ギター バックナンバー

DISK RECOMMEND ('09年1月号)

LOFT PROJECTのスタッフがイチオシのCD・DVDを紹介!!
レビューページの画像をクリックすると、Amazonのページにリンクします。

★以下のジャケットをクリックすると、各レビューが読めます。

cd_pickup.gif

Discharming man / dis is the oar of me

TRCP-48 2,800yen (tax in) / 1.21 IN STORES
七転八倒の末に到達した、無垢な美しさを湛えた妙なる音楽

たとえば10年後に“日本語ロックの名盤100選”という企画が音楽誌で組まれるならば、その上位10枚のうちに必ず選定されなければならない作品である。10年、いや、20年、30年後にもその輝きを放ち続けるであろう大作である。  元キウイロールの蛯名啓太によるソロ・ユニット、ディスチャーミング・マンのセカンド・アルバムであり全国デビュー盤となる本作は、2005年春のプロジェクト始動から今日に至るまでの代表曲を再録したベスト・アルバムとしての趣きもある。今号に掲載している蛯名へのロング・インタビューの中で、彼が「このアルバムは俺の遺言みたいなもの」と発言しているが、それは決して大袈裟な表現ではない。このアルバムを完成させるまでの4年近くの歳月の中で、彼は自身のアイデンティティの確立に七転八倒していたのだから。そこには、キウイロールという高校の同級生と共に13年間育んだ蒼の季節の反動もあった。4年近くの歳月は、キウイロールの幻影を完全に払拭するために必要不可欠なものだったと言えなくもない。キウイロールという意識的に遠ざけていた過去を自分自身の一部であり決して切り離せないものだと達観した時、暗雲が垂れ込めた空に一条の光が差した。封印していたバンド編成をライヴに導入し、蛯名は迷いを吹っ切って歌を唄うことに徹したのだ。あれは忘れもしない、2006年の“シェルター・ツアーズ”札幌篇に当時のシェルターのスタッフと同行した時のこと。カウンターアクションでバンド編成のディスチャーミング・マンを初めて観て、「これだよ、これ!」と思わず快哉を叫んだことを今でもよく覚えている。人力を介した、第三者との摩擦係数の高さから生じる尋常ならざる熱量と切迫感。僕が欲していたのは結局そこだった。バンドはいつしか玉木道浩(key)、神代大輔(g)、江河達矢(b)、野川顕史(ds)という布陣に固まり、そこにいつしかブラッドサースティ・ブッチャーズの吉村秀樹(g)が与するようになった。おぼつかない足取りで歩を進めていたディスチャーミング・マンというパズルの最後の一片がこれで揃ったわけである。
このアルバムは吉村のプロデュースのもと、その最強のバンド編成によって制作されたものだ。全11曲、トータル・タイムは1時間以上あるが、弛緩したところはひとつもない。飽きさせず、一気に聴かせる。もとから卓越したソング・ライティング能力を持った蛯名のベスト・オブ・ベストな楽曲に、彼が心から信頼する仲間たちの情感豊かな演奏が加わるのである。簡潔にして武骨、武骨にして繊細、繊細にして大胆な歌と演奏を、植木清志と日下貴世志という当代きっての名エンジニアがアンカーを請け負うのである。どれだけ控えめに言っても最高傑作であることは誰の目にも明らかなのである。
聴き所はすべてだが、ひとつだけ。キウイロールが東京で行なった最後のライヴと正真正銘最後となった札幌でのライヴで披露された『white』という曲が本作には収められている。キウイロールでは音源にできなかった曲であり、バンドが瓦解するきっかけになった曲でもある。この曲を4年もの歳月をかけて蛯名が遂に形にしたことを思うと、うっかり涙腺が緩む。噛み締めるように唄われる無垢な歌声と、荘厳と激情が大きなうねりとなって天を衝くような素晴らしい演奏を聴けば尚更だ。人間の脳は手間が掛かったものほど真剣に受け止めるようにできていると言うが、真理だと思う。きっとあなたにも伝わるはずだ。伸びやかで艶やかな蛯名の歌声の素晴らしさが。歌に込められた寂寞の思いを増幅させた有機的なアンサンブルの妙が。そして、歌を唄うこと以外何の取り柄もない男が何度も何度も遠回りしながらどうにかこうにか辿り着いた到達点の重みが。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


