ギター バックナンバー

メロン記念日×ニューロティカ('09年7月号)

メロン記念日×ニューロティカ

“メロン記念日ロック化計画”第2弾は今年結成25周年を迎える我らがニューロティカ!
めくるめく疾風怒濤のビート・パンクにビックリ! ドッキリ! オッタマゲーション!


 異能のお面貴族ことビート・クルセイダースとのコラボレート・シングル『DON'T SAY GOOD-BYE』(祝! タワーレコード・インディーズ・チャート首位奪取!)に続く“メロン記念日ロック化計画”第2弾は、日本におけるビート・パンクの先駆者であり、今年めでたく結成25周年を迎えるニューロティカ。柴田あゆみの生誕〜成長と轍を共にするかのように極めてエンターテイメント性の高いパンク・ロックの普及に努めてきた彼らがメロンに提供した楽曲は、『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』というタイトルからしてロティカ節全開バリバリな一撃必殺のポップ・チューン。『DON'T SAY GOOD-BYE』のエモーショナルな涙腺直撃モードとはまた趣を異にする賑々しいナンバーだが、如何にもロティカらしい誰しもが無条件に楽しめる普遍性の高さには改めて脱帽。と同時に、“メロン記念日ロック化計画”のレンジの幅を広げることにも大きく貢献しているとも言えるだろう。大盛況のうちに幕を下ろした“MELON LOUNGE”の興奮がまだ冷めやらぬ翌々日、我が新宿ロフトでのライヴを終えたばかりのニューロティカをメロン記念日が表敬訪問。終演後の楽屋で今回のコラボレーションについて両者に存分に語り倒してもらった。(interview:椎名宗之)


絶対の自信作に2回のダメ出し!

──まず、ビート・クルセイダースと掟ポルシェ。さんをゲストに迎えた先日の“MELON LOUNGE”(6月19日、渋谷O-EAST)の手応えをメロンの皆さんに伺いたいのですが。

大谷雅恵:ビークルさんとのセッションは2曲だけだったんですが、そのために“LOUNGE”を開いたような感じでしたね。今まではDJがメインの“LOUNGE”ではあったんですけど、これからは違うぞ! っていうところと、ロック化計画が始動して1発目のライヴということで、意識はかなり変わっていました。

──あっちゃんとカタルさんは当日2階席でご覧になっていましたが、メロンのライヴは如何でしたか。

カタル(b):僕は初めて見たんだけど、ビックリしたね。だって、アンコールの最後にセックス・ピストルズの『ANARCHY IN THE UK』のカヴァーまでやるんだから。

村田めぐみ:あの曲は、ロティカさんとのレコーディングの後だったのもあって、凄く唄いやすかったんですよ。

──あっちゃんは2月の“MELON GREETING”に続いて2度目のご観覧でしたけど。

アツシ(vo):曲を頼まれていたので、最初の時は“詞はどんな感じがいいのかな?”っていうヒントを得ようと思って拝見したんですよ。最初の時もこの間も、とにかくお客さんが元気ありますよね。僕もチョコチョコッとお客さんをイジりたい感じです。

斉藤 瞳:是非やって欲しいです。ヲタモダチも大歓迎なはずですから。

アツシ:え、何!? オトモダチ?

村田:ヲタモダチです(笑)。メロンのファンの方からもあっちゃんさんは絶大な支持を受けると思いますよ。

アツシ:あっちゃんさんなんて水くさい! あっちゃんって呼んで下さいよ!(笑) 実は僕、ビークルとのセッションの時に1階へ行こうと思っていたんです。僕が一番前のほうに行ったらどう反応するかなと思って、チャンスを伺ってたんだよね(笑)。

カタル:僕は、先にライヴを見ておいたほうが良かったなと思いましたね。そのほうがレコーディングの時にそれぞれのキャラクターがもうちょっと早く判ったはずだから。

斉藤:ライヴとレコーディングの私たちの印象って違いました?

