ギター バックナンバー

ムック('10年6月号)

ムック

バンドとアニメの世界観を巧みにシンクロさせた珠玉のナンバー『約束』をめぐって


 テレビアニメ『閃光のナイトレイド』のオープニング・テーマに起用されたムックのニュー・シングル『約束』は、愛くるしいメロディが胸を締め付けつつもストリングスとの有機的な絡み合いが昂揚感をも与える荘厳な逸曲に仕上がった。バンドの個性を揺るぎなく提示しつつ、アニメの世界観を巧みに凝縮させた楽曲を紡ぎ出したのは、異ジャンルとの対バンや海外でのライヴを積極的に行なうなど常に境界線を突破せんとするムックならではの離れ業だと言える。ヴィジュアル系をその出自としながらも、彼らは何物にも囚われず立場的にも音楽的にも自由で在り続ける。その軽やかな足取りの根幹にある信念らしきものが知りたくてインタビューに臨んだが、逹瑯(vo)もSATOち(ds)も柳に風とばかりの佇まい。それもそのはずで、『約束』のカップリング曲の数々が凄まじい振り幅なのを引き合いに出すまでもなく、ムックの音楽はまるで音のワンダーランド。だとすれば、堅苦しい理屈は抜きにしてその至上の音楽を純粋に楽しめば良いのだ。あなたが無邪気に楽しむことでムックという深遠なるお伽話は補完されるのだから。(interview:椎名宗之)


他のメンバーの楽曲が刺激になる

──テレビアニメのタイアップは今回が初のケースですか。

逹瑯:アニメのタイアップ自体は2回目なんですけど、オープニング・テーマに使ってもらうのは初めてですね。

──『閃光のナイトレイド』の世界観を熟知した上で書き下ろしたとか?

逹瑯:いや、アニメのプレゼンに出すのを前提に書きました。最初はアニプレックスが持ってるアニメ枠のどれに割り振られるかは判らないという話だったんですけど、『約束』が『閃光のナイトレイド』のイメージに合ってるということで選んでもらった感じです。なので、どのアニメになるかは判らないけど、それに見合う曲にしようと思って書いた曲ですね。

──『約束』は胸を締め付ける哀切のメロディ・ラインだけど4つ打ちの躍動的なリズムもあるし、切ないけど踊れる楽曲に仕上がりましたね。

逹瑯:俺が作ったデモは4つ打ちではなかったんですけどね。もっと普通のロックっぽい感じだったんですけど、アレンジをしていく段階でミヤが「こういうリズム・アレンジにしたい」と言い出して。

──弦楽器が絡み合いつつ、終盤に向かってドラマティックに盛り上がっていく構成も見事ですね。

逹瑯:デモのイントロにピアノは入れてたんですけど、弦は入れてなかったんです。『閃光のナイトレイド』の劇中に使う音楽を葉加瀬太郎さんが担当していて、ストリングス・アレンジも聴いてみたいというオーダーが先方から入ったんですよ。それで入れてみたら意外と合ったし、これで進めていこうということになったんです。

──どのアニメに採用されるか判らない状態で歌詞を書くのも、なかなか難しかったんじゃないですか。

逹瑯:でも、無理にアニメのほうに擦り寄せる感じもなく、割と自由でしたよ。最初から『閃光のナイトレイド』に決まっていたらそれに合う感じの曲を書いていたんでしょうけど、漠然とアニメのオープニング・テーマっぽい曲を書こうとしたので、ほぼ仮の歌詞のままなんですよ。オーダーがあれば全部書き換えてもいいやと思いながら、ガーッと好きなように書いたんです。でも、その歌詞がアニメとリンクするところが多くていいってことで選んでもらったんですよね。

──初回生産限定盤のカップリングに収録された『瓦礫の鳥』は、SATOちさんが作曲を手掛けていますね。

SATOち:俺の書く曲は、シングルのカップリングに使われることが多いんですよ。今回はもう、ノリ一発です。今まで録ってあったいろんな曲を聴きながら候補を選んで、「これでいいんじゃない?」くらいのノリで。『約束』が割としっとりした曲なので、それとはまた違う部分を見せられる曲ということで選ばれた感じですね。

