ギター バックナンバー

a flood of circle('10年7月号)

a flood of circle

ブルースを更新し続けるための新たなトライアル
ダンスロックで投げかけられた“人間の証明”とは


 2009年のa flood of circleは激動の1年だった。1月に新宿ロフトにて初めてのワンマンライブを行ない、4月には1st.Full Album『BUFFALO SOUL』をリリース。全国ツアーを各地で開催し、順調に一歩ずつ進んでいるように見えたが、ツアーファイナル目前にギターが失踪。しかし、その後も走り続けた3人は、ゲストギタリストを迎えて2nd Album『PARADOX PARADE』を11月に発表し、今年3月に『PARADOX PARADE』ツアーファイナルワンマンを恵比寿リキッドルームで行なった。このファイナルワンマンは、3人になってもがむしゃらに突っ走ってきた彼らの集大成でもあった。
 そのa flood of circleが、今回1st. Single『Human License』をリリースする。ワンマンを持って一区切りついた彼らから生まれた新たなる作品は、“人間らしさとは”という一石を投じるものであった。様々な経験を経て、辿り着いた“人間って何だろう”という素朴な疑問を歌にした今作は、ブルースをベースに置きながらダンスロックで聴かせる作品となっており、これまでとは違う一面を覗かせている。
 今回は、a flood of circleの作詞・作曲の多くを手がけるVocal & Guitar佐々木 亮介への単独インタビューが実現。“ブルースを更新する”ことを念頭に置く彼らが、変わらずに走り続け、進化をしようとしている姿を感じていただきたい。(interview:やまだともこ)


音楽が必要だと実感している

──3月5日にリキッドルームで行われたワンマンのタイミングで、サポートギターが奥村 大さん(wash?)から曽根 巧さんに変わられましたが、a flood of circleとしてはこのワンマンで一区切りという意識が強かったんですか?

佐々木:昨年7月にギターが失踪して、すぐに2nd Album『PARADOX PARADE』を作り始め、リキッドがいろんな意味でひとつの区切りだったのかなって思っているんです。岡庭がいなくなって大さんに急遽サポートをお願いをしたんですが、wash?のボーカリストでもありますし、いつまでもお願いできないとは思っていて、一段落するまでお願いしますっていう感じだったんですよ。

──曽根さんはこれまでに何度か弾いてもらうことはありましたが、レギュラーでサポートしてもらうことになっていかがですか?

佐々木:ブルースや70年代サウンドがすごく好きな人で、相性はとても良いです。

──今作の『Human License』から曽根さんが参加されてますが、初参加の楽曲がゴリゴリのブルースロックじゃなくて、ダンスロックというのには驚かれたんじゃないですか?

佐々木:ブルースを基調に新しいことにチャレンジしようとしているというのをわかってくれて、すんなり弾いてもらいましたよ。

──『Human License』は、和訳すると人間の証明みたいな感じになるんですよね?

佐々木:そういう感じです。人間の資格とか。

──ここで訴えたかったのは、人間らしさの探求ということですか?

佐々木:大きく言えばそうです。きっかけとしては最近、職務質問をされることが何回かあって、でも僕は免許も持ってないし、身分を証明できるものが何もなくて、このまま人間かどうか聞かれても答えられないなってふと思ったんです。『PARADOX PARADE』は、日々の生活の中で矛盾しているところをピックアップして歌詞にしたら面白いなというのがあったんですけど、そこからもう一つ先に進んだのかなって思います。青臭いと言えばそれまでですけど、人間らしさって何だろうと思っていたし、そういう時に職質が良いタイミングで来てくれたんですよ(笑)。

──でも、人間らしさって難しいですよね。100人いたら100通りの答えがあって、その中で歌いたい事は、人間らしくあることを忘れてはいけないっていうことになるんですか?

佐々木:人に対して人間らしくいなさいと言えるほど立派な人間ではないんですけど、100通りあるからそれを知りたいとも思うし、当たり前ですけど1人では生きていけないですし、自分や相手がどういう人間かを知りたいというのはテーマとしてずっとあるんです。衝動的な気持ちで一気に書いている部分があると思います。

──佐々木さんにとって『Human License』を証明するのは、バンドだったり音楽活動だったりするんですか?

