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ニューロティカ
ザ ヒストリー オブ ニューロティカ トリロジー vol.1YOUTH-082 3,000yen(tax in) / IN STORES NOW
ザ ヒストリー オブ ニューロティカ トリロジー vol.2
YOUTH-083 3,000yen(tax in) / IN STORES NOW
ザ ヒストリー オブ ニューロティカ トリロジー vol.3
YOUTH-084 3,200yen(tax in) / 11.18 IN STORES
結成25周年を迎えたニューロティカの歴史を詰め込んだDVD『ザ ヒストリー オブ ニューロティカ トリロジー』が3ヶ月連続リリース中! 常に嬉しい裏切りをし続けるニューロティカですが、まさかDVDを毎月出すなんて! しかし、25年間の活動の歴史を3枚に収めるというのは、それだけでも大変な作業であったはずなのに、それぞれのメンバーがこれまでの活動を真剣な顔つきで応えるインタビューがあったり、歴代のメンバーやスタッフ、関係者のインタビューがあったり、かと思えば超寒そうな野外でのロケがあったり、あっちゃんと修豚さんによるナゾのユニット“飛行船”のショー@スタジオがあったり(グダグダ感がサイコー!!)と、ボリュームいっぱいのDVD。さらに、コメンタリーも付いているので、それをONにして映像を見ると、普通に見るだけとは違う面白さがあります。完全に映像を無視して好き勝手に話をしていることも多々あり、映像に対してツッコミを入れ始め、かっこいいライブ映像やインタビューの全てが面白映像と化してしまうから不・思・議。
ただ、今回のDVDを見てつくづく思ったのは、ニューロティカは本当にいろんな方々に愛されているバンドなんだなということでした。歴代のメンバーの一言一言にはすごく愛があったし、SHONさんのコメント+当時の写真も素敵だったし、もうリリースされているので書いてしまいますが、vol.2では脱退以来初となるドラマーのAKIOさんとの共演があり、その後に来たというAKIOさんからのメール(許可なく使っているというコメンタリー情報ですが)は、男の友情というか、愛情というか、仲間というか、もうそういう類の言葉を全部詰め込んだような、それを読むロンサムのTARSHIさん(今回のDVDでは全てナレーションを担当されています)の声が渋くて、ドキュメンタリー映画を見ているような気持ちになります。
結成25周年ですので、結成当時私もまだ幼稚園に通っていたぐらいの時期なので、DVDを見て知るものもすごく多かったのは事実です。あっちゃんの衣装ピエロじゃなかった時期があることは衝撃だったし、昔も一度『…to be HARLEM』のPVで『ウエスト・サイド・ストーリー』を演じたことがあるとか(何年か前にロフトから出しているDVDでも演じているのです)、あとはライブ映像に映っているお客さん全員が笑顔だというのもすごく印象的でした。全員がものすごく楽しそうな顔をしているんだもの。しかも、それはメンバーが替わろうが、あっちゃんの髪の量が変わろうが、ずっと昔から、映っているお客さんはみんな笑顔。メンバーのみなさんもすごく楽しそう。見ているだけで、こちらも笑顔になってしまうDVDです。昔からファンの方は、もっとロティカを好きになるDVD、新規のファンの方には歴史をここで知れるとともに新鮮な(斬新な?)シーンに心を奪われることでしょう。実はvol.3はまだ見れてないので何とも言えないのですが、vol.2に入っている予告編を見ると、やっぱり笑いあり涙ありのDVDになっているような気がします。そして、25周年とは言わず、今後も走り続けていただき、vol.4も続いてリリースされることを楽しみにしています!
