3ヶ月に渡って開催されるイベント“ストライカーズ パンデミック”
世界規模での流行を目指して、5人の男達が進む次なるステージ
ストライカーズが4月7日にリリースされるニューアルバム『パンデミック』に向け、“ストライカーズ・パンデミック”と題されたイベントを開催中!! 1月29日には“episode I meets Beat Happening!”を下北沢BASEMENT BARで、そしてRooftopとの共同企画となる“episode II”を、3月3日に下北沢SHELTERで開催します。
個人的な話をすると、ストライカーズには何年も前からライブイベントに出演をお誘いしていたのですが、タイミングが合わず、なかなか実現ができなかったのです。しかし、今回ついに「一緒にイベントをやりましょう」というお話を頂き、ありがたいやら嬉しいやらで、このイベントを成功させたいという一心でこの数ヶ月間を過ごしてきました。そのイベントがあと1ヶ月後に迫っています。誰よりも私が一番楽しみにしているんじゃないかという気持ちはぬぐえませんが、この日1日、同じ時間を過ごす全ての方に楽しんでもらえるような空間を作りたいと思っています。
今回は3月3日のイベントに向けてのお話や、新しい作品についてのお話を伺ってきました。ストライカーズはいつもテンションが高いので、話をしていてとても楽しいです。それって、やっぱり音楽にも出るんですね。(interview:やまだともこ)
ストライカーズの世界流行
── 今回“ストライカーズ パンデミック”と題されたイベントが1月、3月、4月と開催されますが、この企画はいつぐらいから構想があったんですか?
星野概念:昨年の夏ぐらいから話にはあがっていたんですよ。
── 1月から始めるということは、2010年はもっと攻めようみたいな意味合いもあるんですか?
星野:それはありますね。
i-ZUCCA:4月にCDを出すことが決まっているので、何か自分達で仕掛けながら発売日を迎えられないかということで、イベントと連動してやっていったら面白いんじゃないかみたいなことですよね?
星野:そうです。
── “episode I”は定期的に“Beat Happening!”というイベントの主催をしている水口さんと、そして“episode II”はありがたいことにRooftopに声をかけて頂いたんですが、このようにどんどん周りの人を巻き込んでいきたいという思いはあったんですか?
i-ZUCCA:昨年1年間の活動を通して、メンバーやスタッフの中ではストライカーズをもっと良い形にしていこうとすごく盛り上がっているんです。もちろん、バンドをやっていて楽しいという気持ちはあるので、そこに周りを巻き込んだら面白いんじゃないかって。それで、“episode I”は昨年もお世話になった水口さんと一緒にやることになって、その日はお世話になっているバンドを呼びつつ、一緒にライブをやりたかったバンドにも声をかけていったんですよ。それを“パンデミック”という言葉に託して、イベントをやろうと思ったんです。
星野:パンデミックって意味わかります?
── ストライカーズと一緒にイベントをやることで知りました。感染ですよね。
星野:インフルエンザ・パンデミックというのが昨年世界的に流行ったじゃないですか。その“世界流行”という言葉にピンと来て、イベントのタイトルを“ストライカーズ パンデミック”としたんです。でも、意外とタイトルが決まってから聞いたのは、パンデミックの意味を知らない人が多いんですよね。
── 今回で言えば、ストライカーズの音楽の感染者を増やす、と。
i-ZUCCA:ストライカーズは、正統派な歌を歌っている人とはちょっと違ったバンドなので、そういう意味では病原菌的な感じでジワジワと感染者が増えていくイメージなんです。だから、パンデミックという言葉は合ってるなと思います。
MKTMN:その無邪気さというか、そういう病原菌を撒き散らしたいんです。
星野:無邪菌ですよ、無邪菌。楽しさが癖になっちゃうような、麻薬的な感染の仕方をしたら良いなと思っています。それを軸にアルバムを作っているし、イベントもそういう流れでやっていきたいと思っています。
── ストライカーズを表すにはライブが一番だと思うので、ライブで感染者を増やすのが大事だと思いますね。見ているだけで笑顔になれるというかハッピーになれるというか、中毒性が高いライブですし。3月3日のイベントで言えば、ストライカーズもキノコホテルもhare-brained unityも個性が強いので、すごい化学反応が起きるんじゃないかと思っています。
星野:キノコホテルは年末の年越しライブのQUEで一緒だったんですけど、すごかったですよ。パフォーマンスとしてのエロスというか、芸術的なものを感じましたね。
── バンドの世界観を作り込まれているという部分では、皆さんと近い部分がありますよね。
星野:エンターテイメントが過剰な感じは似ているかもしれません。
同じ木に、なってるはずのない実がある感じ
── ヘアブレは前に長崎で共演した時に、すごく盛り上がったというお話を星野さんから伺ったような記憶があります。
星野:長崎の時はすごかったんですよ。他にも福岡と岡山で共演したり、DJでイベントに何回か呼んでもらったことがあるんです。
MKTMN:東京では一緒にやったことがないんですけどね。
星野:とにかく、大樹くんの機嫌が悪くならないように。見た目が怖そうだから気をつけないとですね(笑)。
MKTMN:逆鱗に触れないようにしないと、すぐに呼び出されちゃいますからね。
星野:…なんて言ってると本当に怒られちゃいますよね。すごくいい人なんですよ。
── 松岡さんはヘアブレに対してどんなイメージを持ってます?
