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キウイロール / キウイロール アンソロジー I/II
STD-04 / STD-05 各\2,500 (tax in) / 12.19 IN STORES一度きりの“青の時代”を疾走した迷子たちの詞華集
20世紀を代表する芸術家でありキュビスムの創始者のひとりであるパブロ・ピカソには“青の時代”と呼ばれる作風の時期がある。親友カサヘマスの自殺にショックを受け、暗青色を基調とした絵画を描いていた時代だ。キウイロールの音楽のことを思う時、僕はどうしてもそのピカソの青の時代を想起せずにはいられない。ザ・モッズのコピー・バンドとして結成されたのは、エビナ(vo)、オグ(g)、サンチェ(b)が15歳の時だ。キウイロールと名乗るようになった時点でもまだ19歳、初の公式音源をZKから発表した時点で22歳。ベッシーホールでのライヴでバンドが解散した時ですら28歳である。彼らにとってはまさに、無軌道で、無思慮で、無我夢中のまま疾走し続けた青き風のような13年間だったと言える。ただし、彼らの音楽にはピカソの重苦しい青ばかりではなく、得も言われぬ瑞々しさと透明感があった。脆くて弱い傷つきやすさ、迷子のような危なかしさを持つ一方で、一縷の希望を明日へと託す強さやしぶとさも確かにあった。不満はあっても悲観はせず、不甲斐ない自分自身と周囲を取り巻く劣悪な状況と常に抗い続けた。そんながむしゃらな日々は、追い詰められた末に吐き出すほかなかったプリミティヴな叫びを武器として、ブッチャーズやナート、カウパァズといった同郷の先人から脈々と受け継がれた札幌ハードコア・パンクのDNAを触媒に至高の「うた」として昇華した。唄うことでしか、奏でることでしか己の存在理由を見いだせなかった不器用な4人の男が刻み込んだ生きる証、それがキウイロールの音楽だったのである。錆び付くよりも燃え尽きることを潔しとした彼らの音楽はしかし、青春の儚さをそのまま体現するようにごく短期間で砕け散り、二度と元に戻ることはなかった。
ZK recordsの活動機能停止により長らく廃盤の憂き目に遭っていた(それゆえに法外なまでの高値で取引されていたのも不幸な出来事だった)キウイロールの音源をほぼ網羅した2枚のオムニバスCD、それがこの『キウイロール アンソロジー』である。現在も入手可能な『その青写真』の収録曲を除くほぼすべてのレパートリーがこの2枚に集約されているし、貴重な写真を数多く掲載したブックレットの丁寧な編集も含め、これぞ永久保存盤と呼ぶに相応しい実に良心的な編集盤だ。『I』にはオムニバス・アルバム『Color Blind』から初の公式音源『結晶』('96年)、ファースト・ミニ『キウイロール』('98年)、セカンド・ミニ『ベクトル』('99年)、バファリンズやカリフォルニアメイツらと共に参加した『cycle of the moon 2』から『僕の中』('99年)、echoと共に発表した『APOSTROPHE split』('01年)、4曲入りシングル『KIWIROLL』('02年)、セルフ・カヴァー集でありラスト・アルバム『4count』('04年)の楽曲を収録。『II』にはファースト・フル・アルバムにして代表作として名高い『スクイズ』('00年)、シングル『バカネジ』から『うたたね』と『日曜日』('00年)、4曲入りシングル『本当のこと』('01年)の楽曲を収録。さらに、両盤いずれも最後にファースト・デモからの貴重な音源('96年)が数曲収録されていることも見逃せない。作り手の深い愛情とこだわりを感じる、掛け値なしに素晴らしい詞華集である。
(Rooftop編集長:椎名宗之)
AZUMI / AZUMI ALBUM
BUMBE-5033 2,500yen(tax in) / IN STORES NOW僕は、今年の頭ぐらいにやった豊田道倫さんとAZUMIさんのライブを観るまで、AZUMIというシンガーを知らなかった。ただ、その日AZUMIさんは強烈なインパクトを残していったシンガーであった。11月14日にAZUMIさんのレコード発売記念ライブをNaked Loftで開催した。AZUMIさんはその日も約3時間にもなるステージを全力で歌った。1曲、また1曲と全身から湧き出る音楽を感じた。