(Rooftop:やまだともこ)
片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ / 生まれてはみたものの
YCCL-10006 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW 「油断すると、僕等はついつい考えてしまう」。皆一様にスマートなストライプのスーツを着こなした演奏組は各々の楽器を弾き狂い、叩き、ボーカルのみ白スーツという格好良過ぎるくらいのセンス。彼らの奏でる音すべてが耳からのみならず、肌から直接ぞくぞくと伝わる振動。ライブでは、パーン! と明るいピンスポットと、上品なミラーボールがよく似合う魅惑の5人組である。
彼らの1stフルアルバムにこめられた、叙情的なビート且つ心臓がどくん! ア、ソレもひとつどくん! と波打ってしまう艶っぽい歌声。とにかく踊れる曲あり、膝を抱えて俯いたまま姿勢が変えられなくなるほど考えさせられる歌詞あり、「そおっと」心にしみ込んでくる美しいメロディあり、でも先の見えない今の世で、呑んで騒いでええじゃないかカンパーイ! ナンバーあり。最後のそれも単にやけっぱちなのではない。今まで生きてきて「はて、自分とは一体? この先どうする? 何をするべき? 今自分がやっていることは果たして正解なのか? 間違っているのか? はてはて…“?”を沢山ならべて考えてみたけど…」と思ったことが一度でもあるならば、悪いことは言わない、このアルバムを聴くことをおすすめする。アルバムタイトルでもある1曲目の「生まれてはみたものの」を聴いて、ピンときたならば後はもう何も言うことはない。上手に楽しく、できればハッピーエンドを迎えるための、人生の素敵なエッセンス。実際、このアルバムを聴いて転職を決意した人間もいます。せっかく生まれてきたのだから…(この後に続く言葉はあなたの頭の中に、自分だけの正解があるはずです)。
(下北沢SHELTER:石川 愛)
QUIETDRIVE / Close your eyes
TWLT-0047 1,575yen(tax in) / IN STORES NOW極めてポップなメロディラインは、誰の胸にも否応なしに響いてくる。それは、どんなものが流行っていても変わらない唯一の音楽の法則。アメリカはミネソタ州ミネアポリス出身のQUIETDRIVE。その一級品のポップセンスで本国アメリカのみならず、ここ日本でも評価が高まっている。ハードにもソフトにもなれる柔軟性を持ち、パワーポップならではの疾走感や強さ、なによりどシンプルなのが良い。バンドサウンドのみならず、シンセを取り入れたり、アコースティックな響きで聞かせてみたりと。自分達のメロディの引き立たせかたを熟知しているのだろう、どんな手をつかってみても軸がブレない。迷いみたいなものは微塵も感じられず、とにかく「らしさ」が全開。我々日本人にはツボな要素が満載です。その証拠に、2009年初頭の初来日では本数が少なかったもののどれも大入り満員で、2004年のデビューから考えると実に5年かかっての来日。待ち侘びていたファンを狂気乱舞させた。その辺りからか、大の日本びいきだそうで。今回のこのミニアルバムも日本先行発売、そして早々と次の来日も決定しているらしい。来年の頭あたりからレーベルメイト(TWILIGHT RECORDS)である「HOLIDAY PARADE」と「GOOT」と、東名阪をツアーで回る。初日は1/27、東京は我が新宿ロフトで。前回の興奮が忘れられない人、今回の音でハマった人も期待して待ってて損はないはずです。
(新宿LOFT:水野 慎也)
騒音寺 / 赤のビート
RAGG-016 2,100yen(tax in) / IN STORES NOW2004年に残念ながら他界した中島らも。プラスワンでも定期的にトークライブを行っていたが、時に酩酊しながらも常に本音しか語らなかったらもさんは誰よりも危険で、そして純粋な人だったと思う。そのらもさんが愛したバンドと聞けば、それだけである種の人たちにとっては聴くべき存在と言えるだろう。それがこの騒音寺だ。京都というカウンターカルチャーの深部で生まれた騒音寺。ブルース、ロックンロールを基盤としたワイルドでルーズなサウンドを特徴とし、そこにボーカルNABEの硬派で時にユーモラスな歌詞が乗る。系譜としての日本のバンドを挙げれば、やはり京都で生まれた村八分をはじめ、外道やサンハウス、フールズといった常にストリートでインディペンデントに活動していたバンドの線上に位置するだろう。昨年は新録のベストアルバム『SO-ON★G-best』をリリースし、フジロックへの出演などで一気に騒音寺の名が全国に広まったが、その勢いを持続したまま完成させたのがこのニューアルバム『赤のビート』だ。1曲目から景気のいいギターリフを全快でかき鳴らし、そのまま全11曲が疾走する。ブルージーな『のらのぶる〜す』、広大な風景が広がる名曲『旅の空から』、痛烈にアメリカを風刺した『American rock』、人生の兄貴分からの優しい応援歌『ヤング・ジェネレーション』など魅力溢れる楽曲揃いだ。12/3には渋谷クアトロで全国ツアーのファイナルもあり、今一番観るべきバンドと言えるだろう。
