ZOOMYのフィギュア巡礼の旅リターンズ!
〜ターゲット・アース主宰・佐藤元将氏(玩具原型師)に訊く!の巻〜
ZOOMYが目下熱い注目を注ぐ玩具メーカー、それはターゲット・アース!
その主宰者・佐藤元将氏はZOOMYいわく「玩具界の異端児」(笑)!
玩具に対する深い愛情と忌憚なき批評精神にプロの凄味を見た!
没個性なモノに存在価値などない!
増:佐藤さんがターゲット・アースを立ち上げる前にマーミットから出してたジャイアント・ヘドラ、あれは俺、数あるヘドラの中で一番好きな形なんですよ。最初、足の裏に「元将」って名前が入ってるのを見て、何じゃこりゃ!? と思って(笑)。
佐:包丁の銘みたいなものですよ。滅多に入れないんですけど、自信があったので赤松氏(赤松和光氏、マーミット代表取締役社長)に許可を取って入れたんです。
増:佐藤さんの作るヘドラは何とも言えぬ可愛さがあって、とにかく俺は大好きなんですよ。
佐:本人はヤクザ映画やホラー映画ばかり見てるっていうのに(笑)。十数年間この仕事を続けてきてポリシーとしてあるのは、可愛いか格好イイかの要素がないオモチャは作っちゃいけないってことなんです。何故かと言えば、部屋に置いておきたくなくなっちゃうから。余りに厳ついモノだと博物館みたいになるし、シンドくなるじゃないですか。私はコレクター出身なので、どういうモノを集めて部屋に並べたいかという構想まで頭に浮かべて作ってるんです。
増:佐藤さんのヘドラを見て、俺は究極としてヘドラの着ぐるみが欲しいわけじゃないことが判ったんですよ。あくまでソフビのオモチャとしてのヘドラに愛着が湧くんだなと。
佐:私が作るフィギュアは、音楽で言えばカバー曲みたいなものですね。原曲よりもカバー曲のアレンジのほうが好きだという人もいるかもしれないじゃないですか。
増:ガレージキットは実物を忠実に縮小してナンボの世界で、言ってみれば写真に近いんですよね。それに対してソフビはオモチャであって、郷愁があるんですよ。昭和的な懐かしさがある。ターゲット・アースのソフビはまさにそれなんです。
佐:同じ世代を共有した者同士じゃなければ理解し得ない、共通の符合があるんですよね。子供の頃にあった家族経営の駄菓子屋や模型屋、その店の片隅に並んでいた埃を被ったオモチャ。そんな郷愁を誘うモノを私は作りたいんです。タイムマシンに乗って買いに行きたくなるようなモノをね。
増:まさにその通りですね。現物をそっくりそのまま再現してないところがイイと思うんですよ。技術しかないとディテールを作り込むしかないだろうし。
佐:私から言わせれば、ケツが青いんですよ(笑)。作り込めるところまで作り込んじゃうんですね。音楽でも絵画でも映画でも何でもそうですけど、てんこ盛りの作品ってウルサイじゃないですか? やっぱりある程度は研ぎ澄ませてシェイプしなきゃダメなんです。世の中において優れたモノというのは、ほぼ例外なく絶対的にシンプルだと思いますから。
増:あと俺、佐藤さんのブログが凄く好きで。あれはパンクですよ! 業界に対する痛烈な批判もあるし、ソフビに対する深い愛情もある。しかも、ネット上で文句を言ってくるヤツにも真正面から受けて立つっていう(笑)。
佐:他人がやらないことをやるのが好きなのでそういうこともやってましたけど、途中で考えが変わりましたね。こっちは身元を明かしていて向こうが匿名の状態でやり合うと、まずロクなことがないです。それに狭い業界なので、相手の顔がぼんやりと浮かんでくるんですよ。事細かに批判してくる輩はたいてい利害関係のある人間なんです。同業他社じゃない人はそこまで関心ないですから。
増:佐藤さんが凄いなと思ったのは、スーフェスでもワンフェスでもブースにいるから直接文句を言いに来いって書いてたことですね(笑)。
佐:何回かそういうことを書きましたけど、一度も来たことないですよ。来るわけがないですよ、顔見知りなんですから。ただ、そういう私の悪態も醜態も、すべて娯楽だと思ってるんです。笑ってもらえればそれでイイんですよ。最近考えてるのは、自分の批判精神を表現する上でソフビ作りには限界があるので、漫画を描こうと思って。もともとは漫画家志望でしたから。
増:ああ、それは面白そうですね!
