ギター バックナンバー

MOSQUITO SPIRAL('10年2月号)

MOSQUITO SPIRAL

ロックンロールの幾星霜を貪欲に呑み込んだ蚊渦の魍魎、
“再生”を謳った“最盛”期へと遂に突入!


 バンド結成に至る発起人とも言うべきKYOYA(ds:ex. WILLARD)の脱退というアクシデントに見舞われながらも、KYO(ds:ex. MAD3)を正式メンバーに迎え入れてから早1年半。MOSQUITO SPIRALがオリジナル・アルバムとしては約2年半振りの作品となる『IN THE CROWD』を遂に完成させた。ロック純血主義を美徳とするバンドとしては、オリジナル・メンバーでのバンド続行不可能に際して一時は解散も考えたと言うが、そこを何とか持ち堪えて本当に良かったと実感できる作品だ。彼らが体現するピュアでプリミティヴなロックンロールはより一層その純度を増し、時間と手間を掛けただけあって楽曲のクオリティは過去随一。何より、KYOの妙味に富んだタイコが日本のロック史を鮮やかに彩ってきた3人──BAKI(vo:ex. GASTUNK)、KASUGA(g:ex. THE POGO、ex. LAUGHIN' NOSE)、NIKICHI ANAI(b:ex.TH eROCKERS)の歌と演奏にさらなる精彩さと瑞々しさを与えているのが素晴らしい。そして、不朽のロック・クラシックスに対する限りない愛情を感じさせつつも今日性の高いサウンドを具象化しているのがさらに素晴らしい。『IN THE CROWD』はKYOのもたらしたバンドの“再生”が“最盛”期へと連なることを雄弁に物語る一大モニュメントなのである。(interview:椎名宗之)


KYOがバンドを“REBIRTH”させた

──KYOさんの加入は個人的に凄く意外に感じたんですが、これはどんな経緯で?

KASUGA:KYOYAさんが辞めることになって、ライヴにKYOちゃんが遊びに来てたんです。そこで“あ、いいのがいた!”と思って。名前も似てるしね(笑)。ちょうどKYOちゃんがMySpaceを始めた頃だったよね?

KYO:そうですね。MAD3を辞めて2ヶ月くらい経った頃にMySpaceを始めて、来てくれたのはMUROCHINとKASUGAさんくらいだったんですよ(笑)。宅録のコメントをKASUGAさんがくれて、ABNORMALSとMOSQUITOが一緒にライヴをやるっていうから挨拶とお礼を兼ねて遊びに行ったんです。で、ライヴハウスへ入る前にいきなり、「実はKYOYAさんが今月で辞めちゃうんだけど、手伝ってくれない?」なんて言われて(笑)。

BAKI:それ、いつだったっけ?

KASUGA:2008年の3月、URGAだったね。

KYO:DAMNEDとMOTORHEADのトリビュートはMAD3も一緒にやってたし、『MARBLES』はKASUGAさんにサンプルを貰ってたんですけど、ライヴを見たのはあの日が最初だったんですよ。

──面子が面子だけに、最初は畏れ多いと感じましたか?

KYO:最初のスタジオはブン殴られる覚悟で行きましたけど(笑)。

KASUGA:スタジオの雰囲気は和やかですよ。まずはANAIさんのトークから始まって(笑)。

BAKI:そのトークがまた長いんだよな(笑)。

──初の音合わせから“これは行ける!”という手応えを感じましたか。

KASUGA:最初はアコースティック・ライヴのリハだったんですよ。KYOちゃんにはまずサポートでお願いしていて、今みたいなハードな感じとは全然違ったんです。

KYO:しかも、送ってもらった音源が全然アコースティックじゃなかったんですよ(笑)。普通にファーストとセカンドの音源だったんです。ANAIさんが参加していたので、MOSQUITOはもっとロックンロールっぽいと思っていたんですよね。それが意外とヴァラエティに富んでいて、普通にロックなんだなと思って。

──KYOYAさんありきで始まったバンドだから、脱退は衝撃でしたね。

KASUGA:当時は、正直もう続けられないかなとも思いましたからね。

BAKI:俺が一番「辞める」って言ってたしね。オリジナル・メンバーで続けるのが理想だから。できればバンドはそこで解散させて、それから新しいことをやるのが潔いと思ってた。でも今は続けて良かったし、KYOちゃんとバンドをやれて嬉しいし、こうしてまた新しい作品を作れて良かったと思う。