(加藤梅造)
怒髪天 / オトナノススメ/武蔵野流星号
初回生産限定盤[CD+DVD]:TECI-193 3,000yen (tax in)/通常盤[CD]:TECI-194 1,000yen (tax in) 11.04 IN STORESここ最近は桃屋の新商品のCM出演や『トップランナー』で国営放送進出等々、派手な露出展開が続いている我らが怒髪天、その本懐を遂げる場はあくまで音楽であることを明示するかのように『プロレタリアン・ラリアット』から僅か半年という短いスパンでのニュー・シングル発表である。収録された2曲は縦ノリ・横ノリのタイプは違えどグッと歌モノに寄った楽曲で、どことなく現メンバーが揃った当時の怒髪天らしさを感じるのは『友として』や『あえて荒野をゆく君へ』といったナンバーが激しくツボな僕だけだろうか。彼らが敬愛してやまないドリフターズへのオマージュ・ソング的な側面もある『オトナノススメ』は大人であることの楽しさを全開でアピールした無条件に腰にクる一曲。“人生を背負って大ハシャギ”という歌詞をそのまま体現している彼らが力唱&演奏するのだから真に迫る楽曲になるのも当然のこと。カップリングの『武蔵野流星号』はピロウズの山中さわおが「初期の頃に唄っていたラヴ・ソングもたまには聴いてみたい」とリクエストしたことから生まれたピュアな恋歌であり濃い歌。恋愛にぶっきらぼうな男が呟く“待っててくれよ”という言葉は重い。ありとあらゆる音楽的要素を貪欲に詰め込んだ怒髪天のR&E(リズム&演歌)だが、その本領を発揮するのはやはりこうしたストロング・スタイルの歌モノであること、そして彼らのような粋な大人の背中を追いかけられる幸運を心から実感できる最新シングルだ。
(Rooftop編集長:椎名宗之)
HAWAIIAN6 / BONDS
XQDB-1002 2,415yen(tax in) / 11.11 IN STORES前作の『BEGINNINGS』から約4年。振り返るとHAWAIIAN6史上、もっとも怒濤といえる時間が経過していた。IKKI NOT DEADの設立、『DAYS』『RINGS』と経て、年間を通して数えきれない程のLIVEを行い、FUCK YOU HEROESとの共同主催で行われている“1997”の開催。もっとも過酷といえる中で、HAWAIIAN6が自分達と向き合い、模索しながらもこうして辿り着いたのが、待望の、実に待望の3rd FULL ALBUMの『BONDS』である。既に先行配信で触れていた『Blackout』や『Song Of Hate』はLIVEでもお馴染みの名曲である。激しさともいえる『Abyss』『Heartbreaker』があったかと思えば、相反するアコースティックの要素も取り入れた、静けさともいえる『The Misery』『A Praise Of Human』では胸を掻きむしられる。人の本質ともいえる陰影な歌詞に激しく心を打たれたかと思えば、ハワイアン節の『Revolution』や『Brand New Dawn』がキラリと希望の光を与えてくれるのだ。先行配信や先行パッケージBONDS-EPの中にもあるALBUM未収録の『Sundance』。これはいかにもハワインアン節の名曲なので、是非ともiTunesや各配信サイトで手に入れて欲しい。様々な環境と状況の変化の中から、HAWAIIAN6らしい轟音が重なって、色濃い作品となっている。そして間もなく始まる怒濤のTOUR、ようやく私たちも繋がることが出来る。
(下北沢SHELTER:平子真由美)
LOCAL SOUND STYLE / HOPE
FABC-094 2,400yen (tax in) / IN STORES NOW先月28日の下北沢シェルターを皮切りに目下怒濤のレコ発ツアーを敢行中のローカル・サウンド・スタイルが実に2年半振りに放つセカンド・アルバム。ブリット・ポップ、エモコア、ポスト・ロックといったルーツ・ミュージックを絶妙にブレンドさせた彼らの音楽性における最大の武器はやはり胸を打つ流麗なメロディだろう。どれだけ性急でパンキッシュな楽曲でも琴線に触れる甘美なメロディがそこには施されている。そのフックの効いた淀みないメロディを唄う荒関将寛の瑞々しい歌声にも抗しがたい魅力がある。朴訥とした彼の人柄がにじみ出た澄んだ歌声と、歪みすぎずもエッジの立ったサウンドの質感が聴き手を選ばない門戸の開かれた音楽性に結実していて、彼らのルーツ・ミュージックに明るくないリスナーでも存分に楽しめること請け合いだ。ファースト・アルバムの発表以降、バンドの存在意義を模索し続けた末に更なるビルド・アップを果たした彼らゆえ、楽曲のスケール感がグッと増したことも本作における大きな特徴のひとつ。先行シングルにもなった『Carry On』のように切れ味鋭いビートに特化した楽曲がある一方で、人生の大海原を行く決意に満ちた『Sailing』で聴ける壮大な世界観はこの2年半で培ったアイデンティティの確立があってこそだろう。ストレートに“希望”と題されたこのアルバムで、彼らは遂にバンドの“意志”を不動のものとした。お楽しみはこれからだ。