AT THE DRIVE IN / Relationship of Command

輸入盤 / IN STORES NOW

2000年前後に前作『in/casino/out』を、なんかのライブに行てディストロを何気なくのぞいた時に、勧められて買ってみたら、結構気に入ってかなり聴いていました。そして、しばらくして来日し、たしかイースタンユースが一緒だったのに人があまり入ってなくて、人気ないんだなあと思っていたら、もの凄くライブが良くて衝撃的でした。その来日からすぐ後ぐらいに出たのがこのアルバム『Relationship of Command』で、これがAT THE DRIVE INのラストアルバムになります。『in/casino/out』も結構聴いてたんですが、今になってしまうとあんまりパッと思い出せる曲が無いくらいです。このアルバムは曲がすぐ思い出せるし、今聴いてもやっぱり熱い。それだけイイ曲が入ってるということなのかもしれないですね。
久々に美容院に写真でも持っていこうと参考になるものを漁っていたら、このレコードを見つけて久々に聴きながら、もう10年近く前なんだなあとしみじみ思いました。もちろん美容師さんには「このメガネの人みたいなパーマにしてください。」と言いました。自分はここにレビューを書くのは今回が最後になります。今就職活動中ですが、我ながら気合入ってるなと思いました。


(LOFT RECORDS/TIGER HOLE:オオサワシンタロウ)


エコダムド / 白痴淫乱不倫火山

DIWPHALANX/PX-186 2,625yen(tax in) / 1.23 IN STORES NOW

運命と言うものは偶然でありながら必然である。このCDが僕の手元に届いたのも運命なのだろう。なんの伏線もなく届けられたこのCD。あの時の感覚を正確に覚えていないが、確実にこのCDの“酷さ”に感動を覚えていた。パンクと言うべきなのかハードコアと言うべきなのかわからないが、ハッキリとノイズと呼べるほどに歪んだギターに、素人顔負けの“下手クソ具合”を表現し続けるドラム。このフレーズだけ聴いたらきっとみんな駄作だと思うのだろう。甘い! マジで甘い! もはやロックだとかパンクだとそんなモノで語りきれないセンスの固まりを僕はここに感じましたよ! でも本気ですごいんだって! わかりやすく言うなら思春期の時に好きな子に「好き」と言えないけど、そんなもどかしい環境でうごめく自分が好きな時のパンクバージョン! わかりやすいっしょ? この人類最終兵器(おそらく下北沢MURDER JUNKIES命名)を絶対見逃すな!!
※ちなみに僕はこのCDを仕事がらみでタダで頂いたのですが、販売店でおんなじCDを買おうと思っております。なぜかと言うと一部店舗で買うとドラムスのイライザ様の“フェラ音あり”のSEXエロカセットテープがついてくるらしいです。絶対買いです。


(新宿LOFT:HxGxK)


音速ライン / おとし玉〜ベリー ベスト オブ 音速ライン

初回盤:UPCH-29023(CD+DVD2枚組) 3,800yen(tax in) 通常盤:UPCH-20135 2,600yen(tax in) / 1.14 IN STORES

ベスト盤のニュースを聞いた時に「もうベスト?!」と私は正直耳を疑った。それだけもうベストという形でまとまる程の楽曲を発表しているんだなと思ったから。彼らの音楽に出会った頃、私はまだ20代だったのに…。今ではもうすっかり立派に30代を歩んでいるよ。そう思うと実に感慨深いものある。
音楽って、その頃聴いてた頃の記憶とリンクするから不思議だ。特に彼らの音楽は私の記憶と常に密接にリンクされている。素敵な事も悪い事もすべて思い起こさせる力を持っている。彼らの楽曲を聴いてそんな風に感じる事が出来る人は是非手にしてもらいたい。せっかくのベスト盤なのだから、入門編として立派な役割を果たしてくれる事間違いないし! この1枚を聴くと、もれなく他の作品も聴いてしまいたくなるけども(笑)。彼らにとってこの作品は今まで自分達が生きてきた証であり、聴く人にとってその時代を生きてきた証でもある作品。次のステップを踏む為にはその時々の軌跡を振り返る事はとても大事。そう! この作品はネガティブな意味など一切含まれていないのです。これからも名曲楽しみにしているね!


