
本誌創刊33周年&誌面刷新記念イヴェント“ROOFTOP PROOF 09”にメロン参戦!
バックナンバーを振り返りながら幾重もの変遷を重ねてきた33年間の軌跡を辿る!
冊子の現物を手に取って下さった方ならお判りの通り、我がルーフトップは今月号を機に全ページ・フルカラー化、連載コラムの全面刷新という大幅なリニューアルを断行しました。配布開始日にあたる12月1日、2日の両日にわたって新宿ロフトで開催される本誌創刊33周年記念イヴェント『Rooftop 33rd years Historic wheel a track“ROOFTOP PROOF 09”』に合わせての誌面刷新であります。1976年8月の創刊以来、判型、体裁、ページ数の変動を絶えず繰り返しながら、新たなカルチャーを日夜発信し続ける新宿ロフト、下北沢シェルター、ロフトプラスワン、ネイキッドロフト、阿佐ヶ谷ロフトAのスケジュール掲載を中心として、出演アーティストのインタビューや最新の音楽/カルチャー情報を満載した総合エンターテイメント・マガジンとして独自のスタンスを築き上げてきた本誌にとって、この全面刷新は“CHANGE”を“CHANCE”に変える絶好のタイミングです。長い歴史から見ればわずかに“G”を“C”へ変える小さな一歩かもしれませんが、我々編集部にとっては時代の趨勢を見据えて新たな扉を開く大きな“CHALLENGE”です。記念すべき刷新第1号の特集として、“ROOFTOP PROOF 09”の2日目に出演して頂くメロン記念日と共に本誌のバックナンバーを振り返りつつ、おぼつかない足取りながらも踏み出したこの小さくも大きな一歩を祝した記事をお届け致します。(interview:椎名宗之+やまだともこ)
ロフトがメロンのお立ち台デビューです
──何はともあれ、本誌創刊33周年記念イヴェントにご出演頂きまして、誠にありがとうございます。
一同:ありがとうございます!
──新宿ロフトは今度で2度目の出演となりますけど、前回は如何でした? 普段のステージに比べるとだいぶ狭いと思いますが。
大谷雅恵:熱かった記憶が凄いありますね。ロフトで初めてお立ち台を設置したんですよ。あれがメロン記念日のお立ち台デビューです。
──お立ち台デビューと市松模様デビューが同時に起こった記念日だったと(笑)。この間の千葉ルックでのライヴもお立ち台は導入されたんですか。
大谷:はい。
──千葉ルックのステージはかなり低いですよね。
斉藤 瞳:お立ち台も用意したんですけど、私たちは楽器を持ってないこともあって、普段のフォーメーションを取っ払ってお立ち台の上で唄ったんですよ。手の煽りのみでパフォーマンスをする感じに変えて。
──共演したビート・クルセイダースとニューロティカは勝手知ったる仲ですね。
柴田あゆみ:私たちがお立ち台を使っていたので、ビークルさんの時にヒダカさんもお立ち台を設置して、ギター・ソロとかでお立ち台に上がってアイドル・ポーズのようなものをやってましたけど(笑)。タロウさんとマシータさんもライヴ中にお立ち台に上がってラップみたいなものをやってました。
斉藤:それぞれが自分の担当じゃない楽器にチェンジするっていうビークルさんのパフォーマンスが凄く新鮮だったんですよ。ケイタイモさんがベース、ヒダカさんがドラム、クボタさんがギター、マシータさんとタロウさんが歌に入るっていう、あれは凄く良かったですね。それだけルックの20周年をもの凄く大事にしていると言うか、特別なパフォーマンスをする姿勢が素敵で。最後、音止めの時間が来てしまって、アンコールでクボタさんがアカペラでボンボン唄っている姿も凄く素敵でした。
村田めぐみ:楽器を持たなくてもエンターテイナーですね。
──楽器を持たないロック・バンドである皆さんとしては学ぶべきところが多々あったわけですね。
村田:その手があったかと思いましたね。ルックは楽屋とステージが隣同士で、楽屋にいてもステージが気になるんですよね。音が全部聴こえてくるし、様子も窺えるので。
──ロティカのあっちゃんは、先日のロフトのライヴで柴田さんと斉藤さんがフロアからハイタッチしたのに全く気づかなかったそうですけど(笑)。
斉藤:ちょうど私たち2人の間にマイクを持ってきたし、目も合ったしハイタッチもしたんですよ。あれはちょっとショックな出来事でしたね(笑)。
村田:あっちゃんは常に神懸かってるなぁ…(笑)。
──今回は本誌のバックナンバーをどっさり持ってきて皆さんにその体裁の変遷を見て頂いたんですが、ご覧になって如何ですか。1976年8月の創刊号は矢野顕子さんが表紙で、当時はA3判型のタブロイド仕様だったんですよ。
柴田:これは紙の大きさによって値段が変わるんですか?