(Rooftop編集長:椎名宗之)
エレファントカシマシ / 奴隷天国
ESCB-1399 2,854yen(tax in) / IN STORES NOW エレカシを聴くといつでも「勝負をしなきゃ」と思う。「太陽の下 おぼろげなるまま右往左往であくびして死ね」というフレーズで幕を開けるこのアルバム然り、である。エレカシのアルバム中、唯一の廃盤となっていた6thアルバム『奴隷天国』がこの折、再発の運びと相なった。初期のエレカシは、名盤とされる4th『生活』に顕著なように、厭世観や浮き世に漂う我が身に対する諦観のようなものが滲み出ているものが多い。そのような生活の中、溜まり溜まった鬱屈が爆発したのがこのアルバムだろう。
どうしようもない現状、閉塞的で生産性のない日常を歌いながらも、そこに組み込まれることへの抵抗を決してやめようとせず「それでいいのか?」と奮起を促してくる。普遍的な現実に、真っ向から苛立ちをぶつけていく。それはもはや、内向的な独白ではない。はっきりとした怒りだ。エレファントカシマシが、本物のロックバンドであることを再認識させられる1枚である。
(Asagaya/Loft A:ヤマサキケント)
踊ろうマチルダ / 夜の支配者
DQC-401 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW 決して流行っている訳ではないのに、すでに日本各地で灯っている、踊ろうマチルダ現象。『アーティストネームはオーストラリアの古い歌「Walzing Matilda(=放浪の旅をするの意)」から由来』の通り、前作『HUSH』を発売してからというもの、全国からお呼びがかかってるご様子。ブログで読めば、「本気で」彼を待ち焦がれている異地方の人々の想いがひしひしと伝わってきます。
僕は「踊ろうマチルダ」を、ツルベノブヒロなる人物を中心にした物語のタイトルのようなものだと解釈しています。本人もコンセプトは「大人の童謡」と謳ってますし。主人公ツルベノブヒロは実に柔軟な編曲能力を武器に、一話ごとウッドベース、アコーディオン、バンジョーなど多種多様な仲間と共に旅を繰り広げるのです。故に音楽を一概には説明し難いのですが、年齢不詳のしゃがれ声は満月の夜に化ける狼男の雄叫びを連想させます(僕も真似して髪を伸ばしてハンチングかぶってみたりしたものです)。今作は日本歌謡の匂いもほんのり。
百聞は一見にしかず。My spaceも充実しているので、騙されたと思って一聴してみてください。引き続き東京の夜から、踊ろうマチルダの更なる御多幸とより一層の発展をお祈り致しましてェ…よーォ、パチンッ。
(Naked Loft:上里環)
Kagrra / 四季
KICM-1291 1,260yen(tax in) / IN STORES NOWロフトプラスワンの「一志耳袋」でお馴染み、一志率いるkagrraのニューシングルが、約1年ぶりに届いた。ヴィジュアル系とよばれるジャンルでも和楽器の箏をフューチャーしたサウンドで、和のテイストを基調とするネオジャパネスクという独自の路線をいくKagrra。先日も累計10万人以上を動員するブラジル最大級イベント“anime Friends 2009”でメインアクトをつとめるなど、昨年のヨーロッパツアーに続きワールドワイドに活躍の中、待望のリリースだ。 川端康成原作の映画『掌の小説』の主題歌に決定した表題の『四季』をはじめ、今回も繊細でいて力強いサウンドは顕在。「愛しくて 愛しくて」といった歌詞のリフレインに新境地が垣間見える。PVではスーツ姿の一志が見られる。『戯曲 かごめ謡』はわらべ唄の『かごめ かごめ』の新解釈あるいは真説といった趣き。V系はちょっとという人にも聴いてもらいたい作品となっている。
(LOFT/ PLUS ONE店長:天野宇空)
serial TV drama / SPACE OPERA
RX-031 2,520yen(tax in) / IN STORES NOW このアルバムを一言で表すならば「自己中心的」です。自己中な人と付き合うと多少なりとも疲れてしまいますよね? だけど、5人で鳴らす「自己中」な音は大歓迎なんです。このアルバムで例えるならば最初からかっ飛ばして、最後まで突っ走るのか!? と思いきや途中でそれを投げ出すかのように一変させてしまう。この言葉ってあんまりいい印象はあたえないと思うんですよね。だけどここで間違えないでほしいのは、このアルバムに関しての「自己中心的」という言葉はserial TV dramaに対しての最高のほめ言葉として受け取ってほしいのです。ポップロックというカテゴリでは収まらないこの衝動を、自分自身の感性で受け止めてみて下さい。
日常を見据えていながらも非日常を望んでしまう、そんな高姿勢な態度をとっても許されてしまうのは音楽の中だけ、そしてそんな居場所を与えてくれる1枚だと私は思います。初期衝動ではなく、持続性をもつ大傑作だと自信を持って証言できる勝利の1枚! 『SPACE OPERA』のるかそるかはあなた次第!