KASUGA:KYOYAさんが抜けた頃に、今回のアルバムのプリプロをもうやってたんですよ。曲はすでに何曲かあったから、このままバンドを潰すのはもったいないと俺は思ってましたね。

──同じリズム隊としてANAIさんのような大ヴェテランと絡むのは極度の緊張を強いられそうですけど…。

KYO:ただ、中学生の頃にTH eROCKERSやROOSTERZの『FOUR PIECES』は聴いてたし、武蔵野でその手の音楽は基礎教養みたいなものですからね。

KASUGA:MAD3のドラマーとしてのKYOちゃんはもちろんLAUGHIN' NOSEの頃から知ってたんだけど、MySpaceで発表してるKYOちゃんの宅録の曲があって、そこでキーボードを弾いたりして意外な一面を見たんですよ。

──じゃあ、『REBIRTH』のイントロで荘厳に鳴り響く鍵盤音はKYOさんが弾いているんですか。

KYO:そうです。俺の宅録をみんなに送って、「これで何かできませんか?」とアレンジをしてもらったんですよ。キーボード自体は宅録と同じものを使ってるんです。

──新たに加入したKYOさんがバンドを文字通り“REBIRTH”させたわけですね(笑)。

KASUGA:そういう引っ掛けにもなってるわけですよ(笑)。今回の収録曲はKYOYAさんがいた頃から作りかけてた曲もあったけど、KYOちゃんが入って一度全部バラして最初から組み直していったんです。当時のデモもあったけど、KYOちゃんには一切聴かせなかったし。「こういうふうに叩いてよ」ってデモを聴かせると、また違うものになると思ったから。

子供が生まれて突き付けられた責任感

──『IN THE CROWD』は楽曲の振り幅がさらに増したし、KYOさんが叩くことで音の鳴りと響きが一段と精彩を放っている印象を受けますね。

KYO:一応、まだ若いんで(笑)。

KASUGA:若いんだけど、音楽の懐が凄く深いんですよ。KYOちゃんのブログを読むと、プログレやらジャズやら幅広く音楽を聴いていて、そういう引き出しの多さがANAIさんと合うと俺は思ったんですよね。ちょうどANAIさんもマイブームでプログレにハマってた時期だったし(笑)。

──だからなんですか、PINK FLOYDの『THE NILE SONG』をカヴァーしているのは。

KASUGA:ANAIさんからの提案だったんですよ。BAKIさんもPINK FLOYDのカヴァーをライヴでやってたりもして。

BAKI:シド・バレットのカヴァー・バンドを長いことやってるんだけど、まさかMOSQUITOでやるとは思わなかったね(笑)。

──DAMNEDのカヴァーから始まって、さらに時代が遡ったという(笑)。

BAKI:でも、DAMNEDのセカンドはPINK FLOYDのニック・メイスンがプロデューサーをやってるし、全く関係ないわけじゃないんだよね。

KASUGA:微妙なDAMNED繋がりですね(笑)。

BAKI:あと、キャプテン・センシブルはシド・バレットの大ファンだしね。

KYO:ホントはシド・バレットにプロデュースを頼もうとしてたんですよね。

BAKI:そうそう。イギリスのロック・シーンの系譜を辿っていくと、シド・バレットがポップ・スターとして必ず出てくるんだよ。

──そのPINK FLOYDのカヴァーを筆頭に、本作にはロック・クラシックスへのオマージュが随所に込められていますよね。イントロがBEATLESの『HELTER SKELTER』を彷彿とさせる『FEAR』、コーラスがWHOの『WHO ARE YOU』を連想させる『THE IN CROWD』、『BECK'S BOLERO』ならぬ『NICK'S BOLERO』というタイトルといった具合に。『DARKSIDE MOON』というタイトルもPINK FLOYDの代表作を想起させますし。

KASUGA:“NICK”は“仁吉”なんですけどね(笑)。今回はレコーディング期間を長く取れたお陰でいろんなアイディアが浮かんできて、いろいろと試せたんですよ。

──冒頭のハンドクラップに導かれて始まる『REBEL』とか、アレンジがよく練られていますしね。

KASUGA:『REBEL』も最初はちゃんとしたイントロがあったんですよ。それもANAIさんが「ハンドクラップで始まると面白いんじゃない? ライヴでは俺がやるよ」って言ったことからあんなアレンジになったんです。

