各界屈指のK2ファンが語る、稀代のエンターテイナー“吉川晃司”の深淵なる魅力
1984年2月1日、シングル『モニカ』でデビューして以来、既存の概念を突き破るスタンスで常に第一線を疾走し続けてきた吉川晃司が、今年目出度くデビュー25周年を迎える。その湧き上がる表現意欲は音楽だけに留まらず、俳優として映画、ドラマ、ミュージカル等にも出演し、どの分野でも破格の存在感を放っているのは周知の通りであり、八面六臂の活動を続ける稀代のエンターテイナーと呼ぶに相応しい。そんな吉川のアニヴァーサリー・イヤーを記念して、先月末にライヴ・ヒストリーDVD『LIVE archives 25』が発表されたばかりだが、本誌でもそれに連動して祝賀企画を組むことにした。昨年、ロフトプラスワンで“CLUB KIKKAWA”なるDJイヴェントを開催したダイノジの大谷ノブ彦、VIOLETS/Radio Carolineで精力的にライヴ活動を続けるPATCHの両氏に吉川晃司の深遠なる魅力を語り倒してもらおうと座談会を決行したのだが、取材場所として利用した居酒屋の隣席に“ジュニアのカリスマ”こと新日本プロレスの金本浩二選手がいることが判明。これぞまたとない“YOU GATTA CHANCE”とばかりに急遽金本選手にもこの座談会に乱入してもらうことになり、さらに大谷が格闘技通であり金本選手の大ファンでもある相方の大地を呼び出すことに。これも稀代のエンターテイナーが呼び起こした奇跡なのか!? いずれにせよ、決して一筋縄では行かない吉川晃司という“BOY'S LIFE”の片鱗が少しでも読者に伝われば幸いである。(interview:椎名宗之)
吉川さんに“なりきることの大切さ”を学んだ
──まずは皆さんの吉川さん初体験のお話から伺いたいのですが。
金本:僕はやっぱり『モニカ』からですね。吉川さんがピンクのジャケットを着てテレビに出ていた時代。あれは高校の何年やったかなぁ…。
大谷:金本さんはおいくつですか? 俺は36なんですけど。
金本:42。PATCHさんは?
PATCH:37です。
──ということは、金本さんが吉川さんの1歳下、PATCHさんが6歳下、大谷さんが7歳下なんですね。吉川さんがデビューした当時は、金本さんが18歳、PATCHさんが13歳、大谷さんが12歳ということになります。
金本:じゃあ『モニカ』は高3の時だ。吉川さんが片腕でバック転を決めるのを学校でよく真似てましたね。
PATCH:俺も『モニカ』ですね。中1で多感な頃だったから、“サンクス”が“セックス”に聴こえるのに過剰に反応してました(笑)。
大谷:当時、地方の学生は『デラべっぴん』と『モニカ』で興奮してましたからね(笑)。
PATCH:確か、『ザ・ベストテン』の“もうすぐベストテン”に『モニカ』で出演されてましたよね。あれを見て、随分と野暮ったい人が出てきたなと(笑)。甘いマスクの優男が多い中で、ガタイはいいし、目は一重だし、角刈りみたいな髪型だったし(笑)。“この人、アイドルなのかな?”って気になったのが最初の記憶ですね。
金本:あの逆三角形の体型は、男子用のトイレのマークみたいだと言われてましたよね(笑)。
大谷:俺も『モニカ』はテレビで見てましたけど、当時は全然関心がなかったんです。まだ音楽も詳しくなかったし、単なるテレビの中の人って言うか。吉川さんを猛烈に好きになったのはかなり後の話なんですよ。
──大谷さんやPATCHさんの世代は、COMPLEXの存在がかなり大きいのでは?