──印刷製本費はページ数や部数によって変わりますね。最初から無料で配布していたんですよ。
柴田:無料で配布するには結構なコストが掛かりますよね。新たな試みだったんですかね?
──ライヴハウスがこうした定期刊行物を出すこと自体が画期的だったんですよ。ただ、1976年なんて皆さん生まれてないわけですから、掲載してあるミュージシャンも何のことやらという感じですよね。
大谷:でも、矢野顕子さんと矢沢永吉さんは判りますよ。
斉藤:山下達郎さんもロフトに出演されていたんですね。こうして見ると、あっちゃんは何度も表紙になってるんですね。ピエロじゃない時期があったなんて意外です。前のメンバーさんも見れたりして貴重ですよね。
村田:あっちゃんは見た目は変わっても中身は変わってないんですか?
──はい。四半世紀にわたってややうけを貫いていらっしゃいます(笑)。
村田:歴史を積まれた雑誌ですよね。私たちを取り上げて下さってありがとうございます。
斉藤:私、系統的にスピッツさんが表紙というのが意外でした。
──スピッツは当時ロフトにあったインディーズ・レーベルから『ヒバリのこころ』というCDをリリースしたことがあるんですよ。
一同:へぇ!
──今はかなりの高値で取引されているみたいですけど。
斉藤:ジャンル的にはちょっと違うイメージがありますね。ロフトさんはもっと激しいロック系の人たちが中心になって出演されている感じがしますし。
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記念すべき創刊号の表紙巻頭を飾ったのは矢野顕子さんだった。インタビューアは音楽評論家の吉見佑子女史。当時はA3判型のタブロイド仕様で単色刷り全4ページ。新宿ロフトはこの創刊から2ヶ月後にオープンする。 |
フリーなのにこの情報量は凄い!
──皆さんの本誌初登場は2007年の4月号で、ビークルのヒダカさんとロマンポルシェ。の掟ポルシェさんとの対談でしたね。
斉藤:いきなり裏表紙で大きく扱って頂いて。
──この時のことは記憶に鮮明ですか。
一同:覚えてます。
──掟さんが終始喋り倒していましたよね(笑)。
村田:気合い入ってましたね(笑)。よく覚えてますよ、この写真のポーズとか…。
柴田:懐かしいよね。
──ちょうど『アンフォゲッタブル』のリリース時期だったんですね。ロック化計画が始動するまで若干時間が空いた感じですが。
斉藤:その間も、ルーフトップさんにはちょこちょこ出させて頂いてるんですよね。
柴田:ラウンジのレポートも載せて頂いて…(2007年9月号)。
村田:しかも、2ページにわたってデカデカと!
斉藤:これはラウンジが1周年記念の時ですね。
村田:この号(2007年12月号)の時は、まだロフトさんでライヴをやったことがなかったのに、ステージに立たせてもらって写真を撮ったんですよね。確か河口湖マラソンに行く前だった。
柴田:ああ、そうだ。
──ライヴをやる2年前にまず撮影で市松模様のステージに立ったんですよね。
斉藤:この取材で初めてロフトのステージに立ったんですね。
村田:楽器まで持ってね。
斉藤:いっちょ前にね(笑)。
──河口湖マラソンと言えば、大谷さんは今年もまた出場されないんですか?
