果てなく続く美への探求心
今回のジュリエットの部屋にお招きしたのは、美容師の寺本剛さんです。寺本さんは、独自の美容理論を提唱し、2006年に日本人で初めて花王アジエンス海外CMに出演。2007年には、講談社より『美髪ヘアサプリ』を出版し、「頭皮と顔は一枚皮」という考えを誰よりも早く提唱。質の高いヘアメイクで雑誌、タレントヘアメイク、一般向けのヘアメイク講座などでも活躍。そして2008年にはヘアケア商品<KAMIKESHO>(髪化粧)を開発された美容師さんなのです。今回はシャンプーのことや寺本さん自身のお話を聞いてきました。美容師さんに会うと、自分の身なりもちゃんとしないとなーといつも思います。そして、その志はすぐにどこかに消えてしまうのです。今度こそは…。
★ 料理人か美容師か
──美容系にはとにかく疎いので、お話を聞かせて頂くのは申し訳ないぐらいなんですが、美しくありたいというのは女性にとって永遠のテーマでもありますからね。美容師さんとしては、街行く女性の髪型とかって気になるものなんですか?
「気になりますよ。メイクも見ます。ジーッと見ることはないですけど(笑)。僕ならこうするかなと思う時はあります。」
──突然ですが私、どうしたらもっと綺麗になりますか?
「ここで言うんですか(笑)!?」
──でも、どうしたら良いのかわからないままお店に来て、「お任せで!」って言う人もいるんじゃないですか?
「いますよ。最近は少なくなりましたけど、切り抜きを持って来る方もいましたよ。」
──切り抜きだと、どなたが一番多かったですか?
「男性だと木村拓哉さん。女性で今まで一番多かったのは安室奈美恵さんがフワフワなパーマをかけた時と、“やまとなでしこ”に出演された時の松嶋菜々子さんです。」
──“やまとなでしこ”って2000年ですよね? 今美容師になって何年ぐらいになるんですか?
「9年目です。」
──長いですね。美容師をやっていて、失敗した経験ってあります?
「スタイリストになってからはないんですが、アシスタントの頃はよくありました。1年目ぐらいの時はモデルさんの髪を切り過ぎちゃったりとか。ボブとショートの境がわからなかったんです。僕はボブだと思っていたのに、出来上がったのがショートだったり(笑)。初歩的なことがよくわかってなかったんです。」
──なぜ美容師になろうと思ったんですか?
「小さいときから何かを作ることが大好きで、高校3年生ぐらいの時、料理人か美容師かって考えまして美容師になったんです。」
──学校も美容師の学校へ?
「国際文化理容美容専門学校に通ってました。インターンっていう制度があって、1年間お店で働いて、その後美容師免許を取りました。」
──この仕事を辞めたくなったりしなかったですか?
「辞めたくなったことはないですよ、1回も。」
──多くの方を綺麗に変身させていく職業ですけど、寺本さん自身も常に「格好良い」存在でいようという意識はあります?
「はい。ただそれよりは、お客様を綺麗にしている時に一番気合いが入ります。」
──男性だとどんなカットが得意ですか?
「ショートですね。」
──女性だと?
「ボブです。ニュアンス系の。」
──ニュアンス系?
「ジュリエットさんの髪型もニュアンス系って言うんですよ。」
──そうなんですか!! 初めて知りました。でも、最初はボブとショーとの違いもわからなかったけど、今はボブが得意だと。
「そう(笑)。でも未だに確認しますよ。“ボブでいいですか?”って。」
★ <KAMIKESHO>
──今回寺本さんがプロデュースされた<KAMIKESHO>を発売されましたが、なぜシャンプーを作ろうと思ったんですか?
「スタイリング剤とかブラッシングとかいろいろあると思いますけど、シャンプーって毎日しますよね? 一番身近にあるものだったりするじゃないですか。だから、作ってみようと思ったんです。アシスタントの頃からいつか作りたいと思っていて、お話をいただいたので作ることになったんです。」
──成分の配合もご自身でやられたんですか?
「それは専門の会社があって作って頂いたんです。自分で試して、この成分は違うとか意見を出しながら一番いいものを選んでいきました。」
──<KAMIKESHO> を使用して、私のようなパサパサの髪でもツヤツヤになったりするんですか?