佐々木:『Human License』を探すためにいろいろと模索していますし、証明できないものとして書いたつもりでもありますし、そういうところを曲にしたいと思ったんです。ただ、僕の場合は証明するものが音楽しかなかったのでテーマになりやすいんだと思います。

──いよいよ退路を断っているというか、音楽でやっていこうという意志は年々固まってきていますか?

佐々木:生活費の為の音楽じゃなく、今は生きていく本質として音楽が必要だと思っているんです。たとえ事務所やメーカーがなくなったとしても、辞めるとも思えないですし。だから、『Human License』という単語を使えるようになったのは、自分には音楽が必要だという事がよりはっきりしてきたからなのかもしれません。

──歌詞も練られて奥深いですし、比喩も年々上手くなってますよね。

佐々木:今回はディテールをちゃんと届けられるよう心がけました。リズムで踊らせたいと思っていたし、歌詞を伝えたいという気持ちは前より強くなってきていますね。

──サウンド的には今までにはないパターンですよね。サンバっぽい感じというか。

佐々木:もともと2曲作ろうと思っていて、その時から“踊らせる”というのをキーワードにしていたんです。それで、『Human License』がトライバルなビート、『Quiz Show』が機械っぽいダンスビートになりました。



ブルースをアップデートするための作業

──『Quiz Show』は“さて問題です”から始まる曲ですが、いわゆる3分間のポップミュージックでクイズ番組をやるというのはユニークな試みですね。

佐々木:自分に対する謎解きがいっぱいあるほうが、聴いてくれる人にも共感してもらえるかなって思ったんです。『Human License』で“あなた”と言ってるところは、自分にも置き換えられますし。『Quiz Show』のようにテーマ性があって、それを音楽と結びつけたりカウントダウンを入れてみたり、『Human License』より曲と詞の親和性があるかもしれません。

──歌詞の中には3つの質問があって、2問目の答えは歌詞の中からわかりますけど、1問目と3問目はすごく難しいですよね。

佐々木:3問目は絶対にわからないものにしているんです。

──リスナーそれぞれの解釈で良いってことですよね?

佐々木:ええ。自分としてもどの解釈が合っているのかわからないから、それをゴールに1番と2番を作っていったんです。

──身につまされますよ。これまで生きてきた中で何度考える事から逃げてきたかって。

佐々木:そこは音楽の良いところであって、パスしている時はパスしてますという状態をひとつの形にできるんですよ。

──『Human License』で訴えている“人間とは何か”という部分は、『Quiz Show』にもリンクしてくるところがありますよね。

佐々木:バンドというよりは個人的に、そういうモードなんだと思います。

──哲学的な感じ?

佐々木:そんな大袈裟なものではないかもしれませんけど(苦笑)。でも、もうすぐ24歳になるんですけど、ちょっと前にモラトリアムの時期があって、青臭いことばかり言ってられないなという時期を経てからの今なんです。『PARADOX PARADE』の詞の世界ができた後に、人間とは何か? というところに自然と行きついて、もうちょっと衝動的な気持ちでやっています。

──人間の生臭い部分や尊い部分を曲として包み込めるというのが音楽の素晴らしいところで、今はポップミュージックの中に哲学的なエッセンスを埋め込むモードということなんでしょうね。

佐々木:本当は言葉で全部言えるはずのものかもしれないけれど、言えないもどかしい部分を曲に託しているというか、その辺は葛藤があります。

──サウンド的には曽根さんという新たな血を導入したことで、『PARADOX PARADE』辺りから変わったポイントってあったりします?