大谷:BOφWYの影響力が凄かったですからね。今は都庁になってる新宿の都有3号地で、BOφWYや大沢誉志幸さんたちが大雨の中やったライヴがあるんですよ。それに吉川さんも出てて、最初に頭からバケツの水を被ったり、『1994 -Label Of Complex-』をBOφWYと一緒に唄ったり、高い柵からジャンプしたりするのを同じクラスの連中とよく見て真似してましたね。
金本:『ザ・ベストテン』で『キャンドルの瞳』がランク・インした時、ロープに足を掛けてターザンみたいに唄ったこともあったでしょう?(笑)
大谷:ありましたね。黒柳徹子さんが必死に逃げ回るっていう(笑)。俺が吉川さんのことを熱狂的に好きになったのは、COMPLEXが解散した後なんですよ。自分のラジオ番組のタイトルを『キスで殺してくれないか』って命名したことがあって、それは如何にも吉川さんのレパートリーにありそうな感じを狙ったんです(笑)。その番組でも毎週必ず吉川さんの曲を流してたんですけど、よく聴くとメロディも凄くいいし、メチャクチャ格好いいなと思って。実際にライヴへ行ったらもの凄く格好いいし、そこから一気にハマりましたね。
PATCH:吉川さんの物真似もしてますよね?
大谷:ファンの人に「似てる!」と言われてから、『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』でやらせてもらってますね。
──今回、ライヴ・ヒストリーDVDが発売されましたけど、吉川さんの魅力をダイレクトに感じられるのはやはりライヴに尽きますよね。
大谷:あのキレのいい動きは問答無用だし、生で見ると凄まじい迫力ですからね。
金本:ライヴは文句なしに格好いいですね。CD以上の圧倒的なインパクトがあると思うし。
大谷:MCも何を喋ってるのか判らない面白さがあるんですよね(笑)。あんなに格好いいのにどこかおかしみがあるのは、ちょっとプロレスっぽいと思うんですよ。プロレスって、格好良さと面白さが共存してる部分があるじゃないですか。格好良すぎて笑えちゃうって言うか。
金本:僕は吉川さんのライヴを見て、プロレスをやる上で勉強になるなと思ったんですよね。なりきることの大切さという部分でね。プロレスをやってて、醒めた意識があるのはダメなんですよ。
自ら掲げたハードルを飛び越える強い意志
大谷:ああ、それは確かに。PATCHさんも醒めちゃう部分ってあるんじゃないですか?
PATCH:フリ上手ですね(笑)。大袈裟に言えば、ライヴは生き様だと思ってるんですよ。俺はステージの上にいる時とステージを降りた時が余り変わらないようにしてるし、ライヴでも自分を客観的に見ないことにしてますね。疲れてないようなら、最後のほうにわざとムチャをやって疲れるようにしたりして、常に自分を追い込んでますね。
大谷:ウチの嫁はまだ22歳で、もともと原爆オナニーズのローディーをやってたヘンな女なんです。当然、吉川さんとは全く縁がないわけですよ。吉川さんがデビューした頃は生まれてもいないし。でも、俺が家で吉川さんのライヴDVDを見ているうちに格好いいと思えるようになったみたいで、一度生のライヴを見せたくて年末のライヴに嫁と子供を連れて行ったんです。そしたら、嫁は横でずっと「格好いい!」を連呼してて、俺が真似してるみたいにMCが何を言ってるかさっぱり判らなくて最高だと言ってましたね(笑)。そうやって今の若い女性にもアピールできる懐の深さが吉川さんにはあるんですよ。だから俺、吉川さんってディズニーランドみたいな人だなと思って。それでいて、狭苦しい世の中に風穴を開けて欲しいとか、既存の概念をぶっ壊して欲しいとか、俺たちが思うことをやってくれる人なんですよね。
──確かに。今大谷さんが仰った、昨年末に代々木競技場で行なわれた“25th Year's Eve”を金本さんもPATCHさんもご覧になったそうですが、如何でしたか。
金本:僕はそのライヴの時に初めて楽屋で吉川さんにご挨拶させて頂いたんですけど、身体が細いなぁ…と思いましたね。ライヴの時は凄く大きく見えたし、もっとごついイメージがあったんですよ。あと、吉川さんに「同じK2だね」みたいなことを言われたのはファンとして嬉しかったですね。
──ああ、金本さんの愛称は吉川さんと同じ“アニキ”だし、ブログのタイトルも“K2 Diary”ですもんね。PATCHさんは?
