新宿LOFTを拠点としたあの名物企画が5年振りに復活!
仲野 茂の生誕50周年を記念した盛大な祝宴が3日間にわたり華々しく開催!
バンドマンたちが影響を受けた曲や一度やってみたかった曲、自分のバンドのライヴではやれない曲を、普段は一緒にやることのないバンドマンたちと一緒にセッションするという名物イヴェント“THE COVER”が5年振りに復活する。しかも今回は、イヴェントの始動以来一貫してプロデュースを務めてきた仲野 茂(ANARCHY)が来年1月2日に50歳を迎えることを記念して3日間にわたり開催される“THE COVER SPECIAL”だ。往年のLOFTオールスターズとも言うべきお馴染みの面子に加え、前夜祭にTHE BACILLUS BRAINSとライムサワー、本編に武藤昭平(勝手にしやがれ)とKYONO(WAGDUG FUTURISTIC UNITY/THE MAD CUPSULE MARKETS)といった新たな顔触れも参加し、この盛大な祝宴に花を添える。本誌では2号にわたってこの“THE COVER SPECIAL”を手厚くフォロー、今号では首謀者である仲野 茂への単独取材を敢行。イヴェントの成り立ちと今日に至る経緯を改めて振り返りつつ、50歳の大台を迎える現在の心境を訊いた。(interview:椎名宗之)
柴山俊之とPANTAを引きずり出すのがきっかけ
──前回の“THE COVER”から5年も経過していたのが意外だったんですが、これは何か意図するところがあったんですか。
茂:ない。“THE COVER”に出てくれた連中から「そろそろまたやりましょうよ」って言われることもあるし、それは有り難いことなんだけど、“THE COVER”をやるのは凄いエネルギーを使うし、やるにも俺側に何らかのリアクションが欲しいんだよね。俺のこだわりとしては、40代から50代っていう自分と一緒にやってきた時代のミュージシャンや柴山(俊之)さんやPANTAみたいな憧れのミュージシャンとやりたい気持ちが常にあるんだけど、顔触れが毎回同じことになるじゃない? そういうルーティンも別に悪いとは思わないけど、それだと顔触れを集める時のモチベーションが下がるって言うかさ。だから定期的にするつもりもなかったし、元来遊びで始めたものだったし、元々の趣旨は柴山さんとPANTAを引きずり出すことにあったからね。
──サンハウスと頭脳警察は茂さんに絶大な影響を与えたバンドですからね。
茂:アナーキーを始めた頃に憧れだった両巨頭だね。その2バンドが現役だった頃は俺がまだ中学生だったり、サンハウスは九州だったりっていうこともあって、時代的にちょっと間に合わなかったわけ。頭脳警察は俺、イヴェントを見に行って2回スッ飛ばされてるからさ。で、アナーキーからザ・ロック・バンドになってバンドも上手になって、何とか柴山さんとPANTAを引きずり出したいと。バックはロック・バンドがやるし、生で唄う2人を俺が見たかったわけ。そんな経緯で柴山さんとPANTAに連絡を取って、3人でミーティングをしたんだよ。「“THE COVER”という企画で何とかサンハウスと頭脳警察をやってくれませんか?」って。そしたら、ふたりからあっさり「やりたくない」って言われてさ(笑)。
──それをどう説き伏せたんですか。
茂:「でも、純粋にカヴァーをやるのは面白いよね」って話になったんだよ。柴山さんとPANTAは世代がほとんど一緒だから、スペンサー・デイヴィス・グループだ何だってさ、自分たちが昔影響を受けたバンドやブルースマンの話で2人が盛り上がっちゃったわけ。プロになるとそういう曲をやる機会もなかなかないし、カヴァーは面白いって。俺からすれば、とにかくその2人が唄ってくれるならもういいと。サンハウスと頭脳警察がイヤだって言うんだったら、とにかく出てくれりゃいいやと思って。それで“THE COVER”がスタートして、やっていくうちに「こんなヤツともやってみたい」っていう面子的な欲が出てきて、じゃあ呼んじゃえばいいじゃないってことになった。そんなふうに今の“THE COVER”のベーシックが出来たわけ。
──新宿LOFTで始動してから3年後には渋谷公会堂(現・渋谷C.C.Lemonホール)でスペシャル版が行なわれましたよね。
茂:たまたまホットスタッフから「渋公が空いたから“THE COVER”をやってみない?」って連絡をもらったんだよ。その時は俺ひとりじゃ荷が重いから、俺とPANTAと柴山さんが幹事となって3つのセクションでやることにした。その渋公以降、3人で持ち回りで続けていこうとしたんだよ、実は。それにも関わらず、2人ともやらなかったわけ(笑)。それに対して「何でやんねぇんだ!?」って言える相手じゃないし、だったら俺がやっていくかと。尚かつ、“THE COVER”の時だけのバンドとその組み合わせの妙を見せていこうと思ってさ。それで、“こんなヤツとあんなヤツが一緒にやるんだ!?”って客に楽しんで欲しいってところに行き着いたんだよ。
──渋公以降、ほぼ一貫して新宿LOFTを拠点として“THE COVER”を敢行しているのは?