佐:今の世の中、幼稚すぎる大人や搾取し続ける企業が余りに多くて、腹が立って仕方ないんですよ。本屋にあるのはゴミみたいな漫画ばかりなので、少しは私の出る幕があるのかなと。正直、ソフビ作りのテンションが下がってきちゃってるんですよね(笑)。
増:いや、それは困りますよ!(笑)
佐:もちろんソフビ作りはやめませんけど、作業の重点をシフトしようと思ってるんです。ただ、基本的に商売は人にお金を出してもらうのが前提なので難しいですよね。訳の判らないメッセージ・ソングよりも純粋に楽しい音楽のほうが需要があるじゃないですか。その意味では娯楽に徹したほうがイイんだろうし、そこはいつも揺れ動いてますね。
増:永遠のテーマですよね。佐藤さんのブログを読むとホントに博識なのが判るし、人間的にも味があって凄く面白い。だからこそあれだけユニークなソフビが生まれるんだと思いますよ。音楽もそうですけど、面白い人が作ると自ずと面白いモノになりますからね。仮に佐藤さんがロック・バンドをやったら、もの凄く支持されるでしょうね。反骨精神のある人間が生き残る世界ですから。あと、佐藤さんの作るソフビはすぐに佐藤さんのモノと判るのが絶対的に凄いんですよ。
佐:それは一番重要なことですね。今の時代、没個性なモノばかりが溢れてるでしょう? まるで存在価値がないですよ。ダメでもイイから個性を出せ! と私は思いますね。
増:全く同感ですね。歪な価値観こそが確固たるオリジナリティを生みますから。それはオモチャも音楽も同じですよね。
ZOOMYが愛してやまない佐藤元将氏主宰の“ターゲット・アース”、最新情報はコチラから!
http://pub.ne.jp/sofvilife
◇ニュー・シングル『全人類肯定曲』(TECI-154/税込500円)&TOWER RECORDS限定販売シングル『NO MUSIC, NO LIFE.』(TEI-11/税込500円)、11月5日(水)に同時発売!
1年振りのリリースは「生きてるだけでオッケー!」な“Nice Price”¥500シングルと、タイトルからしてTOWER RECORDS限定に相応しいコミカルでシンプルなロック・ナンバー!(発売はテイチクエンタテインメント/インペリアルレコードより)
Live info.
◇ブラッサム
10月3日(金)京都磔磔:怒髪天 presents“響都ノ宴”京風北ノ花盛(キョウフウ キタノ ハナザカリ)ーノーザンブラッサム vol.1ー(with:BUGY CRAXONE / the blondie plastic wagon)
10月4日(土)京都磔磔:怒髪天 presents“響都ノ宴”電撃狂御膳(デンゲキ キョウゴゼン)(with:エレクトリック・イール・ショック / JAPAN-狂撃-SPECIAL)
10月5日(日)京都磔磔:怒髪天 presents“響都ノ宴”無電気歌御会(ムデンキ ウタゴカイ)(with:斉藤和義 / ホフディラン)
10月20日(月)HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3:デリバリーブラッサム(with:LAST ALLIANCE)
11月5日(水)福岡DRUM SON:デリバリーブラッサム(with:BUGY CRAXON)
11月9日(日)高知X-pt.:デリバリーブラッサム(with:未定)
11月11日(火)広島CAVE-BE:デリバリーブラッサム(with:SCOOBIE DO / monobright)
11月12日(水)米子BELIER:デリバリーブラッサム(with:SCOOBIE DO / monobright)
11月25日(火)大阪BIG CAT:デリバリーブラッサムスペシャル(詳細近日発表)
11月26日(水)名古屋CLUB QUATTRO:デリバリーブラッサムスペシャル(with:BRAHMAN)
12月2日(火)恵比寿LIQUIDROOM:トーキョーブラッサムスペシャル(ワンマン)
◇EVENT
10月8日(水)札幌 BESSIE HALL:Northern Blossom Records presnets“ノーザン ブラッサム ー北の花盛ー”(with:BUGY CRAXONE / the blondie plastic wagon)
10月9日(木)札幌 KRAPS HALL:Northern Blossom Records presnets“ノーザン ブラッサム ー北の花盛ー番外編”(with:鈴木由紀子&笈川司[BUGY CRAXONE]/ シノハラノブオ[the blondie plastic wagon])
10月12日(日)高崎club FLEEZ(with:LAST ALLIANCE / ASPARAGUS / PULLING TEETH / HOLSTEIN)
10月16日(木)下北沢SHELTER:Northern Blossom Records presnets“ノーザン ブラッサム ー北の花盛ー vol.3”(with:BUGY CRAXONE / the blondie plastic wagon)
10月22日(水)横浜Club Lizard(with:SCOOBIE DO)
10月26日(日)水戸LIGHT HOUSE(with:Radio Caroline)
11月6日(木)大分TOPS(with:BEAT CRUSADERS)
11月8日(土)松山サロンキティ(with:BEAT CRUSADERS)
11月13日(木)神戸VARIT.(with:ひとりTOMOVSKY / 騒音寺 / DJ:CHERRY BOWIE)
11月23日(日)渋谷O-EAST(with:the pillows / The Birthday / DOES)
◇FESTIVAL
10月11日(土)Honda Cars 宮城中央 presents“Mega☆Rocks 2008”
(宮城県:仙台市 Zepp Sendai、仙台CLUB JUNK BOX、仙台MACANA、LIVE HOUSE enn、Hook SENDAI、PARK SQUARE、Neo BrotherZ、HMV仙台一番町、Apple Store Sendai Ichibancho)
怒髪天 official website
http://www.dohatsuten.jp/
ご意見・ご感想・ZOOMY/OHZZY/SHIMMY/ZUMEXにチャレンジして欲しい企画大募集!!
〒169-0073 東京都新宿区百人町1-5-1 百人町ビル3F
有限会社ルーフトップ/ルーフトップ編集部『月刊・怒髪天』係まで