(新宿LOFT:山口 歩美)
曽我部恵一 / Sings
ROSE 70 2,500yen(tax in) / 12.04 IN STORES ソロ名義としては『blue』以来、2年4ヶ月ぶりとなるニューアルバム『Sings』は曽我部さんの音楽のルーツが垣間見れる、洋邦ジャンルレスな選曲によるアコースティックなカバー・アルバムです。
以前、曽我部さんがプロデュースしたことでも有名なネオアコ代表バンド、The Trash Can Sinatras『How Can I Apply...?』で始まり、The Velvet Undergroundの『バナナ・アルバム』から『Sunday Morning』、そしてまさかのホラーパンク、The Misfitsの『Last Caress』、“メタル界のオモシロおじさん”Ozzy Osbourne珠玉のバラード『Goodbye To Romance』、Iggy Pop率いるThe Stoogesの『No Fun』、さらにはMadonnaの『Like A Virgin』と洋楽から素敵な選曲をしたかと思えば、邦楽からは“あなたがジンと来る時は わたしもジンと来るんです”でおなじみ大滝詠一さん『サイダー'73』、これまた珠玉の超名曲であるジャックス『時計をとめて』と渋い2曲を挿み、The Beatles『Yesterday』、John Lennon/Plastic Ono Band『Love』、Ben E. King『Stand By Me』と王道の名曲でビシッと締めます。
微睡んだお昼のひとときでも、人肌恋しい初冬の真夜中でもぴったりな1枚です。
(LOFT/ PLUS ONE:白井絢介)
つばき / 花が揺れる/最低な気分、雨に打たれて
1,000yen(tax in) 会場限定シングル / 11/29つばき名古屋公演から販売開始 つばきと出会ってから思えばもう何年もの月日が過ぎている。当時彼らを懸命に担当していたスタッフさんからの熱烈なプロモーションをきっかけに知った。当時のインディーズシーンでは、いわゆるギターロックというジャンルが台頭を見せ、つばきはその代表選手と言っても過言じゃなかった。
ジャンルでカテゴライズされてはいるものの、数あるギターロックバンドの中では、断トツにつばき節という個性が強かった事を記憶している。それは今でも変わらず、ますます魅力を外に放っているということは、この2曲を聴けばすぐにわかることだろう。
レーベルやマネージメントから離れ、バンド活動の一切を自分達の手によって運営しているそのパワーは、今の若いバンドに是非見習って欲しいものがある。この2曲は色んなパワーと可能性を秘めたものであり、自分の道に迷っている人こそ聴いて欲しい。来年2010年はバンドを結成して10年目という節目を果たすという。つばきにとってメモリアルな1年となるだろう。そんな記念すべき1年を私は是非応援したいと思います。
(ロフトプロジェクト:樋口寛子)
200MPH / 200MPH
STD7 2,200yen(tax in) / 11.6 IN STORES 最初に断っておくが、Rooftopで2ヶ月連続で同じCDのレビューを書くのは御法度である。でも熱意が伝われば出来ない事などない。
200MPH。このバンドのレビューを俺が書けないのなら、俺は何のためにSHELTERにいるのか分からなくなってくる。200MPHを知ったのは、SHELTERに入ってからだった。捻くれた性格のせいで好き嫌いの激しい俺は、人の薦めるバンドなんて見向きもしない事が多かった。今思えば、ただのバカである。そんな俺に鈍器で思いっきり横っ面をぶん殴られたような衝撃をくれた数少ないバンドのひとつが、200MPHである。
人の薦めに耳をかさない代わりに、自分で探した。探しまくった。給料がそのままCDに変わることもザラだった。格好いいバンドはどこにいるんだ? とか偉そうだが、自分の好きな音楽を聴くのとバンドをやりたくて生きてきた人生だ。br />
SHELTERにいればいいんだな。俺の求めているものは、SHELTERにあるんだ。と、200MPHを初めて観た時思った。これが、俺が今SHELTERにいる理由。br />