佐々木:昨年のツアーは対バンのバリエーションも豊富で、いろんなものを身につけることができたと思っています。大さんとは、どうすれば様々なシチュエーションに対応するライブができるかを考えてきましたし、そこで身につけたものや手に入れたものが多い分、どこを削ぎ落とすのか見極める作業が難しかったです。この2曲ではうまく表現できたと思いますけど、手に入れたものが多いということはブレる可能性もあると思うし、それはバンドが常に直面している問題だと思っています。ブルースが芯にある分、更新するために多くのものを手に入れたくなってしまうんですが、手に入れれば入れるほどブレる危険性が高いものばかりなので、その葛藤やバランス、戦い方は大さんと一緒にやっていた時に発見したものでもあります。昔はもう少し無頓着にやってましたけど、考え方は変わってきていますね。

──『泥水のメロディー』の頃に比べたら、やりたいことのピントが絞れている事はこの2曲からも感じますよ。考えてみればフラッドって結成以来、タイトロープの上を歩いてきたような感じがありますよね(笑)。だからブルースがひとつの軸にあって良かったなと思います。

佐々木:別の目的で始めていたら、もうなくなってるかもしれないなっていつも思いますよ。何か問題があっても、自分にはブルースという原点に戻って立て直すことができるんです。メンバーとぶつかることもあるんですけど、芯がはっきりしているのでそこが変わらなければやっていけるかなと思っています。

──ブルースがベーシックにあれば、なんでもやっていいという感じってあります?

佐々木:ええ。レコードとして残っている音楽で一番古いものがブルースだと思うんです。エジソンがレコードプレーヤーを商品化した時とブルースが歌われていたタイミングが合ったことって、実は運命的なものなんじゃないかと勝手に思っていて、みんなブルースからやらざるを得ないことになってるんじゃないかって。だからブルースに立ち返ると正解かどうかがわかる気がしているんです。

──ここまで何度バンドが危機的な状況になっても、続けようというのは意地もあるんですか?

佐々木:意地というのもあるかもしれないし、冷静に考えても続けるべきだと思っています。ブルースをベースにして、更新するためには次の形式を見ないと新しいことはできないですから。そのためには大きい会場でやったり、もう少しCDが売れるようになりたいっていうのはすごく自然な流れだと思っています。

──でも、既発曲もちゃんと更新はされてますよね。3月のワンマンの最後に演奏された『ブラックバード』もアップデートできていた気がしますし、いろんなものを吸収して更新するサイクルがすごく早いなって思いますよ。ここ数作聴いても明らかに変化もしてきているし、来年再来年の今頃には、また大きく変わってるんじゃないのかなって。

佐々木:全然違う事を言ってるかもしれませんね(笑)。

──以前に比べると歌い方もだいぶ変わってきてますし。

佐々木:意識的に変えている部分もありますけど、削ぎ落としの作業や何が必要なのかというのは、大人になるにつれてわかってきたのかな。『ブラックバード』は19歳ぐらいの時に作った曲で、もうちょっと闇雲だったし、音楽の仕組みも今以上にわかってなかったですし、自然とそうなってきているんだと思います。『Human License』のAメロの音程がすごく低いのも歌詞が届きやすくするためで、曲をもっと良くするための歌い方があるんじゃないかと自然と思うようになりました。




届けたい、踊らせたい、どうにかしたい

──今回、『Before the flood four』と題された3月5日のリキッドルームでのライブトラックが入ってますけど、あの日は良いライブでしたね。先ほども話が出ましたけど、ひとつの集大成でしたよね。

佐々木:出発点でもありましたし、余計なものを精算してやろうっていう気合いもありましたから。ようやく一区切り付けられるって思っていたんです。

──収録時間の関係もあると思いますけど、選りすぐりの8曲ということになるんですか?

佐々木:今のところ、BEST OF a flood of circleというか、シングルを名刺代わりに出すので今までの曲も聴いてライブに来てもらえたらと思っています。

──リキッドのワンマンを見て思ったのは、新宿ロフトでのワンマン(2009年1月)よりも格段に成長しているのではないかと。

佐々木:ロフトは初めてのワンマンだったので不安だらけだったんです。お客さん来てくれるかなっていうのは今でもありますけど、音楽的なところでもできるかなとも思ってましたし。今は自分たちの至らない点もわかってきていますし、その分強みもあると思うし。

──魅せることに対して意識的になった?

