懐かしくも新しく響くピアノトリオの旋律は、未来への音階を鳴らし始めた
Laugh Lineが初のシングル『ワンダフルライフ』をリリースする。そして、3枚目の音源となるこの『ワンダフルライフ』を持って、Laugh Lineはメジャーデビューを果たすことに。楽曲からは、過去2枚の音源を経た結果の成長や、バンドとしての世界観の確立が感じられるが、そこにメジャーデビューに対する過剰な気負いは見えてこない。しかし、日本ではあまり表舞台に出てこない“ピアノトリオ”が作り出す音の魅力。そして彼らの将来への可能性は、初めてLaugh Lineの音を聴く人たちにも十分伝えられる内容であることが確信できる。普段邦楽ロックを避けている人にこそ聞いてほしい彼らの音楽。オーバー30にとってはどこか懐かしく、アンダー30にとってはむしろ新しく心の奥のほうにじんわりと響いてくれるはずだ。(interview:古川はる香)
アレンジャーが入ったことで曲が整理された
──この『ワンダフルライフ』でメジャーデビューということですが、曲作りに関しては意識したことはありますか?
渡邊友彦(Vo/Piano):あえて言うならば……ないですね。心構えとしては、多くの人に聴いてもらえる機会があるとか、大衆性を意識するとかあったかもしれないですけど、曲に関しては特に。
──単純に新しい曲を、音源を作ろうという感覚ですか?
渡邊:そうですね。今回の音源で言えば、前からライブでやっていた曲も入ってるんで。ただ、アレンジャーを迎えて、メンバー3人以外の音が入ったていう点は今までと違うところです。
──アレンジャーが入るというのは、音としてかなり大きな影響があるのでは?
渡邊:それはあるんですけど、曲を作るスタンスには変わりないです。メジャーだからとかどうだとか、僕、意識するとダメなんですよ(笑)。
──空回りしちゃうってことですか?
トミー(Dr/Cho):するね。空回り(笑)。
渡邊:空回りして、良いものが全くできなくなるタイプなんで(笑)。
──「今から曲作るぞ!」って考えちゃうと作れないほうですか?
渡邊:そうですね。一度フラットにして、“いい曲作るぞ”って思わないようにしてます(笑)。
──できなくてもいいか〜ぐらいの気構えのほうが?
渡邊:その日々の積み重ねです(笑)。2時間くらいでできる日もあれば、12時間かかってもできない日もあるんで。もう流れに任せるしかないですよね。
トミー:でも12時間かかってないできない日があっての曲作りなんでしょ?
渡邊:もし2時間くらいで曲ができたら、それは前日12時間悩んだおかげなんですよ。曲ができたあとは“この曲はトータルで30時間かかったなぁ”とか感慨にふけります。
──アレンジャーを迎えたことで、バンドにはどんな変化が?
渡邊:アレンジャーさんがあげてきてくれたアレンジを参考に、他の曲も変えてみようって自分たちで模索した部分はあります。本当にメンバー3人だけでやってきたので、わからないことや気が付かなかったことをアレンジャーさんが出してくれたんです。
天神タケシ(Ba/Cho):勉強になったよね。ものすごく! アレンジってこうやるんだってわかったし、やっぱりプロのアレンジャーは違うなっていうのも感じたし。
──どのあたりがプロっぽさが見えました? 方法論が確立されてるとか、引き出しが多いとかあると思うんですけど。
天神:引き出しも多いんですけど、「なるほど、こういう考え方でやったらいいんだ」っていうのがわかって。そこは勉強になったね。
──今までは独学でやってきたんですか?
渡邊:まぁやりたい放題と言いますか……。
トミー:とっちらかった感じでね。
天神:非常にがちゃがちゃしてたもんね。それがすっきり理路整然とまとめられた。
トミー:すっきりした上に楽曲が立ってるからね。なるほどなーと。
渡邊:今回アレンジャーさんがエンジニアをやってくれてたんですよ。プリプロから見て、レコーディング中もずっとスタジオにいて、最後のマスタリングまで全部やってくれました。
シャレのつもりで書いた曲がウケることも
──今回のCDは5曲入りですけど、曲順が秀逸ですね。これは3人の意見で?
渡邊:まわりのスタッフさんの意見も取り入れつつですね。1曲目がリード曲で、1,2曲目の繋がりを考えつつ、まぁカバーも入れて3曲だなっていうのが当初の考えだったんです。そしたら、ディレクターが「インストはどう?」って言いだして、そのまま5曲目も録っちゃえ! って(笑)。最後は、レコーディング終盤の時間がないところで一気に録りました。ドラムから歌録りまで1日でやったよね?
トミー:うん。5曲目はそう。
──リード曲の『ワンダフルライフ』はイントロのつかみが好きです。
トミー:大げさな感じがしますよね。
渡邊:それもアレンジャーのストリングスありきで。当初よりだいぶ変わりました。
──歌詞やメロディはすんなり完成したんですか?