イベントが終わって一週間が経った今でも、AZUMIさんのNEWアルバムをヘビーローテションで聴いている。聴くたびにあのステージが思い出される。特にこのアルバムの終盤にある『星の数だけキスをして』はここ最近の中で一番のヒット曲。こんなラブソングが世の中に流れてほしいと思う1曲です。
(Naked Loft店長:上江洲修)
石橋英子 / drifting devil
XQFL-1004 (TRACK-014) 2,520yen (tax in) / 12.03 IN STORES本誌の読者にはPANICSMILEのドラマーとして、またNATSUMENやMONG HANGのメンバーとして活躍していたことで馴染み深いであろう石橋英子のセカンド・ソロ・アルバム。2年前に発表された処女作『Works for Everything』が2枚の既発CD-Rから精選されたオムニバス的な内容であり、また純然たる歌モノが全体のわずか1/3しかなかったのに対し、この『drifting devil』では石橋のウィスパー・ヴォイスを徹頭徹尾堪能できる。いつもながらそのマルチ・プレイヤーぶりには舌を巻くが(譜面台までも“楽器”に変えてしまうのだ!)、七尾旅人や山本精一を始めとする異能の才人を楽曲ごとにゲストとして迎えているのが本作における大きな聴き所のひとつ。みな石橋が心から敬愛するミュージシャンばかりであり、彼らとのスリリングなハート・プレイが瑞々しく陰影に富んだ楽曲として結実している。その意味では、ソロ名義でありながら石橋と彼女の仲間たちによる豊潤な一大セッション・アルバムとも言えるだろう。前作に比べてポップの純度と聴きやすさがグッと増したことも個人的には嬉しいし、これまで喰わず嫌いだった人にこそ是非聴いて欲しい逸品である。石橋ほどのキャリアのある人間がこうしてまた新たな可能性を孕んだ境地に達せるのだから、堅い絆で結ばれたミュージシャン・シップの力はやはり凄まじい。
(Rooftop編集長:椎名宗之)
植木遊人 / リズム・メロディー・ハーモニー
1,800yen / ライブ会場と通信販売植木遊人のセカンドアルバム『リズム・メロディー・ハーモニー』がリリースされた。植木とは常にがむしゃらで、常に一生懸命で、常に100%で体当たりしてきて、ちょっとめんどくさいって思ってしまいながらもなんだかんだ気にしたくなる存在。その植木の分身のような楽曲が、このアルバムには詰め込まれていたように思う。何にも縛られていない自由さや、独自の価値観。そして、どんな境地に立ってもめげない感じ。自分の直感を信じて右へ左へと舵を取ってきた彼だからこそ、これだけバラエティーに富んだ作品に仕上がったのだろう。インタビュー中にも言ったが、6曲目に挿入されている『GROUP SOUNDS』は既存のグループサウンズのスタイルとは確実に違うとは私でもわかる。でも、彼のフィルターを通したグループサウンズの表現がこれだった。スタイルにも固定概念にもとらわれていない、1曲1曲が個性的な息吹をかけられているように思う。
この作品ができた直後、「すごい良いのができたんです。だから聴いて下さい」と、人目も場所もはばからず、聞いているこちらが恥ずかしくなるぐらいとにかく熱弁していた植木。彼の熱量が充分に封じ込められた作品になっていることは間違いない。
(Rooftop:やまだともこ)
埋火 / わたしのふね
PCD-18552 2,500yen(tax in) / 12.19 IN STORESふわりとした浮遊感あふれる音の連続。透きとおってずーっとずっとどこまででも届きそうなvo.見汐麻衣の歌声。1枚を通して聴いて、非常に心地よく感じられるアルバム。女子ボーカルのバンドって、甘ったるくロマンチック気取りのバンドが多いように見受けられがちだが…あなどるなかれ。時折、予想だに暴れだす音たち、余裕がある上で“遊”んでいるような。なによりも意志の強さをとても感じる。音的には夢うつつ、そんな世界に誘ってはくれるけども歌詞や言葉選びには迷いが感じられない。なにか、どっしりとしたものがそこにはあって、聴くものに安心感を与えてくれる。埋火(うずみび)、今後の活躍が楽しみなバンドだ。
個人的には野外ステージで、夕暮れ時なんかに演奏してくれたらぴったりだと思うのだが…。来年夏あたり、楽しみにしていよう。
(ロフトA Q)
圭 / the primary.