カタル:レコーディングが始まってからだんだん判ってきたんです。音源しか聴いてなかったから、失礼ながら最初はどれが誰の声なのかも判らなかったんですよ。様子を見ながらだんだん判ってきて、途中から振り分けられるようになったんだけど、ライヴを見ていればもっと判りやすかったのかもしれない。

──それにしても、『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』はロティカの持ち味がとてもよく出た1曲になりましたね。

カタル:まぁ、2回ダメ出しされたんだけどね(笑)。メロンの音源を聴かせてもらって僕らなりに凄く研究して、傾向と対策を練って1曲の中にいろんな要素を詰め込んだんですよ、最初のデモは。どんだけ展開があるんだよ!? ってくらいゴージャスにして、テンポもみんなに合わせたんです。

斉藤:そのデモ、聴きたかったですね。

カタル:でも、ダメだったんだよ。「もっとロティカっぽくシンプルにして下さい」って言われたんだけど、ロティカの曲もそんなにシンプルに作ってるつもりはなくて、結構いろいろやってるつもりなんだけどね(笑)。

──最初のデモは、あっちゃんの書く詞が女子の視点だったそうですね。

アツシ:最初にライヴを見て、自分なりに雰囲気は掴んだつもりだったんですよ。で、女の子の気持ちを書くわけだから女の子の気持ちになろうと思って、妹のスカートを借りたんです(笑)。これはあのアソウ先生、小林アソウさんが…。

シズヲ(g):小林亜星さんね。アソウさんじゃ総理大臣になっちゃうよ(笑)。

アツシ:そう、その小林亜星先生が『ひみつのアッコちゃん』の主題歌を書く時にスカートを履いたって話を聞いて、いつかやりたいと思っていたら…遂に来たんだよ、僕がスカートを履く日が! アソウ先生に近づいたんだよ!

村田:亜星先生に、ですね(笑)。

斉藤:何回間違えるんですか(笑)。

アツシ:女の子の視点なんだけど、ライヴで見た感じを歌にしたんですよ。“もっと来いよー!”みたいなグイグイ引っ張る感じが喜ばれるのかなと思って書いたら、僕までダメ出しされたんです(笑)。

アツシ、スタジオで無駄に緊張

──ロティカは以前、後藤真希さんの曲をアレンジしたことがありましたよね。

斉藤:エッ、ごっちんの曲をですか?

アツシ:そう、『ポジティブ元気!』という曲で。(突然威張るように)まぁ、つんく♂も昔はウチのライヴに来てダイヴしてたからねぇ…。

メロン全員:へぇぇぇぇぇぇ!!

アツシ:あれ、何その目は!? 見る目が違ってきたぞ。シャ乱Qが共同生活をしていた時に、昔のロフトで何回か酒を奢ってやったこともあるんだよ。未だにその見返りが来てないけど(笑)。

村田:あっちゃん、すごーい!(メロン全員、拍手)

カタル:みんな素直すぎる(笑)。

シズヲ:あっちゃん、音楽的な話以外のところはホントによく喋りますね。

アツシ:麻布に連れてって欲しいな、つんく♂に。

カタル:麻布っていうのがまた適当だけど(笑)。

──今回は作曲担当のカタルさんが一番のご苦労でしたよね。ワンマン・ツアーのさなかに車中や楽屋で作曲したりして。

カタル:うん。プレッシャーもあったし、正直大変でしたよ。

ナボ(ds):フェリーの中でもずっと作業してたからね。カタルが作ったギターのリフをシズヲが弾いてるの。それが寝ながら聴こえてくるんだけど、めちゃくちゃダークな感じでね。“こんな曲、唄ってくれるのかな?”って思った(笑)。仕上がりとは全然イメージの違うギターが聴こえてきてさ。ギターだけ聴くと、デス・メタルかよ!? ってくらい凄く攻撃的で(笑)。

カタル:広島のホテルに前乗りで入った時に、部屋割りはいつも適当なんだけど、「両隣の部屋はメンバーにしてくれ」って頼んだの。その日は部屋で唄うつもりだったから。で、あっちゃんとシズヲが両隣で、僕は夜中じゅうずっと仮歌を唄ってたんだけど、2人はそれをずっと聴いてたらしいよ。

シズヲ:うん、めちゃめちゃ聴いてた。

アツシ:その時のホテルに限って、エレベーターの中に貼ってあるポスターに「部屋の中で歌を唄ったり、大声を出さないで下さい」って書いてあったんだよね。普段はそんなこと書いてないのに。

シズヲ:部屋の中の禁止事項が“歌を唄うこと”って(笑)。あれは笑ったよね。

──メロンのみなさんは、『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』を聴いてどう感じましたか。

大谷:作っていく段階からいつものレコーディングとは違っていて、バトンを渡していくような感じでしたね。頭から歌詞を追って順番に録っていったのが良い結果に繋がったんじゃないかなと。当日のテンションがそのまま録音されているし、いつ聴いても楽しくなれる仕上がりになったと思います。むらっちが「この曲を聴くと元気が出る!」って言うのもよく判るし。思い出しますよ、あのレコーディングの日を。

カタル:うん、ホントに楽しかったねぇ…(遠い目)。

アツシ:僕は一番緊張してましたけどね。歌なんか唄えないよ! って思ってたから。

ナボ:あっちゃんが緊張してる顔を見た?