(SONG-CRUX:樋口寛子)


Kylee / VACANCY

RX-025 1,050yen(tax in) / IN STORES NOW

「どの分野に於いても、もうこれ以上の人材はでないという先入観を、しっかりと裏切ってくれる。アメリカという国は不思議だ。」ジャズ・ピアニストKEITH JARRETTを評した言葉を思い出す。Kylee(カイリー)、アメリカと日本のハーフでなんと14歳。11歳の時にオーディションで選ばれ、NBAのオープニングセレモニーで国歌斉唱の大役をつとめて、絶賛を浴びた経歴の持ち主。
これは日本での1stシングルで、タイトル曲『VACANCY』は日本インディーズエモシーンの雄nature livingによる作曲、作詞はKylee本人が書いている。哀しい詩ではあるが大人が歌うほど重い感じは無く、若さゆえの軽さがあって非常に秀逸な出来。歌声も最近の若い娘にはない芯のある太い声をしていてJAZZやSoulを歌わせても堂に入りそうな良い声をしている。nature livingの曲も、捻りなく「これぞ」nature livingなキレのある楽曲。最近よくある物に捉えられがちだが、14歳という事を考えると可能性は未知数、どれほど化けるかが楽しみな存在だ。流行り廃りの激しいシーンの中で、生き抜く事が難しくなってきている。しかし、何度も言うが14歳。後先考えないで突っ走ってみてほしい。この頃、そこまでパンチある奴少ないからね。


(新宿LOFT:「海坊主の絶対領域」)


GUNS N' ROSES / Chinese Democracy

UICF-9061 2,800yen(tax in) / IN STORES NOW

2008年最大のニュースと言えば、間違いなくこのガンズのニューアルバムが出た、と言う事ではなかろうか。出るぞ出るぞと言われ続けて5年は軽く経っているのではないか。そのアルバムが遂に発表された! これはもう事件としか言いようがない。あまり過剰に期待しすぎない様自分に言い聞かせたが、やはりそれは無理というもの。ドキドキしながら再生ボタンを押した。
イントロからアクセルの雄叫びに変わった瞬間、思わず「キター!」と叫んでしまった。色々意見が飛び交うアルバムだと思うが、俺は、ガンズの名前に1番拘った男、アクセルの歌メロ、アクセルの作ったこのアルバムこそガンズだと言い切りたい。そして、過去の焼き増しではなく現在のガンズを提示したアクセルを心から尊敬する。再結成ばかり望まれるガンズではあるが、こんな素晴らしいアルバムを作って発表してくれたんだから、再結成なんてもうしなくていいよ! アクセルさえ居てくれればガンズはガンズだ!言い過ぎた。やっぱり死ぬ前にオリジナルメンバーのライブを観たいです。All we need is just a little patience


(下北沢SHELTER:W、アクセル ヒデキfrom横浜家系侍 が好き。)


ゲンキのサバトラ猫日記

定価:本体1,600円+税(DVD付き) / IN STORES NOW

ヘッドロックナイトのオーガナイザーでもある、DJ-namijinさんの家で元気に暮らす、サバトラのゲンキをリーダーとする並木猫軍団の写真集が発売されました。
私、犬派ではありますが、この写真集は見ていてキュンキュン来ます。表紙の写真ももちろんかわいいんですが、中に掲載されている眠る直前の目を細めた表情とか、だらしいな〜い格好で座っている写真とか、その中でもP13の右にある3枚の連続写真は特に気に入ってます。ゲンキとモー子の表情がたまりません。他にも前足だけの写真があって、これはかなりヤバイ。気付いたら写真なのに撫でてました。
この写真集にはDVDが付いているんですが、撮影をした飼い主のナミジンさんに完全に心許しているため、表情やしぐさがすごく自然。この中で言えば、すごく険しい表情で蛇口から水を飲むハムが特にかわいいかな。自然に笑顔がこぼれます。癒されます。猫もいいなと真剣に思います。実際に並木猫軍団に会っちゃったからかわいさ倍増です。


