咳払いするのも躊躇われるような厳かな雰囲気を想像していたらさにあらず、程良くキリッとした空間の中で響き渡るタテさんの無垢なる歌声、本当に素晴らしかった。ピアノだけではなくドラム、木琴、フルート等々いろんな楽器を縦横無尽に弾きまくる石橋さん、相変わらずオットコマエでした。基本的にはアチコさんとのデュオで聴かれる役回りと同じなれど、タテさんと組む時はもっと凛とした風情が生まれますな。
途中、タンバリンやカスタネットをお客さんに渡して演奏に参加してもらうという趣向があり、客席を走り回るタテさんからカスタネットを手渡された。吉村さんの隣だったので目立ったのか、イースタンユースのシャツを着ていたからか。もちろん、酔いに任せてリズム感皆無ながら気持ち良くブッ叩かせて頂きましたとも、ええ。
終演後、吉村さんが「ヤスオんちに行こう!」と言うので、ウチのオンボロマンションとご近所である雷矢のヤスオさん邸へ。ウイスキーを呑み干した我々、行きに立ち寄ったコンビニでまた缶の白角を買って野方まで移動です。
ヤスオさんちの宅呑みは何度かお邪魔させて頂いてますが、この日も当然カオスでした。翌日吉村さんから「記憶なし…」とメールがあったので推して知るべし(笑)。
久々にキャベジンを必要とした土曜日、昼に渋谷で自社アーティストのインタビューを終えてライブレポのため野音へ。開場時間にメロン記念日の村田めぐみさんがDJムメとして盛り上げ、猫ひろしさんが前説でさらに煽り、本編であるミドリのワンマンの後にクリトリック・リスがまさかの〆を飾るという実に多彩かつユニークなイベントだった。
去年の四次元ジャック・ツアー時の衣装に身を包んだ村田さん、フリージアや運命で一部生歌も披露。アウェイな場であるにも関わらず、前方でヲタモダチが果敢に盛り上げる姿は村田さんもとても頼もしく感じたのではないだろうか。最後に掛かった新曲『DON'T SAY GOOD-BYE』でも村田さんの歌声が一部聴けたが、同曲がライブにおける新たなキラー・チューンになることを強く確信した次第。
ミドリは生粋のライブ・バンドであることを改めて印象づけた威風堂々な佇まい。パンクのライブなんだからもっと前に来いとまりこさんが煽ると、オーディエンスがゾゾッとステージ前まで詰め寄った。座席指定も何もまるで関係なしのカオス。恐らく経緯を見守るイベンター同様、個人的には野音で20年前に起きた悲しい事件をどうしても連想してしまったけれど、ライブという生の空間ならではの予測不能な展開にググっと身震いした。事実その後の会場全体の一体感たるや凄まじく、やっぱりロックはこうでなきゃ、と思った。
写真は、本文とは全く関係なく先日ネイキッドロフトで行なわれた『ニューロティカ カタルの今夜はトゥナイトDX』(お陰様で売れてます)刊行記念イベントのステージ。編集担当のやまだと司会をやらせて頂きました。カタルさんの穏和な人柄とお客さんの優しさに溢れたあったかいイベントだったなぁ…。(しいな)