レコーディングはブッチャーズではなく、吉村さんが正式なメンバーとして加入したディスチャーミング・マンのアルバム制作。先月の山中湖ニオケル合宿レコーディングに続く都内での作業なのです。
ディスチャーミング・マンを知らずにこのブログをご覧になっている方はまさかいませんよね? 吉村さん達が築き上げた札幌ハードコアの遺伝子を受け継いだ最後の世代である(と思う)キウイロールの蝦名君がキウイ解散後に立ち上げたプロジェクトです。バンドでもあり、蝦名君のソロでもある。ライブを未見の方がいるなら是が非でもお勧めしたい表現者のひとりです。
そのディスチャーミング・マン、音録りも歌録りも昨日までに済ませたようで、今日は音の魔術師・毒組の日下さんのもと「落とし」の作業をされておりました。
全くの部外者であるにも関わらず、有り難いことに数曲その中から聴かせて頂きましたが、事の詳細は言えないけれど出来は予想以上。ナンナンダこの余りに瑞々しくも張り裂けんばかりの殺傷能力! 切迫感の甚だしいライブ感とまるで天井知らずな音の広がり、緩急と押し引きのメリハリ、そして尋常ならざる透明感。紛うことなく大作と確信。実は心底気遣い大王な吉村さんが「こっち来て聴いてみなよ」と言ってくれなければあの至福は味わえなかったわけで、つくづく感謝です。
こんな言い方はおこがましいですが、本誌を通じて俺のインタビューや文章を気に入ってくれている人なら絶対に好きになるアルバムだと思います。や、そんな狭義な世界には留まるはずもない懐の深さがある作品なので、今日初めてディスチャーミング・マンを知った人にも是非聴いて頂きたい。リリースは来年の1月下旬だそうです。もちろん、本誌でもリリース・タイミングにクドいくらいに推しまくる所存であります。
やれCDが売れないだの、歌のチカラが軽んじられているだの、そんなこた何処吹く風! 心を激しく揺さぶられる確かな歌はここにあるです。音楽のミューズに重ね重ね大感謝したい初冬の夜なのです。(しいな)