(Rooftop:やまだともこ)


ザ・サイクロンズ / グッド・バイ サイクロンズ

BQGS-18 2,300yen(tax in) / 1.17 IN STORES

ビートルズ、ストーンズ、フー、キンクスなどの60'sサウンドに影響を受けたバンドは数あるが、何々ふうという表面的なものでなく、きちんと音楽性を含めた部分まで受け継いでいるバンドとなるとかなり限られてくる。エイトビートという基本的なリズムから展開されるドラマティックなアレンジと演奏力、思春期のイノセンスを永遠に感じさせてくれるようなメロディと歌詞。そうした60'sロック特有のスピリットまでをも感じさせる現在の数少ないバンドのひとつが、京都が生んだこのザ・サイクロンズだ。先日公開された映画『GSワンダーランド』にも楽曲提供と演奏で参加し、今や日本を代表するGSバンドとして知られるが、彼らの3rdアルバムがいよいよ発売される。メンバーチェンジ後初の作品となる本作だが、楽曲の良さ、演奏力の高さは言うに及ばず、歌詞の世界観が今まで以上に深まった印象を受ける。ジャックスの代表曲『からっぽの世界』と同名異曲を作ってしまう自信と明確な意志は素直に応援したくなる。


(加藤梅造)


SIAM SHADE / SIAM SHADE

LMC-001 2,575yen(tax in) / IN STORES NOW

今はもう普通に販売されているか分かりませんが、すっごく久しぶりにこのCDを聴き、思い出CD REVIEW.2(1はKneuklid RomanceのインディーズCD)を書きたくなりました。おそらく7年以上ぶりにこのCDを聴きましたが、曲の細かい部分までちゃんと覚えている自分に驚きました。
例えば…って言葉にするのが難しいですが、ギターのフレーズがこうなり響いて、ジャーンってみんなで終わる…とか。歌えたら楽なんですが(笑)…伝わりますかね? このCDを聴き、とても懐かしく、温かい気持ちになりました。もちろん、昔聴いていたから懐かしく思うというだけではなく、『SIAM SHADE』に収録されている曲達が好きな楽曲であるからこそ、というのが前提にあるから、こういう気持ちになれます。CHACK(現HIDEKI)の声が好きだったなぁ。もう14年も前にReleaseされたにも関わらず、良い曲達だなぁって感じます。結局、SIAM SHADEのLIVEを一度も観る事が出来ないままだったのが心残りですが、このCDを聴く事によって昔を思い出せて、こういう気持ちになれるBANDに出逢えた事に嬉しく思います。私にとって、とても貴重なCDの1枚です。


(新宿LOFT:キラ☆)


Smash up / “777”

EKRM-1104 / 2,100yen(tax in) / 1.21 IN STORES

メロディックシーンに新風の如く現れた、新世代の雄ともいえるSmash up。地元、関西以外でも精力的に活動をこなし、2008年は先輩、後輩関係なしに、LIVEに明け暮れた年だった。衝撃の1st Albumから満を持して、いよいよ2nd Albumがリリースされる。瞬殺なくらい、わかりやすいキャッチーな楽曲から繰り出される、激ポップな展開。Smash upの極みともいえる痛快なギターサウンドと、センスにますます磨きのかかった作品となっている。その勢いはとどまる事を知らず、2月からは約30箇所に及ぶ全国TOURがスタートとなる。LIVEには必聴ともいえる全12曲と共に彼等から発せられる情熱を、是非ともLIVEハウスで体感して欲しい。2/19(木)にはSHELTERでも開催される。真冬を真夏にするべくSmash upの快進撃が始まる。


(下北沢SHELTER:平子真由美)