【初回盤】CTCR-40281/B 1,890yen(tax in) 【通常盤】CTCR-40282 1,050yen(tax in) / IN STORES NOWkannivalismのGu.の圭くんがソロとして1st single CDを11月19日に発売した。私はギターリストの彼しか知らなかったので、彼が創り出す歌詞・曲・歌声にとても興味が湧いた。CDタイトルでもある『the primary.』の曲を初めて聴いた時に受けた印象は、「爽やかな歌声と曲」。とても聴き易いと感じた。でも、実はバックでとてもいろいろな音が奏でられていて、圭くんの世界観を感じる事が出来る。通常盤のCDにのみ収録されている『oriental cancer.』はインストで、より一層独特な世界観を創り出している曲だと思う。
私の勝手な解釈だが、ギターリストの人達は、より一層マニアックで緻密な音を醸し出す曲を創り出すなぁーと。
圭くんと知り合ったのはもう7年程前。私の記憶の中の彼は、まだ幼い部分を持った少年という感じだが、歌詞カードや初回盤の『the primary.』のPVで見る彼は、もう数年も会っていないため当然ではあるが、かなり大人に成長していてビックリした。圭くんの次のCDがとても楽しみに感じた。(2nd single『vesperbell.』が2009年1月14日に発売決定!!)もっと圭くんの世界観を知りたいなぁ、と素直に感じました☆
(新宿LOFT副店長:河西 香織)
THE CLASH / ライヴ・アット・シェイ・スタジアム
【初回限定盤】EICP1060 3,150yen(tax in) 【通常盤】EICP1061 2,520yen(tax in) / IN STORES NOW1982年ザ・フーの前座で行なった「ザ・クラッシュ」のライブ音源が新譜として発売された。場所はアメリカで普段はベースボールキャップをかぶったファンで埋め尽くされるシェアスタジアム。コズモ・ヴァイナルのしゃがれたギャング調のMCがスタジアムの雰囲気を一変させ、そして一瞬にして高揚させる。ジョーストラマーの声、ロンドンコーリング。もう全然待ってくれない。息つくひまも与えてくれない。溢れんばかりの熱気と男気が時空を超えてビシビシ伝わってくるのだ。語弊があるかもしれないが、あえて断言しよう。ザ・クラッシュのライブ以上にシビれるライブは存在しない! ロックスターがセレブ扱いをされて怠慢を極めた上、安物のラブソングが使い回されていた1977年には、ビートルズもストーンズもいらない言い放った。この反骨精神はいつの時代も廃れることのない、しっかりとした普遍性を持っている。渋い男になりたいと願うならば、部屋で1人クラッシュを聴け!