茂:ホットスタッフの人間も協力してくれて、“THE COVER”をもっと大きくしていく選択肢もあったんだよ。でも、このイヴェントはあくまで遊びの範疇でありたいと思ってさ。昔はよくバンドで野球チームを作って試合をやったりとかしてたけど、俺たちはせっかく音楽をやってるんだから音楽で遊ぼうよって発想だった。だから、無理は承知でもできれば自分の手の内に入れておきたい気持ちがあったんだよね。これが野音でやればイヴェントとしては大きくなるけど、俺の手を離れて半分以上はイヴェンターの力を借りることになるし、あくまで遊びだっていう最初の趣旨から変わっちゃうからね。その中でやり繰りができるという意味でもLOFTがちょうど良かったんだよ。LOFTに対するこだわりもあったしさ。
アイデンティティとは“自己基準”
──小滝橋通りにあった頃のLOFTで夜な夜な行なわれていた打ち上げの余興がありましたが、あの延長みたいな部分を大事にしたいという側面もありましたか。
茂:ああいうことをやってたから“THE COVER”に繋がった気はするね。昔はライヴが終われば打ち上げに誰かがいて、一緒にセッションをやったりしてたからね。従業員が「早く帰んねぇかな、このヤロー」みたいな顔してさ(笑)。
──“THE COVER”には茂さんがいつも公言している「CDを出さなきゃライヴをやっちゃいけねぇのかよ!?」というニュアンスも感じられると言うか、好きな歌を唄いたいから唄うというピュアな気持ちに根差しているのがいいですよね。いちリスナーだった頃の純真な気持ちに立ち返れる部分もあるでしょうし。
茂:そうだね。あと、俺たちやルースターズ、スターリンなんかに影響を受けた連中がデビューしてるわけじゃない? そいつらと対バンはできるけど、同じステージに立って一緒に演奏する機会もなかなかないと思うんだ。そういうところでちょっと美味しい思いをさせてやりたい気持ちもちょっとあるね。エラそうな言い方になっちゃうけどさ。
──海外の場合、ザ・フーに影響を受けたポール・ウェラーが下の世代のオアシスとのパイプ役となって3世代のバンドが繋がることが多いし、親が聴いていた音楽が子供に伝承されていくことも可能ですよね。点が線として繋がっていくと言うか。日本ではそうした土壌が未成熟ですけど、世代の異なるバンドマンが一堂に会す“THE COVER”なら海外のような音の闘魂伝承も可能だと思うんですよ。
茂:確かにね。若いミュージシャンと知り合って刺激を受けて、誘いたいモチベーションがある時に“THE COVER”をやりたいんだよ。3世代の点が線になるというよりは、俺のイメージとしては地層なんだよね。今の日本では音楽の地層がなくなりつつあるじゃない? 売れるか売れないかの差だけで、後は野となれ山となれって言うかさ。そうなると薄っぺらくなるよね。情報っていうのはテレビやインターネットばかりで得るものじゃないし、やっぱり現場なんだよ。音楽で言えばやっぱりライヴなんだよね。そこに俺たちは行き着かせたいから、最近は対バンすることがどれだけ大事かがやっと判ってきたんだよ。
──摩擦係数の高さから生まれ得ることって絶対にありますからね。
茂:うん。やっぱり自分で聴いて見てみないことには何も判らないからさ。何でもそうだよ。食いもんだって食ってみなきゃ判らないし、美味いか不味いかは自分で判断すりゃいい。そういうことをやってないと“自分基準”っていうのが出来ないじゃん? 俺はアイデンティティなんてよく判らないけど、ひょっとしたらアイデンティティって“自我”じゃなくて“自分基準”なんじゃねぇかなって思うよ。俺自身、CDはもっと安くてもいいと思うことはあるけど、たとえば“このCDなら3,000円は払ってもいいや”って思って欲しいなって考える時もあるんだよ。それくらい思って欲しいってことは、作り手側が思いの丈をしっかりと入れなくちゃいけないし、そんな思い入れもなく1年に1枚とか2年に1枚とかコンスタントにCDを出し続けるのはどうなの? って思うわけ。もちろん出せる時には出せばいいけど、出せない時でもライヴをやったっていいわけじゃん? 全部が“発売記念ライヴ”になっちゃって、何かの条件付けみたいなのがムカつくよね。どんどん衝動が削れていくからさ。
──日本に音楽の地層が根付かないのは何故なんでしょうね?
