ジャンルの異なる4バンドが生み出した化学反応的な一夜
ようやく実現したストライカーズとの共同イベント。もう何年も前からイベントにお誘いしたりとかいろいろしていたが、なかなかタイミングが合わず。しかし、昨年11月ぐらいだっただろうか、4月にリリースするニューミニアルバム『PANDEMIC』に向けて、1月から盛り上げて行きたいから一緒にイベントをやりたいとお話をいただき喜んで参加させていただくことになり、ついに3月3日下北沢SHELTERで“ストライカーズ パンデミック episodeU meets Rooftop”を開催することになった。コンセプトは、音楽性はバラバラかもしれないけれど突き抜けているバンドを、ということで声をかけた4組。この4組がこういった形のイベントに一緒に出ることは、後にも先にもそんなにないだろう。
1バンド目に登場したのは現在ライブハウス界隈で話題をかっさらっているキノコホテル。初見のお客さんもいたかもしれないが、演奏力の高さはもちろん、マリアンヌ東雲氏のパフォーマンスに圧倒されながらも、徐々にキノコホテルの魅惑のステージに満員に近いフロアは吸い込まれているようだ。次に登場したのはhare-brained unity。以前見たときとはだいぶ雰囲気が変わっていたように思う。まず、ボーカル布谷とギター吉田の立ち位置が変わっている。下手にいるベース和田と吉田が演奏中にガンガンに頭を振って演奏するため、四つ打ちのサウンドとその姿を見て踊り出したい衝動に駆られる。「今日は男子が多いので男子狙いで行きます」という和田のMC通り、骨太なサウンドでシェルターをダンスフロアに変えていった。続いてplane。いきなりMCで始まるという不思議な構成ではあったが、踊れるサウンドで聴かせつつ、これぞplaneと唸らせるほどのじっくり聴かせる歌もあり、温かい時間が流れていったように見えた。
最後は企画者でもあるストライカーズ。お馴染みのTRFのダンスで始まったが、やはりSHELTERに黒いジャケットを着た5人が並ぶと威圧感がある。TRFが終わりジャケットを脱ぐと、それぞれがその衣装どこで買うんだ? と思わせる派手な洋服が現れて『今夜はトゥルットゥ』からスタート。このタイトルからもなんとなく気付くかもしれないが、これまではどこか「かっこいい」に少しでもしがみついてやろうと感じられる部分があったが、最近は全てが振り切れたのかマジにガチでやることが一番伝わるんじゃないかと気付いたようで、独自の路線に一直線に向かっているように思う。おかげで、迷いがない分、見る側も全力で伝えようとするライブに心を動かされる。この日もずっとガチの彼らのライブは、アンコールを含めた全楽曲を全力で楽しむことができた。
ストライカーズと一緒にイベントができて、こんなに素晴らしいバンドが集まってくれて、本当に良い一夜になったと思う。次にいつできるかはわからないが、また一緒にイベントをやりましょうね。(Rooftop:やまだともこ)
photo by:クラカタレイコ