKKIN:俺もちょっとは判ってきた(笑)。

──SUNEさんは与えられたことをきっちりこなすスタイルで?

SUNE:先輩(MAKKINのこと)の一件を見ているので、「バスドラをもっと欲しい」と言ったらこうなるんだろうな…って勉強させてもらっています(笑)。

TANNY:注文も最低限やったしな。

MAKKIN:僕も最低限のつもりだったんですけど、聴いたら確かにベースがでかいなって思いました。

TANNY:でも、やらんと後悔するよりも、やって後悔したほうが勉強になるしな。

──今回もいろいろトライアルできたことが如実に窺える感じですね。取材前に聴かせて頂いた音源が前半の6曲と後半の1曲なんですけど、全体の構成としては後半になるにつれてエモ度が上がっていく感じなんですか?

TANNY:僕らの傾向としては、頭のほうはパーティー・チューンが多くて、真ん中ぐらいにミッドの感じがあって、後半は泣きもありつつ違うアプローチの曲もありつつで、最後にもう一回上げるという感じでいつも考えているんです。

──今回もそういう構成で踏襲していると?

TANNY:曲を集める時とかに、自ずと「これ1曲目やな」って決まってしまうんですよ。

U-tan:ホンマは出来てる曲を全部入れたいぐらいだったんですけど、作品として見て『27』から始まってバラードの『film』で締まるっていう流れを組むのが難しくて、考えているうちに自然とこの並びになった感じです。『27』は僕らなりのメッセージを込めた曲なんですよ。最近の若い子たちって、CDを買って友達に回したら捨てちゃうと聞いたことがあるんですけど、それが悲しくて。だからパッケージとして所有する価値のあるものにしたくて、今回はアートワークも14曲分の歌詞や絵を自分らで描いて、パッケージ全体を見て欲しかったんですよね。

MAKKIN:前作に比べて、そういう部分は凄くこだわってます。

──アートワークを含めて“L.M.N.O.P.”第1弾作品にふさわしい作品になりそうですね。現時点でそれだけストックがあるなら、2枚組のアルバムも出せそうじゃないですか?

TANNY:僕らがキッズの時に聴いていた海外のパンク・バンドって、1枚のアルバムに25曲とか入っていたりしたじゃないですか? でも、現実に全部ライヴでできるかと言ったらできない。一生懸命作ったのに、忘れられていくような曲があるのがイヤなんですよ。どの曲もライヴでやりたいし、どの曲も同じように愛しているし、捨て曲を作りたくないというのは昔から思っています。

──GOOD4NOTHINGのオリジナル・アルバムって、どの作品もその時期のベスト・アルバムみたいなところありますよね。どれもシングル・カット可能ですし。まぁ、『27』はともかくとして(苦笑)。ちなみに、今回はトータルで何分の予定なんですか?

U-tan:38分ぐらいですね。

TANNY:また40分越えせず。

──メロコアのアルバムで40分台だと超大作って感じですからね。そして今回のレコ発ツアーもご多分に漏れず長丁場で、ライヴづくしのまま年をまたぎますね。

TANNY:今年もアジア方面に行く予定なんですけど、来年も海外に向けてのアピールはしていきたいです。違う環境の中でやったら勉強にもなるし、僕らだけで行くからメンバーの有り難みもよく判りますし。いろんな意味でバンドが叩き上げられる環境なので、どんどん続けていきたいです。

──今後はL.M.N.O.P.主催の企画も考えていたりしますか?

U-tan:いずれはやっていきたいと思っています。

TANNY:お酒の席とかでそんなんしたいなとは言ってますけどね。

U-tan:まずはこの4人で日本2周ぐらいはツアーがしたいですね。次がこの4人になってからの初めての大きいツアーなんで。そこでまたケンカして(笑)。

TANNY:ケンカしたいんかい!(笑)

U-tan:それが一番近道やな。KAWAJINとやってきた12年間から、新しいGOOD4NOTHINGを確立してやっていけたら良いなと思いますね。

TANNY:最悪、次の作品はSUNEちゃうかもしれんしな(笑)。

SUNE:それは毎回肝に銘じてます(笑)。



BACK 4 GOOD

01. 27
02. Never Too Late
03. Flying high
04. UNIONWAY
05. Honest with myself
06. Day after day
07. So long
08. Count To Four
09. Something Real
10. Never Back Down
11. Run Away!!
12. The Answer
13. Change The World
14. film
Bonus Truck We can't say "Party"
L.M.N.O.P. UPCH-1791
2,500yen (tax in)
2010.9.22 IN STORES

★amazonで購入する

Live info.

BACK 4 GOOD TOUR '10-'11
2010年
10月27日(水)大阪十三FANDANGO
10月29日(金)名古屋APOLLO THEATER
10月31日(日)新宿ACB HALL
11月3日(水・祝)酒田MUSIC FACTORY
11月5日(金)仙台CLUB JUNK BOX
11月6日(土)秋田LIVESPOT 2000
11月7日(日)盛岡Change WAVE
11月9日(火)八戸ROXX
11月11日(木)釧路CLUB GREEN
11月13日(土)旭川CASINO DRIVE
11月14日(日)札幌BESSIE HALL
11月21日(日)甲府KAZOO HALL
11月23日(火・祝)横浜F.A.D
11月25日(木)千葉LOOK
11月27日(土)水戸LIGHT HOUSE
11月28日(日)HEAVEN'S ROCK Kumagaya
12月4日(土)金沢vanvan V4
12月5日(日)富山Soul Power
12月11日(土)滋賀U☆STONE
12月12日(日)神戸KINGS CROSS
12月19日(日)京都MUSE
12月25日(土)MAO LIVE HOUSE上海
12月26日(日)MAO LIVE HOUSE北京
2011年
1月8日(土)福岡BEAT STATION
1月9日(日)大分T.O.P.S Bitts HALL
1月10日(月・祝)鹿児島SR HALL
1月12日(水)長崎STUDIO DO!
1月14日(金)周南LIVE rise
1月16日(日)出雲APOLLO
1月21日(金)横須賀かぼちゃ屋PUMPKIN
1月22日(土)HEAVEN'S ROCK Utsunomiya
1月23日(日)高崎club FLEEZ
1月25日(火)浜松MASCALIN DRIVE
1月26日(水)松阪M'AXA
2月11日(金・祝)岐阜BRAVO
2月12日(土)長野CLUB JUNK BOX
2月13日(日)福井CHOP
2月18日(金)徳島club GRINDHOUSE
2月19日(土)高松DIME
2月20日(日)岡山CRAZYMAMA 2nd ROOM
3月4日(金)高知X-pt.
3月5日(土)松山SALON KITTY
3月6日(日)広島Cave-Be
3月12日(土)新潟CLUB JUNK BOX
3月13日(日)郡山CLUB #9
3月15日(火)静岡Sunash
3月20日(日)名古屋BOTTOM LINE
3月24日(木)大阪BIG CAT
3月26日(土)新木場STUDIO COAST
info:L.M.N.O.P.(MPD内)03-5424-1794

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