(Loft A エダ)
毛皮のマリーズ / ビューティフル/愛する or die
JRSP-001 500yen (tax in) / 12.03 IN STORES悪魔に魂を売り渡して完成に漕ぎ着けた『Faust C.D.』からわずか半年足らずで届けられた、毛皮のマリーズの3曲入りシングル。自身のオリジナル・レーベル“JESUS RECORDS”からの第1弾リリースでもあるこの『ビューティフル/愛する or die』、シングルというフォーマットながら毛皮のマリーズにとって極めて重要な意義を持つ作品である。表題曲を一聴しただけで『Faust C.D.』の暗澹たる世界観とは一転しているのは明らかであり、まるで憑き物が落ちたかのように“ビューティフルに生きて死ぬ、ための僕らの人生!”と何の衒いもなくストレートに唄い上げる彼らの変貌っぷりに最初は少々面喰らうかもしれない。だが、悪魔と懇ろになって地獄の際を見た者が言い放つ“最後に必ず正義が勝つ”という一言はあまりに重く、より強度と重みを増したバンド・アンサンブルと相俟って確かな説得力と共に聴き手の琴線を激しく揺さぶるのだ。『愛する or die』は如何にも彼ららしいヴァイオレンス度の高い楽曲、大胆にも程があるタイトルの『宗教』はアコギを基調とした新機軸。全体的にバンドにとってある種の決意表明とも受け取れる強靱な意志が通底しており、嵐の前の静けさにも似た妙な胸騒ぎを覚えずにいられない。これは本気で次なるフル・アルバムが楽しみになってきたぞ。
(Rooftop編集長:椎名宗之)
CONTACT / Today,Today,Today
XQDQ-1004 1,500yen(tax in) / IN STORES NOW個人的にとても長いことファンである、コンタクトがミニアルバムを完成させた。その名も、『Today,Today,Today』。今までのコンタクトは切ない雰囲気を持ちながらグッドメロディを聴かせるバンドだったが、今作ではよりポップに、ネクストレベルへ進化した気がした。そのポップが昇華した表題曲『Today,Today,Today』は、今のコンタクトを表すキャッチーな名曲。そして続く『スプリンター』。コンタクトが得意とする、切なく叙情的な中に光る心に残るリフレインが印象的だ。『水の音』ではベースラインから少しづつ少しづつ高揚し、全体的にドンドンと花開き、ポップになっていく。溜めの美学を感じる。最後のサビのリズムが最高です。そしてライブではお馴染みの『アイリス』『Calling』へと続く。
所謂何々っぽいと言われてしまう今、ここまでコンタクトらしい唯一無二のバンドは数少ないです。相当良い作品です。
(新宿LOFT店長:大塚智昭)
SUPER BEAVER / 心景
rpc-027 1,500yen(tax in) / IN STORES NOWありふれた日常の混沌を掻き鳴らすSUPER BEAVERが、2nd.ミニアルバム『心景』(しんけい)をリリースした。1st.ミニアルバム『日常』を2007年12月にリリース後、精力的にライブを行ない、1st.シングル『リセット』で初の全国ツアーを敢行。この1年で音楽とより密接な関係を築き、『心景』を作り上げてきたと充分に感じることができる。バンドの初期衝動はそのまま、「いろんなことをやってみたい」という感情を制作活動に注ぎ込んだ結果、『日常』に比べると明らかに変化を遂げている。これまでのギターロックバンドという括りから一歩出たような、スカのリズムで聴かせる『天気予報』や、4つ打ちの『pan』などは、確実にライブを意識した曲であり、ライブで盛り上がること必至。土台ができたからこそ、バラエティのある曲で楽しめるようになってきたことを窺える。平均年齢20歳ということで、これから如何様にも変化できる4人だからこそ、これからの活躍も大いに期待できる。
(Rooftop:やまだともこ)
the studs / スパイダーネスト/闇のち雨