大谷:それが…走ることにしたんですよ! 走らないつもりだったんですけど、こないだ主催の日刊スポーツさんの取材があって、その場にいたら「私って何だろう?」って思い始めて、その日に心変わりして。だから今、ドキドキなんです。人には一番苦手なものってそれぞれあると思いますけど、私、走ることに勝る苦手なものってないんですよ。他のことなら何でもするって逃げてきたんですけど、もう逃げられないですね。行くっきゃないです。
──マラソンの3日後にロフトですから、ちょっと心配ですね。
大谷:それはこちらの3人のほうが。距離がありますからね。
柴田:27キロ走るんですよ。ファンの中には一緒に走って下さる方もいるので、ロフトのライヴの日は観る側もやる側もちゃんとジャンプできないんじゃないかと思ってるんです(笑)。
村田:私たちはお立ち台で一生懸命アピールしようと思ってますけど。
──メジャー盤の『お願い魅惑のターゲット』のPVにも出てくる黒人男性4人組にステージに立ってもらって、皆さんは舞台袖で唄うとか(笑)。
斉藤:それは斬新ですね(笑)。
──ちなみに、本誌に対してどんなイメージを持たれていますか。字が小さくて読みづらいとか?(笑)
大谷:まず、フリーじゃないですか。なんでこんな豪華にフリーなものを作れるんだろう? って思います。
斉藤:本当に凄いですよ。こんなに分厚くて、いろんなアーティストさんが出ていて。
村田:情報量が凄いですよね。
──今月号から全部のページがカラーになるんですよ。
一同:えーーーーッ!?
斉藤:一体どうやって作ってるんですか!?
村田:ここまで来たら、もう売れるんじゃないですか?
──創刊間もない頃に100円で売っていたこともあるんですよ。じゃあ、今後は真ん中から半分をメロン記念日の会報誌にして売りましょうか?(笑)
斉藤:それ、私情が入ってますよ(笑)。
村田:でも、会員じゃない人も見られますね(笑)。
斉藤:強制的にね(笑)。椎名さんが言葉巧みなのにも驚かされますね。インタビューの文章を読んでもどこからこの言葉が出てくるんだろう? って思うし。音楽やアーティストを愛しているからこそ出てくるんでしょうけど、ここまで巧みに出てくるのは凄い。感動すら覚えます。
──あの、泣いてもいいですか?(笑)
斉藤:どんなアーティストさんに対しても引き出している感じが凄い。
──メロン記念日の場合は、皆さんのお気遣いに助けられている部分が多々ありますよ。
斉藤:違うんですよ。今までライターさんにたくさんお会いしてますけど、違うんです。
大谷:椎名さんに質問してもいいですか? 椎名さんとは長いお付き合いをさせて頂いていて、本当の第一印象はどうでした?