──SATOちさんはいつもどうやって曲作りをしているんですか。

SATOち:ベースですね。ベースのルート音とかギターのパワー・コードを使う簡単なことしかできないんですけど、そこからどんどん作っていきます。初めにドラムを打ち込んだりして。

──メンバー全員が曲作りに長けているのがムックの大きな強みのひとつですよね。

SATOち:それはありますね。「こんなの作ってきやがった、チクショー!」みたいに思う時もあるし(笑)。俺はそう思うことがしょっちゅうですね。みんなが持ってきた曲は全部刺激になるし、これじゃイカンな…って自分に言い聞かせてますよ。俺はただ、メンバーもスタッフもみんなが納得するようないい曲を作りたい一心ですね。

──リリースに向けて楽曲が採用される基準は、やはり4人全員が合意するか否かなんですか。

逹瑯:メンバーの意見も当然ありつつ、スタッフの声も聞きますね。自分が書いた曲に対する思い入れは強いし、みんな一生懸命作ってきた曲なら入って欲しいなとは思うんですけど、俺は客観的に見れなくなってくるんですよ。だから俺の場合、アルバムの選曲に関しては「どうしても入れたい」と主張することもないし、勧めることもないし、かと言って辞退することもないし、自分からは触れませんね。他のメンバーの曲には「こういうの好きだな」とか「こんな部分を付け足すといいんじゃない?」と言いますけど、自分の曲に関しては周りの判断に委ねます。

──バンマス的な立ち位置のミヤさんの発言権が大きかったりは?

逹瑯:昔のほうが大きかったですね。大まかな方向性はミヤが決めることが多いですけど、今はスタッフの客観的な意見を採り入れる率が高くなってきてる気がします。昔はミヤと俺がメイン・ソングライターだったし、他のメンバーはほとんど曲を書いてなかったですから。



ムックとD'espairsRayの共通項

──音楽性の幅を持たせるためにも全員が曲作りに携わっていった感じですか。

逹瑯:年にアルバムを1枚、シングルを3枚出していた頃は、さすがに曲作りがしんどくなるじゃないですか。カップリングが2曲要るとしてシングルが全部で6曲、アルバム用の曲を合わせて年間20曲弱を用意するのは限界がありますよね。それでメンバーみんなで書くようになって、書いてみたらやってみたいアイディアがそれぞれに出てきて、結果的にいいバランスが生まれるようになったんです。

──初回生産限定盤で『フリージア』の“Electro Mix”を入れてみようとしたのはどんな意図からですか。

逹瑯:単純に今、ミヤがリミックスに凝ってるからですね。ムックは昔からミヤのその時々の趣味が全面に出るバンドなんですよ。メイン・コンポーザーの趣味が如実に出て、アルバムごとの毛色が全然違うんです。

──通常盤にはそんなミヤさんが作詞・作曲・編曲までを手掛けた『イソラ』という浮遊感のある幻想的な楽曲が収録されていますね。

逹瑯:『イソラ』は唄うのが凄く大変でしたね。ああいうタイプの曲は今まであまり唄ったことがなかったので。

──コーラスの重ねも実に甘美で、シングルならではの実験的な楽曲と言えそうですけど。

逹瑯:ライヴでやるのかなぁ…。ドラムは打ち込みだし、SATOちはやることないよね?(笑)