茂:レコード会社の問題点もあるよね。ひとりのディレクターが抱えられるバンドが少なかったりさ。いいバンドを見つけても、5バンドしかやれないならどれかひとつを削らなきゃいけない。俺に1千万賭けるより、桑田君に1億賭けて2億儲けるみたいなのは判るよ。俺に1千万賭けたって、1千500万の上がりしか生まないだろうしさ(笑)。でも、500万って金をバカにして宣伝費に1億賭け続けていたら、どっかの会社みたいに親会社の経営統合で足元をすくわれるわけじゃない? そんな状況じゃ若いバンドはどんどんインディーに行くよね。大手のレコード会社に行くとさ、ビルの中にアンディ・ウォーホルのシルク・スクリーンが飾ってあるわけ。それを売れば5バンドは救われるんじゃねぇかなって思うよ。そういう企業イメージは高額な版画で作るんじゃなくて、所属してるバンドやアーティストで形作るものだと思うし、そういう意識が社員にないんだよ。自分たちの持ち駒が一番大事なのにさ。
いつも誰かが後ろから支えてくれた
──誰と誰が一緒にどんな曲をやるのか当日まで一切発表しない“THE COVER”独自のバンドですが、ミュージシャンの組み合わせは主に茂さんが指揮を執るんですか。
茂:スタッフと一緒にやってるよ。それが凄く面白くてね。それぞれのバンドがリハをやってるスタジオに顔を出すと、最初はちょっとぎこちなくなったりするわけ。でも、軽く音を合わせただけでもうちょっとしたバンドになってるんだよね。それがバンドマンの凄いところだなっていつも俺は感心するんだけどさ。そういう姿を見れるのも嬉しいね。呑み会に行ってもさ、バンドごとのチームになってたりするんだよ。綿密な打ち合わせをしてるチームもいれば、呑みに徹したチームもいたりして、それぞれのキャラクターが出てくるわけ。それも凄く面白い。6年前にコンピレーションCDを出した時はアンジーの岡本(雅彦)のスタジオを1ヶ月間借りて、毎日がお祭りみたいだったしね。普通、それだけのバンドマンが集まったレコーディングに参加なんてできないから面白かったよ。
──組み合わされた側も、それまで自分では気づかなかったプレーヤーとしての資質を知る機会になることがあるでしょうね。
茂:“THE COVER”があった繋がりで市川(勝也)がロックンロール・ジプシーズに入ったり、そうやって何かのきっかけになれるのは凄く嬉しいよね。自分では意識して種を蒔いてるつもりもないし、“THE COVER”だけで盛り上がってくれれば俺としては充分なんだけどさ。
──今回は他ならぬ茂さんの生誕50周年を祝うものだし、従来以上のお祭り感が出るでしょうね。
茂:まぁ、お祭りはお祭りでいいんだけど、3日間もあるからね。そんなに年寄りにムチを打ってどうすんだよ!? って思うよ(笑)。第一、3日間も客が来んのか!? って話だよね(笑)。
──いやいや、そのためのインタビューなんですから(笑)。
茂:俺としては49になるのも50になるのも大して変わんねぇよとか思ってたけど、周りの連中が動いてくれてこういうイヴェントができると、自分がこんなに長くやってこれたのは関わってくれたバンドマンのお陰だなと思うし、そう考えると感慨深いものがあるね。だって、どう考えたって50歳までやれるような素養が自分にあったとは思えないしさ。ひとつには俺がヴォーカリストっていうのが良かったんだろうね。俺は楽器も弾けないし、誰かが演奏してくれないとライヴもできない。だから、いつも誰かが後ろから支えてくれたんだよね。アナーキー、ロック・バンド、仲野茂バンド、ゲタカルビ、アコギなSS、SDR…誰かしらがいつも必ずいてくれるわけじゃない? そうじゃなきゃできないんだから。アカペラでやるほどガッツねぇしさ(笑)。