──僕は前にいた会社でモーニング娘。さんのライヴ取材とかをやったこともあるので、その流れで皆さんの初期のシングルを買っていたんです。ルーフトップに移ってからは疎遠でしたけど、ひょんなことからアップフロントさんと懇意にさせて頂くようになって。なので、第一印象も何も、最初から凄く好きでした。
斉藤:『ねるとん』みたいですね(笑)。
柴田:泣いてもいいですか?(笑)
メロディとハーモニーが美しい『メロンティー』
──ところで、先日ゴーイング・アンダー・グラウンドさんとのレコーディングも無事終えたそうですが。
柴田:私はゴーイングさんの『Happy Birthday』という2006年くらいに出たシングルが好きなんです。当時のマネージャーさんが私の誕生日にそのCDをくださって、ずっとエンドレスで聴いてました。
斉藤:皆さん、凄く仲がいいんですよね。もともと同級生というのもあると思いますけど、無邪気な松本(素生)さんを周りがサポートしてる感じがあって、信頼し合っている絆だなと見ていて思いました。それぞれ役割がきちんとあって、それぞれ個性豊かで。自分たちとリンクさせちゃう部分が私はありましたね。
村田:松本さんがTシャツにジーパン姿でバンダナを腰に巻かれていたんですけど、レコーディング中に立川談志さんみたいになっていて、それが凄く癒されました(笑)。年齢はメロンよりちょっと上くらいなのに、レコーディングが始まると凄く大人だなと思いましたね。しっかり教えて下さるという点で。
大谷:皆さんコーラスができるじゃないですか。ロックにコーラスは要らないという人も多分いると思いますけど、ゴーイングさんの曲って切ないメロディやハーモニーが良かったりしますよね。その良さをメロンの新曲にも入れてもらって、凄く綺麗でした。男の人の声なのに、二声、三声と増えていくとこんなにも胸に響くものなのかって。本当に素敵な声でしたね。
──ゴーイングはコレクターズを慕って共演も多いし、松本さんの新プロジェクトであるSxOxUをビークルのヒダカさんがプロデュースしていたり、いろいろとリンクしてくるんですよね。
斉藤:そうなんですよ。松本さんは(古市)コータローさんのことを心の師匠だと言ってましたしね。
──そんなゴーイングとのコラボレート楽曲『メロンティー』ですが、またすこぶるいい出来ですね。
柴田:私たちも凄く気に入ってます。
──まず、タイトルが『レモンティー』という不滅のロック・クラシックを彷彿とさせるのがツボですね(笑)。唄われているのは秘密のデートで逢瀬を重ねる可愛らしい恋物語ですけど。
村田:「京葉線」や「ららぽーと」が歌詞に出てきますしね。
──従来のみなさんのレパートリーにありそうなテイストも若干ありますよね?
大谷:最初のアレンジはもっとアイドルっぽいポップさがあったんですけど、そこから劇的に変化して、あんなスピーディーな感じになったんですよ。今までならもっとかわいい寄りになっていたのが、今回は音が全然違いますからね。
──ロックっぽさとポップさが程良くブレンドされていますよね。ゴーイング側から「こんな感じで唄って欲しい」というリクエストはありましたか。
斉藤:個性を出して欲しいと言われました。上手く唄おうとするよりも、「この子がこう来たら私はこう行く!」くらいの、それぞれの声質やニュアンスをはっきり出してくれたほうが嬉しいって。
柴田:あと、セクシー(斉藤)、ボーイッシュ(大谷)、ナチュラル(柴田)、メルヘン(村田)というメロンのそれぞれの担当ごとに松本さんが歌詞を割り振って下さったんです。「じゃあ“SPを募って”の辺りはボーイッシュ!」みたいな感じで。名前ではなく担当で呼ばれたりして、それも面白かったです。
村田:担当を意識して唄うとメルヘンは難しくて、ロックに行きたいんだけれども個性も大事だし、レコーディングの時は細かいところを松本さんに教えて頂きました。
──ロック化計画がひとまず一段落して、今の率直な感想をお伺いしたいんですけど。