SATOち:一音も叩いてないからね(笑)。レコーディングの時は「みんな頑張れー!」って感じだったし(笑)。

逹瑯:(パチスロを打つフリをしながら)「頑張れー!」って感じでね(笑)。

SATOち:それ、メチャ悪いヤツじゃん(笑)。

──敢えて打ち込みにしたのは、そのほうが楽曲の世界観に合うということだったんでしょうか。

逹瑯:生ドラムだとああいうニュアンスが出ないというジャッジだったんでしょうね。

SATOち:俺は一応、曲のデータが送られてくるんじゃないかと思ってメールを常にチェックしてたんですよ。でも、送られてこないってことは全部打ち込みなんだなと。

逹瑯:まぁ、SATOちが全く叩いてないのはこれで3、4曲目だからね。

SATOち:俺としては、スッゲェ嬉しかったくらいなんですよ(笑)。だって、メシを食ってる間に1曲終わってるんですから(笑)。

──打ち込みのプログラミングをSATOちさんがやるわけでもないんですか。

SATOち:違うんですよ。

逹瑯:ライヴではそれを生ドラムで叩くことになるんですけどね。

SATOち:それがまた凄い大変なんです。エラくしんどいんですよ(苦笑)。

──そもそも“イソラ”とはどんな意味なんですか。

逹瑯:響きを重視してタイトルを付けたかったみたいなんですけど、イタリア語で“島”を意味するそうです。そこからイメージを広げていったとミヤは言ってましたね。

──カップリングでも一切手を抜かないムックの姿勢が窺える楽曲が今回も出揃った感がありますね。

逹瑯:俺自身、他のアーティストの曲を聴いてもカップリングが好きだったりするんですよ。シングルならではの、ちょっと一癖あるところとかが。

──それにしても、去年『球体』のツアーが終わったと思いきや11ヶ国のワールド・ツアーを敢行して、昨年末にはシングル『フリージア』と配信限定楽曲『ジオラマ』を発表したりと、相変わらずのワーカホリックですね。そこへ来て今回の『約束』ですから、リリースも絶え間ないですし。

逹瑯:確かに絶え間ない感じですけど、意外と絶え間ありますね(笑)。『ジオラマ』からもう半年ですから。

SATOち:割と絶え間あるよね。昔は友達から「今、何してんの?」って電話が掛かってくると、必ず「レコーディングしてる」って答えてたくらいだし。

逹瑯:こないだもPlastic Treeの(有村)竜太朗さんに言われたんですよ。「ムックとD'espairsRayはいつもプリプロかレコーディングばかりしてるよね」って(笑)。それをD'espairsRayのKaryu君に話したら、「確かにそういうところはあるよね。俺もムックにはそんなイメージがある」って言われたりして。俺もD'espairsRayに対してはいつもプリプロかレコーディングをしてるイメージがあるんですよ。あと、気が付くと海外に行ってるなと(笑)。

SATOち:俺たちも海外へ行く期間が必ず1年に1、2ヶ月はあるから、それを除くと1年が10ヶ月しかないみたいな感覚があるんですよ。だから余計に1年があっと言う間な感じがあるのかもしれない。




言葉の響きを重視して歌詞を作る

──海外の移動中に曲作りをしたりとかは?

逹瑯:それは全くないですね。必要に駆られてやらなきゃいけなかったことはありましたけど。シングルの曲出しをしなきゃいけないってことで、移動日のオフにアメリカのホテルに缶詰めになったりして。

SATOち:あれはホントにイヤだったなぁ…(苦笑)。勘弁して欲しかった。

逹瑯:まぁ、最近はそれほどキツいスケジュールでもないですけどね。知り合いに「最近は忙しいの?」と訊かれたら「暇じゃない程度です」と答えるのが一番適切な言葉なのかなと。

──今はある程度の時間を費やして楽曲の精度を高めるモードなんでしょうか。

SATOち:本番までに1日1曲練り込むようになって、レコーディング・スタンスが変わったんです。だから今は凄くやりやすいんですよ。昔はプリプリプロを1日に4、5曲やってたし、あれは地獄でしたね(笑)。1日に何曲もやると、1曲目のことはもう忘れちゃうんですよ。

逹瑯:時間がなくてオケを録るのが最優先だから、自分の出番がいつになるか判らないけどスタジオにはずっといるんですよ。スタジオで15時間待ちなんてこともあったし、待って、待って、待った挙げ句に何もやらずに「ハイ、お疲れ様!」ってこともありましたね。最終日にまとめて唄ったりして。

──その待ち時間で歌詞を作ることはないんですか。

逹瑯:ないですね。曲を練ってる最中だから、歌詞の割り振りもまだ決まってないんですよ。アレンジも変わるし、ヘタするとメロディまで変わることもあるし。仮の仮の歌詞を言葉の響きだけで付けたりすることはありますけどね。

──各人がパーツを持ち寄って1曲に仕上げることが多いんですか。

逹瑯:昔はそうでしたね。『球体』くらいからみんなデモを持ってくるようになったんですよ。俺は何の楽器も弾けないから鼻歌で唄ったのを持っていったんですけど、さすがにそれじゃ格好付かないので、マニュピの人と一緒にああだこうだ言いながらオケを作るようになったんです。俺がちゃんとしたデモを作るようになったのは今回の『約束』からですね。

──そういった曲作りに対する意識の変化は、何がきっかけだったんでしょう?