斉藤:見ましたよ。今日は全然違うからビックリしちゃいました。

シズヲ:つんく♂さんのことを話した感じと全然違うでしょ?

斉藤:こんなに喋ってるあっちゃんさん…いや、あっちゃんを初めて見ました(笑)。

カタル:あの時は全然喋らなかったもんね。

アツシ:すみません…(笑)。

斉藤:お腹だけ喋ってましたよね。

アツシ:そうそう、緊張の余りお腹がピーピー言って凄かった(笑)。

ナボ:ワンマンの前とかもすぐに具合が悪くなるからね(笑)。

25年間の歌詞を全部詰め込んだ

──斉藤さんは新曲をどう感じました?

斉藤:レコーディングに入る前に「これは派手にやっちゃっていいんですよね?」という確認をカタルさんに取ったんですよ。私の場合は「やっちゃっていいよ」って言われたら止めどなく行ってしまうタイプなので、ホントにいいのかしら? っていう気持ちも若干あったんですけど、行き着くところまで行く感じが唄っていて最高に気持ち良かったです。

──タイトル通りバカになれましたか。

斉藤:はい。バカなのかアホなのか…どの言葉が適切か判らないですけど、バカでいいですかね?

──ロックの世界でバカは褒め言葉ですからね。柴田さんは?

柴田あゆみ:私は盛りだくさんの内容だなっていう印象ですね。ライヴの風景を頭の中で描きやすくて、みんなの表情が見える音楽だなと思いました。

カタル:みんな凄く上手にコメントできるよねぇ。

ナボ:言葉豊富だね、みんな。凄いわ。

シズヲ:ウチらなんて25年もやってるのに…メロンさんを見倣って勉強しよう(笑)。

メロン全員:いやいやいやいやいや…。

村田:今のでちょっとハードルが上がりましたよね(笑)。私はですね、ホントにいろんなロックがあるんだなって思いました。ブースへ行く度にどんな唄い方をしてくるんだろうっていう空気が充満していたので、やや緊張気味だったんですけど、終始あっちゃんに癒されました。

アツシ:あ、そうですか?

ナボ:今、コクられたんじゃないの?(笑)

アツシ:やめてよー。ドキドキして目が見れなくなっちゃうよー(笑)。

──ずっとモジモジしていたあっちゃんにそんな癒しのパワーがあったなんて(笑)。

村田:ワクワクした顔をしながら“何を言おうかな…”ってソワソワした姿を横目で見ていました。

斉藤:歌詞カードを隠しながら持っているところがかわいくて…。

村田:ウフフ…って感じでしたね。

アツシ:何かやらなくちゃいけないって思うんだけど、特に何にも言われてないから、コンセプトを紙にいろいろ書いて…。

シズヲ:コンセプト!?

アツシ:あ、コンテンツか?

カタル:どっちでもいいよ!

──『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』のコンセプトというのは?

アツシ:コンセプト的には僕が唄ってきた25年間の詞を全部詰め込んだ感じです。すみません(笑)。

大谷:いやいや、嬉しいです。

アツシ:僕が伝えたいメッセージを、今までロティカの曲で使った言葉でメロンさんに表現して頂ければと思って。

──実際、四半世紀分のロティカの楽曲のいいとこ取りみたいな感じですからね。

ナボ:そうだよね。俺たちにとっては聞いたことのある言葉が結構あるし。

アツシ:そういう言葉もメロンさんは知らないと思うので。

村田:“タマリマセブン”とかですか?

カタル:“タマリマセブン”は懐かしすぎて笑ったもんね(笑)。

シズヲ:その辺の言葉をメロンさんの声で聴くと新鮮な感じはしましたね。特に“オッタマゲーション”のテンションが凄く良かったよね。

斉藤:新しい言葉をいっぱいもらってるなって思いましたね。

カタル:いや、古い言葉なんだよ(笑)。

斉藤:でも、私たちにとっては新しい言葉ですよ。

カタル:1周回って新しいのかな?(笑)

シズヲ:いや、いわゆる死語でしょ、あれは。

ナボ:リアルに25年前の言葉だからねぇ…。

1人ずつ唄うパートで個性炸裂!

──あっちゃんが間奏で叫んでいる“やめてクレイジー”は?