PATCH:俺もライヴは初めて見たんですけど、純粋に凄いなと思いましたね。男性のファンが多いのも、MCがアットホームな感じだったのも意外だったけど、ロックだなと思った。演奏はバック・ミュージシャンっぽい人が弾いてるのかと思ったら、エマさん(菊地英昭:ex.THE YELLOW MONKEY)やアベさん(アベフトシ:ex.thee michelle gun elephant)とかが弾いてるし。それまでは失礼な話、芸能界の人っていうイメージもあったんですけど、あのライヴを見て見方が急に変わりましたね。
大谷:そうですよね。だから吉川さんには夏の野外フェスにも出て欲しいんですよ。矢沢永吉さんが“ロック・イン・ジャパン・フェスティバル”に出た時も若いオーディエンスの価値観が変わる瞬間が見えたし、同じことが吉川さんでも起こり得ると思うんです。“面白い”っていう言い方は“格好いい”の究極であって、吉川さん自身がちゃんと吉川晃司になりきっているからこそ、俺たちは心行くまであの吉川ワールドを堪能できるんですよ。
──十八番であるシンバル・キックも、その吉川ワールドの重要な一部ですよね。
大谷:そうそう。ライヴハウス畑では、ニューロティカがオリジナルだと思ってる人もいるかもしれないけど(笑)。俺も昔、コント・ライヴのオチをシンバル・キックにしたことがありますよ。シンバルを大地に持たせて、「ワチャチャ!」って言いながら(笑)。
金本:蹴れるんですか?
大谷:蹴れますよ。ああいう時は思いきり高く行きますから(笑)。
──学生時代に水球をやっていたこともあるのかもしれませんが、吉川さんのライヴに懸ける姿勢はどこかアスリートを彷彿とさせるところがありますよね。
金本:僕もそれは思いますね。だからこそ自分も勉強になると言うか。
大谷:泉谷しげるさんにとってのいいライヴの基準は、ギターの弦が1本切れたかどうからしいんですよ。そういう表現者の勝手な理屈って大事だと思うんですよね。自分の掲げたハードルを飛び越えられてこそいい表現ができると思うし、お笑いにしても、ただウケればいいってわけじゃない。お客さんを満足させることももちろん大事だけど、自分自身に手応えがなければ全く意味がないですよね。吉川さんも自分のライヴでは必ず高いハードルを設定してると思うし、それを絶対に越えてやろうという強い意志を俺は感じるんですよ。そんな吉川さんの姿が俺には痛快なんです。
『RAMBLING MAN』には芸人としての指針がある
──既存の枠には決して収まろうとせず、規格外のチャレンジを常に続けているのが吉川さんの大きな魅力のひとつですしね。
大谷:そうですね。あと、意外とチャーミングなところも好きですね。やり取りをさせて頂いてる携帯メールの文面が「〜だのぅ」だったり、絵文字を多用してみたり(笑)。
──ちなみに、皆さんの好きな楽曲はどの辺りですか。
PATCH:俺はやっぱり、初期の印象が強いですね。佐野元春さんが書いた『すべてはこの夜に』とか。あの頃、子供ながらに“次のステージに行こうとしてるのかな?”と思ったので、結構イメージとして残ってますね。
金本:昔よく聴いてた曲を今聴くと、その当時の思い出も一緒に蘇るじゃないですか。僕の場合、それで言えば『サヨナラは8月のララバイ』なんですよ。あの曲が凄く印象深いんですよね、こっち方面で(笑)[と、小指を立てる]。
大谷:はははは。俺はロフトプラスワンで“CLUB KIKKAWA”っていうDJイヴェントをやったことがあるんですよ。有り難いことに、そのイヴェントに吉川さんが大きな花を贈って下さったんです。
──そうなんですよね。吉川さんと対極を行くサブカルの殿堂に(笑)。
大谷:そう、マイナスのイメージが付くかもしれないのに(笑)。そのDJイヴェントに吉川さんのコスプレをした人がたくさん集まって、オールナイトで踊りまくるわけですよ。いろんな人が選曲するから曲も被るんですけど、その日に一番多く掛かった曲って、COMPLEXの『RAMBLING MAN』だったんですよね。
──へぇ。それはちょっと意外ですね。