The Slip / Angels Come On Time

RCD 10625 / IN STORES NOW

07年にこれまでになくロック色、歌を全面に出した『Eisenhower』をリリースしたことも記憶に新しいボストン出身のジャズ/フュージョン系ジャム・バンドThe Slipの日本デビュー・アルバムです。個性が光る3人のインプロヴィゼーションを主体にメロディを散りばめていく楽曲がこれでもかっ! と聴けるこのアルバム。ヴォーカル曲、インスト曲両面のいい所がバランス良く詰まった内容ですが昔からのファンにはこのポップさは賛否両論だったようです。何度聴いても飽きない不思議なアルバムです。気になった方は是非聴いてみて下さい。


(下北沢SHELTER店長:峯崎)


怒髪天 / 労働CALLING

TECI-158 1,000yen (tax in) / 1.07 IN STORES

昨年10月に発表された『全人類肯定曲』&『NO MUSIC, NO LIFE』から間髪入れずに発表される怒髪天のニュー・シングル。今さら言うまでもないが、タイトルもジャケットもクラッシュの『LONDON CALLING』へのオマージュかつパロディである。ポール・シムノンがベースを叩き壊すポーズは、ご丁寧に労働者がツルハシを振り下ろす姿となっている。ロシア民謡の『一週間』を彷彿とさせる歌詞とメロディの『労働CALLING』は“働けど働けど我が暮らし楽にならざり”な労働者の悲哀がテーマだが、軽快なアレンジと“ウンガラガッタ”の連呼も相俟って暗さは一切感じさせない。重いテーマをそのまま重苦しく唄い上げるなど愚の骨頂と言わんばかりのユーモア・センスにはいつもながら脱帽。性急なビートに乗せて“男には帰る場所など 無くていい無い方がいい”と繰り返し唄われるカップリングの『鉄砲玉ぶるーず』は、自ら退路を断つ男の潔さを全面肯定するクオリティの高い一曲。あれだけ密度の濃いライヴ活動の合間にこれだけ精度の高い楽曲をまたも発表するとは、やはり並大抵のことではない。怒髪天の音楽を知る人と知らない人とでは人生の豊かさがまるで違うと僕は本気で思うし、どれだけ判官贔屓と言われようが断固彼らの素晴らしさを説いて回りたいと思う次第なのだ。


(Rooftop編集長:椎名宗之)


The Birthday / NIGHT ON FOOL

初回限定盤(CD+DVD):UMCK-9248 3,500yen(tax in) 通常盤(CD):UMCK-1279 3,000yen(tax in) / IN STORES NOW

The Birthdayー其れを率いるチバユウスケと4人の絶妙のバランス。TMGE、Rossoと、確かな進化をし続けている彼らの音楽。“バンドは動物”と語っていたチバ氏だがThe Birthdayと云う動物が今、ロックのフィールドを華麗に舞っている。  そんな彼らが放つ楽曲達はどれも鳥肌モンで、今回の『NIGHT ON FOOL』を初めて聴いて涙がこぼれそうになった人は大勢居るはず。収録曲『あの娘のスーツケース』から『カーニバル』までそれぞれの楽曲が呼応し合って、綺麗に連鎖している。2曲目の『まぼろし』は是非聴いて欲しい。ヒライハルキのファンキーなベースから始まり、クハラカズユキの落ち着いたビート。チバユウスケのシャウトでイマイアキノブのリフ。イントロだけで、彼らの叙情的な世界に引きずり込まれるには充分。“まぼろしだってそれは現実さ。確かに俺見たんだから。まぼろしだってそれは本当さ。確かに君見たんだから”のサビでは、チバユウスケの声で鳩尾から色んな感情を吐き出しそうになる。なんだろうね、この感覚。こんなに自分の中に入り込んでくるバンド、なかなか無いと思うけど。『NIGHT ON FOOL』、棺桶まで持って行きたい1枚。
此のアルバムを聴いて、The Birthdayから抜け出せなくなった。これからも、とんがったロックを聴かせて俺を夢中にさせてくれ。


(Asaaya Loft A:イリサワユウト)


