ギター バックナンバー

MELON KINEN-BI LOFT LAST GIGS('10年5月号)

MELON KINEN-BI LOFT LAST GIGS

text by 椎名宗之 pix by TAKUMI


市松模様のステージに立つ最後のライヴで魅せた荒ぶるロック魂

 メロン記念日解散の一報を聞いた時、新宿ロフトで最後に何かできないかと考えた。『MELON'S NOT DEAD』という完膚無きまでにロック・スピリットを身に宿した作品を発表し、“ロック化計画”を見事に完遂した彼女たちとヲタモダチのために、僕らなりに手作りの卒業式を開きたいと思ったのである。ハロー!プロジェクト時代の盟友たちが大挙ゲスト出演した『LAST MELON GREETING』がアイドル・フィールドの卒業式だとすれば、僕らが企画した『MELON KINEN-BI LOFT LAST GIGS』はロック・フィールドの卒業式であり、“ロック化計画”の総決算的な意味合いを出したいと思った。本誌の誌面を華やかに飾ってもらうようになって3年、彼女たちに対してお返しができるのは新たな旅立ちに向けて盛大に送り出すことくらいしかなかった。それと、アーカイヴ記事とソロ・ラスト・インタビューで構成した本誌初の増刊号『MELON KINEN-BI ROOFTOP YEARS:2007〜2010』をライヴ当日に刊行すること。本誌を通じて育んだメロンとの絆を一冊の書物として形に残しておきたかったのである。
 当日のゲストは、メロンとは互いのライヴに行き来していたストライカーズ、ブルーハーツのトリビュート・アルバムでメロンがカヴァーした『キスしてほしい』のサウンド・プロデュースを務めた森 純太、そして『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』で共演を果たした我らがニューロティカという3組。いずれも短い時間ながら気迫のこもった名演で素晴らしく、それは各バンドの技量もさることながら、フロアを埋め尽くしたヲタモダチの力に負うところも大きかったように思う。随所でメロンのメンバーがバンドと絡む趣向ではあるものの、本来ならばオーディエンスはメロン以外のバンドになど関心がないものだ。ところが、ジェントルなヲタモダチは違う。事前に共演バンドの音源をしっかりと予習してライヴに臨み、大方の場合は初見であるはずにも関わらず徹底的にそのバンドを盛り立てる。事実、この日もメロンが数曲披露した後に登場したストライカーズに対してヲタモダチは即興の振りと掛け声で盛んに応戦していた。その姿勢はまさにオーディエンスの鑑であり、関心のない対バンは見ずにそそくさと帰るロック・リスナーは何事も貪欲に楽しむヲタモダチを見習ったほうがいい。ヲタモダチの激しい煽りが演奏するバンドの意気に拍車を掛け、双方がライヴという一期一会の瞬間を共有する様は実に美しく、どんな場面でもバンドの本領を発揮させるヲタモダチの団結力に僕はいつも感服していた。以前、『MELON LOUNGE』の転換時にヲタモダチがビート・クルセイダースやニューロティカのファンに前方のフロアを優しく譲るところを見たこともある。あるいは僕も、村田めぐみ同様に“メロンヲタのヲタ”だったのかもしれない。ファンはアーティストの鏡であることを顧みるに、このヲタモダチの人柄の良さとは結局のところメロン記念日の人徳から育まれたものなのだろう。
 市松模様(“イチバツ”に非ず)のステージに立つ最後の機会を華々しく飾るべく、主役のメロンは一曲入魂、全力投球の姿勢。ニューロティカを従えて唄い上げた『さあ、早速盛り上げて 行こか〜!!』を始めとする4曲は問答無用に血湧き肉躍り、名うてのロック・バンドの演奏で全編唄い通すライヴを一度は観たかったなと思ったりもした。白眉は何と言っても出演者全員で唄い演奏したアンコールの『チョイスで会おうぜ』で、さながら“ロック化計画”の大団円を見ているようで何度も身震いした。ダブル・アンコールに応えたメロンが単独で唄った『ALWAYS LOVE YOU』は、デビュー10周年の記念日に行なわれた『生誕3654日感謝祭』での解散宣言直後に披露されたせいか、ヲタモダチの間では複雑な心境になる人も多いらしい。その気持ちは痛いほどよく判る。判るけれど、“ロック化計画”卒業記念ライヴの最後を飾る楽曲としてこれ以上のものはないだろう。それに、僕にとって『ALWAYS LOVE YOU』の楽曲コンセプトは本誌増刊号を編集するにあたって軸に据えた大きなテーマでもあったので、最後の最後に唄ってもらえてとても感慨深かった。打ち上げの席でメロンのメンバーひとりひとりに“新宿ロフト所定のロック課程を修了したことを証”した卒業証書を手渡せたことも、後年懐かしく思い返す日が来るのだと思う。
 あの日、あの場所にいたすべての人たちのメロン愛が生み出した感動的な一夜。そして、アイドルを出自としながらロックで在り続けることを果敢に挑んだメロン記念日の“ロック化計画”に末端として携われたことを心の底から誇りに感じた一夜だった。


SET LIST

◇メロン記念日
メロンティー/愛だ!今すぐROCK ON!/This is 運命/DON'T SAY GOOD-BYE
◇ストライカーズ
ALL AROUND ROCK(with:メロン記念日)/今夜はトゥルットゥ/Vs DarkNesS/パンデミック yeah yeah/爆発しそうなボルケーノ/THE WORLD
◇DJ:カタル(ニューロティカ)
◇森 純太
あきらめたくない/change my life again/変身/明日へのラブソング/LOVE ACTION/HEAVY DRINKER
◇DJ:DJ ARAKI
◇ニューロティカ
ライブハウスモンスター/バイバイモンキー/飾らないままに/オレンジの快速に乗って/東京ハレンチ天国/気持ちいっぱいビンビンビン!/絶体絶命のピンチに尻尾を高くあげろ!
◇メロン記念日×ニューロティカ
さあ、早速盛り上げて 行こか〜!!/お願い魅惑のターゲット/ロマンチックを突き抜けろ!〜Break it now〜/ピンチはチャンス バカになろうぜ! 〜ENCORE 1〜
◇メロン記念日×ニューロティカ×森 純太×ストライカーズ
チョイスで会おうぜ
〜ENCORE 2〜
◇メロン記念日
ALWAYS LOVE YOU

posted by Rooftop at 12:00 | バックナンバー
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。