──作詞のクレジットがBAKIさんからバンド名義になったのは、曲のテーマやコンセプトをメンバーから募って書き上げるスタイルだからですか。

BAKI:今回は俺が煮詰まっちゃってね。メンバーはおろか、レーベル・スタッフにも助けられて何とか完成に漕ぎ着けた感じだね。

──終盤の3曲は特に明るい未来を高らかに唄っていて、歌詞の主題がいつになく前向きな感じがしましたけど。

BAKI:レコーディング中に子供が生まれたことも関係してるんじゃないかな。世の中の変化の兆しも肌で感じるしさ。リハをやって曲を作ってた頃から考えると、1年くらい掛かったから長かったよね。

KYO:レコーディングに入る前に、まず俺がバンドに馴染む時間も必要でしたから。

KASUGA:レコーディングそのものに掛ける時間はそんなに長くなくて、どの曲も1テイクか2テイクでOKなんですよ。

KYO:ドラムはどれも2、3テイクでしたね。

KASUGA:ただ、期間が長いとアレンジをじっくり煮詰められたし、その間に新しいアイディアがどんどん生まれて、また曲が出来ていったりする感じだったんです。

KYO:ベーシック・トラックはアルバム中盤の『THE NILE SONG』を一番最後に録ったんですけど、それ以外は曲順の通りに録っていったんですよ。後半のほうがレコーディングにこなれた感じはあると思いますね。

──BAKIさんが感じていた煮詰まりとは、バンドに対してのジレンマだったんですか。

BAKI:いや、自分が生きることに対してだね。バンドを辞めるつもりは全くないけど、生まれてきた子供に対して責任も生じてくるじゃない? 明日死んでもいいとは思わないけど、そんなことがあってもしょうがないかなと思って今まで生きてきたのが、そうも言ってられねぇぞと責任を突き付けられたしね。それが一番大きいんじゃないかな。それを踏まえた上で、ロックンロールとバンドがあってこその自分って言うかさ。その部分でも突き付けられたよね。

MOSQUITOはホントの自分を出せる

──リズム隊が以前に増して有機的なグルーヴを放つ一方で、ドラムが替わるとヴォーカルは単純に唄いづらくなると思うんですが、それもKYOさんが正式に加入してから1年半の間で見事に解消したように感じますね。

BAKI:その辺は時間を掛けてクリアできたね。ドラムとヴォーカルは近い存在だし、特にドラムが替わるとバンドは全く別のものになるんだよ。MOSQUITOはビジネスじゃないところで集まってるバンドだから、ドラムに限らず1人が替わったらすべてが変わってしまう。だから俺は新しいバンドがやりたかったんだけど、この先に繋がる何かを感じるからこうしてMOSQUITOを続けてるんだよね。

KYO:MAD3を辞めて、俺は宅録とフリー・フォームしかやるつもりがなかったんですよ。MOSQUITOは最初サポートで、アコースティック・ライヴの時は割と原曲を忠実にやる感じだったんだけど、ライヴをやっていくうちにバンドとしてのコール&レスポンスをMOSQUITOでもちゃんとできるんだなと思ったんです。だったら正式にバンドに入れてもらったほうが絶対に面白いぞと思って。

KASUGA:昔の曲も、今はアレンジが全然変わっちゃってるしね。

KYO:まぁ、それは単純に俺がKYOYAさんみたいに叩けないだけなんですけど(笑)。ある人が言うには、KYOYAさんはウェットで、俺はドライな音らしいですね。

──『MARBLES』の頃は『DARKSIDE MOON』のような激情の哀切ナンバーがMOSQUITOの真骨頂でしたけど、今は『THE IN CROWD』や『NICK'S BOLERO』といった明るい表情を湛えた弾むようなナンバーにバンドの持ち味がよく出ているように感じますね。

KASUGA:アルバム前半の曲はKYOYAさんがいた時にデモを作っていたのが多いんだけど、不思議なもんでドラムが替わると雰囲気まで変わるんですよ。

KYO:『THE IN CROWD』は一番最初に音合わせをしてるらしいんですけど、例によって俺は元のデモを聴かされてないんです(笑)。

KASUGA:KYOYAさんが叩いた『THE IN CROWD』はボツ曲になりかけてたんですよ。それをKYOちゃんと合わせてみたら見事に生き返ったんです。

──そこでもKYOさんが“REBIRTH”させたわけですね(笑)。

KYO:俺はインスト・バンドでずっと叩いてたし、フォー・ピースのバンドをやったことがなかったんです。そこから仕切り直しだったわけですよ。正式に加入することになってすぐにANAIさんからメールが来たんですけど、そこにバンドの名前が羅列してあったんです。「…といったバンドが聴きたいです」って。要するに、俺の持ってるCDを貸せということかと(笑)。

BAKI:それ、プログレだったっけ?