逹瑯:結果的にそれが時間短縮に繋がるからじゃないですかね。

SATOち:逹瑯だけじゃなくてYUKKEもちゃんとしたオケを用意するようになって、そこでまた「コノヤロー!」になるわけですよ(笑)。だって、クオリティの差が明らかに違うんですから。

逹瑯:昔の曲出しの時の俺の気持ちが判ったでしょ?(笑)

──デモで作り込みすぎると、糊代の部分がなくなることはありませんか。

逹瑯:デモの段階では、細かいリズムのアレンジやキメとかは全然なんですよ。ギター・ソロも何となくのものだし、ベースもルートで入ってるだけなんで。

SATOち:でも、ツー・バスで作ってあるのを「これはあくまでイメージだから」って逹瑯が言うんですけど、だったらもうちょっと違うイメージのを作ってこいよ! と思うことはありますね。もしそれが採用されたら、叩くのが大変だもん(笑)。

──逹瑯さんは歌詞を推敲することが多いんですか。

逹瑯:今まで仮の歌詞を書く時は言葉の響きを優先して書くことが多かったんですよ。そのほうがメロディも唄いやすいし。ただ、今回の『約束』に関しては書きたいことがあったし、「後でアニメの注文が入って変わっちゃってもこの内容は他の曲で書ければいいかな」と思いながら仮の歌詞をバーッと書いたんです。

──ちなみに、逹瑯さんの考える“アニソンっぽさ”とはどんなところですか。

逹瑯:『約束』を書いた時は「やっぱり判りやすいサビ始まりだな」と思ってたんですけど、今はもっとマニアックに行っても良かったかな? と思いますね。今のコアなアニソンって、楽曲自体が普通に格好いいんですよ。もはやアニメも何も関係なくマニアックなメロディなんだけど、純粋に格好いいっていう。

──おふたりのお好きなアニソンを挙げると?

逹瑯:俺は『幽☆遊☆白書』のエンディング・テーマですね。あと、“世界名作劇場”でやってた『ロミオの青い空』のオープニング・テーマだった『空へ…』。どちらも哀愁が漂っていて、昔から好きでした。それと、『おれは直角』とかも好きだったな。

SATOち:俺は島田紳助さんが唄ってる『がってん承知ノ介』かな。『もーれつア太郎』の主題歌なんですけど、メチャ格好いいんです。「♪いっさい がっさい まかせとけ!」って歌詞で、Bメロが泣かせてくれるんですよ(笑)。あれは小学生の頃にズキューン! と打たれましたね。



出自を隠したほうが格好悪い

──『フリージア』、『ジオラマ』、『約束』とシングルのリリースが相次いでいますが、最近はシングルを切って勝負に出るバンドも少なくなりましたよね。

逹瑯:日本はシングルの立ち位置がアメリカとは全然違いますよね。判りやすくキャッチーなものに飛び付く日本人の嗜好なのか判らないけど、とりあえずひとつのアイコンが欲しいのかもしれない。海外のバンドはアルバムを出すと2年くらいツアーを回って、またアルバムを出すっていうケースが多いんですよ。海外を主体に活動を広げていこうと思ったら、日本でやってるサイクルじゃまず無理でしょうね。アメリカやヨーロッパをちゃんと回ろうとすれば、それ相応の時間がどうしても掛かりますから。

SATOち:(しみじみと)日本人で良かったっす…(笑)。

逹瑯:海外のバンドはツアーの最中でも、楽屋でパソコンを開いてヘッドフォンをしながら曲作りをしてますからね。それがライフワークになってるんですよ。

SATOち:あのワーカホリック振りはとても考えられないね。2年もツアーに出るなんて、独り暮らししてたらどうするんだろう!?(笑)