松岡名作:かっこいいです。一緒にやったら盛り上がりますよ。
i-ZUCCA:小学生の作文みたい…(笑)。
松岡:大好きなんです。アプローチも似てるし、打ち込みを同期するバンドって最近は増えてきましたけど、あんなに確立している人たちって実は周りにいないので。あとは、ヘアブレという世界観ができていますからね。
星野:ヘアブレは、BPMが120〜130ぐらいの4つ打ちに良いメロディーを乗せるのは一貫して、けっこう先駆者みたいな人だと思うんです。そういう意味では俺達もこだわりもあるので、近いものを感じるんですよ。ヘアブレもキノコホテルも、自分達のやってる音楽にすごいしっかりとした哲学を持ってますよね。キノコホテルは喋ったことはないですけど、明らかに持ってます。ブログはチェックしていますから。
── Rooftopでマリアンヌ東雲さんのコラムが12月号から始まったんですが、ドSキャラなんですよね。
MKTMN:怖いですね。
星野:まこちゃん(MKTMN)はドMなので、今の“怖いですね”はゾクゾクしますね、という意味になります(笑)。
── 先駆者と言えば、ストライカーズも下北をメインに活動しているバンドの中では異色の存在という感じがありますけど。
星野:ギターロックとも違いますからね。グチャグチャなものをパワーにする感じはあると思いますよ。
── 3月3日は、どんなイベントにしたいとかあります?
星野:すごい濃いイベントにしたかったので、出てくれるメンツが面白いというのは良いなと思います。ヘアブレとキノコホテルが一緒のイベントに出るなんて、たぶんないと思いますからね。お互い良い印象を持ってイベントが終わってくれたら良いんですけどね。
── こうやってイベントをやることによって、ストライカーズがメインになって、いろんなバンドを繋げるという意味もあるような気がしますね。
星野:そういうのがいいなって思っているんです。ピープルツリーというのがあるんですけど…。
── ピープルツリー?
星野:俺達が幹だとしたら、一緒にやるバンドは実なんです。その実のひとつがキノコホテルであり、ヘアブレであり、もう1バンドであり、絶対に同じ木になってるはずがない実がなっている木にしたいんです。
── なるほど。その木からさらに繋がっていけばということですよね? それは今のストライカーズがたくさんの人を巻き込みたいという気持ちと一緒ですね。
星野:はい。3月は色が濃い実ばかりですよ。本当によくこれだけ濃い色が集まったなって思います。
── 濃いというよりは、みなさんすでにクドイぐらいの色をしてますけどね。
星野:そんなに突き詰めなくていいだろうっていうぐらいのバンドが揃いましたね。
MKTMN:だから、全バンド見ても飽きないと思いますよ。同じ感じがない分、どのバンドも見逃せない感じですよね。そういうイベントってないから、これからもやっていきたいですよね。他の人がやっていないようなことを。
── ストライカーズは、歌モノもいけるし、ダンスもいけるし、いろんなバンドと組み合わせられると思うんです。それが良さでもありますし、枝を広げていくことができるんじゃないかと。
MKTMN:良さでもあり悪さでもあり…。
i-ZUCCA:良い意味でポリシーもないんです。
星野:ポリシーがないのがポリシー。頭をやわらかくというか。いろんなものに影響を受けながらやっています。
MKTMN:バンド自体のカラーがボーダレスな分、囲いがないからわかりにくい部分でもあると思いますけど。
── 頭がガッチガチになっているバンドもいる中で、皆さんのように柔軟にやっているバンドって貴重ですよ。
星野:1回バンドで挫折してるぐらいの年齢の人たちは、音楽を楽しめるというかガチガチにならないでやれるようになるんですよ。イベントもジャンルとか決めないでやったらこんな楽しいやり方があるんだぞというのが、この1年で広がればいいですね。その足がかりになれば良いなと思います。
── 2010年の前半でその足がかりを作っていくわけですが、後半はどういう活動にしたいですか?