Big Picture / Big Picture

LMCA-1002 2,625yen(tax in) / IN STORES NOW

70年代後半、関西に突如現れたパンクバンドAunt SallyのPhewが、坂本龍一やCANのメンバーらとのコラボレーションや、山本精一、山本久土らとの新たなパンクバンドMOSTを経て結成したユニットBig Pictureの音源である。「天才なんて誰でもなれる、鉄道自殺すればいいだけ」と言い放った少女が、熟女となった現在であるが、やはり発言の冷徹さは相も変わらずリスナーを冷たいPhewの世界へと引き込んでいる。活字に見ると沸騰間近の熱い言葉達ではあるが、Phewの冷たい歌い回しにより無表情な言葉に変換されて行く様が、音にスピード感を持たせているように感じられる。相反するものの融合、矛盾をサウンドの武器としているかのような音楽が体感できるだろう。


(Naked Loft:荒木卓)


BIGMAMA / Dowsing For The Future

RX-024 2,310yen(tax in) / IN STORES NOW

昨年リリースされた1stアルバム『Love and Leave』から約1年。全国ツアーを成功におさめ、サマーフェスティバルに出演し、シングルのリリースを経て確実に歩みを進めるBIG MAMAの2ndアルバムが誕生した。
ハイトーンなのにいやらしくなく、語りかけるようなやさしい声に、“美メロ”と言えるであろう伸びやかに流れる楽曲。そしてそれらを紡いでゆく様に包み込むバイオリン。バイオリンが曲に合っているのか? 曲がバイオリンに合っているのか? 今作の中で『Cinderella〜計算高いシンデレラ〜』という曲に“カノン”のフレーズが導入されていることが象徴的だが、彼らには独自の表現方法で喜怒哀楽を感じさせられる。そんな詞や曲達は空気の様に自然に僕の中に入ってくる。僕は『Dowsing For The Future』という名の物語に迷い込んだ気持にさせられる。大切な人を隣に聴きたい1枚です。


(新宿LOFT:ショウジ)


BUDDHISTSON / SLOWDANCE

XQCX-1011/ 2,500yen(tax in) / 1.07 IN STORES

待ってましたとばかりに、BUDDHISTSON復活!! 衝撃の活動停止から約1年。先日の活動再開のQUATTROでのLIVEも観てきましたが、時が短く感じるくらいにあっという間で、ブランクも感じさせない内容でした。そんなBUDDHISTSON、待望の4枚目となるアルバムが世に届けられます。『SLOWDANCE』と名がつけられた内容は、1曲目から、物語が始まるかのように鐘とストリングスが響き、少しずつ扉が開かれて、いろんな景色が広がってきます。VoとChoの絡み具合もさることながら、強さと弱さのメロディーから静寂と激情を併せ持つリズム、刹那的に急展開する9曲目の『Fingernails』は個人的には大好きです。心地よい豊かな感情というか、悲しさみたいな感じではなく、7曲目の『Foggy Morning』のやさしさみたいな温かさがジワジワと伝わってくる曲もあったりして、前作以上にバラエティー豊かでLIVEでの再現がどうなるのか今から楽しみで仕方ないです。本や映画を観るかのように聴いて頂けたら、心がホコっとするような作品です、是非ともお試しあれ。


(下北沢SHELTER:平子真由美)


HOSE / HOSE

UNKNOWNMIX 4 / HEADZ 97 2,500yen(tax in) / IN STORES NOW

HOSEというバンドがいる。メンバーは5人。ギター、ベース、パーカッション。そして残りの2人は管楽器。メンバーは皆もう良い歳のオジさんで、その演奏技術はなかなかのものだ。目を閉じれば彼等の熟練した演奏が紡ぎ出す美しい世界に誘われる事だろう。  しかし、だ。そんな渋い演奏をする彼等が、突然、世界で最もダサいリズムであろう、サンサン七拍子をきざみだしたら、あなたはどうするだろう。しかも、真剣な眼差しで、譜面を読みながら、いつ終わるとも無く延々と。。。。また、しまいには楽器を置いて、今まで一言も声を発さなかったおっさん達が合唱しだしたら、あなたはどうリアクションするだろう。きっと閉じていた目をゆっくりと開け、口もあんぐりと開けてこう思うはずだ。「こんなのありかよ。」と。  プロフッショナルと素人との間の微妙な境界を行き来しながら、音楽とはなにかという最も根源的な問いを思い出させてくれるバンド。それが今、HOSEであると、僕は思っている。