──凛として時雨やTHE BACK HORNといった異ジャンルのバンドとのライヴを果敢に行なったり、海外でのライヴをコンスタントに断行したりと、常に境界線を飛び越えていこうとする志の高さがムックにはあるし、その姿勢はこれからも不変なんでしょうね。

逹瑯:ジャンルなんてどうでもいいんですよね。アンニュイなのがいいんですよ。立ち位置としてはヴィジュアル系ですけど、それを恥ずかしいとも思わないし。よく格好悪いジャンルって言われることもあるけど、出所を隠すほうがもっと格好悪いですよね。何と言うか、音楽やライヴが純粋に楽しければいいと思うんです。今はやってる側よりも聴く側のほうに偏見があるし、そこは問題かなと思いますね。

──その偏見なり先入観なりを取り払っていきたいですか。

逹瑯:いや。「偏見を取っ払って世界を変えたいんだよ!」なんて熱弁を聞くと、俺は凄く引いちゃうんですよ(笑)。偏見なり何なりは自然となくなっていくもんじゃないかなと思いつつ、背伸びもせず、大口も叩かず、常に自然体でいたいんですよ。

SATOち:ヴィジュアル系ってだけで嫌われたりするのはイヤだなと思いますけど、ムックのライヴは一度見れば絶対に楽しいはずだから、そのためにも異ジャンルの対バンやフェスとかにいっぱい出たいんですよね。

──聴く側の意識を変えようとする強靱な意志みたいなものがなければ、たとえば海外へ打って出る時も心が折れそうな気もしますけど…。

逹瑯:俺はそういう気負いみたいなものはないですね。単純に面白いことが好きなんですよ。面白ければ何でもいい。

SATOち:確かに楽しめるのが一番だけど、毎回毎回楽しめるわけじゃないし、立ち向かって戦わなくちゃいけない部分もありますよね。

──僕が皆さんの立場だったら、ガンズ・アンド・ローゼズの前座を2度も務めるなんて即刻胃潰瘍になるでしょうけどね(笑)。

SATOち:その辺はメチャ強くなりましたね(笑)。

逹瑯:日本人の洋楽ファンが世界で一番のアウェイなんですよ。

──なるほど。それに比べて、海外のオーディエンスは何でも見聞きしてやろうという貪欲さがありますよね。

逹瑯:向こうの人たちは新しくて面白い音楽を常に探し続けてるんでしょうね。音が良ければ素直に反応するし、言葉の壁も関係がない。俺たちが洋楽を聴いても何を唄ってるか判らないのと同じですよ(笑)。



ファンに対して“約束”すること

──日本の場合、目当て以外のバンドには目もくれずに帰ってしまうオーディエンスが多いように感じるんですが。

逹瑯:それでもいいんじゃないですか? 仮にひとつのバンドしか見なかったとして、そのバンドがチケットの金額に見合うだけのパフォーマンスをしたからお客さんも満足して帰ったんだとすれば、それは素晴らしいことだと思うし。来てくれる人は自由でいいんですよ。イヴェントだからと言って何の義務もない。逆に、気を遣って見られるのもイヤですね。最後のバンドはお客さんが全然いなくて可哀想とか言うけど、お客さんを残せないバンドが悪いと俺は思うんです。可哀想と思われるのが可哀想ですよ。

──アウェイなライヴほど闘志が漲ったりは?

逹瑯:ホームもアウェイもあまり関係ないですね。ただ、初めて見るお客さんがどうこうよりも、アウェイな場所まで足を運んでくれた俺たちのお客さんに「こっちのバンドのほうが格好いいじゃん」って思われないようにしなきゃなとは思います。そういう時は燃えますね。まぁ、ただの負けず嫌いなんでしょうけど。…と、SATOちはいつも言ってますね(笑)。

SATOち:俺を使ってまとめるなよ(笑)。

──アウェイな場面で一番好戦的なのは誰なんでしょう?