大谷:それは何故かと言うと、俺がメッチャ掛けたからなんですよ(笑)。以前、ナインティナインの矢部さんが司会の番組で、自分が前に出られなくて落ち込んだことがあったんです。で、収録が終わって矢部さんから「おまえのことなんて誰も知らないんやで」って言われたんですよ。それが凄く嬉しかったんです。要するに、「おまえが思ってるほど他人はおまえのことに興味がないんだから、もっとメチャクチャにやっていいんだよ」と。それと同じような歌詞が『RAMBLING MAN』にはあるんです。“たかがおまえのことなんて 世の中誰も知りやしない/YOU'RE JUST A RAMBLING MAN/思い知らせてやれよ”っていう。芸人として生きる上での指針があの曲にはあるし、自分にとっての応援歌としても好きなんです。吉川さんって、さり気なくそういうフレーズを入れるんですよね。全編応援歌ってわけじゃないんだけど。
──『TARZAN』の歌詞にある“魂に衣などいらないぜ”や“おまえを全部晒せよ”とかもそうですよね。それも全然説教じみているわけじゃなくて。
大谷:そうなんですよ。その数行後には摩天楼がどうこうとか、ウイスキーを呷ってとかのフレーズが出てきますからね(笑)。そういうところも俺は凄く好きですね。あくまでポップ・ソングであろうというのが窺えるから。だって、“KISS、KISS、KISS、KISS、KISS、弾丸のKISS”(『パンドーラ』)ですよ? PATCHさん、あんな歌詞書けますか?(笑)
PATCH:自分によっぽど自信がないとダメだよね(笑)。
──吉川さんのプレイを見たPATCHさんがどう感じたか、是非伺いたいですね。
PATCH:Rooftopっぽく判りやすく言うと、ちょっとギターウルフみたいな感じがあるよね。本気でやりすぎてるおかしさって言うか。
大谷:ああ、それは凄くよく判る!
PATCH:そんなこと言ったら、どっちのファンにも怒られるかもしれないけど(笑)。ギターウルフも最初に見た時は“何じゃこりゃ!?”と思ったけど、最後には笑いを通り越して感動してたからね。吉川さんのライヴもそんな感じでしたよ。曲調も思いのほか早いし、未だにステージを全速力で走る姿を見て、そこまでやるのか! と。あれは純粋に凄いなと思って。
今なお現役として突っ走ることの凄さ
──ここでダイノジ・大地が遅れて登場──
大地:[憧れの金本選手と対面して歓喜の声を上げながら]ウワーッ、どうも初めまして! 大地と申します!
金本:どうもどうも、金本です。
大地:PATCHさん、どうもご無沙汰してます!
PATCH:ご無沙汰してます。だいぶ前ですけど、Radio Carolineで番組にお邪魔した時はお世話になりました。
──大地さんも、衝撃を受けたのはやはり『モニカ』ですか。
大地:そうですね。小学校の5年生くらいの時に『ザ・ベストテン』で初めて見て、とんでもない人が出てきたと思いましたよ。だって、片手でバック転しながらプールへ飛び込むんですからね(笑)。
大谷:さっきもその話で盛り上がったよ。大地は当時からとんねるずさんの物真似をやってるようなテレビ大好きっ子だったんですよ。
大地:吉川さんもよく見てましたよ。あと、当時『PATi PATi』で使われてた吉川さんの刺々しいロゴがあって…。
大谷:『A-LA-BA・LA-M-BA』のジャケットに使われてたロゴだね。
大地:うん。それを真似て、大地洋輔っていうロゴをカッティング・シートで何とか作れないかと思ってたんですよ(笑)。
大谷:そうだ、吉川さんに何で最初抵抗があったのか今思い出した。小学生の時、同じクラスの女子に「最近、どんな音楽が好きなの?」って訊かれたんですよ。その時に「この間テレビに出てた“ヨシカワコウジ”」って言っちゃったんですよね。そしたらその女子に「バーカ! あれは“キッカワコウジ”って言うんだよ!」って言われて、凄く傷ついたんですよ(笑)。
大地:それがトラウマになっちゃったんだ(笑)。
大谷:そう、あれを“キッカワ”と読むのは邪道だとずっと思ってたから(笑)。でも今思うと、“キッカワ”っていう音の響きが最高に格好いいんですよね。
──大地さんの好きな吉川さんの曲は?