──やっぱり、自分が50歳になる姿は想像できませんでしたか。
茂:できてないよ。何も考えないね、もう。まだ20代後半のほうが物は考えたよ。26の時に初めて二日酔いになったりしてさ、自分の体力について考えたんだよね。27の時に知り合いに草ラグビーを誘われて、この3年間のうちに軽く運動をしておけば30になってちょっと違うかもしれないなんて思ったけど、今はそんなことも考えない。先のことをあれこれ考えてるヒマはないから、今日やれることは今日やりたいし、やりたいことはすぐにやりたい。そういう意味で、ジジイがワガママになる理由がよく判ったね。老い先が短いから“今やっとかなきゃ!”っていうのがあるんだよ。駄々っ子と一緒でさ。
走っていればいつかはゴールに辿り着く
──矢沢永吉さんが還暦を迎えましたけど、先人がまだ旺盛に唄っている姿を見て発奮するようなことはありませんか。あと10年は唄いたいとか、そういう思いは?
茂:ない。スゲぇなとは思うけどさ。還暦になってみなきゃ、って感じだね、今は。ちょっと前はどう引退しようかみたいなことを考えたりもしたけどね。きっと体力の限界で終わるんだろうけど、どうなるんだろうね。先のことはよく判らないよ。
──ここ数年はいろんなユニットで八面六臂の活躍を続けているし、純粋に唄うことを楽しんでいるんじゃないかと思うんですが。
茂:うん、楽しいね。長く続けてやろうって意識は全然ないけど。随分前にバイクのラリーに出たことがあるんだけどさ、2日間で1,600キロを走るっていう途方もない距離なわけよ。その時に思ったんだけど、ゆっくりでもとにかく進んでりゃ、いつかはゴールに辿り着くんだなって。ゴールのことを考えると、ゴールまでの果てしない距離を考えて途方に暮れちゃうじゃない? だから、俺はゴールのことは考えない。走ってりゃいつかはゴールに辿り着くんだから。それと同じだよね。生きてりゃ50になっちゃうしさ。まぁ、50になったって頭の中は余り変わらないけどね。音楽は売れたもん勝ちってところはあるけど、いくつになったから役付があるってわけじゃないよね。「50になったからロックの殿堂入りです」みたいなさ。
──落語みたいに二ツ目から真打ちに昇進することもないですしね。
茂:そうそう。いくつだから○○になるっていうのがないのがいいよね。歳喰ってりゃ後輩のミュージシャンは慕ってくれたりするけど、いざステージに上がりゃ立場は対等なわけじゃん。いくら長くやってたって売れなきゃ屁のツッパリにもなんねぇよって考え方もあるだろうし、まさにその通りだなって思うもん、俺も。
──売れようが売れまいが、キャリアがあろうがなかろうが、老いも若きも一緒くたに不滅のロック・クラシックを奏でるのが“THE COVER”の醍醐味ですよね。
茂:うん。“THE COVER”をやってて思うのは、同期や上の世代のミュージシャンには音楽をやめて欲しくないなってこと。俺の駒がなくなるからさ。続けてて欲しいと思う、ホントに。それはもう、どんなことをしてでもやっててくれねぇかなって思うね。
──今回の“THE COVER SPECIAL”の見所を挙げるとするならどんなところですか。
茂:さっきも言ったみたいに、組み合わせの妙には是非注目して欲しいね。みんなそれぞれキャリアのあるミュージシャンだから、“負けたくない!”っていう気持ちがあって燃えるんだよ。こいつ、ただのパンク野郎だと思ってたけどなかなかやるじゃん、っていうのが一緒にやってると凄くよく判るわけ。
──新しい血が触媒となって活性化に繋がるところもありますよね。