アツシ:“やめてクレイジー”は新作で、高校生の頃によく先生に言ってたんだよ。「やめてクレイジー!」って。

カタル:高校の頃ってことは全然新作じゃないじゃん(笑)。

──“メロンコリー”は新作ですよね?

アツシ:これはちょっとね、いろいろあるんですよ。

柴田:見せてもらいましたよ、実物を(笑)。

──実物!?

アツシ:メロンコリーは次の“MELON LOUNGE”の時に持っていきますわ。ウチ(藤屋)で売ってるお菓子にメロンコリーっていうのがあって、僕が仕入れた時に“これは何かあるな…”って運命を感じたんですよ。僕ってやっぱり、運命の糸を手繰り寄せる何かを持ってますね。

柴田:はい、持ってます!(メロン全員、拍手)

──まさに“This is 運命”ですね(笑)。ちなみに、メロンコリーとはどんなお菓子なんですか。

アツシ:ウエハースですね。

シズヲ:微妙に古いタイプのお菓子だね(笑)。

カタル:ライヴ会場で売りましょうよ!

シズヲ:あっちゃん、たくさん仕入れないとね。

ナボ:でも、売れ残ったらあっちゃんが赤字だよ?

アツシ:もしかして売り子はウチのお袋?(笑)

村田:是非是非!

──カタルさんに伺いますが、歌のパートはどう振り分けたんですか。

カタル:最初は声の感じが判らなくて、全員に唄ってもらったんですよ。出だしは2人ずつに分けて色の差を付けたかった。パンチのある2人と萌え系で行ける2人にね。で、最初にパンチ系として斉藤さんと大谷さん、萌え系として村田さんと柴田さんで行こうと。村田さんはどっちも行ける感じだったんですけどね。その割り方は今までなかったと後から聞いたんだけど、凄く意外で。僕はそれしかないと思ってたんですよ。ガーンと行くパートと、下からクッと入っていくパートの2つの色に分ければコントラストがうまく出ると思って。あと、サビの裏で1人ずつ入ってくるパートは、最初が柴田さんでしたよね?

柴田:はい、“メロンコリー”のところですね。唄えて嬉しかったです。

アツシ:そこを柴田さんが唄ったから見せちゃったんだよねぇ、お菓子を。

カタル:「1人で唄うところは自分の色を出して欲しいので、自分の出番までゆっくり考えてもらえますか?」って言った時のキョトンとした柴田さんの顔が忘れられませんよ。“何を言ってるんだろう、この人は!?”っていう凄く迷いのある表情で。

柴田:そんなことないですよ(笑)。

カタル:僕のフリが失敗だったのかな? と思った(笑)。でも、その後の流れは早かったですね。みんなシャカリキにやってくれて、凄くいい感じに唄ってくれたんです。想像以上のものが出来ましたね。

──サビで1人ずつ細切れに唄われるところは大きな聴き所ですね。一番笑ったのは大谷さんの“バリバリ”でしたけど(笑)。

カタル:大谷さんに「どうしたらいいですか?」って訊かれて、僕もどうしていいか判らなかったんです(笑)。それで、「大谷さんはパンチがあるからガーンと行って下さい」って言ったら、「その前までガーンと2発(“拳を上げて”“やっちゃえ”)行ってるんで、ここは好きなようにやらせて下さい」って言われて。そしたらいきなり外国人が出てきちゃった(笑)。あれはビックリしましたよ。

大谷:ほとんどガッツリ系で行ってたし、みんなはMP(萌えポイント)とか日本海系とかあるから(笑)、私も何か欲しいなと思ったんです。それで、自分は海外好きだけどそういうのは歌にしたことがないなと思って。

斉藤:何テイクか録っていくごとにカタルさんが「来たー! 来たー!」って言ってくれたので、日本海系も唄っていて気持ち良かったんですよ(笑)。もうちょっと行けたかな? っていうテイクでも、「来たー! 頂きました!」って言われると、こっちもガッツ・ポーズが出るんですよね。

カタル:もうね、あの時は“この時間が永遠に続いてくれればいいのに…”って思ってた(遠い目)。女性ヴォーカリストに自分の曲を唄って欲しくて、あっちゃんにそういう仕事を取ってきてくれとずっとお願いして何年も経ったけど…やっと来たよ!


メイクで“ピエロになりすませ!”