佐々木:自分がやりたくてブルースを選んでいるし、人にも届けたいと思っています。誰かのためにやっているけど自分のためでもあるという、絶妙なバランスが音楽にはできると思っていて、だから踊らせたいとか詞を伝えたいという気持ちは前より強いんですよ。それがフィードバックできたら、もっと良いものを出す原動力にもなりますし。それは長く続けたいっていうのに繋がってくるんですけど、届けたい、踊らせたい、どうにかしたい、というモードはすごくあります。

──『月に吠える』の最後で佐々木さんがマイクを外して地声で歌った時は、伝えたいという思いがすごく伝わりましたよ。あの日のライブを見ていない方は、「いきなりオフマイクになったぞ!」って思うかもしれませんけど(笑)。

佐々木:めっちゃ小さくなっちゃいましたよね(苦笑)。でも、ライブ前に「ここでマイクが外れます」と伝えておくものでもないですから。

──あれは、ナマの声だけで届けたいっていう気持ちから?

佐々木:ええ。あと、リキッドはまだ後ろまで聴こえる距離だろうなと思ったのでやってみました。

──最後3人だけでしっとり終わるというのは粋な演出でしたよ。でも、あくまでスリーピースのバンドでやっていこうという思いはないんですよね?ギターが2本ある形でないとという。

佐々木:自分が作ってる曲がギターが2本鳴ってるイメージがあって、曲のために必要なんです。ギターソロのバッキングが工夫されているものに魅力を感じたり、2010年にリリースされた色んな作品を聴いても、アレンジ的にギターの絡みが多い方が面白いなと感じてます。シンプルで男気があるのも素晴らしいと思いますけど、それは今の自分の音楽じゃない。昔を見ても、ギター1本でやっているブルースマンじゃなくて、ハウリン・ウルフとヒューバート・サムリンが一緒にやってるものが今はいいなと思っているんです。

──今後作ろうと思っている曲は、今回の2曲に代表されるアップテンポな曲が多いんですか?

佐々木:そうかもしれないです。攻めようとは思っています。

──描かれるテーマはやはり人間?

佐々木:このシングルの流れにはなっていくと思いますよ。

──石井さんと渡邊さんの意識もだいぶ変わってきたというのは、シングルの制作過程で感じたりしました?

佐々木:ツアーも含めて、結局自分たちが何をしたいのかと根本的なところをはっきりさせないと、弱いしブレる可能性があるというのは常にあってよく話し合っています。僕は僕で考えがあって、3人それぞれの考え方がある中でひとつのものができるというところで、何がしたいのかはっきりしないとよくないという意識は2人にもあると思います。

──アルバムを2枚作ってシングルも作れるようになると、自分たちの良さを出せる塩梅みたいなものがだんだん掴めてきているんじゃないですか?

佐々木:無意識的にそうかもしれないです。フレーズの選び方が今まで通りじゃなくて、こっちのほうが良いなって思う部分もありますし。

──今でもいしわたり淳治さんからは教えを請うところが多いんですか?

佐々木:前は教えてもらう事が多かったですけど、今はフラットに意見交換出来ている感じがあります。

──それは『PARADOX PARADE』の一連の作業でバンドがワンステップ上がった感じなんですかね。

佐々木:それは淳治さんからも言われました。一度淳治さんとやってるのもあるし、それを経てからの『PARADOX PARADE』があったので、アレンジはその時の影響があると思います。淳治さんは、スタンス的に少しでも自由なところが多い方が良いってよく言ってました。

──アイディア的には、お互い自由な感じでやれた?

佐々木:今回、淳治イズムをちょっとわかったような気がします(笑)。淳治さんの“自由が多い方が良い”というところと、自分はこうしたいというどちらもはっきりしていたので、そういう意味ではやりやすかったです。

──ライブの見せ方ひとつにしても自由になったというか、だいぶやりやすくなったという部分はあるんじゃないですか?