星野:その後は、どんどん大きくしていきたいです。またRooftopと一緒にイベントをやらせてもらえる時は、ロフトのバーホールとかも使ってやりたいですね。
バンドとしては圧倒的に良い状態
── ところで、ニューアルバムの『パンデミック』は、もう録り終わっているんですか?
星野:あと1曲です。
── どんな感じになりそうですか?
松岡:今、最後の1曲の歌録りをやる直前です。
i-ZUCCA:たぶん答えるのはそういうことじゃない(笑)。どういう作品かってことだよ。
松岡:ごめんごめん、それはどうぞ。
i-ZUCCA:それも自分でわかるだろ(笑)。
── そのアルバムはフルになるんですか?
星野:まだ内容が決まってないんでなんとも言えないんですけど、発売が4月7日なので、そのためにも3月3日はドカンと盛りあげたいんです。アルバムの曲も3月のイベントぐらいからやり始めようと思っていますので。
── ということは、この日に初めてお披露目される曲もあるわけですね?
星野:ライブでもやってないアルバムに入る曲が3曲あるんですけど、それは3月3日まで温存しているんです。
── まだどこにも披露されていない曲を、ちらりとお話できるならどんな曲なんですか?
星野:みんなでシンガロングできる曲と…。
MKTMN:基本全部シンガロングできる曲です。あまり細かいことはやってないんです。切ない系もありますけど、みんなでワイワイ楽しめる曲ばかりです。
── 最近ワイワイ系の曲が増えてきましたね。
星野:マイクが4本立っているので、みんなで歌ってしまえと。
── そういえば、Rooftopとしてはi-ZUCCAさんが加入してから初めてのインタビューですけど、i-ZUCCAさんが入ったことによってどう変わりました?
星野:今まではベースはサポートで、ようやく正式メンバーが決まりピースが埋まったので、バンドとしての状態は圧倒的に良いです。
MKTMN:あとi-ZUCCAくんは、僕たちが持っていなかったものを持っている。今までのメンバーは目線が似てますけど、i-ZUCCAくんはちょっと違う見方をするんです。
── 一度メジャーデビューしてますから。
星野:やっぱりメジャーデビューした人って違うなって思いますよ(笑)。俺達が見たことのない景色を見てる。
── i-ZUCCAさんは鍵盤も弾きますし、よりサウンドが厚くなった印象は受けますよね。
星野:松岡とi-ZUCCAが鍵盤を弾けますからね。さらに面白いことができたらいいなって個人的に思っています。
── 昨年12月に行なわれたワンマンで松岡さんが鍵盤を弾いてた時は、育ちのいいおぼっちゃんにしか見えなかったんですけど。
星野:ピアノ教室みたいでしたよね(笑)。
── Itoさんとしてもベースが正式になり、よりリズム隊のグルーヴが増したんじゃないですか?
Yoshi-Ito:………。
星野:質問が来ると思ってなかったから不意打ちでしたね(苦笑)。Yoshiくんは基本的にドラムが叩ければいいんです。
Yoshi-Ito:…楽しくやってますよ。
── 雰囲気も良いですか?
星野:すごく良いです。
── i-ZUCCAさんは、演奏面でいろいろとアイディアを出すんですか?
i-ZUCCA:みんなすごい意見がある人たちなので、ぶつかってまとまらないところをちょっとずつ整理して、ひとつにまとめていくみたいな感じですね。そこに、ちょっと自分の意見を足す。とにかくアイディアがすごいいっぱいあって、出てるアイディアはもったいないから捨てずに、なんとか詰め込めないかと考えながらやっているつもりです。
星野:プロデューサーってベーシストの人が多いんですけど、i-ZUCCAくんを見ていても思うのはベーシストって一歩引いて見てる時があるんです。ときどき全てをぶち壊すようなことをしますし、ライブのMCでわけわからないチャチャを入れてきて、それはすごいめんどくさいんですけど(苦笑)。
── あのMCを見ていると、i-ZUCCAさんがただウカレてるとしか思えない時がありますよ。
MKTMN:そうなんです。本当は僕がウカレたいんですけど、僕以上にウカレてるから自分が落ち着かないとならない。そこにまわされちゃったんです。
── あと、オープニングのダンスもついにメンバー全員で踊る時が来てしまいましたね。
星野:夏に合宿に行っていたりしていたんですけど、最後の1日はダンスの練習をして今踊っているフリを作りあげたんですけど、よく見るとYoshiくんと松岡くんが微妙にヘタなんです。
── 松岡さんはそんなに下手だと思わなかったです。
Yoshi-Ito:僕が群を抜いて下手ってことですか(笑)。
── でも、ダンスはライブでしか見られないですからね。
MKTMN:ただ、意外とダンスの時って盛り上がってないんですよね。
星野:やっぱりやっちゃうんだ、みたいな。
── まぁ、あのダンスがなければもう1曲できるわけですからね。音楽はしばらく変わらずにTRFなんですか?