茂:勝手にしやがれの武藤とかね。同期や上の世代も大切だけど、新しい血をその都度採り入れることは必要だよね。それがないと、俺がやる気にならないからさ。久し振りに“THE COVER”をやろうと思ったのも、犬式っていうバンドを見てショックを受けて、(三宅)洋平が出てくれるんだったらやってもいいなって思ったからなんだよ。残念ながら今犬式は活動してないんだけどさ。そういうバンドに出くわしたいよね、これからも。若かろうが、中堅だろうが、年寄りだろうが構わない。俺が“THE COVER”に出て欲しいなと思えるバンドマンと出くわしたいね。年がら年中そういう目でバンドを見てるわけじゃないけど、「“THE COVER”に出て欲しいな」って思える瞬間が嬉しいんだよ。
いつでも尖ってなきゃいけないことはない
──耳の肥えたオーディエンスも、新しいバンドマンから刺激を受けたいでしょうし。
茂:今回で言えば、マッド・カプセル・マーケッツが活動休止になって、久し振りに清野(裕司)が唄ってる姿を見て喜んで欲しいし、俺も見たいしね。清野は凄くいいヴォーカリストだからさ。
──新宿LOFTというフレームから見てもこれだけ長きにわたって続いているイヴェントもそうはないし、引退するヒマはなさそうですね(笑)。
茂:休み休みだから続いてるんだよ、きっと。ただ、前のLOFTからやれてるっていうのは嬉しいよね。
──今回、バー・スペースには茂さんの50年間の軌跡を振り返るべく、パネル写真が展示される予定もあるそうですが。
茂:まぁ、飾れるものはね。それが充実するかどうかは別として、遊び半分で見てもらえるようなものを展示できればいいなとは思ってる。
──オーディエンスには手放しで楽しんで欲しいといったところですか。
茂:単純にそれだけだよね。誰と誰がどんな組み合わせで来るのか、俺ですら判らないんだから。ホントはさ、オープニング・アクトにだけ出て、後はずっとライヴを見てたいなっていっつも思うんだよね。メンバーのチョイスも面白いし、誘うのも楽しいんだけど、プロデューサーだけではいられないからさ。自分でもステージに立たなきゃなんないのがめんどくせぇんだよな(笑)。プロデューサーなんて、ぶっちゃけ雑用だからね。学校で言えば用務員みたいなもんだから。用務員をやりながら教壇に立ってるようなもんなんだけど、庭を掃きながら授業をやってる教室の中を覗きてぇなっていっつも思うよ。まぁ、体力の限界っていうのもあるよね。自分が出る時にはクッタクタになっちゃうくらい中身が濃いからさ。
──月並みですが、どんな50代にしたいですか。
茂:特にないよ。
──以前、遠藤ミチロウさんが「40代は気力・体力共に充実していて一番面白かった」と話していたことがあるんですけど。
茂:ああ、ホント? じゃあ俺はミッチャンよりも奥手だね。50代のほうが充実する気がする。体力は衰えてきてるけど、遊びてぇし、馬も乗りてぇし、音楽もやりてぇし、歌も作んなきゃと思うけど、そうたくさんのことはできなくなるし、少しずつ絞り込んでいかなきゃなんないから、ペース配分みたいなものが掴めてきたんだよ。そうすると、体力的にやれなかったり気力的にやれなかったりする部分が“無理だ!”って思えるから、考え方がシンプルで明確になってきたんだよね。
──ただ、歳を重ねて丸くなるようなことは茂さんにはなさそうですね。
茂:みんなが思ってる丸くなるっていうイメージが何なのかってことだよね。丸くなれるところは丸くなって、尖れるところは尖ったほうがいいんじゃないの? いつでも尖ってなきゃいけないってことはないし、年がら年中尖ってるのはまだ明確じゃないんだよ。ここは行っとかなきゃ!ってところは瞬発力で切り抜ける。その瞬発力は衰えようがないよね。だって、そこへ行きてぇ時は行きてぇんだから。その衝動がなくなることはないね。
Live info.