──メロンのみなさんから見て、カタル・プロデューサーの敏腕っぷりはどうでしたか。

柴田:後ろ姿がたくましくて、格好良かったです。

カタル:後ろ姿!(笑)

柴田:カタルさんは半袖だったんですけど、筋肉が格好良くて写メをずっと撮ってました。

斉藤:あゆみは撮った瞬間、「格好いい!」って。

柴田:筋肉がね(笑)。

カタル:恥ずかしくて後ろ向けなかったからね。でも、凄く楽しかった。ホントにいい経験をさせてもらえたし。

──演奏面で気を留めたのはどんなところですか。

ナボ:特にないよね? 「8ビートで行ったほうがいいんじゃない?」って言ったら、カタルに「ツタツタ…のほうがいい」って言われて。

カタル:だって、ダメ出し喰らったんだもん(笑)。

ナボ:でも、アレンジもスーッとできたよね。

シズヲ:デモの段階でギターのリフはカタル君の中である程度明確なものがあったので、それをそのまま活かしていこうと思って。ギターのフレーズもそんなに苦労しなかったね。ただ、いい音で録りたかったから、音作りに時間は掛かったけど。

ナボ:ああいうツタツタ…で唄ったことはあるの?

斉藤:そこまでのテンポはないですね。

ナボ:普通やらないよね(笑)。唄いづらいとかなかった?

斉藤:いや、凄く唄いやすかったですよ。

村田:歌にうまく乗せられる感じでしたからね。

──しかし、あの過密スケジュールの中でこれだけクオリティの高い楽曲を生み出すとはさすがロティカですね。

カタル:まぁ、僕には2年前から曲の構想があったからね…。

斉藤:あれ? どこかで聞いたことのあるセリフですね。もしかして私たちのことほっとけないですか?(笑)

──また楠瀬誠志郎ですか(笑)。“ピエロになりすませ”という歌詞の通り、ジャケットでメロンの皆さんがあっちゃんのピエロ・メイクを施しているのもパンチが効いていますね。

カタル:あの写真が送られてきたのがツアー中の高松で、凄いテンション上がったね。

村田:でも、メイクはとても難しかったんですよ。

アツシ:白塗りが大変だったんでしょ?

村田:はい。すぐにムラになっちゃって、できないかと思いました。

ナボ:えっ、ホントにメイクしたの? 俺、パソコンで処理したのかと思った。ちゃんとやったんだ?

アツシ:そう、同じ化粧品を使ってもらってね。

カタル:「こうやってメイクするんです」って、イラストを描いて送ったんだよ。

柴田:一度塗ってうまく塗れなかったので、洗い直してもう一度塗ったんですよ。

村田:今日あっちゃんにお会いして、やっぱりご本人は塗り方がキレイだなって思いました。

ナボ:前はもっとキレイだったんだよね。最近は歳をとってノリが悪くなってきちゃったから(笑)。

斉藤:今日はライヴだったじゃないですか。今はメイク直しをした状態ですか?

アツシ:自分でちょっと白く塗っただけだね。

斉藤:キレイですねぇ。

シズヲ:みなさんもカタル君にメイクしてもらえばいいんじゃないですか?

カタル:直接メイクしましょうか? あっちゃんのも僕がやってるんですよ。

メロン全員:エーッ!!

アツシ:そう、僕は自分じゃできないの。

カタル:あっちゃんは僕たちがいないと何もできない人だから(笑)。もう何回メイクしたかね?

アツシ:少なくとも1000回はやってもらってるかな?

カタル:若いバンドと対バンすると、そこのヴォーカリストから「メイクをやって下さい」ってお願いされることがあるんだけど、若い子たちは顔の彫りが深くて、あっちゃんとはだいぶ違うんだよね。このツルンとした彫りの浅さがポイントなんですよ。彫りが深いと星がうまく描けないの。

村田:ああ、なるほど!

──あっちゃんはまさにピエロになるべくして生まれてきたんですね(笑)。

ナボ:俺たちがピエロのメイクをしても全然違うもんね。

斉藤:やったことあるんですか?

ナボ:うん。でも、みんな気持ち悪かったよ。しっくり来るのはあっちゃんだけで、誰がやってもダメだった(笑)。

メロンに『新宿ナナ』を唄って欲しい!

──今回のレコーディングを通して、メロン記念日に似合うロック・ナンバーはどんなものかをロティカの皆さんに伺いたいのですが。

斉藤:カヴァーしてハマりそうな曲は是非知っておきたいです。

カタル:明るい曲調がいいと思うんだよね。声質も判ったから、僕としては1人ずつ似合う曲を書きたいね。

メロン全員:おぉー!!