星野:前は毎回変えていたんですけど、最終的にあの曲になったんです。
── 3月3日は、違う曲で見たいですね。
一同:おっと?
i-ZUCCA:いや、まだ今のダンスが全国的に感染できていなんです。そこで飽きたって言われたら変えようと思っています。
2010年の前半は地盤固めから
── このインタビューは2月号に掲載するのですが、2010年にバンドとして達成したいこととかありますか? 星野さんは最後でお願いします。
星野:はいはい。
松岡:デカイステージでやりたいです。
星野:なんで小学生みたいなコメントばかりなの?
MKTMN:僕はバンドでテレビに出たいですね。
── なんだかミーハーな方向に行ってますね。
松岡:全体的にミーハーなバンドなんです。
星野:ミーハーな方向に行くためには、世界流行みたいな感じで広まっていかないとミーハーって言われないんです。
MKTMN:もっと多くの人にわかってもらえるように努力して、今年中にはテレビに出て歌ったりしたいです。テレビが好きなんです。あとはCDの結果をちゃんと残したいです。
── 『パンデミック』をリリースして、ツアーの予定とかもあるんですか?
星野:主要都市で自分達のイベントをやっていこうと思っています。あとはどこが入るかわからないんですけど、とにかく広まって欲しいですね。たくさんの人に聴いて欲しいし、たくさんの人にライブを見に来てもらって、こういう楽しいところがあるんだということを知って欲しいです。
── 音楽の知識も豊富でしょうし、広げられる気はしますね。Itoさんは、いかがですか?
Yoshi-Ito:あのー。メジャーデビューしたいです。
── それに対してi-ZUCCAさんは?
i-ZUCCA:やれることは全部やりたいというところはあるんですけど、やりたいことで思いつくことがいっぱいあるんです。まこちゃんが言ったテレビに出たいもそうだし、松岡さんが言った大きいステージに立ちたいもそうだし、やりたいことが思い浮かぶうちは全部やりたい。
星野:完全にまとめてくれてますね。Yoshiくんのメジャーデビューしたいは入ってなかったけど。
Yoshi-Ito:i-ZUCCAくんは一度してますからね。
星野:メジャーデビューしたから、すればいいってもんじゃないってことを知ってる人だから。
── どちらにしても今は地盤を固めて…。
i-ZUCCA:とにかく楽しい状態でバンドを続けて、人に向けてやってる以上一緒に楽しめるような活動にしたいですね。
── じゃあ、最後に星野さん。
星野:今年はパンデミックです。広めて知ってもらえれば、自ずと大きな話が出てくるかもしれないですからね。自分達がやりたいことは大きく広まると信じているので、それをとにかくやる。それで行けるところまで行きたい。楽しくなくなったら終わりですからね。
── ストライカーズが楽しくなくなったら終わりですよね。
星野:こういう人が楽しくなくなったら、ものすごい卑屈になったりとかしますからね。気をつけた方がいいと思いますよ。
── こんな時代だし、卑屈な人が増えても困りますよ。
星野:こんな時代で思いましたけど、世の中良くないけど、今がチャンスなんじゃないかと思っています。俺たちが楽しんでいるということを提示して、それがみんなに伝われば良いと思っています。そういうパンデミックを今年は起こしたい。まずは3月3日のシェルターに感染しにこいと。レッツ感染!! …です。
一同:(失笑)
2010年4月7日、ニューアルバム『パンデミック』発売決定!!
Live info.
3月3日(水)下北沢SHELTER
ストライカーズ&Rooftop合同企画イベント
ストライカーズ パンデミック episode II meets Rooftop
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV.¥2000 / DOOR ¥2500
ストライカーズ / キノコホテル / hare-brained unity / and more…
チケット:PIA(Pコード:347-410)・LAWSON(Lコード:75862)発売中 / SHELTER 2/3〜販売開始!!
問:下北沢SHELTER03-3466-7430
ストライカーズ official website
http://www.the-strikers.com/