俺の人生観を変えてくれた200MPH。どうか皆様も聴いて下さい。br />
因みに、このレビュー載らなかったら本当に事務所に乗り込みますよ(笑)。
(下北沢SHELTER:前野)
HaKU / BREATH IN THE BEAT
ASCM-6078 1,500yen(tax in) / 11.11 IN STORES 先月のRooftop内ルーキーズガーデンにて紹介した、HaKUがファーストミニアルバムを完成させた。『BREATH IN THE BEAT』。ビートの呼吸と名付けられたこの作品は、最近ありがちなダンスロックをあざ笑うかのように、深い確かなリズムに、沢山の細かい音の粒がちりばめられ、キラキラとしながらも、鋭く鼓膜に刺さった。そして彼等の作品を語る上で特筆すべきは、その歌詞の世界観だろう。摩訶不思議な言葉遊びの様なフレーズから、突然真っ直ぐ素直に疑問を投げかける。でも全ての答えは決まっていて、判っていると自問自答している風景を感じる。玄人の様なこの詞の世界観を、若干22才の彼等から生み出されている事に驚異を感じた。でももしかしたら、現代の若者は私の世代よりも実は深く自問自答しながら夢を見て、素直に生きているのかもしれないなと、思わせるアルバムだった。
彼等はBEATを吐き、リアルな日常を吐く。そんなHaKUのこれからが楽しみで仕方がない。
(新宿ロフト店長:大塚智昭)
FREAKYFROG / FREAKYFROG
GRFF-001 2,300yen(tax in) / 11.04 IN STORES元BEAT CRUSADERSのumu(Gt,Vo)を中心に05年に結成され、何度かのメンバーチェンジがあり、RUDE BONESのchibamatt(Ba)、元SHORT CIRCUITのmoriyasu maeda(Dr)、元cafelonのichi(Tp,Vo)、元SCAFULL KINGのshuichi(Sax,Key)が集った。錚々たる面子のFREAKYFROG、皆さんはご存知だろうか? マイペースで地道に活動をしてきて4年。やっとこさ、念願の1st albumのリリースを迎えることが出来た。1st albumにして、16曲収録!? というフルヴォリューム。4曲目の『POP MUSIC』を筆頭に、彼等らしいポップな楽しさがいっぱいに詰まっていて、それが今の彼等のLIVEに表れていたりする。それぞれの歴史や状況もさることながら、刺激の中にもこの5人だから出来る表情みたいな音楽が見事に集約されていて、嬉しさがこみ上げてくる。名刺代わりといったらなんですが、ようやくLIVEで何を演奏しているのかが伝わってくれたれたら(笑)幸い。レコ発TOURも12月13日高円寺HIGHから4月17日のSHELTER FINALまで、突っ走る勢いです。是非ともお祝いにかけつけて欲しい。
(下北沢SHELTER:平子真由美)
Marvelous / Take it away
500yen(tax in) / IN STORES NOW 彼が以前ドラマーとして在籍したバンド“フジファブリック”を脱退し、バンド“Marvelous”を組んでから早3年。以降3枚のデモシングル、1枚のミニアルバム『ATTACK!』をリリースさせ、勢力的なライブ活動を続ける。結成当初から一緒だったリズム隊メンバーの脱退を経て、新たに超飛行少年のリズム隊を迎え、新生Marvelousとしてデモ『Take it away』をリリースさせる。Marvelousの今の勢いと思いがギュッと詰まった1枚。そしてバンドがとても調子が良い事が伺える1枚。もしかしたら今後のバンドの方向性を、今一番見ているのかも知れない。
相変わらずひょうひょうとしながら(笑)、音楽に対しての向き合い方がとてもストイックな足立氏。彼と出会ってから早5年になるけど、今だに掴みきれていない(笑)。でもMarvelousがこれから歩んでいくるであろう道を見ていたらきっと掴んでくるんだろう。Marvelousビギナーの方でも存分に楽しめます。是非このデモを手にして生のMarvelousを体感しよう。
(ロフトプロジェクト:樋口寛子)