カタル:系統立てるなら、斉藤さんと大谷さんはハチキレ系。柴田さんはバラード。村田さんはポップス。村田さんはモータウン系のポップスが似合う気がする。ライヴを見て一番ビックリしたのが実は村田さんなんですよ。レコーディングでは判らなかった部分がライヴで見れて。

村田:何が出てくるか“オッタマゲーション”ですから!

アツシ:うまいなー! 合格!

──あっちゃんの合格基準点、かなり低そうですけど(笑)。そんなあっちゃんはどうですか?

アツシ:ライヴ、面白かったですよ。

──いや、4人に合いそうな曲の話です。

アツシ:あっ、そっちか。ロックよりも僕が好きな歌謡曲を唄って欲しいですね。僕、キャンディーズ以来約30年振りにアイドルのライヴを見たんですよ。

斉藤:エッ、ホントですか?

アツシ:女性のアイドルはずっと見てなかったからね。デパートの屋上で見たキャンディーズとか岡田奈々とか、そういうカヴァーを聴きたいな。僕の青春時代の歌を。バックの演奏はロックっぽくしてもらって。

カタル:そういうあっちゃんの好きな歌謡曲テイストの曲を毎回アルバムに1曲入れてるんです。4月に出した『ライブハウスモンスター』で言うと『新宿ナナ』。ライヴで共演できるんだったら、そういうのを一緒に唄って欲しいですね。

アツシ:メロンさんも今回みたいにパンチのある速い曲をどんどん唄って、こういうロックがあるということを広めて欲しい。僕たちもメロンさんのことを周囲のロック・バンドに話しますので、お互い切磋琢磨していきましょう。

カタル:あっちゃん、まとめに入るのまだ早いよ(笑)。

──まだシズヲさんとナボさんから話を聞いてませんから(笑)。

シズヲ:メロンの皆さんは歌声にパンチがあるし、どんなタイプの曲でも行けるんじゃない?

ナボ:何でもできそうだよね。型にハマってない感じでやって欲しいですよ。アイドルっぽいものもできるけど、こんなのもできるんだぜ! っていう力量を見せつける絶好の機会だと思うし。

アツシ:コラボは5弾まで出すんですよね? 6弾目にボーナストラックとしてウチの曲をカヴァーするのはどうですか。つんく♂のところに電話しときますよ、リンリンと(笑)。

カタル:それなら、『新宿ナナ』を是非唄って欲しいな。『新宿で「バイバイ」』でもいいんだけど。

ナボ:ああ、『新宿で「バイバイ」』はいいね。

カタル:4人に僕らの曲を唄ってもらえたら泣くなー。今度音源お送りしますね、まとめて。じっくり聴いて下さい。

──milktubをゲストに迎えた“俺達いつでもロックバカ VOL.163”の際にはメロンの皆さんにロティカのライヴを見て頂きましたけど、あの日のライヴは如何でしたか。

大谷:面白かったですね。ロフトでライヴを見るということも初だったので、どんなもんだろう? ってみんなで見て、凄く楽しめました。ああいうMCもそれまで聞いたことがなかったですし。

カタル:そりゃそうだよね(笑)。

大谷:私たちは初めてだったから前のほうへ入っていけなかったんですけど、次からは勇気を持って入っていこうと思いました。

カタル:ステージに出てもらってもいいですよ。いろいろポイントはあるので。パラパラもあるし。

ナボ:いいね! でも、ダンサー扱いは良くないよ。

大谷:難しいですよ、あのパラパラは。

カタル:全然大丈夫ですよ。是非とも4人でパラパラを!

ナボ:メロン記念日の歌の中に取り込んでもらえばいいんだよ。そしたらお客さんも全員やって凄いことになるじゃん。…その前に登録商標しておこうか(笑)。

シズヲ:メロンさんのファンに浸透したら、逆に俺たちがパクッてると思われるよ(笑)。

2組合わせて“メロティカ・セブン”!?

──あっちゃんによると、この『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』にはタオル回しのポイントがあるそうですが。

カタル:“フーフフフフフー”の部分でしょ。

アツシ:そう、そこでみんなで一斉にタオルを回して頂ければと。タオル売ろうよ、タオル!(笑)

──ロックとレゲエはタオルで稼いでナンボですからね(笑)。

カタル:そういうことです。

斉藤:タオルを回すアイディアは、今後のメロンのライヴに活かしていってもいいですか?

カタル:もちろん。タオルを回してるかどうか、毎回チェックしに行きますよ(笑)。

大谷:じゃあ、グッズでタオルを作ったらいいですね。

アツシ:それがいい! 早速つんく♂にリンリンだよ!(笑)

──メロンとロティカで“メロティカ”っていうロゴを作るのも面白いですよね。

アツシ:2つ合わせて“メロティカ・セブン”とかね。それじゃ“エロティカ・セブン”か(笑)。

カタル:セブンって…。2組を合わせると8人なんですけど?