大地:COMPLEXはもちろんですけど、印象に残ってるのはやっぱりBOφWYの『1994 -Label Of Complex-』ですね。何度聴き直しても、掛け合いがどこで氷室さんなのかどこで吉川さんなのかが判らなくて。ずっと聴き込んでたら凄く好きな曲になったっていう。だから思い出すのは、新宿の都有3号地の…。
大谷:その話もさっきしたよ(笑)。あれと“広島ピース・コンサート”は俺たちの青春ですから。それも20年以上前の話だし、吉川さんは今も現役として突っ走ってるのが凄いんですよ。俺たちは今年で芸歴15年なんですけど、歳を喰っても現役でいられることの凄さを年々感じてるんです。
大地:体力とモチベーションを絶えず持ち続けなければいけないですからね。しかも、吉川さんって常に新しいことに挑もうとするじゃないですか。去年吉川さんが主役を演じたミュージカル(『SEMPO』)を見させてもらって、それも凄く良かったですからね。
大谷:感動したよね。やっぱり破格の存在感だと思いましたよ。
大地:存在感は凄いね。『ザ・ベストテン』でも、黒柳徹子さんと久米宏さんが話してる後ろで座ってる吉川さんに目が行っちゃってましたから(笑)。金本さん、そういうの覚えてないですか?
金本:『夜のヒットスタジオ』で吉川さんが藤井フミヤさんの帽子をバッと取って、そこで喧嘩になりそうな雰囲気だったのは覚えてますね(笑)。あと、『紅白歌合戦』でギターを燃やして、NHKを出入り禁止になったりとか(笑)。
──『にくまれそうなNEWフェイス』の時ですね。類い希な存在感という側面で言えば、三池崇史監督の『漂流街』に出演した時の吉川さんも異彩を放っていましたよね。
大谷:俺も『漂流街』は大好きですよ。あのトイレの喧嘩シーンとか最高ですよね。あのシーンが見たくてDVDを買いましたもん。
──吉川さんのように音楽と芝居をちゃんと両立させているエンターテイナーもなかなかいないと思うし。
大谷:SMAPや嵐以降、少なくなりましたよね。それに、今はすぐに干されちゃいますから。
いつまでも規格外の人であって欲しい
──あと、天下のナベプロから独立して、自分の信ずる道を行くところも同じ男としてシビれるんですよね。
大地:そうですよね。そこに留まっていれば安泰なのにも関わらず。
──しかも、ナベプロの創業者である渡辺晋社長の命日には墓参りを欠かさないという。
大谷:男気と仁義がある人なんですよね。ちょっと前に、散歩の途中で布袋夫妻と擦れ違って挨拶したってブログに書いてあったじゃないですか。あれを読んで“COMPLEXの再結成、あるんじゃないか!?”って思ったんだけどなぁ…。COMPLEXとユニコーンが昨今の再結成ブームに終止符を打つと思ったのに。あとはやっぱり、GYOGUN REND'Sの再結成ですかね(笑)。
PATCH:ちっちゃいとこ突いてきたなぁ(笑)。一応、ROXXっていう八戸のライヴハウスの20周年記念ライヴにGYOGUN REND'Sとして8年振りに出ることになったんですけどね(笑)。
──吉川さんとPATCHさんが共演すべく、吉川さんに“DRF”への出演オファーを掛けてみるとかどうですか。
大谷:それは俺たちにとって最後の夢なんですよ。だから俺、早いとこ癌にならないかなと思って(笑)。
PATCH:命を引き替えに(笑)。
大谷:それを吉川さんに言えば出てくれるんじゃないかって(笑)。まぁ、城下かれいっていう大分でしか獲れないカレイを食べさせてくれたら出てもいいって言われたことはあるんですけどね(笑)。吉川さんは魚に弱いですから。
──では最後に、デビュー25周年を迎える吉川さんに向けて、誌面を通じてメッセージをお願いします。
金本:僕はやっぱり、自分の仕事に対してやる気が起こるような曲をこれからも今まで通り作っていって欲しいですね。あと、できれば今の感じでアレンジを変えた『サヨナラは8月のララバイ』を音源にして欲しいです。