ENSR-012 1,575yen(tax in) / 12.03 IN STORES3rd.single『クリーピークローリー』を10月1日に、翌週には4th『あの音』を、更にその翌週には5th『帳』を3週連続でReleaseし、今回の両A面6th single『スパイダーネスト/闇のち雨』を12月3日にRelease! この勢力的な活動精神POWERを見習い、年末の凄まじいスケジュールを乗り切るぞ! と気合いが更に入りました。1曲目は『スパイダーネスト』。“本能”がキーワードとのコト。曲を聴いて「あぁ、なるほど」と感じました。アップテンポの曲調で、後ろから押されるような、前に引っ張られるような、気の抜けない、奮い立たせられる感じ。2曲目は『闇のち雨』。どっしりとしていて、1つ1つ味わいながら進んでいく感じを受けました。元々はアコースティックバージョンの曲で、ファンの方の要望も高く、バンドアレンジで音源化が実現した曲。大佑さんとaieさんでのアコースティックバージョンも聴いてみたいですね。3曲目は『雫(rain drop another version)』。すでに『rain drop』という曲名でリリースされていますが、リテイクして収録。大佑さんとピアノとで奏でられている部分のメロディーラインに対しての鍵盤の旋律が、とても奇妙な空間を創り出していて、「おもしろいな」と感じました。2009年1月17日には、Shibuya O-EASTにて「Tour'08 creepy crawly」のツアーファイナル公演が決定しているthe studs。LIVEでもこの曲達を聴いてみたいです☆
(新宿LOFT副店長:河西 香織)
中山うり / ケセラ Que Sera
SICL 209 3,059yen(tax in) / IN STORES NOW大都会の雑踏の中、人気のない裏通りの酒場、朝日の眩しい公園のベンチ、夕焼け空の帰り道、胸踊らされる夏祭り…。いったいここはどこなのだろう? いったい僕は何をしていたのだろう? ヨーロッパの国々を旅しているような、時には昭和の街並みを歩いているような…そんな気分にさせられるのは僕だけだろうか?
2005年からワンマンライブを行ない2007年にCDデビュー、“ミラクルヴォイス”と称賛される歌声を携え数々のサマーフェスティバルに出演し、確実にその歌声を広め続ける中山うり。そんな彼女の待望の1stフルアルバム『ケセラ Que Sera』が生まれた。ジャズ、タンゴ、フォーク、フラメンコなど様々な国のアコーディオン音楽を取り入れそよ風のような、時に情熱的な演奏にやさしい声を乗せる。そしてうれしかった事も悲しかった事も、今までやってきた事の全てが報われるかのような言葉で語りかける、そんなあたたかい歌達だ。
僕はその歌達に引き寄せられ「ケセラ」と言う名の船に乗り旅をするのだろう。彼女を一言で例えるならば“時をかける歌姫”と言わせてもらいたい。みなさんもその歌声に触れてみてはいかがですか? 11月27日から始まった全国ツアー“ツール・ド・ケセラ2008(Le Tour de Que Sera)”も楽しみです。辛い時も悲しい時もやるだけやったらどうにかなるさ、きっとうまくいくよ「ケセラセラ」。
(新宿LOFT:ショウジ)
ネズミハナビ / BABY
DQC-166 1,500yen(tax in) / 12.03 IN STORES ネズミハナビは古くて新しい。ネズミハナビを聴くといつも太宰治とかひっぱり出してまた読んでみたりする。おしゃれ童子の様な万年学生風の吉田君が、暴れん坊もいい子ちゃんも左寄りも飽きちゃってあれやこれやとストーリーをつむぎ出す。人生のある時期、誰もが感じるあのモラトリアムをつなぎ出す。いやそれがある意味、僕にとってのROCK的なもののすべてなのだが。ボブディラン、メリーチェインがつなぎ大江慎也からBECK(漫画の方もホワイトファルコン弾いてるから入れとこ)とかブランキーとかまで勝手に続いていく。そんな音波をまた感じる恋の歌みたいに女の子の事とか言いながら、この曲の本当はそこじゃねえよなっていつも思わせてくれる。
でもネズミハナビはそんな事はどうでもよく、いつものようにふらっとスタジオにもぐりギターを弾いたりビールを飲んだりしてるんだろうな。