アツシ:いいじゃん、アリアリ!(笑)

斉藤:おふたりのやり取りで思い出したんですけど、『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』のイントロで“C・H・A・N・C・E”っていう掛け声があるじゃないですか。それをあっちゃんが“P・I・N・C・H”って間違えて唄って、カタルさんから鋭い突っ込みが入ったんですよ。「唄うなら“チャンス”のほうだろ!」って(笑)。

カタル:だって、あり得ないでしょ?

斉藤:あの冷静な突っ込みは笑えましたよ(笑)。あと、最後の“お前の為に誓うさ…”の“誓う”のところであっちゃんが「たーすけてー!」って叫んで、「なんでその言葉なんだよ!?」ってカタルさんが若干切れ気味に注意したら、「僕の気持ちが“たーすけてー!”なんだよ」って(笑)。

村田:まさにナイス・コンビですね。

斉藤:あのやり取りは最高でした(笑)。

カタル:4人の前だから僕も少しは遠慮してたんだよ。僕らだけだったら3人全力で突っ込むからね。「バッカじゃねぇの!?」くらいに(笑)。

──今後3組のロック・バンドとコラボレートするメロン記念日に、ロティカの皆さんから何かアドバイスがあれば是非。

ナボ:そうだな、「ウチよりいい曲書くな!」って言っといて。

シズヲ:それ、メロンさんに対するアドバイスじゃないよね(笑)。まぁ、どんなタイプの曲でも唄いこなせるだろうし、どのバンドと組んでもメロン記念日の色が出ると思います。自信を持ってやって頂ければ。

メロン全員:ありがとうございます!!

アツシ:僕は、楽しくやって頂ければ、それで…。

シズヲ:音楽的な話になると、ホントに口数減るよね(笑)。

──タオル・ビジネスのことは懸命に話すんですけどね(笑)。カタルさんからは?

カタル:あと3作でまたいろいろ学べると思うし、また次の機会で僕らと会えた時にそれまでの経験が活かされるように楽しみにしています。また次のチャンスを頂けると信じていますので(笑)、その時まで頑張って下さい。

ヲタモダチも一緒に唄って欲しい

──メロンの皆さんにとって、この『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』は皆さんのレパートリーの中でどんな位置づけの曲になりそうですか。

村田:間違いなくライヴ後半戦の曲ですよね。コーラスでサッカーのサポーターみたいなところがあったりして、そういうところも聴いてもらいたいし、みんなで一緒に唄えたらグッと来るでしょうね。

大谷:そうだね。最後の“お前の為に唄うさ…”“お前の為に誓うさ…”って叫んでるところはホントに泣きそうになるし。

カタル:嬉しいね。“お前の為に唄うさ…”を大谷さんに唄ってもらった甲斐があったよ。

──カタルさんは、「彼女はイイ! 金髪だし、パンチあるし!」とカタルちゃん日記で大谷さんを大絶賛してますからね(笑)。

斉藤:2ショット写真がブログにありましたもんね。さっきも写メを撮ってたの知ってますよ(笑)。

カタル:ち…違うんだよ! あそこで大谷さんに振ったのは、その後の斉藤さんに繋げる前振りなんだよ!(必死)

──プロデューサーらしからぬ取り乱しっぷりですね(笑)。柴田さんは?

柴田:コラボ第1弾のビークルさんの曲もライヴ後半に頂いたんですけど、今回もどこに置いたらいいか迷ってしまうくらいの曲ですね。凄く大切な曲です。

──柴田さんとしては、今回はラップがなかったのでひと安心だったんじゃ…。

柴田:コラコラ。

カタル:そうか、ラップも入れておけば良かったね。

柴田:でもやっぱり、ひとみんの日本海系は学んでいかなきゃいけないって思いましたよ(笑)。

──今回、柴田さんのヴォーカルはMPが多かったですね。

カタル:“全開バリバリ”の“全開”が良かったよね。

柴田:“全開”の部分は「少年っぽく」って言われたんです。その後に外国の方が出てきますけど(笑)。

──最後の“お前の為に誓うさ…”を堂々と唄い上げた斉藤さんは?