斉藤:充実してたなっていうのをもの凄く感じられる日々でしたね。お恥ずかしながら、アーティスト活動とはこういうものなんだというのをちゃんと経験させてもらえたと言うか。それまでは曲作りやオケ録りの現場を体験したことが全くなかったので、その瞬間に立ち会えることが幸せでもありました。一緒に曲を作っている、参加できているという実感をちゃんと味わえて。
柴田:約10年間くらいずっとハロー!プロジェクトにいて、知らず知らずのうちにハロー!プロジェクトの唄い方じゃないですけど、そういうものが染みついていたんだなって5作品やらせて頂いて思いましたね。ビークルさんはビークルさんの楽曲だし、ミドリさんは唄い方だったり表現の仕方が違うじゃないですか。今回はそのバンドさんたちの色に染めてもらったんですけど、レコーディングの時に自分の唄ってきた唄い方が如何に染み込んでいるのかが判ったし、それは今回凄く勉強になりましたね。幅が広がったと思うし、いろんな唄い方ができるようになれたと思うので、歌を唄う仕事をしている強みになったかなと思いました。
──違う自分のスイッチを押された感覚と言うか。
柴田:はい。唄い方も表現の仕方も。
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メロン記念日が初めて本誌に登場した2007年4月号。BECRのヒダカトオルとロマンポルシェ。の掟ポルシェとメロンのロック化を巡る座談会だった。実際のロック化計画始動までは2年の歳月を要することとなる。 |
大変さよりも楽しさが勝るロック化計画
村田:今までの曲だとダンスが付いてきたりして、フォーメーションとかは時々ありますけど、ほぼフリーの状態で表現することがロック化計画は多かったんですよ。ロフトさんとか老舗のライヴハウスにも出させて頂いて、自分たちがフリーでどこまでできるかというのがこの1年でだいぶ鍛えられたかなと思います。
──『ピンバカ』ではほっかむりも辞さない鍛えられっぷりも披露されていますし(笑)。
村田:あれも表現のひとつです(笑)。ここからまた変わっていくかもしれないですけど。あと、ミドリさんの曲とかは個々の想像を膨らませての表現で、初めてお客さんを全く見ないで唄うっていう自分の殻の中に入った表現が凄く新鮮でした。
大谷:シングル5作品を1年掛けて作ると言うよりも、全部新曲のアルバムを作っている感覚がありましたね。アーティストさんが2年振りにオリジナル・アルバムを作りましたとか聞くと、そりゃ時間が掛かるわというのがよく判りましたね。今回は歌を入れるという形ではありましたけど、曲を作る作業を間近で見させて頂いて、そっち側もやりたくなりました。欲がどんどん出てきちゃうので、自分たちで全部作るとどうなるんだろう? とか思ったし、5作品頂いても曲調が被ることが全くないから音楽は無限だなって感じましたね。
──ラウンジでのコラボ・バンドとの共演も新鮮でしたよね。イーストでビークルと共演した時は、長い道程を経てロック化計画が始動した感慨と相俟って思わず涙腺が緩みましたから(笑)。アストロホールでのコレクターズの共演では貫禄すら感じられて、本当に素晴らしかったですよ。
斉藤:あれは衣装を含めて加藤(ひさし)さんのプロデュースが素晴らしくて、私たちを引き立たせて下さったんですよ。
──いきなり『恋はヒートウェーヴ』を覚えることになって、大変じゃなかったですか?
大谷:いや、凄く楽しかったですよ。いい曲ですし。
斉藤:キャッチーな曲だったので覚えやすかったですね。何でもそうなんですけど、このロック化計画は特に大変さよりも楽しさのほうが強かった気がします。生の演奏で唄えるのも楽しかったですし。協力して下さる方々にも恵まれて、私たちをかわいがってくれたし、凄く居心地が良かったです。なので、どれだけ大変さがあっても楽しさが勝っちゃうんですよね。
──ビークルは激情のエモーショナル系、ロティカはシンプルでパンチのあるバカ騒ぎ系、ミドリは前衛的なフリーキー・スタイル系、コレクターズは哀愁のバラード系、ゴーイングはポップでキャッチー系と、5作品のバランスも非常に良かったですね。
斉藤:そうなんですよ。どれも個性が際立った曲ばかりで。
──このまま来年もコラボレートを続けていって欲しいくらいですよ。
斉藤:次は別ジャンルとかで?