「なりますよ。髪の毛はシャンプーではそんなに変わらなくて、トリートメントで変わるんです。髪を治したいならトリートメントが早いんですけど、地肌とか元から良くしていくとか、髪質が少しうねってきちゃったとか、乾燥するという場合はシャンプーで改善していきます。スキンケアで洗顔が大事なように、洗髪ではシャンプーが大事なんです。それで、美容液に当たるのがトリートメント。洗顔をおろそかにして適当なもので洗うと肌がカサカサになりますよね? だから洗顔は丁寧にやるじゃないですか。それが髪の場合で言うとシャンプーにあたるんです。」
──洗顔はちゃんとしますけど、シャンプーにそこまで拘ったことはあまりないですね。
「そうなんです。スキンケアよりもヘアケアの意識は、5年前ぐらいに比べると高くなって興味を持たれている方も多いですけど、まだ低いかもしれないですね。」
──<KAMIKESHO>を発売して、反響はありましたか?
「プレシャンプーの使い方がわからないってよく言われます(笑)。」
──プレシャンプー?
「昔からあるんですけど、これは使い方が全く違うんです。普通はワックスとかを付けていると1回のシャンプーでは落ちないからプレシャンプーで洗ってシャンプーをするんですけど、2度洗いでは髪が傷むんです。<KAMIKESHO>のプレシャンプーは洗浄力が弱いので、シャンプーと足してちょうど良いようにしています。あまり汚れてない日はプレシャンプーだけで良くて、ワックスとか付けた日はプレシャンプーをして、そのままシャンプーをする。」
──プレシャンプーは流さなくていいんですか?
「流さなくて良いんです。プレシャンプーをして地肌、髪を30秒マッサージ、シャンプーをしてから洗い流すのが一番効果的です。」
──マッサージは自分なりのもので良いんですか?
「ちゃんとあるので、これからホームページで掲載しようと思ってます。マッサージの仕方と正しいシャンプーの仕方とトリートメントの効果的な使い方の3つ。」
──でも、なかなかこんな丁寧に毎日やらないですよ。
「そんなにめんどくさくはないんですよ。汚れてない日はプレシャンプーだけなので、いつもみたいに一生懸命シャンプーしなくて良いんです。」
──シャンプーのキメがすごく細かいと窺ってますが。
「そうなんですよ。手で伸ばした瞬間、厚みが違うと思って頂けると思います。水っぽくないんです。」
──このシャンプーを発売して、髪に対する意識を変えていきたいということなんですか?
「正しい洗い方を勧めたいというのが第一で、それに基づいたシャンプーを作りたかったんです。“この成分が入ってるからいいですよ”と言いたいのではなくて、正しい洗い方があって、それに基づいて使い分けて頂き、質の高い美を提案したかったんです。」
──昨年は『美髪・ヘアサプリ カリスマ美容師が初公開!』という本を出版されていますが、どれぐらいかけて書いたんですか?
「2006年の2月に打ち合わせを始めて、そこから企画を出し、半年ぐらいかかりました。当時パソコンとか使ったことなかったんで手書きで(笑)。」
──その時って完全にパソコンの時代に入ってますよね?
「美容師は基本アナログなんですよ。全然使わないですから。wordって何?みたいな感じでした(笑)。今は使えるようになりましたよ。」
──本を出版されたり、今年は<KAMIKESHO>を発売したり、お休みってあるんですか?
「ありますよ。撮影があったりすると、1ヶ月近くない時もありますけど。」
──休みの日はあったら何します?」
「買い物ですね。あとこの間はピカソ展を見に行ったりしました。」
──アート系のものは好きですか?
「興味はあります。映画はDVDで見ちゃうことが多いですけど。美術館はよく行きます。」
──今後の野望はあります?
「<KAMIKESHO>ブランドの種類を増やしたいです。企画段階ではスタイリング剤や石鹸、化粧水とかいろいろ案があったんです。一度イベントで700〜800人位の方とメイクのイベントをした時に何が欲しいかのアンケートをとったら、その時に一番多かったのがスタイリング剤を作って欲しいという声でした。次が髪用のサプリメントで、その次がシャンプー。そのアンケートをとったのが、シャンプーが出来上がった後だったので。今更変えられなかったんですけど(笑)。その前に100人位でアンケートをとった時はシャンプーが一番だったんです。これが第1弾になるので、今後も楽しみにしていてください。」
INFO
髪化粧
<KAMIKESHO>
プレシャンプー
150ml/1,890円(税込)
シャンプー
200ml/2,415円(税込)
インプルーブトリートメント
150g/2,625円(税込)
ディボートスペシャルヘアマスク
150g/3,150円(税込)
http://kamikesho.com/
フリーダイヤル 0120-221-337
サロン所在地:渋谷区神宮前4-6-2 GAFF
TEL:03-3401-6106
寺本剛HP
http://www.isometic.com/