佐々木:ライブをいっぱいやってきて、石井は昔ライブで全く動かなかったので、今は積極的になってるかなと思います。

──三者三様でライブでお客さんを楽しませようというモードにはなっているのかもしれないですね。

佐々木:過剰なサービスはしたくないとも思ったりしますけど、そこはこれから考えないとと思っています。曽根さんは、いろいろなバンドでサポートとして弾いているんですが、今が一番激しいらしいです。ギターを回したりしてますから(笑)。ここで何が必要なのかを考えてくれているんだと思います。

──キャリアのある先輩方が身近にいると、いろんなものが吸収できますよね。

佐々木:その中で自分が何を選ぶかなんですよね。曽根さんや大さんに入ってもらって一番感じるのは、場の空気をコントロールしてくれるというか、ギスギスするかもしれないっていう時に曽根さんの関西弁がバシッと入ってくると空気が和らぐんです。大さんの時もそうでした。俯瞰されている感じはあると思います。

──佐々木さんも俯瞰で見れるタイプじゃないですか?

佐々木:いやー、見れてないですよ。さっき言ったように、ブルースという立ち返る所があるので、それ視点で何かを考えることはできますけど。今向かっている方向が合っているかどうかを自分に尋ねるようにはなってきてます。ただ、自分が今どこにいるかは見れてないのかもしれないけど…。

──一日の中で自分を見つめ直す時間ってあるんですか?

佐々木:歌詞を書く時は見つめざるを得ないし、音楽をやってる以上はあります。心が動いたら自然と考える方向になってます。

──最近心が動いた一番大きなことってなんでした?

佐々木:岡山のライブの時に3人で真面目にミーティングしたんです。それで心が動くというのも変ですけど、もっと何がしたいかということを話し合った時に、メンバーが1人いなくなって3人の関係が密になったかのように見えて、実は暗黙の了解みたいなものが増えてしまっていたんです。だから話し合う事も少なくなっていて…。その辺が良くないと思ったし、一度整理しようよって。

──バンドって個人活動じゃないから社会の縮図みたいなところもありますよね。そういうところも学べた、と。

佐々木:またちょっと大人になっているんじゃないかと(笑)。もう大人になってないといけない年齢かもしれないですけど。

──年男ですしね。

佐々木:まさに。しかも厄年なので厄を振り払いつつ。

──前厄の時に大変だったから…。

佐々木:ピークは昨年来たので、もう怖くないですよ(笑)。




音楽をやる上で譲れないもの

──ところで、最近は“What's Going On”みたいな自主企画はやらないんですか?

佐々木:秋ぐらいにやろうと考えてます。大きい会場でももっとやりたいんですけど、自分たちでバンドを選んで小さい会場で企画をやるっていうのはすごく大事なんです。お客さんとの距離が近い分、一体感も生まれますし一緒になって楽しめますから。

──オリジナリティの核は確立できたと思うので、今後はみなさんがどう楽しむかですよね。

佐々木:ザ・ローリング・ストーンズぐらい長くやって、更新し続けるというのが今は最大の目標なんです。そのために会場を大きくしたり、目の前にある『Human License』をたくさんの人に聴いてもらうにはどうしたら良いかも考えますし。武道館でライブをやることって昔は憧れだったけど、今は自分たちが一歩進むためにもやる意味があると思っていますし、ステップアップはしていきたいですよ。

──ブルースって、音楽だけじゃなくて生き方というか信条という部分もありますからね。

佐々木:僕自身弱いタイプの人間だから音楽に依存している部分もあって、ブルースは歌詞もスタイルもすごく強くてはっきりとしているんです。リンクしているというか欲しがっているというか、僕にとってそれが正解だと思っちゃうんです。

──なるほど。では、最後の問題です。

佐々木:…それ、『Quiz Show』の歌詞ですよね(苦笑)。

──音楽をやる上で譲れないものって何ですか?

佐々木:自分審議委員会がいるんです。その、自分カウンシルがOKを出すかどうか。

──他のメンバーがこうじゃない? って言っても審議委員会が違うよって言ったら違う?

佐々木:だと思います。とは言ってもバンドなので、メンバーがOKと言うからOKというのもケースバイケースでありますけど、最終的に絶対違うと思ったら絶対に違う。

──アレンジのジャッジとか、直感は大切にしてる?

