DE DE MOUSE
5.28(Fri)代官山UNIT
どんなに解説っぽいことを書いたところで「何? この間違った捉え方!」とDE DE MOUSE本人にツッコまれるのがオチだし、これを読んでいる人も全然面白くないと思うので、まずはシンプルに感想を述べさせてもらうが、この日のライブ――最新アルバム『A journey to freedom』のリリースにともなったツアーの最終日――はジャンル、国籍、年齢、音楽の趣味を軽々と超えながら新しい興奮とノスタルジックな感情を共存させた、本当に素晴らしいものだった。オープニングの『dancing horse on my notes』から、ツインドラム、ギター、キーボードによるバンドアンサンブルは高いレベルで機能し、圧倒的な情報量を持つダンスミュージックが肉体的に繰り出されていく。エレクトロフュージョンと、不思議な郷愁感を誘うメロディがひとつになり、何だか泣けちゃいそうな気分と本能的に身体を揺らしたくなる衝動が同時に押し寄せてくるのだ。この感覚は言うまでもなく、DE DE MOUSEのライブ以外では絶対に体感できない。「ツアーファイナルです! もういろいろありましたよ、いきなりロンドンに行けなくなっちゃうしさー。ツアー先で新幹線のチケット無くして買い直したり、酔っ払ったスタッフの面倒みたり」とグチを連発しながらも(?)、ステージからはずっとポジティブなバイブレーションが放たれていたことも印象的だった。
ライブ中盤では、アコースティックギターを取り入れたアンプラグド的な演出も。ここで伝わってきたのは、その豊かな旋律と(彼が愛し続けるジブリ作品にも通じる)どこか懐かしい情感。これもまた、DE DE MOUSEの魅力のひとつだろう。「もっと暴れたくない? 踊りたいでしょ?」という煽りに導かれたライブ後半は、さらにヒートアップ。繊細なアレンジメントと凄まじいダイナミズムをバランスよく配したアンサンブルによって、オーディエンスの興奮もさらに上がり、あちこちでモッシュが起こる。それはまさに『A journey to freedom』に込められた“少年的ワクワク感”がリアルに体現された瞬間だったと思う。アンコールは、このライブの3日前に急逝したKAGAMIに捧げられた『double moon song』。祈りにも通じるパフォーマンスには、本当に胸を打たれた。
この夏もさまざまなイベントに出演、さらに10月7日、8日には“DE DE MOUSE presents mousetrap@恵比寿 LIQUIDROOM”も決定。進化のスピードを上げ続けるDE DE MOUSEから目が離せそうにない。(森 朋之)
SET LIST
1. dancing horse on my notes
2. new town romancer
3. station to stars
4. my favorite swing
5. sweet gravity
6. journey to freedom
7. baby's star jam
8. goodbye parade
9. light night dance (light hill mix)
10. 555 is in your heart (original version)
11. like your magic
12. east end girl (keeps singing)
E1. double moon song