昔スピーカを抱いて寝た
♪約束をしよう 静かでやさしい夜の海に
「BABY」とか「LOVE」なんだ。
やっぱ青くさくないとダメなんだドキドキしねえんだ。
(チモリモナコ)
heidi. / オレンジドラマ
【初回限定盤】MRKT-1004 1,600yen(tax in) /【通常盤】MRKT-1005 1,200yen(tax in) / IN STORES NOW今年の夏頃に偶然めぐり会った、ジャンルで分けると“ビジュアル系”と呼ばれている[heidi.]の3枚目のシングル『オレンジドラマ』が発売されました。ビジュアル系の音楽を普段聴かない方にも是非聴いて欲しい1枚です。
実は私もビジュアル系の音楽を今まできちんと聴いた事が殆ど無かったです。でも! このバンドの曲を聴いてみたら「あらっかっこいい」。どの曲もスッと聴きやすくて、サクッと心にハマるフレーズや頭の中をグルグル回るメロディーが印象的で自分でもびっくりする程すんなり新ジャンル開拓できちゃいました。今回のタイトル曲『オレンジドラマ』は、ド頭のギターがまず良い! バキッとheidi.節をかましてから一癖あるイントロ・ブレイクを挿んで、初恋でも思い出してしまいそうな切ない言葉が並んだ詞へと流れていきます。昔の恋を思い出して“主演:自分”のドラマが頭の中で展開してしまったり(恥)、そして2曲目は『フラッシュバック』。くぅーこの曲も切ないんです。叶わなかった恋心がひしひしと伝わってきて…失恋した時の気持ちとかまさにフラッシュバックしそうな詞なんです。甘酸っぱいあの頃を思い出したい方ぜひ! 新ジャンル開拓したい方ぜひ! なんか気になった方ぜひ! ぜひ! ライブも良いのでぜひぜひ!!
(新宿LOFT:がっちゃん)
HARQUA / HARQUA
PSCR-6220 2,100yen(tax in) / 12.03 IN STORESHARCOとQuinka,with a Yawnからなる夫婦ユニット“HARQUA”。私達の何気ない生活、日常にそっと寄り添ったかの様なオーガニックな作品。お2人は以前から「エコ」にとても熱心な事で有名で、私も影響を受け、出来る事から「エコ」に取り組んだ1人。音楽を通じて「エコ」に積極的に取り組んだものとして代表的なのが、彼らが主催の「音楽」と「エコ」のイベント“きこえる・シンポジウム”。冬至と夏至の日にイベントを展開。夫婦揃って積極的に「エコ」に取り組むなんて、とても素敵だなぁと増々2人への憧れは増すばかり。音楽を通じて、HARQUAを通じて自然の素晴らしさや一番近くの人やモノに優しく接する事、日々を丁寧に生きて行く事を教わった気がします。日々を丁寧に生きるって、簡単な様で実は一番難しいのかもな。
(SONG-CRUX:樋口寛子)
FOUR GET ME A NOTS / DOWN TO EARTH
XQEJ-1003(773F-004) 2,300yen(tax in) / 12.03 IN STORES今年の3月にMINI ALBUMをリリースしたばかりのFOUR GET ME A NOTSが早くも1st FULL ALUBAMを完成させた!! 地に足をつけるというような意味ともとれる今回の作品は、三者三様に繰り出される唄の世界観は健在の中、よりメロディアスに研ぎすまされている感じがする。そして前作にはみられないバラード調ともいえる曲があり、新境地を見せている。歌詞から垣間みられる不安の中には、等身大の彼等の気持ちがあると思う。その静寂の中からは、確固たる決意に通じる想いが感じられる。個人的には歌い上げる感じがとても好きなので、今回はまさに必聴といえるのだ。彼等のおかれている状況から、これからを感じられるような作品で、これがどう料理されるのか、BANDとしてどう飛躍していくのかが楽しみで仕方がない。来年はレコ発TOURも控えているので、今後の彼等への期待に拍車がかかる。
(下北沢SHELTER:平子真由美)
町田直隆 / 主題歌
