高3の受験間際に見たジョージの最初で最後の来日公演、チケット代と電車代だけで精一杯で、パンフを買うお金がなかったんだよなぁ。だから18年越しに入手できてちょっと本気で泣けた。ウレチイ。
ポールのベスト盤は日本の初回盤とUK盤とUS盤をそれぞれ持っているので(収録曲がそれぞれ若干違う)もういいかなとは思ったが、パンフだけだと何だか申し訳なくて購入した。帯の『やっと会えたね』というキャッチも懐かしかったし、ゴールドCDだしまぁいいかなと。ちなみにポールの初来日もパンフまではとても手が回らんかったです。高1にとってのチケット代1万円は、今の自分にとっての10万円くらいには相当するんでなかろうか。パンフはおろかツアー・グッズなんて到底無理だ(水道橋駅前で売っていた違法グッズすら手が届かんかったもんな…)。
欲しいものというのは、欲しい欲しいとガツガツしている時には手に入らないものなのかもしれない。水が沸騰するのを見守るうちはなかなか沸騰しないのに何だか似ている。
パンフを入手できた夜、寝る前にジョージの『ライブ・イン・ジャパン』を久しぶりに聴いた。初めて聴いた時と同じく、音が妙にクリアすぎてまるで臨場感がなく、クラプトンの唄うパートがごっそりカットされているのにやはり物足りなさを覚える。18年前と何ら変わらぬこの感慨。要するに何の成長もしてないわけだ(笑)。が、多感だったあの頃に何度も何度も繰り返し聴いた音楽が今の自分の血となり骨となっているのは確か。迷った時の岐路やまだ見ぬ明日へと自分を導いてくれるのはいつ何時も純真なる音楽なのだなぁとつくづく感じる春の陽光であります。(しいな)