──ヒップホップとかどうですか。
村田:ラップは厳しいかもですね、特に私が(笑)。
──来年の2月19日にはデビュー10周年を迎えるわけですが、今年はその節目を目前として良いステップ・アップに繋げた1年になったと言えませんか。
斉藤:なりましたね。本当にいい経験をさせてもらったと思います。
──残る課題は、マラソンを走り切れるかどうかだけですね(笑)。
大谷:これだけマラソンが絡んでくるというのも、きっと何かあるんでしょうね。他にもいっぱいアーティストがいらっしゃるのに、私たちが4回も呼ばれるなんて(笑)。これだけ私が走らないのによく呼んで下さるなと。
──今年の2月に香港マラソンを走破した後の大谷さんは、マラソンに対して前向きだった記憶があるんですけど。
大谷:人間、時間が経つと冷めるものなんですよね(笑)。
斉藤:まぁ、ハッキリしていらっしゃる(笑)。
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実際にロフトでライヴを行なう2年前に市松模様のステージ上で撮影が敢行された2007年12月号。ロック化計画開幕前夜のミニ・アルバム『メロンジュース』発表時のインタビューを掲載。取材後に河口湖マラソンへ直行。 |
ルーフトップに載ることで自信がついた
──あと、近年は“ライヴハウスツアー2006〜灼熱天国”みたいなケースもありましたけど、今年はそれよりもキャパシティの狭いライヴハウスでライヴをやることが多かったじゃないですか。率直なところやりづらくはないですか。
大谷:いや、最近はむしろそっちのほうが楽しいくらいですね。
村田:ファンの皆さんも密着感が堪らないみたいで。
斉藤:私たちも心地好くなってきましたよ。大きい所も小さい所も良さがそれぞれにありますけど。ステージとの距離の近さがライヴハウスの醍醐味ですよね。私とあゆみがあっちゃんにハイタッチしたいから人の波を掻き分けて前に行ったのもそういうことじゃないですか。気持ちが昂ぶったことによって、ついつい前に行ってしまいたくなるっていう。
──ロック化計画と本誌の誌面掲載によって、メロン記念日の存在が着実に我々ロック界隈へ浸透してきたことを実感するのが個人的には嬉しいんですよね。
柴田:皆さん、どういう反応をしているんですか?
──もちろん賛否両論はありますけど、否だって認知された証拠なわけだからしてやったりですよ。箸にも棒にも引っ掛からないのが一番良くないことですから。
柴田:あっちゃんのところにも「なんでアイドルと組むんだ!?」って声があったみたいですし。
──でも、ラウンジで僕が大好きなブラッドサースティ・ブッチャーズのシャツを着たロック好きな連中が「ルーフトップのインタビューを読んで初めてラウンジに来たけど、メロン記念日凄く良かったです!」って場内で僕に声を掛けてくれたのが本当に嬉しかったんですよね。ロック化計画の効果はちゃんと表れているし、皆さんには異ジャンルの人間をも惹きつける力がやはりあるんですよ。ロティカのあっちゃんもカタルさんも、今や皆さんの大ファンじゃないですか(笑)。
斉藤:本当に有り難いことですよね。私たちのお芝居まで観に来て下さって。
村田:バンドの皆さんから頂けるものはコラボ曲以外にもたくさんあるんですよね。
──皆さんが真摯な姿勢でロック・バンドとコラボレートしていることが認知されてきたと僕は思うんですが、皆さんは注目の浴び方が変わってきたと感じませんか。
大谷:ビークルさんに呼んで頂いて夏フェスに出た時は、まだまだだなって思いましたよ。
斉藤:プルプルしてましたからね、若干ビビリな感じで。
村田:でも、ルーフトップさんに載せてもらうことで気持ちに自信がついているのは確かです。
──野外フェスは来年こそ単体で出たいですよね。
柴田:今年も年末とかまだ諦めてませんので。
──大谷さんが故郷に錦を飾るためにも、ライジング・サンはマストの方向で。
大谷:ライジングは是非出たいですね。関係者の皆さん、どうぞよろしくお願い致します!