(Naked Loft:小柳元)


MASS OF THE FERMENTING DREGS / ワールドイズユアーズ

XQEH1004 1,700yen(tax in) / 1.21 IN STORES

MASS OF THE FERMENTING DREGS(マス・オブ・ザ・ファーメンティング・ドレッグス)のセカンドアルバム『ワールドイズユアーズ』がリリースされる。共同プロデューサーに中尾憲太郎氏を迎え、サウンド面も大幅に強化された。マスドレはガールズバンドなのだが、サウンドは男性顔負けの轟音でダイナミックさがあり、サウンドだけ聴いたらガールズバンドだとは想像ができない。しかし、サウンドに反比例して、ボーカル・ベースの宮本菜津子の声は純粋さと可愛らしさを持ち合わせ、この絶妙なバランスにグイグイと吸い込まれていく。
インタビュー中に歌詞についてお話いただいた時の、「日本人が英語で歌ってるのが好きじゃないんですよ。」は全くの同感。だからこそ、彼女たちから発せられる詞は、日本語を使い、日本人らしい細かい情景描写を含みながらも端的で、ストレートに突き刺さるのだろう。
強烈なインパクトのあるジャケット写真にも、たくさんの興味が湧くが、それ以上に『ワールドイズユアーズ 』を一度聴いたら、もう後戻りできない程の衝撃を受けることになるだろう。


(Rooftop:やまだともこ)


メレンゲ / シンメトリー

WPCL-10635 3,150yen(tax in) / 1.14 IN STORES

知り合いの中でも1、2位を争う程こんなにも音楽が好きな人はそういない。それは音楽と共に生活する事を臆する事なく名曲を生み出す音楽家であり、熱心な音楽リスナーでもあるから。一度立ち止まる事によって冷静に自分達を判断した結果が、この『シンメトリー』に繋がったのなら本当に良かったなぁと仲間の一人として思う。これまでの作品と比べても、唯一無二のクボ君の声や世界感がより良く出てきている。余計な音は一切入っていない。群を抜いてスタンダードな作品に感じられた。
彼らの楽曲の良さが人を呼ぶのか、劇団集団キャラメルボックスの作品のエンディングテーマになったり、TVアニメのエンディグテーマとなったりとお茶の間でも彼らの音は流れている。この作品を聴くとその理由が分かるだろう。
彼らと知り合って随分時間が経過したけど、知り合ってから一度も裏切る事なく素敵な音楽を届けてくれる。いつも色んな事を教えてくれる。私にとってかけがえのない、大好きな音楽仲間。これからもお互い良い音楽を届けられたらいいね!


(SONG-CRUX:樋口寛子)


The Mirraz / OUI!OUI!OUI!

ZMUFF-2001 2,100yen / IN STORES NOW

The Mirrazが待望のファースト・アルバム『OUI!OUI!OUI!』をリリース!! このアルバムについてちゃんと伝えたいんですが、細かいジャンルの括りとか、よくわからないので調べてみました。“The Mirrazは、UKロック/ガレージ・パンクな攻撃性は保ちつつも、ニューレイヴ以降のグルーヴも獲得した楽曲で〜”だそうです。こう言われてもわからなくないですか? 私はニューレイヴだの何だのと言われても、さっぱりわかりません。でも、この『OUI!OUI!OUI!』を聴いてかっこいいと思った気持ちは嘘ではありません。1曲目の…タイトルがめちゃくちゃ長いんですが、『CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい』を聴いて、このリズム感というか、ヒップホップの要素もふんだんに取り込まれた楽曲で、しかも、低音にすごく厚みがあって一発でやられました。詞は、1曲に入っている言葉の数がとにかく多くて、よく歌えるなと別のところでも感心してたりするんですけど、歌詞をちゃんと読んでみると鋭い視点で現代社会へのメッセージともとれる言葉を並べていながらも、ユーモアを交え、かなり読み応えもあり! アークティック・モンキーズとかクラクソンズ、リップスライムに憧れている彼らの楽曲は、何かに似てるとか言われてても別にどうでも良くて、今この作品がすごい良かったら、それが聴いた人の答えで良いんだと思います。リズムに乗せて自然に体が動いてしまう、私はすごく好きなアルバムです。