斉藤:最後はテンションが上がりすぎて、叫びすぎて反りすぎて、ヘッドフォンまで外れちゃったんです(笑)。斉藤的には、この楽曲はアンコールで最後に唄ってライヴを締めると、みんなが凄く楽しい気分になって帰れるんじゃないかなと思っています。底抜けに楽しい楽曲ですからね。

大谷:「ライヴで1回しか唄っちゃダメなの?」って訊きたくなりますよね。本編中にやって、アンコールもこれで締めないと終われないよね? っていう感じの曲じゃないかなと思います。オイオイ叫ぶ曲はメロンの中にたくさんありますけど、これはもっと好きなように踊れる曲だと思うんですよ。ライヴではこの曲で散々踊って、全部出し切って帰って欲しいですね。

──4人だけで唄う時は、あっちゃんが叫ぶ“ラブミーテンダーホレテンダー”の部分はどうなるんでしょう?

大谷:どうしましょう?

斉藤:斉藤は無理ですよね。その前の“恋をしようぜ”を唄ってますから。

ナボ:あの部分、あっちゃんにはもうちょっとうまくやって欲しかったから、むしろあっちゃんじゃないほうがいいよ(笑)。

アツシ:斉藤さん以外の3人でもいいし、お客さんが叫ぶのもいい。お客さんも一緒に唄って欲しいと思いながら書いた詞ですから。

斉藤:きっと、あっちゃんのパートはヲタモダチの皆さんが覚えて唄ってくれると思いますよ。

アツシ:その時に使えるウチワとか作りましょうか? カタルのデザインで!

シズヲ:また元気に喋り出したよ。グッズの話になるとすぐこれだ(笑)。

ナボ:八王子の商人だから仕方ないよ(笑)。



メロン記念日ロック化計画第2弾
メロン記念日×ニューロティカ
ピンチはチャンス バカになろうぜ!

TGCS-5700 / 800yen (tax in)
01. ピンチはチャンス バカになろうぜ!
02. ピンチはチャンス バカになろうぜ!(Instrumental)
作詞:ATSUSHI/作曲:KATARU/編曲:NEW ROTE'KA
7月22日(水)、全国のタワーレコードで限定発売!!
今後発売予定のコラボ作品を含めた5作すべてをタワーレコード店頭で購入した方のみ、5作連続購入者特典「オリジナルCDボックス」をプレゼント!
そして…7月15日(水)の“MELON LOUNGE”(渋谷O-EAST)にて先行販売します!(会場購入者限定特典あり)



速報!!
先日の野音でのライヴにDJムメが参加した“ミドリ”とのコラボが実現!!
ジャンル・カテゴライズできない“ミドリ”とのコラボで“メロン記念日”も進化する!?


メロン記念日ロック化計画第3弾
メロン記念日×ミドリ
sweet suicide summer story

TGCS-5713 / 800yen (tax in)
01. sweet suicide summer story
02. sweet suicide summer story(Instrumental)
作詞:後藤まりこ/作曲:ミドリ/編曲:ミドリ
8月12日(水)、全国のタワーレコードで限定発売!!
今後発売予定のコラボ作品を含めた5作すべてをタワーレコード店頭で購入した方のみ、5作連続購入者特典「オリジナルCDボックス」をプレゼント!
そして…7月23日(木)の“イインダヨ!グリーンダヨ!!”(新宿LOFT)にて先行販売します!(会場購入者限定特典あり)


Live info.

MELON LOUNGE
日時:2009年7月15日(水)
会場:東京・渋谷O-EAST
時間:開場 18:00/開演 19:00
*21:45終演予定(進行状況により前後する可能性があります)
料金:オールスタンディング ¥4,000(税込・別途ドリンク代¥500必要)
LIVE ACT :メロン記念日/ニューロティカ 他
チケット一般発売日:7月4日(土)
e+(イープラス)http://eplus.jp/
問い合わせ:オデッセー 03-5444-6966(平日11:00〜18:00)

SHINJUKU LOFT PRESENTS『イインダヨ!グリーンダヨ!!』
日時:2009年7月23日(木)
会場:東京・新宿LOFT
時間:開場 18:00/開演 19:00
料金:オールスタンディング 前売¥3,000/当日¥3,500(税込・別途ドリンク代¥500必要)
LIVE ACT :ミドリ/メロン記念日
チケット一般発売日:7月5日(日)
ローソン(L:73722)http://l-tike.com/
問い合わせ:新宿LOFT 03-5272-0382

メロン記念日 official website『メロン記念部』
http://www.up-fc.jp/melon/

メロン記念日 official blog『MELON LOUNGE』
http://blog.oricon.co.jp/melonlounge/

ニューロティカ official website
http://www8.big.or.jp/~roteka/

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