渡邊:いや〜違いますね。曲やメロはその形にいくまで時間がかかりました。Cメロを後からくっつけてみたり、コードも変えまくったり。歌詞もレコーディングの直前まで、あーでもないこーでもないって。もともと全然違う歌詞がついてたんですよ。
──一度固まった歌詞を崩すのは大変な気がしますけど。
渡邊:そうですね〜。だから新しい曲を作る感覚でほとんど変えました。最初はサビだけ変えようと思ったんですけど、そしたらBメロも変えないと不自然だし、だったらAメロも書き直さないとおかしいって。
──この曲は最初からリード曲になる予定だったんですか?
渡邊:曲ありきですね。これをリード曲にしようとなってから、歌詞を変えたんです。
──やっぱり「リード曲を作って」って言われると難しいですか?
トミー:ダメだよね。たぶん(笑)。
渡邊:ダメでしょうね(笑)。自分ではシャレで書いてるものが案外まわりにウケたりするんでね。
──2曲目の『JACK』は遊びが多い曲ですね。
渡邊:これはシャレがたくさん含まれた曲です。気負ってない感じで。
──3人のセッションが楽しいんだろうなって目に浮かびます。
渡邊:そうですね。天神さんがウッドベースを弾いてるし。
──ウッドベースって楽しいものなんですか?
天神:はい! 超楽しいです!(笑)
──やっぱり隙を見てウッドベースが弾ける曲を増やそうとしてるんですか?
天神:いや、それはないですよ(笑)。この曲も最初はエレキでやってたんですけど、アレンジャーさんが「ちょっとウッドベースで」って言ってくれて。「いいんすか? ウッドベースいいんすか?」って感じでやらせてもらって。そしたらドンピシャだったんです。
『曖昧なラブソング』はメンバーお気に入りの1曲
──3曲目の『もう逢えないかもしれない』は菊池桃子さんのカバーで。私は子供のころリアルに聴いていた世代なんですが、'85年の曲なので'82年生まれの渡邊さんとトミーさんは記憶がないのでは?
トミー:ないですね。
渡邊:全くないです。
天神:僕は'76年生まれなので、記憶があります(笑)。
トミー:でも、そこが狙いではあったよね。“あえて感”を出すという。
──この曲を選んだのはどういう流れだったんですか?
渡邊:僕が原田知世とか南野陽子とか、そのあたりのアイドルのアルバムを一通り聴いてみて、候補を5曲くらい出したんです。原曲のままだとキーが合わないので、僕が歌える高さまでキーを下げたのをみんなに聴いてもらって一番よさげな曲を選ぶことにして。
──じゃあ特にこの曲に思い入れがあるわけでもなく?
渡邊:そうなんです。すみません! 初めて聴くくらいの曲なので。
天神:だって80年代生まれだもんな。
渡邊:アレンジはビリー・ジョエルのオマージュですね。リフをそのまま使ってますから。「あの曲が始まるのかな?」と思わせて、『もう逢えないかもしれない』っていう。
──歌詞が他の曲から浮いてないですよね。いい具合にマッチしてる。
渡邊:そうかもしれないですね。僕が邦楽人間なので。
──渡邊さんの書く歌詞って「好きだ」とか「愛してる」とか直接的に言わないのがいいですよね。最近わりと多いじゃないですか。「好き」とか「愛してる」ってわかりやすく連呼するような歌詞が。
渡邊:ありがとうございます。あんまり直接的に言いまくるのは好きじゃないですね。もともと。
──歌詞の面で影響受けた人っています?
渡邊:いないですね。
天神:チャゲアスじゃないの?
渡邊:歌詞では影響受けてないよ(笑)。良い言い回しするなっていうのは特定のミュージシャンだけじゃなく、いろんな人がいますから。ただ、僕の歌詞はつきつめると抽象的になりすぎるクセがあるので、そこは注意してますね。微妙なラインで止めとかないとなって。
トミー:直接的じゃないんでツッコミどころがありますね。これなんなの? これってアレでしょ?って(笑)。
渡邊:いちいちツッコんでくるんですよ(笑)。
──CDの話に戻りまして、4曲目は短めのインストで。
渡邊:3曲目のアレンジを聴いて、そっちがビリー・ジョエルで来るなら、こっちもビリー・ジョエルだ! と(笑)。家に帰ってさらっと作ってさらっとレコーディングしました。
トミー:レコーディングのときに、そういえばインストっていいじゃん? って話になったんだよね。
渡邊:録る直前にここはこうで、ここはループでねって伝えて、せーの! で録って。
トミー:ループさせて、アレンジャーさんにいいところを切ってもらったんです。
──『喜劇〜駅前天国〜instrumental〜』というタイトルはどこから……?