(Rooftop:やまだともこ)


LOUDS / PUNK ROCK LIBERATION

AG002A 2,500yen(tax in) / 1.10 IN STORES

元THE GROOVERS,THE LOODSの西村茂樹氏のニューバンドが結成された。その名もLOUDS。しかも伊藤秀孝(Gt.) / ヤマジカズヒデ(Gt.) / サワサキヨシヒロ(B.) / 須藤敏明(Ds.)という蒼々たるメンツだ。内容はそんじょそこらには無い、本当の怒れるPUNK MUSICだった。そのライブを4月にロフトで最初に見たとき、今までの西村節のあるロックンロールバンドかと思っていたら、とてつもない衝撃に見舞われた。トリプルギターの『白い暴動』を聴くような印象で、とても驚いた。若い衝動だけで突き進むありがちなバンドよりも芯が太く、鋭く心の底に傷つけるような感じだった。本当のライブバンドLOUDS。そんな彼等の初作品は、彼等の最大の持ち味で有るライブレコーディングだった。イメージ通り。こんな深い作品は久々だった。


(新宿ロフト:大塚智昭)


Radiots / BROKEN GENERATION

500yen(tax in) / IN STORES NOW

『BROKEN GENERATION』と言うタイトルを聞いてピンと来た方は、おそらくその予想は大的中です! そうLAUGHIN'NOSEのカバーです! LAUGHIN'NOSEの味や、Radiots節は残しつつも、最高の1曲になっております。12月に行われたLAUGHIN'NOSEとのカップリングツアーも最高の盛り上がりを見せ、あおりあおりの大炸裂でしたよ!
そしてここからが本番! Radiotsと言えばあの疾走感あふれる感覚と、単なるパンクに収まらない唯一無二音楽。それでありながら伝統を守り続けるかのような彼らのスタンス。他にはないこの感覚が自分が個人的に大好きな理由の1つです!
今回も4曲入りで全国流通などの無い限定盤となっております。いつの日か発売されるであろうアルバムを待つよりも、このDEMOを買う方が絶対お得!! 遠くの親戚より近くの他人。ま〜他人とまで行くと話が変わってきてしまうのですが、マジで今が買い時ですよ! あとで買えなくなって後悔しても知りませんよ〜〜!


(新宿LOFT:HxGxK)


レイト / 明日など来るな

EASL-0003 1,980yen(tax in) / IN STORES NOW

 「トイレ」を逆から呼んだ名を持つラッパーのデビューアルバム。ここには世の不幸がひたすら詰め込まれている。家庭崩壊、イジメ、将来への不安など、不条理な真実が淡々と綴られ、その内容には目を覆いたくなるものばかりだ。必ず聴き手に大きなインパクトを与えるだろう。しかし、僕はこれを名盤だと呼ぶことはできない。“トラックに目新しさがない”というのが1つの原因でもあるが、何よりもこのアルバムには“希望”がない。もちろん、収録曲には『言葉』や『言いづらいこと』のように主人公が“光”を掴もうとするものもある。しかし、人が辛いと感じる現実描写とそれに対する感情表現があまりに安直なため、暗い部分だけが浮き彫りになる。アルバムのわずかな希望が埋もれてしまうのだ。もちろんヒップホップに“リアル”は不可欠だけれども、僕はむしろ希望を聴いていたい。どんなに過酷な状況でも、そこから抜け出すことができる力強さを感じたい。それは僕の甘えなのでしょうか。


(Asagaya Loft A:ムギ)




posted by Rooftop at 18:33 | バックナンバー
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。