ギター バックナンバー

Dirty Old Men('10年8月号)

Dirty Old Men

7.20(Tue)渋谷CLUB QUATTRO
Dirty Old Men 2010 Time Machine Tour ファイナルワンマン


 Rooftopでは5月号でDirty Old Menにインタビューをさせて頂いた際、「前回の渋谷QUATTROのライブがソールドしなかったので、今回はソールドを目指しています」と言っていたVo.&Guの高津戸だったが、迎えた7月20日 渋谷CLUB QUATTRO、“Dirty Old Men 2010 Time Machine Tour FINAL ONE MAN”。あの言葉は現実のものとなり、チケットは見事ソールドアウトとなった。
 パンパンになった客席のボルテージは開場した時から上がりきっていた。1曲目は、この胸の高鳴りを増幅されるようなインスト『present…』から。そして高らかなシンバルが始まりのゴングかのように、『メリーゴーランド』へと続く。お客さんの層としては、20代前半の女子率が高いんじゃないかと勝手に思っていたところがあったが、女子だけでなく男子の数が思っていた以上に多い。男子も女子もステージに向けて拳を上げたり、声援を送ったり、手拍子をしたり、思い思いのスタイルで楽しんでいる。最初のMCで高津戸が「出会ってくれてありがとう」と言っていたが、それはフロア側からの言葉でもあった。言葉に説得力があり、メロディーに芯があり、力強さがあり、こんなに素晴らしいバンドに出会えたことが素直に嬉しい。その後に演奏された『解いた手』にしても、ギターとボーカルだけになった時のステージから発せられていた存在感は凄まじいものがあり、こちらこそ「出会わせてくれてありがとう」だ。
 詩を読むようにして始まった『セオリス』や、個人的にこの日一番のピークを迎えた『桜川』。胸をギュッと締め付けられるようなヒリヒリとした歌声を聴かせたかと思えば、やわらかく包んでくれるような歌声にうっかり落涙。歌える事が幸せだという高津戸の言葉は、ライブにももちろん表れていて、気持ちがグイグイと伝わって来ていた。
 後半戦は『robot』など、テンポの良い曲が続く。『knock duck』はメンバー紹介も兼ねられた曲だったが、ここまで素晴らしい曲を演奏してきた彼らが、メンバー紹介ではオチもちゃんと付け、会場に一笑いをもたらす。素は24歳の男子なんだということも感じらた瞬間だった。そして最後は、『blue"D"』でハッピーなムードを漂わせてライブが終了。
 大きなアンコールがかかり、最初に登場したのはギターの山下だった。次の歌のためと思われるコール&レスポンスの練習をフロアに促し、メンバー全員が登場して『MY HERO』を。先ほど練習したコールもバッチリだ。そして、最後、どうしても歌いたい曲として紹介された『パントマイム』。歌う前に高津戸が言っていた「お客さんにありがとうって言ってもらうけど、こっちがありがとうって言いたいですよ」という純粋な言葉を踏まえて聴くと、より素晴らしい曲となって昇華されていった。
 ファンはメンバーの写し鏡だと誰かが言っていたが、まさにその通りで、メンバーの純朴な感じとか素直な感じとか、でも熱い感じとか温かい感じがフロアにも漂っていて、会場が一体となってその空気を出していたような気がした。とても心が温まる一夜だった。(Rooftop:やまだともこ)

カメラマン:橋本 塁


1.present…
2.メリーゴーランド
3.象る天秤
4.elif
5.ワスレジノ葉
6.解いた手
7.rain show
8.セオリス
9.moon wet with honey
10.Time Machine Music
11.桜川
12.FORM of LIGHT
13.robot
14.Concrete Earth
15.knock duck
16 blue"D"

アンコール
17.MY HERO
18.パントマイム

posted by Rooftop at 15:00 | バックナンバー