PATCH:月並みですけど、このまま突っ張って走り続けて欲しいですよね。それと希望が叶うなら、過去に出演したテレビ番組のアーカイヴDVDをリリースして欲しいです。面白いシーンがたくさんありそうなんで。
大谷:ああ、それは見たい! さっき金本さんが仰っていたフミヤさんとの一幕とかね(笑)。
金本:僕はそれ、ビデオに録ってますから(笑)。
PATCH:同じ『夜のヒットスタジオ』で、アン・ルイスさんと『六本木心中』をデュエットしてるのとか見たいじゃないですか。あと、『ザ・ベストテン』の特番で、BOφWYのリズム隊と3人で演奏した『モニカ』とか。そういうのを集めたDVDが見たいんですよ。
大地:僕は今の若い人たちが吉川さんの凄さをちゃんと理解してないような気がするので、どんどんテレビに出て欲しいなと。歌番組はもちろん、ヴァラエティにもドラマにもどんどんと。
大谷:結構パロディ・コントとかにも出てるんだよね。『ワンナイ』の“あぶないWコウジ”にも出て、ぐっさん(山口智充)の“吉川コウジ”と共演してたから(笑)。
──“焼き肉まれそうなNEWフェイス”って吉川さん本人が言ってましたよね(笑)。
大谷:そうそう(笑)。ああいう懐の大きさがいいんですよね。俺は一度酔っ払って吉川さんにメールしたことがあって、そこにも書いたんですけど、お世辞抜きで一番格好いい人だと思ってるんですよ。曲も、立ち姿も、笑えるところもすべて。自分で会社を立ち上げて運営していらっしゃるから、スタッフを守らなくちゃいけないという部分も絶対にあると思うんです。ただ、そこで決して守りに入ることなく突っ走って欲しいし、いつまでも規格外の人であって欲しい。“そっちへ行くとマイナスになるんじゃないか?”という道のほうへ突き進むのが吉川晃司だと僕は思うので。
──リスクの大きいマイナスのほうに賭けるのは、岡本太郎さんも吉川さんも同じなんですよね。
大谷:そうなんですよ。昔は役者をやることに対して抵抗があったのに、それがステージに反映できると思えば果敢に挑戦したじゃないですか。芸能界はしがらみの多い所だけど、そんなしがらみからはみ出すような人であり続けて欲しいですね。
金本:全くの同感ですよ。吉川さんの背中を見てると、凄く勉強になりますからね。
大谷:じゃあ、金本さんも試合に勝った時にシンバル・キックをキメることにしましょうよ(笑)。
大地:ヤング・ライオン(新日の若手選手)たちがシンバルを吊してね(笑)。
大谷:…この座談会、単なるファンのオフ会みたいになってるけど大丈夫かな?(笑)
吉川晃司 LIVE BEST DVD
LIVE archives 25
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKBA-1124
3,800yen (tax in)
IN STORES NOW
1984年2月に『モニカ』でデビュー以来、25周年を迎える吉川晃司のライヴ・ヒストリーのすべてを凝縮したアーカイヴDVD。ファンから要望の多かった未DVD化映像を含む、エンタテインメント性の高い破壊力満点のライヴ・パフォーマンスを多数収録。
>>information
>>PATCH
VIOLETS:3月12日(木)仙台LIVE HOUSE enn/3月19日(木)大阪福島LIVE SQUARE 2nd LINE/3月20日(金)名古屋池下CLUB UPSET/3月21日(土)幡ヶ谷CLUB HEAVY SICK/3月28日(土)新宿red cloth/3月29日(日)仙台LIVE HOUSE enn
GYOGUN REND'S:3月14日(土)八戸ROXX
>>ダイノジ
3月11日(水)阿佐ヶ谷ロフトA(ダイノジ&君徒踊李隊トークライヴ)/3月14日(土)新宿ロフトプラスワン(CLUB VISUAL)
>>金本浩二
4月5日(日)両国国技館(新日本プロレス)
*3月22日(日)、ドラゴンゲート両国国技館大会でベルトに挑戦!