佐々木:一番難しいですけど何かあります。でも昔の方が直感だったと思います。今は、直感を大事にするためにはどうしたら良いかみたいなところに考えが入ってきたので。

──もっと時間が経ったら、要らないものがどんどん捨てられるようになるかもしれませんね。

佐々木:研ぎ澄まされた肉体のようになるかもしれません。

──でも、a flood of circleって1年に1〜2回すごい変化球を投げてくるなという感じがあって、それが今回の『Quiz Show』であり、前回の『Ghost』だったんです。

佐々木:『Ghost』はなべちゃんのデビュー作でしたけど、あれは僕も新鮮でした。今2人も曲を書くようになっているんですよ。前は曲を書くなんて全く考えていなかったので、音楽を作るってことが彼らの中で変わってきていると思います。

──石井さんの曲も聴いてみたいですよね。大好きなボーダーにかけて『ボーダーライン』とかで書いて欲しいですね。サビは「あっぱれ! あっぱれ!」で(笑)。佐々木さんなら格好良く歌えますよ、きっと…。

佐々木:でも、それぐらいの感じが良いですよね。石井にはあまりストイックなことを書かれてもって思いますし。僕、淳治さんに言われて自信があるのが「亮介の歌い方なら歌詞に変な単語を入れても絶対に行けると思うから、“きびだんご”で曲を書いてみたら?」って(笑)。

──それなりに様になりそうですよね。そもそもMCで「おはようございます」をあんなに格好良く聴かせる人もいないですから。

佐々木:あれは初心忘るべからずですから。そうやって一歩ずつ進んでいきたいですよ。



Human License

1.Human License
2.Quiz Show
3.Before the flood four(on 5th, March 2010 at ebisu LIQUIDROOM)
Forest Walker〜博士の異常な愛情〜Ghost〜Paradox〜春の嵐〜水の泡〜プシ
ケ〜月に吠える
VICL-36602 / 1,260yen (tax in)
Speedstar
7.21(wed) IN STORES

★amazonで購入する
★iTunes Storeで購入する icon

Live info.

【ワンマン】
7.26(mon) 渋谷DUO Music Exchange
a flood of circle 1st single release ONE MAN
“DUO no CARNIVAL”

DJ:片平実(GETTING BETTER)
open 18:30 / start 19:30
adv ¥2,500
info:HOT STUFF tel03-5720-9999

◇前売り入場券をご購入の上、1st.single「Human License」に封入の特典券ご持参の方に、ご入場の際に(¥1,000)をキャッシュバック!!


【イベント】
7.03(sat) 渋谷CLUB QUATTRO
w)The Mirraz

7.09(fri) 梅田Shangri-La
w)THE NOVEMBERS / モーモールルギャバン

7.19(mon) 横浜club Lizard
w)te' / LOST IN TIME

8.07(sat) 茨城 国営ひたち海浜公園
rockin'on presents“ROCK IN JAPAN FES.2010”

8.11(wed) 代官山 晴れたら空に豆まいて
w)岩崎慧(セカイイチ)/ ウリョン(cutman-booche) / 谷川正憲(UNCHAIN)
※佐々木亮介弾き語り

8.20(fri) 青森 つがる地球村円形劇場
“AOMORI ROCK FESTIVAL'10 〜夏の魔物〜”

8.27(fri) 福岡DRUM Be-1
w)People In The Box and more

8.28(sat) 広島CAVE-BE
w)te' / People In The Box

9.04(sat) 大阪 泉大津フェニックス
“OTODAMA'10〜音泉魂〜”

9.11(sat) 長野CLUB JUNKBOX
w)[Champagne] / ivory 7 chord

9.12(sun) 新潟CLUB RIVERST
w)[Champagne] / ivory 7 chord

9.17(fri) 名古屋CLUB UPSET
w)UNISON SQUARE GARDEN / The Mirraz

a flood of circle official website
http://afloodofcircle.com/

posted by Rooftop at 12:00 | バックナンバー