KYO:プログレと、あとは60年代のガレージ・パンクや俺が強いサイケっぽいのとかでしたね。最初の頃はスタジオでそんなやり取りばかりやってました。

KASUGA:そのふたりのやり取りを見て、俺は“これなら行ける!”と思ったんですよ。

KYO:MOSQUITOは放任主義なんですよね。ドラムを蹴倒そうが何をしようが何も言われないので。だから、やってることはMAD3の時と基本的に変わってないんですよね。

BAKI:ホントは俺がKYOちゃんよりも先にドラム・セットを壊したいくらいなんだけどね(笑)。

KYO:BAKIさんは本家ですからね(笑)。俺がフリー・フォームをやって実感したのは、自分では割とジャズ志向だと思ってたのに、やっぱりロックのドラムなんだなってことなんです。と言うことは、ロック・バンドをちゃんとやってないとダメなんだなと思って。そんなタイミングでMOSQUITOの話を貰ったので、今は凄くバランスがいい状況なんですよ。

──KASUGAさんがLAUGHIN' NOSEを脱退してMOSQUITOに専念するようになって、ギター・サウンドの自由度がグッと増した気もしますね。

BAKI:俺もこの1年くらいでKASUGAのプレイやアプローチが凄く変わったと思うね。今はいろいろ試してるのかな? って感じるし。

KASUGA:そうかもしれない。MOSQUITOはホントの自分をそのまま出せるんでしょうね。

KYO:LAUGHIN' NOSEやDESSERTとかのKASUGAさんを見てきた立場で言うと、MOSQUITOで弾いてるKASUGAさんは全然違いましたね。

KASUGA:パンクはもちろん好きだし、身体に染み付いたものだけど、それ以外にもいろんな音楽を吸収してきたわけだから、MOSQUITOみたいにヴァラエティに富んだ曲をやるのは自然なことなんですよ。

──KASUGAさん同様に、僕はBAKIさんの唄い方もよりナチュラルになった印象を受けましたけど。

BAKI:曲が変わったからだと思う。上手く唄えるか判らない曲を唄うことによって、自分では知らなかったようなことが唄えている部分もあるね。この先にまたどんな歌を唄えるのか楽しみになれたよ。意識的に唄い回しを変えたつもりはないけど、バンドを続けていれば新たな発見が絶えずある。だからやっぱり、ずっと続けていくことが大事なんだね。

KYO:俺なんて、「今はBAKIさんと一緒にバンドをやってるよ」って友達に言うと「出世したな」って言われますよ(笑)。俺と同い年の連中はみんな“消毒GIG”とかに通ってましたからね。

本物が少ないから日本にロックが根付かない

──KASUGAさんはプロデューサー的な立場としてこれだけ個性の強い面々のアイディアや意見を集約させるわけで、その苦労も並大抵なものではないのでは?

KYO:まず、ANAIさんを抑えるのが大変ですよね(笑)。

BAKI:確かにどこに行くか判らない感じはあるけど、それが面白いんだよ。

KASUGA:でも、ANAIさんの突然のひらめきは結構面白いのがあるんです。そこはちゃんと拾いたいんですよ。さっき言った『REBEL』のハンドクラップとかね。

KYO:『REBEL』はANAIさんがC.C.R.の『SUZIE Q』をイメージしてたみたいなんですけど、全然違うじゃないかっていう(笑)。

──アルバム・タイトルは『IN THE CROWD』で、収録されている楽曲は『THE IN CROWD』という言葉遊びも、もしかして…。

KASUGA:それもANAIさんのアイディアなんです(笑)。『THE“IN”CROWD』はラムゼイ・ルイスのアルバム・タイトルにもあるし、ブライアン・フェリーもカヴァーしてますよね。

KYO:あと、『THE“IN”CROWD』はモッズのアンセムとしても有名ですね。

KASUGA:それが『IN THE CROWD』になると“群衆の中で”という意味になる。

──いきなりオフコースみたいになりますね(笑)。でも、そうやって古き良きロックのキーワードを巧みに織り交ぜて純度の高い作品を作るのは、ロックに対する愛情に溢れていて嬉しくなりますね。

KASUGA:レコーディングも凄く楽しかったですからね。エンジニアの田村(英章)君もロックに詳しいし、スタジオも馴れたもので、だからこそ新しいアイディアが沸々と湧いて出たんじゃないかな。

KYO:MAD3の時は、ドラムの音色を決めるのに3人で喧々囂々になってたんです。それに懲りてたから、今回は全部お任せで行こうと思ったんですよ。でも、KASUGAさんに「こんな音でどう?」って言われたら、「すいません、もうちょっとコンプ強めでお願いします」なんて答えちゃったんですよね(笑)。

BAKI:でも、結果的には成功してるよね。田村君が各々の音をちゃんと録っておいてくれるから、そういうマイナー・チェンジをしてもゼロ地点まで戻らずにちゃんとバランスが取れるんだよ。ミックスは田村君と親分(フライハイト代表の岩井周三氏)がやってるけど、親分はキーボードまで弾いてるから(笑)。

──『REFLECTION』のイントロですか?