SATOち:酒を呑んだ時のYUKKEさんじゃないでしょうか(笑)。

逹瑯:ステージに関係ないやんけ(笑)。

──ミヤさんは割と冷静なんですか。

逹瑯:どうだろうな。静かに燃えてると言うか、そういう時のテンションはいつもより上がってる気はしますね。“冷静と情熱のあいだ”で(笑)。

──今秋からはツアーも始まるし、1年が駿足で過ぎていく感じじゃないですか。

逹瑯:最近は1日が終わるのが早いんですよ。何でかはちょっと前から気づいていて、要するに起きる時間が遅いからなんです(笑)。昼に起きたら夜まであっと言う間だし、朝の8時に起きると1日が結構長いんですよね。

SATOち:8時に起きたら、俺は何をしていいのかまるで判んないね。

逹瑯:SATOちはこれでしょ?(と、パチスロを打つフリをする)

SATOち:それじゃ昼に起きるよ(笑)。

──現状、リリースに関しては理想的なタームを保てているのでは?

逹瑯:そうですね。ただ、時間がありすぎると迷走することもありますよね。どんな仕事でもそうだと思うんですけど、時間がなくて切羽詰まった時にアドレナリンが出るじゃないですか。そういう時は普段出せないスピード感で仕事ができたりするし、その異常なテンションは必要だと思いますね。こういうもの作りの場合は特に。

──最後に、おふたりがファンに対して“約束”できることは何でしょう?

逹瑯:これはずっと考えてることなんですけど、もしも解散ライヴをやるとしたら、絶対に売り切れない会場でやります。解散ライヴがソールド・アウトになるのが格好いいっていうのは違うと思うし、見に行きたい人が全員見れたほうがいい。売り切れたチケットが高値で取り引きされるのがイヤなんですよ。かと言って2デイズやると、初日は最後じゃないのが中途半端だし。なので、ムックの解散ライヴは来たい人が全員入れる会場でやるのを“約束”します。

SATOち:じゃあ俺は、ムックが解散しないことを“約束”しますよ(笑)。


約束
テレビアニメ『閃光のナイトレイド』オープニング・テーマ


初回生産限定盤(CD+DVD):MSHN-008〜9/1,680yen (tax in)
c/w:瓦礫の鳥/フリージア Electro Mix
DVD:『閃光のナイトレイド』オープニング・ムービー/2010.2.14 NHKホール ダイジェスト

★amazonで購入する


通常盤:MSHN-010/1,260yen (tax in)
c/w:イソラ
初回特典:『閃光のナイトレイド』特製ワイドキャップステッカー

★amazonで購入する
★iTunes Storeで購入する icon


アニメ盤:MSHN-011/1,365yen (tax in)
c/w:約束 Original Karaoke/約束 -TV edit-
期間生産限定『閃光のナイトレイド』描き下ろしスペシャルジャケット仕様

★amazonで購入する

Live info.

10月30日(土)日比谷野外大音楽堂
10月31日(日)日比谷野外大音楽堂
11月3日(水)水戸 LIGHT HOUSE
11月6日(土)札幌 PENNY LANE24
11月9日(火)青森 Quarter
11月11日(木)山形 MUSIC昭和Session
11月12日(金)仙台 darwin
11月14日(日)郡山 HIPSHOT JAPAN
11月17日(水)名古屋 Electric Lady Land
11月19日(金)大阪 umeda AKASO
11月23日(火)長野 CLUB JUNK BOX
11月25日(木)神戸 CHICKEN GEORGE
11月27日(土)高知 CARAVAN SARY
11月29日(月)広島 CLUB QUATTRO
12月1日(水)鹿児島 CAPARVO HALL
12月3日(金)熊本 DRUM Be-9
12月5日(日)福岡 DRUM LOGOS
12月7日(火)京都 FANJ
12月9日(木)岐阜 club-G
12月11日(土)新潟 LOTS
12月14日(火)千葉 柏 Drunkard's STADIUM
12月16日(木)東京 吉祥寺 CLUB SEATA
12月21日(火)沖縄 桜坂セントラル ...and more

MUCC official website
http://www.55-69.com/

posted by Rooftop at 12:00 | バックナンバー