TRGR-0002 1,300yen(tax in) / 12.07〜ライブ会場等で販売前作の1st.フルアルバム『栄光なき兵士達に捧ぐ』から1年。町田直隆のニューミニアルバム『主題歌』が届けられた。『栄光なき兵士達に捧ぐ』は、町田のルーツでもある1980年代後半から1990年代前半辺りの、バンド・ブームを彷彿させる楽曲が多かったように思う。また、少しでも触れたらヤケドしてしまいそうなほどにヒリヒリとした雰囲気を持っていたが、今作『主題歌』はポップスの要素も入り、前作に比べると聴く人を選ばない間口の広い作品に仕上がっている。テンポの良いメロディーに乗せて歌われる『主題歌』や、初めてストリングスによるアレンジを加えた『ボーイズキャンチェンジザワールド』など、これまでとは違う一面も見せており、とても新鮮な気持ちで聴くことができる。以前、彼の楽曲で『何をやってもダメな男』というタイトルの曲があったが、何をやってもダメな男でも必死に夢を追いかけて夢を信じていたら、いつしか自分の見える世界が変わるんだと体現しているようでもある。この名前とタイトルのみのシンプルなジャケットは、これからも彼の夢を描き続けていくためのものなのだろうか。
(Rooftop:やまだともこ)
メレンゲ / スターフルーツ
WPCL-10629 1,000yen(tax in) / 12.03 IN STORES私的な今年10大ニュースの1つとしてあげたいのが、メレンゲ再始動。メレンゲとしての活動がずっとご無沙汰だったから、久しぶりの新譜はとても嬉しかった。活動が止まっている間、正直心配になってしまう事もあったけど、再びパワーアップしたメレンゲを聴けるという確信の方がずっと大きかった。一度立ち止まったからこそ気づく事、見えた事が未来のメレンゲ繋がると思ったらこんな素敵な事はない。その結果できあがった『スターフルーツ』は、メレンゲ史上最強にポジティブソングなのかもしれない。3曲目に収録されている『再会のテーマ』にとてもハッとさせられた。この曲で歌っている事がすべてだ。きっと。私にとってメレンゲは、良い音楽仲間であり、時にはライバルにもなりえる貴重な存在。30代になった今、改めて彼らの存在が大きな事に気づかされた大切な1枚。
(SONG-CRUX:樋口寛子)
モーニング娘。 / COVER YOU
EPCE-5585 3,150yen(tax in) / IN STORES NOW先月までNHKの「私のこだわり人物伝」という番組で阿久悠をシリーズ特集していた。日本の歌謡曲史上において阿久悠がどれほど大きな軌跡を残したのかは論を待たないが、番組の中で秋元康氏は阿久悠の作詞した歌は「時代を貫く普遍性」があることを強調していた。普遍性があったからこそ彼の歌は、時代を追うのではなく時代をひっぱることができたのだ。
モーニング娘。の今年初、通算9枚目のアルバムは、阿久悠に焦点を置いたトリビュートアルバムとして届けられた。すでにピンクレディーの『ペッパー警部』のカバーシングルを出しているが、このアルバムは全曲、阿久悠のヒット曲をカバーしたものだ。『どうにもとまらない』(山本リンダ)、『恋のダイヤル6700』(フィンガー5)、『ジョニィへの伝言』(ペドロ&カプリシャス)等々、全14曲。中には高橋愛が五木ひろしとデュエットした『居酒屋』、他にはなんと『ピンポンパン体操』までも収録されている。今やメンバーの半分は平成生まれであるモーニング娘。が、昭和のヒット曲を歌うのを聴くのはなんとも感慨深いものがある。ちなみに個人的なフェイバリットは、ソフトロック風なコーラスが美しい『わたしの青い鳥』(桜田淳子)でした。
(加藤梅造)
桃梨 / 歓喜〜結成10周年記念大感謝祭〜
DDCZ-1577 2,500yen(tax in) / 12.03 IN STORES今年で10周年を迎えた桃梨。その10周年をお祝いして今年の夏に行なわれたライブ“結成10周年記念感謝祭”からのベストセレクト・ナンバーと、大熊ワタルさんや奥野真哉さんなど豪華ゲスト陣を迎えてのライブ・アルバム。