KYO:いや、『REBEL』の途中で16っぽくハイハットで叩いてるように聴こえるんですけど、あれは親分のキーボードなんですよ。

KASUGA:『REFLECTION』の頭は、『REBIRTH』の“reverse”なんですよ(笑)。いいスタッフにも支えられてるし、MOSQUITOは恵まれたバンドだなと思いますね。あれだけタイトなスケジュールの中で、時間いくらのスタジオだったら作れなかっただろうし。

──個々人がロックに造詣の深いバンドだから、古今東西のロックのクラシック・ナンバーを集めたカヴァー・アルバムをいつか是非聴いてみたいですね。

KASUGA:でも、今回も何かカヴァーをやろうと決めていろんなアイディアが出てきたんですけど、もうバラバラになりすぎたんですよ。

KYO:ボブ・ディランの『ALL ALONG THE WATCHTOWER』はアリかなと思ったんですけどね。あと、PINK FAIRIESだったりとか。

KASUGA:PINK FAIRIESは俺もいいかなと思ったんだよね。

BAKI:俺は、PINK FLOYDはやめたほうがいいんじゃないかと思ったんだけどね(笑)。自分が他でやってたことだし、オリジナル・アルバムなんだからカヴァーは入れなくてもいいんじゃないかと思ってた。でも、いいプレイを残せたし、あの曲を真ん中に入れるとA面とB面を繋ぐ橋渡しみたいな感じにもなるなと思ってさ。

──ところで、連綿と続くロックの文化が地層として日本に根付かないのは何故だと思いますか。

BAKI:本物のロックがないからだと思うよ。そこは俺、声を大にして言いたいけど。

KASUGA:それは俺も今回のアルバムの制作中に感じましたね。2010年のトレンドではないかもしれないけど、飽きることなくずっと聴き継がれていくアルバムを作りたかったんですよ。それがKYOちゃんが加入したことでより具現化できるようになったんです。ルーツを振り返りながらも前を進んでいるバンドなんですよ、MOSQUITOは。

KYO:ちゃんと今の音になってますからね。それじゃないと意味がないですから。

BAKI:アルバムももちろん聴いて欲しいけど、とにかくライヴを一度見て欲しいね。やるほうも見るほうも年齢なんて関係ない。この間、柴山(俊之)さんに会ったけど、「新しい曲を作らなきゃダメだぞ、ANAI」って言ってたんだよ。還暦を過ぎてもそうやってまだまだ貪欲なのが凄いし、俺たちもまだまだ新しいチャレンジをやっていきたいね。生き様だからさ、ロックンロールは。ロックの一瞬の刹那も大事だけど、ロールして続けていきたいよね。



IN THE CROWD

01. REFLECTION
02. SHINING ON
03. REBEL
04. (DON'T FORGET TO) BOOGIE
05. SAKEBEODORE
06. THE NILE SONG
07. DARKSIDE MOON
08. FEAR
09. THE IN CROWD
10. NICK'S BOLERO
11. REBIRTH
FREIHEIT DQC-419
2,415yen (tax in)
2010.2.10 IN STORES

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Live info.

『IN THE CROWD』発売記念ライヴ
2月27日(土)吉祥寺ROCK JOINT GB
with:ABNORMALS, CATSUOMATICDEATH, CHURCH OF MISERY, HELLBENT, OPENING ACT:TripleHelix
OPEN 18:00
ADV 2,800yen (+1DRINK) / DOOR 3,000yen (+1DRINK)

MOSQUITO SPIRAL単独公演
5月2日(日)新宿URGA

OTHERS
2月7日(日)亀戸ハードコア
3月27日(土)新大久保EARTHDOM
4月4日(日)恵比寿LIQUID ROOM
4月10日(土)稲毛K'S DREAM
5月8日(土)仙台BIRDLAND

MOSQUITO SPIRAL official website
http://mosquitospiral.com/

posted by Rooftop at 12:00 | バックナンバー