渡邊:それは最後のセリフを言ってる彼に聞いてください(笑)。
天神:いや。なんか5曲目に繋がるインストの最後に哀愁漂うセリフがあって、次の曲に流れると。それでディレクターさんから「天神、セリフ録るぞ」って言われて(笑)。ずっと嘘だと思ってたんですよ。そういう人なんで。
トミー:そうだね(笑)。ウソかホントかわからんような人。
天神:ね。実はセリフも録り忘れてて後から急いで録ったくらいなんですよ。それで「あーバッチリいきてーなー」ってちっちゃ〜く入ってるんです。30代男の悲哀がバッチリつまってるんです!
──セリフは何パターンか録ったんですか?
渡邊:5,6回録ってた?
天神:セリフは1個だけで、感情をこめたバージョンとか、ちょっと乾いたバージョンとか。トミープロデューサーが鬼演出を(笑)。
トミー:そうそう。「違う! もっと感情こめて!!」って。
──シリーズ化しそうですよね。
渡邊:いや、しないんじゃないかな?
一同:わははははは(笑)。
トミー:反響によってはありですよね。
渡邊:逆にクレームが殺到する危険性もありますけどね(笑)。
──それで最後の『曖昧なラブソング』に繋がってくると。
渡邊:これは初期からある曲なんですけど、ずっとライブではやってなくて。やりたいねって言いながら3人でスタジオでこそこそやってるような感じで。
天神:この曲長いんですよね(7分近くある)。だからライブのセットリストに入れづらくて、スタジオでずっとやってたっていう。いいね〜、この曲気持ちいいね〜って言いながら(笑)。
──やってる側はかなり楽しい曲なんですね。
トミー:いや〜そうですね。気持ちいい。
天神:ホントいい曲! 大好きなんですよ。僕。
渡邊:気持ち悪いよ!(笑)
天神:ホントLaugh Lineで一番好きな曲で。いつもライブでやりたいって話してるんだけど、できなくてね〜。
トミー:最近は長さを無視してライブでもやってますけどね。
天神:CDに入ったからね。もうやってもいいだろと。
トミー:でも、ファンの方から「長く感じない」って言われるんです。
──そうですね。私もCDを聴いて思ってました。
渡邊:詞の情景の流れがはっきりしてるからかな。
──あ、そうかもしれないですね。ストーリーがしっかりあるから、続きが気になるというか。
渡邊:ただ歌詞がすごく早口なんで、ひとつ言葉を飛ばしちゃうとかなり追いつけなくなるんです(笑)。それがライブでは大変ですね。今のところミスはないんですけど、歌うときはかなり気を張ってます。
天神:僕はただひたすら気持ち良いだけですけど(笑)。
──どのあたりが気持ち良さのポイントなんですか?
天神:あれなんですよ。同じ感じのフレーズが続くので、やってるうちに入ってくる。
トミー:繰り返しの美学な(笑)。繊細に叩かなきゃいけない曲なので、気を遣うんですよ。その疲れる感じが、好きです(笑)。あー終わったーって。
曲構成のバリエーションにはクラシック要素が
──今回のCDはアレンジャーの存在がひとつのカギだと思うんですが、曲のアレンジって経験を積み重ねた感覚が大事なんですか? それとも方法論を知っていること?
渡邊:どっちも必要ですね。感覚だけだとやりたいようにやってしまうし。一度客観的に見て、これは引きすぎじゃないかとか音出しすぎじゃないかとか。そこは理論かもしれないです。
──クラシックの場合、曲の構成に関して理論や形式が確立されてるじゃないですか? ロックの場合はそこまではっきりとはないですよね。
渡邊:そうですねー。僕の場合はもうクラシック要素満点ですよ。曲の構成に関しては。僕らの曲がロックになりきらないところはそこにも理由があるのかも。音の強弱も大事にしてるし。構成もクラシックの場合、第一楽章とか第二楽章とか言うじゃないですか? そういうのは大事にしたいですね。意識してるわけじゃないんですけど、結果的に見てみると、普通はサビでガツーンと行く曲が多いのに、僕の場合はサビで落としたりするんですよ(笑)。あとは1サビの尺を短くして、2サビはちゃんとやるとか、Cメロ入れるとか、そういうちょっとこじらせたいっていうのは、クラシックあがりっていうのがあるかもしれません。
──曲構成の流れみたいなのはメンバーの2人にも説明するんですか?