アルバム発売前にはフランスでライブツアーを行い、帰国後にアルバム発売記念ライブをNaked Loftで行ないました。ベースと歌というシンプルな編成ですが、和の音楽やロック調の音楽、また演劇なども取り入れた、とても内容の濃いライブなのです。とてもオススメですので12月21日、Naked Loftで開催する寿【kotobuki】との合体イベント『寿桃』も必見です。是非、こちらのライブも楽しんでいただき『歓喜』を聴いていただけたら嬉しいです。
(Naked Loft:上江洲修)
LAST ALLIANCE / the sum
VPCC-81595 2,520yen(tax in) / IN STORES NOWLAST ALLIANCEこと、ラスアラの4枚目のアルバムです。私がラスアラに出会ったのは、約3年前。ライブというものを初めて見に行ったときに対バンしていたバンドさんでした。ラスアラは見た時から大好きなバンドさんで、インディーズ音楽にハマったのもラスアラがきっかけです。ラスアラの良さは“聴けば聴くほどハマっていく”ところです!! 聴きすぎると飽きてしまったり、しばらく聴かなくなったりすることがあるのですが、 ラスアラだけは知ったときから毎日必ず聴いてます♪
昔の音源もいいものばかりで良い意味で変わらない音ですが、今回のアルバム『the sum』は、ライブを想像しながら聴けます。聴いてて「この曲はライブでやる可能性は低いだろうな」って曲があったりすると思うんですけど、『the sum』はないです。どの曲が一番いいかと聞かれたら間違いなく「全部」と答えます(笑)。そのくらい良いアルバムです!!
ラスアラを知らない人は『the sum』から聴いてみたら気に入ってくれると思います。というより、一度は聴いてほしい1枚です♪
(下北沢SHELTER:あっきーな)
RANGSTEEN / dance in hell
SF-001 2,300yen(tax in) / 12.03 IN STORES東京で活動するトリオ、Rangsteenのデビュー・アルバム。この時代に生まれたロックンロール・アルバムとしては特別ともいえるほどの、無駄な装飾のないシンプルで力強い輝きがある。このあまりにもストレートなロックンロールの塊をレトロと捉える向きも当然あろうが、2000年代の、細分化されすぎたシーンの退屈な空気を吸い込んで出てきたものであり、いつの間にかロックに音楽以外の付加要素が増えてしまった中で、以前は当たり前であったけど、「音楽としてのロックンロール」を真ん中に持ってきているのだということを認識すべきである。彼らが無垢なロッカーなのか、はたまた周到な戦略家なのかはさておき、今これが出るということにも大きな意味があると思っている。彼らに惚れ込んでリリースを熱望し、そのためにレーベルも立ち上げたというFirestarterのFifiによるレーベル”Stay Free”の第一弾。
(Target Earth:中上)
V.A. / “GIFT”(Tribute to SCAFULL KING)
PX-185 3,045yen(tax in) / 12.05 IN STORES九州では11月に雪が降ったのが20年ぶり!? だという昨今、いろんな人に愛され続けられているSCAFULL KINGからの冬の贈り物が届きます。07年のFUJI ROCKから東名阪、沖縄TOURと前人未到の復活劇を行ったのは記憶に新しいはずです。そんな愛すべきSCAFULL KINGのトリビュート盤が完成!! これでもかっていう強力面子が集まってくれました。当時からの切っても切り離せないBANDや新たに出会ったBAND、これだけの錚々たる顔ぶれが揃うというのは、彼らの素晴らしさを語る上で充分すぎるくらいのことではないでしょうか? あの人達がこの曲を!? とか、こんなアレンジで!? とか目から鱗などころか、いろんな発見がありすぎます。改めてSCAFULL KINGの素晴らしさと、楽しさを届けて頂いたような気がします。まさに必聴です!? 多くを語るよりも、とにかくたくさんの人達に聴いて欲しいです。
このトリビュート盤に集まったBANDさん達に感謝をすると共に、この冬は寒そうですが、これを聴いて暖まれそうです。
(下北沢SHELTER:平子真由美)