仲野茂 50th ANNIVERSARY 〜THE COVER SPECIAL〜 前夜祭
2009年1月22日(金)新宿LOFT
ACT:SDR【Vo. 仲野茂(ANARCHY)、Gt. 内藤幸也(ARB/Zi:LiE-YA)、Ba. EBI(UNICORN/ARB)、Dr. 名越藤丸(ANARCHY)】/ニューロティカ/THE BACILLUS BRAINS/ライムサワー【MCソープ/MCヘルス/DJウメッシュ/DJトッシュ】
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV ¥4,000 / DOOR ¥4,500(共にDRINK代別)
仲野茂 50th ANNIVERSARY 〜THE COVER SPECIAL〜
2009年1月23日(土)新宿LOFT
OPENING ACT:アコギなSS(仲野茂+下山淳)
ACT:仲野茂(ANARCHY/SDR)/PANTA(頭脳警察)/山下久美子/JILL(PERSONZ)/花田裕之(ROCK'N'ROLL GYPSIES/ex.THE ROOSTERS)/稲田錠(G.D.FLICKERS)/武藤昭平(勝手にしやがれ)/KYONO(WAGDUG FUTURISTIC UNITY/THE MAD CUPSULE MARKETS)/石坂マサヨ(ロリータ18号)/下山淳(ROCK'N'ROLL GYPSIES)/藤沼伸一(ANARCHY/REGINA)/木暮“shake”武彦(RED WARRIORS/Mt.デリシャス)/内藤幸也(ARB/SDR/Zi:LiE-YA)/KASUGA(MOSQUITO SPIRAL/ex.LAUGHIN' NOSE)/寺岡信芳(ANARCHY/Groovin')/渡邉貢(PERSONZ)/井上富雄(ex.THE ROOSTERS)/岡本雅彦(アンジー/ザ・ダンス天国)/EBI(UNICORN/ARB/SDR)/ウエノコウジ(the HIATUS/ex.Thee michelle gun elephant)/KEITH(ARB/Groovin')/池畑潤二(ROCK'N'ROLL GYPSIES/HEATWAVE/ex.THE ROOSTERS)/小林高夫(ex.ANARCHY)/名越藤丸(ANARCHY/SDR/ex.WRENCH)
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000(共にDRINK代別)
仲野茂 50th ANNIVERSARY 〜THE COVER SPECIAL〜
2009年1月24日(日)新宿LOFT
OPENING ACT:ゲタカルビ(仲野茂/ゴロー/シズヲ/サモン/ナボ)
ACT:仲野茂(ANARCHY/SDR)/柴山俊之(サンハウス/Zi:LiE-YA)/宙也(De+LAX/LOOPUS)/延原達治(THE PRIVATES)/大木温之(Theピーズ)/藤井一彦(THE GROOVERS)/大槻ケンヂ(筋肉少女帯)/三宅洋平(犬式 a.k.a. Dogggy style)/藤沼伸一(ANARCHY/REGINA)/内藤幸也(ARB/SDR/Zi:LiE-YA)/NAOKI(SA)/榊原秀樹(De+LAX)/奈良敏博(サンハウス)/寺岡信芳(ANARCHY/Groovin')/岡本雅彦(アンジー/ザ・ダンス天国)/EBI(UNICORN/ARB/SDR)/市川勝也(ex.POTSHOT)/池畑潤二(ROCK'N'ROLL GYPSIES/HEATWAVE/ex.THE ROOSTERS)/小林高夫(ex.ANARCHY)/名越藤丸(ANARCHY/SDR/ex.WRENCH)/高橋浩司(HARISS/ex.PEALOUT)/etc...
OPEN 17:00 / START 18:00
ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000(共にDRINK代別)
TOTAL INFO. HOT STUFF 03-5720-9999
“THE COVER”official website
http://www.the-cover.com/