──来年に向けて、他に何か実現させたいことはありますか。
斉藤:ロック好きな方たちに本当の意味で認めてもらえる存在になれたらと思いますね。この1年やってきたことが無駄にならないようになればなと。このロック化計画に今ひとつ面白味を感じないというずっと応援して下さるファンの方も当然いらっしゃるでしょうけど、私たちにはそういったファンの方も凄く大切な存在なので、今のこの状況をちゃんと認めてもらえるような説得力を持てるように頑張ります。
──どれも掛け値なしに素晴らしい5作のコラボレート楽曲が何よりの説得材料だと思いますけどね。
斉藤:曲も増えたし、どれもいい曲だし、良くないことは全くないんですけどね。
──僕らのようなロック・サイドの人間はこの異種交流戦を純粋に楽しんでいますが、従来のファンが実際のところどう感じているのかは確かに気になりますね。
大谷:小さなライヴハウスになるとギュウギュウになって、モッシュやダイヴも凄いから、それがキツイというファンの人の声も聞きます。でも、そういうライヴがあるお陰で普段運動をしない自分がライヴで運動できてるよ、ありがとう、って言って下さる人もいる。狭いライヴハウスに入ること自体がムリだという人もいれば、入ってみたら凄く楽しかったという人もいて、今はいろんな物事がちょうど過渡期なのかもしれないですね。
──メロン記念日自身も、それに関わる人たちも殻を突き破ろうとしている段階なんですかね。殻を突き破りきってデビュー10周年を迎える来年こそが本当の意味での勝負なのかもしれませんね。
村田:まだメロンをそんなに知らない人たちもチャンスがあったらライヴを見てもらいたいし、イメージを変えてもらえたら嬉しいですね。
──ある意味、ウチも過渡期ですからね。創刊33周年っていうのももの凄く中途半端ですし(笑)。
村田:いやいや、33だけに“酸味”が利いてていいじゃないですか!
斉藤:甘いだけじゃないよと(笑)。大人な感じですね。
──“甘いあなたの味”ばかりでなく、大人になれば酸辣湯やトムヤンクンみたいに複雑な味も楽しめるようになりますからね(笑)。
斉藤:それ、いいですね。来年は酸いも甘いも噛み分けた大人のメロンに期待していて下さい!

メロン記念日ロック化計画第5弾
メロン記念日×GOING UNDER GROUND
メロンティー
TGCS-5983 / 800yen (tax in)
01. メロンティー
02. メロンティー(Instrumental)
作詞:松本素生/作曲:松本素生、中澤寛規/編曲:GOING UNDER GROUND
12月30日(水)、全国のタワーレコードで限定発売!!
5作すべてをタワーレコード店頭で購入した方のみ、5作連続購入者特典「オリジナルCDボックス」をプレゼント!
Live info.
Rooftop 33rd years Historic wheel a track<
“ROOFTOP PROOF 09”
2009年12月1日(火)新宿LOFT
出演:The Birthday / THE GROOVERS
開場18:30 / 開演19:30
料金:前売り¥3,300 / 当日¥3,800
*オール・スタンディング/ドリンク代別¥500
2009年12月2日(水)新宿LOFT
出演:THE COLLECTORS / MO'SOME TONEBENDER / メロン記念日
開場18:30 / 開演19:30
料金:前売り¥3,300 / 当日¥3,800
*オール・スタンディング/ドリンク代別¥500
TOTAL INFORMATION
SHINJUKU LOFT 03-5272-0382
OTHERS
12月22日(火)Shibuya O-WEST[俺達いつでもロックバカ!VOL.190 〜FUCKIN, Xmas〜]
12月30日(水)大阪BIG CAT[メロン記念日 2009おつかれライブ〜ネコ!ネコ!ネコ!〜]
12月31日(木)名古屋ダイアモンドホール[メロン記念日 2009〜10 カウントダウンライブ〜トラ!トラ!トラ!〜]
メロン記念日 official website『メロン記念部』
http://www.up-fc.jp/melon/
メロン記念日 official blog『MELON LOUNGE』
http://blog.oricon.co.jp/melonlounge/