渡邊:そこは小さすぎるとか、大きすぎるとか、「そこでクレッシェンド!」っていうのはよく言うかも(笑)。例えば音がクレッシェンドしてなくても、気持ちの上ではなっていてほしいんです。ライブハウスの音響って、ちょっと大きくするだけで強く響いてしまうので、再現するのは難しいですけど、気持ちで思ってるのと思ってないのでは全然違うし。そこは一番大事にしてるところかもしれないですね。表現するにあたって。
天神:「10のうち2で!」って言われることが多いですね。“10”で表現してくれるのでわかりやすいですよ。
渡邊:その説明よく使いますね。ここで10になるから、7、8、9と上がっていってくれとか。
トミー:うん。わかりやすい。わかりやすいけど難しいんですよ(笑)。そこがもうちょっと理解できればなと思って、勉強中です!
──話が変わるんですけど、リハの後3人でお茶しに行くという習慣は変わらずですか?
渡邊:そうですね。くっだらない話をして。
天神:お酒飲むと僕が大変なことになるんで(笑)。
渡邊:僕も飲むのは好きなんですけど、リハが終わって夕方から飲みに行くと深みにはまるので(笑)。
──“お茶”っていう響きが、今流行りの草食系男子っぽいですよね。見た目もそんな感じだし。
トミー:そうですね。お茶大好きです(笑)。
渡邊:リハでワーッと話すので、息抜きにお茶ってなるんですよね。でもそこで話すのは、次のライブのことから、下ネタまで(笑)。
天神:下ネタが得意なのは、そこにいるトミーっていう男ですね(笑)。
トミー:下ネタは話しますけど、草食系ですよ!
天神:うん。俺たち草食系だよね!?
渡邊:そういうことにしといてください(笑)。
目標はグランドピアノでライブをやること
──メジャーデビューも達成して、今後の目標を聞かせてください。
トミー:目標って、100万枚売るとか?(笑)
渡邊:リアルな目標だと「日本のピアノのバンドといえばこいつら」って言われたいですね。
──「ここでライブをやりたい」と思う会場ってあります?
渡邊:具体的な会場はないですけど、グランドピアノを置ける場所でやりたいですね。僕はやっぱりキーボードではなくピアノの人間なので。ピアノでライブやれたらいいなーって。
──やっぱりグランドピアノへの思い入れがあるんですね。
渡邊:そうっすね。このCDも全部グランドで録ってるんですけど、それは僕の希望で。例えばドラムとエレキドラムって明らかに違う楽器じゃないですか? 僕にとってピアノとキーボードはそのくらい違うんですよ。ピアノのほうがより音を繊細に表現できるので。
──素人考えだと、グランドピアノのほうが気候や環境に影響受けやすくて大変な気がしてしまうんですが……。
渡邊:そうですねー。でもそこも楽しいところなんですよ(笑)。「この鍵盤重いなぁ」って言いながら、そのやりづらい中で弾くというのが。
天神:一緒にやっていて思うんですけど、キーボードよりピアノのほうがうまいんですよ。リズムもかちっとハマってくるし。ピアノでやってるときのほうが断然やりやすいです。
渡邊:今までピアノで培ってきたものが大きくて、キーボードだと100%思ってるタイミングで音が出せないんです。自分ではうまくやってるつもりだけどできなくて。キーボードで何回やっても微妙にずれてた曲がピアノで一発でできちゃう。
天神:苦労してたよね。
渡邊:ライブだとわからないような何分の何秒みたいなところが、レコーディングだとやっぱりわかっちゃうので。
トミー:キーボードとピアノは違う楽器だもんなぁ。それは聴いていてもわかります。
──天神さん、トミーさんの目標を聞かせてください。
天神:そうですね。今回のレコーディングをやってて……。
トミー:「バッチリいきてーなー」って?
天神:うん(笑)。いきたいけど、それはシメに使おうと思ってたのに……。
トミー:ごめんごめん!
天神:今回アレンジャーさんとやって勉強になったので、そういうのをひとつひとつ消化して、音楽人としてバッチリいきてーなーと! ……どうですか?
トミー:バッチリいくまで、あと何回聞いても大丈夫ですよ(笑)。
──バッチリいってると思います(笑)。じゃ最後にトミーさん。
トミー:僕はなんだろうな……。やっぱりアレンジャーさんという第三者が入ったことで、より楽曲が引き立っていくのを目の当たりにして、いろいろ考えないとなーと思います。ドラムのフレーズとか、ベースとドラムのからみとか。そうすることで伝わることもあるんだろうなと。
渡邊:歌心だろ? ドラムも歌うって言ってたじゃん。
トミー:それそれ! ドラムを歌わせたいです。
ワンダフルライフ
1.ワンダフルライフ
2.JACK
3.もう逢えないかもしれない
4.喜劇〜駅前天国〜instrumental〜
5.曖昧なラブソング
ASCM-6058 / 1,200yen(tax in)
9.02 IN STORES NOW
Live info.
10/26(月)東京・吉祥寺STAR PINE'S CAFE
10/31(土)大阪・ MINAMI WHEEL 2009
11/01(日)名古屋・淑徳大学「淑楓祭」
Laugh Line official website
http://laughline.jp/